2019年3月14日木曜日

IPO分析(Welby)

【事業内容】
 「Empower the Patients」を事業ミッションに掲げ、糖尿病・高血圧症などの生活習慣病をはじめとする様々な疾患の治療分野において患者の自己管理をサポートするPHRプラットフォームサービスを展開しております。
 当社が構築・運営する各疾患別のアプリを、主に医療者もしくは医療機関が患者に対してパンフレットを通じて当社のサービスであることを紹介し、患者が自らの意思により、アプリストア等から該当アプリをダウンロードして頂き、当社の利用規約等に同意した上で、自らの健康・医療情報等を当社のプラットフォームに保存して頂いております。当該プロセスにおいて、患者が不明点等生じる場合は、パンフレットに記載の当社カスタマーサポート部門にて、電話もしくはメールにてサポートさせて頂いております。
 医療者と患者がPHRプラットフォーム上で患者の健康・医療情報等を共有することで、本PHRプラットフォームサービスは疾病管理ツールとして機能します。具体的には、患者がアプリに記録したデータを医療者が定期的に確認し、またアプリを通じて、医療者が患者へメッセージ送信を行なうことができるなど、双方向のコミュニケーションをもって患者の治療継続の支援と行動変容を促進することで、治療による臨床上の効果を高めることが可能となります。
当社が提供するPHRプラットフォームは、患者の「治療継続の支援」や「自己健康管理の促進」にフォーカスしたものであり、医療者によるアプリの推奨のほか、医療機器メーカーや医薬品卸事業者との提携、製薬企業との連携、ウェブマーケティングの実施等、様々なチャネルを活用して拡大施策を講じており、2018年12月末時点で、各アプリの合計ダウンロード数は、53万回に達しております。

① 疾患ソリューションサービス
製薬企業からの依頼によるPHRプラットフォームの開発等であります。具体的には、当社は、生活習慣病領域、がん及び特定慢性疾患領域において、製薬企業からの依頼を受けて、主に新薬の上市に伴う医薬品の適正使用促進と疾患啓発のために、当該疾患に関わる医療従事者や患者からの意見を頂きながら、当該疾患領域の患者及び医療従事者向けに、疾患治療における自己管理や治療継続を支援、また医療機関や臨床研究との連携を促進するためのPHRプラットフォームサービスを開発・運営しております。製薬企業にとっては当該プラットフォームサービスを活用した活動を通じて、自社医薬品の医療従事者間における知名度の向上と、患者の治療継続へのサポートによる医薬品の売上増加等の効果が期待されます。
PHRプラットフォームサービスの構築に際しては、当社は当該分野の患者及び医療従事者の実臨床上の意見を頂きながら開発・運営しており、製薬企業よりプラットフォームのサービス構築費用(開発費用)及び利用料を頂いております。また、開発されたPHRプラットフォームは主に製薬企業のブランド名で患者及び医療従事者に提供されることとなりますが、プラットフォームサービスの運営については当社で担いサービスの保守、運用、カスタマーサポートなどを実施しております。
 疾患ソリューションサービスの売上高は製薬企業からのサービス構築費用を中心に、当社売上高の約7割強を占める状況となっており、プラットフォームサービスの導入製薬企業数、疾患数等と連動して、収益が変動する仕組みとなっております。本書提出日現在、当社は14社の製薬企業向けにサービスを提供しております。
また、当社は疾患ソリューションサービスの各PHRプラットフォームサービスを通じて蓄積した患者のPROデータについては、患者と医療従事者間の臨床上の情報共有のため当該患者の個別同意を前提に医療従事者へ提供しております。
製薬企業向けには、共同開発した対象サービスの利用患者数等の統計情報をマーケティング目的で提供しており、各患者個別データ(個人情報含む)については提供しておりません。
当社は、患者及び医療従事者からの信頼を第一と考え、匿名加工情報等の利活用を含めた、患者PROデータの患者同意を得ない形での第三者提供は計画しておりません。

② Welbyマイカルテサービス
Welbyマイカルテサービスは、糖尿病や高血圧症等生活習慣病全般、及び生活習慣病予備軍の患者の自己管理をサポートする当社自社構築・運営のクラウドサービスです。通信機能を持つ血圧計、血糖測定器、及びウェアラブル機器等とのデータ連携により、血糖値・血圧・体重などの測定値や、食事や運動などの疾患治療に必要なデータの記録を簡単にできます。また、患者が記録したデータを、ご自身の家族や、登録医療機関とデータを共有し、医師による治療サポートを受けることも可能です。
Welbyマイカルテサービスの売上高は、自治体の住民や一般企業の従業員の生活習慣病重症化予防ツールとしての利用料課金、機器メーカー、検査会社等医療周辺企業への月額利用料課金、及び有料利用医療機関へ月額利用料の課金によって構成されています。有料利用の企業数、医療機関数等と連動して、収益が変動する仕組みとなっており、当社売上高の約3割弱を占める状況となっています。
自治体及び一般企業向けには、近年、生活習慣病重症化予防におけるICT化の推進と各自治体、企業の地域住民及び従業員等への健康維持に対する意識の向上により、運動・血圧・食事・体重等記録データの自己モニタリング及び管理栄養士、保健師等の指導による生活習慣病の重症化予防サービス、及び重症化した場合に患者と医療機関をデータ連携して治療を受けるサービスを提供しており、自治体及び一般企業にとっては、対象者の生活習慣病重症化予防から治療まで一気通貫のサービスを住民及び従業員等へ提供することができます。
機器メーカー、検査会社等医療周辺企業向けには、当該企業がWelbyマイカルテのプラットフォームを利用することで