2018年12月7日金曜日

IPO分析(リンク)

【事業内容】
 「世界中の無駄を10%削減する」をビジョンに掲げ、小売業・卸売業・製造業の流通三層の在庫を最適化するためのソフトウェアパッケージ群「sinops(シノプス)シリーズ」を展開しております。 
 なお、当社の事業は「sinops事業」の単一セグメントであり、①「sinopsシリーズ」を一括販売型で提供するパッケージ販売、②「sinopsシリーズ」を利用料型で提供するレンタル販売、③「sinops」の導入効果を最大化するためのシステム構築及び運用構築を支援する導入支援サービス、④「sinops」の日常運用を支援するサポートサービスの4つのサービスを軸に事業を展開しております。また、当社には、エンドユーザーに対する直接販売及び販売パートナーによる販売の2種類の販売形態があります。 

(1)パッケージ販売
 当社のパッケージ販売は、小売業向け需要予測型自動発注システム「sinops-R6」を中心に、品揃え計画・棚割計画・棚割メンテナンス・発注端末・本部送り込み支援・賞味期限管理等の機能が統合されたソフトウェアパッケージ群を一括販売型で提供しております。また、卸売業向けキャッシュ・フロー最適化システム「sinops-W」、製造業向け中長期需要予測システム「sinops-M」といったように、流通三層それぞれに適したパッケージ製品を展開しております。当社のパッケージ販売の特徴は、他社事例を参考にした費用対効果の提示ではなく、顧客の実データを利用したシミュレーション結果に基づきsinops導入の費用対効果を具体的な金額で提示することにあります。

■需要予測型自動発注システム「sinops-R6」 
 「sinops-R6」はエキスパート法によるAI機能を搭載した小売業向け需要予測型自動発注システムです。特に牛乳・卵・豆腐・袋麺などの日配品や、惣菜、パンなど、賞味期限が短く、かつ、週に何度かのチラシ特売により価格も頻繁に変わるカテゴリへの自動発注における実績が多くあります。例えば、ある牛乳を50円引きで特売すると何割販売数が増えるのかの予測はもちろん、代わりに日頃最もよく売れている牛乳がその影響を受け何割販売数が減るのかというカニバリゼーション(共食い状態)を正確に予測する必要があります。カニバリゼーションを考慮しなければ、商品の賞味期限が複数の日付になる前に、余った商品に値引きシールを貼って販売せざるをえなくなり、その作業の無駄と値引きによる損失が発生してしまいます。さらに悪化し、廃棄するとその損失は収益に大きな影響を与えることになります。
 「sinops-R6」は過去のデータから商品ごとに販売価格別に数量PI(1,000人あたりの販売数)を自動計算するのみならず、影響を受けるライバル商品の数量PIも合わせて計算し必要に応じて発注数を抑制しますので、欠品による機会ロスのみならず、値引きロスや廃棄ロスをも合わせて改善することができます。

■店舗での発注業務をタブレット1つで完結「sinops-Pad/GOT」 
 「sinops-Pad」は、iPad/Windowsタブレット上で棚割を修正できるシステムであり、従来の棚割システムでは非常に面倒だった棚割修正をタブレット上で直感的に操作できるシステムです。その結果、棚割データが現場と一致しやすくなり、最適発注を継続するための重要な要素である棚割情報を正確に把握できるようになります。 
 また、「sinops-GOT」はiPad/Windowsタブレットを発注端末として利用できるシステムであり、「sinops-Pad」とセットで利用することで店舗の発注関連業務をワンストップで解決できます。 

(2)レンタル販売 
 レンタル販売は、パッケージ販売の一括販売型と異なり、利用料型で提供しております。顧客にとっては、ライセンス費用やサーバ費用といった初期導入コストを抑えられることがメリットとなります。 

(3)導入支援サービス
 導入支援サービスは、「sinopsシリーズ」を導入する企業に対して、基幹システムとのデータ連携、本部・店舗・拠点での運用構築支援及びインターフェイスなどのカスタマイズ開発のサービスを提供しております。当社の導入支援サービスの特徴としては、ただシステムを連携するのではなく、導入企業が「sinops」の導入効果を高めるための支援を行うことにあります。また、パッケージ販売もしくはレンタル販売した企業には、必ず導入支援サービスを提供し、導入企業が「sinopsシリーズ」の導入効果を出すことを最重要視しております。 

(4)サポートサービス
 サポートサービスは、「sinopsシリーズ」の導入支援サービスが完了した企業に対して、日々の問い合わせ対応、稼働・運用状況の監視、障害発生時のリカバリ作業及びKPIの維持・向上サービスを提供しております。 

【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 
(単独実績)2016.12 738 110 109 70 
(単独実績)2017.12 838 150 150 108 
(単独予想)2018.12 966 200 200 130 
(単独3Q累計実績)2018.12 637 142 141 96 

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当 
(単独予想 )2018.12 174.57 -  -  
調達資金使途 研究開発費・ソフトウエア制作費、人材採用費・人件費、知的財産取得費 

上場時発行済み株数 1,152,400株 (別に潜在株式64,400株) 
公開株数 285,200株(公募160,000株、売り出し88,000株、オーバーアロットメント37,200株) 

PER:20.5
PBR:配当利回り:
公募時吸い上げ資金:10.2億
公募時時価:41億
    

【株主構成】 
(同)南谷ホールディングス 役員らが議決権の過半数を所有する会社 400,000 37.85 
南谷 純 代表取締役社長の血族 140,000 13.25 
南谷 のどか 代表取締役社長の血族、従業員 100,000 9.46 
加藤 めぐみ 代表取締役社長の血族 100,000 9.46 
南谷 清江 代表取締役社長の配偶者 80,000 7.57 
南谷 浩 代表取締役社長 72,000 6.81 
情報技術開発(株) 取引先 20,000 1.89 
(株)日本アクセス 取引先 20,000 1.89 
社員持ち株会 特別利害関係者など 8,000 0.76 
西巻 昌美 特別利害関係者など 6,000 0.57 
永山 友和 従業員 6,000 0.57 

 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、貸株人かつ売出人である南谷浩、並びに売出人かつ当社株主である南谷純、南谷のどか及び加藤めぐみ、並びに当社株主かつ当社役員である木村安壽、並びに当社株主である合同会社南谷ホールディングス、南谷清江、リンク社員持株会、西巻昌美、永山友和、岡本数彦及び島井幸太郎、並びに当社役員かつ新株予約権者である林亨は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2019年6月22日(土)までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等は行わない旨合意しております。
 また、当社株主である大石知巳、紺谷健治及び久保祐、並びに新株予約権者である浅川三人は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2019年3月24日(日)までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、その売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所における売却等は除く。)は行わない旨合意しております。 


【代表者】
代表者生年月日
1954年10月24日生まれ 

代表者略歴
1978年04月 大都商事(株)(現ダイトロン(株))入社 
1982年01月 須磨電子産業(株)入社 
1987年10月 当社設立、代表取締役(現任) 
2017年12月 (同)南谷ホールディングス設立、代表社員(現任) 

【幹事団】
主幹事証券 SBI - - 
引受証券 大和 - - 
引受証券 みずほ - - 
引受証券 岩井コスモ - - 
引受証券 エース - - 
引受証券 藍沢 - - 
引受証券 エイチ・エス - - 
引受証券 極東 - - 
引受証券 東洋 - - 
引受証券 むさし - - 

【私見】
   業種としてはAIを使ったパッケージソフトの販売で、ストックビジネスとして面白さはあります。業績はPERは高くはなく、次の決算でもう一伸び期待したいところです。需給は、規模は小さく、売り要素もないので初値段階で高騰しそうですが、セカンダリーも気になります。

想定価額:3110円
仮条件上限:3580円
初値予想:10000円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立〜やや強気
総合評価4


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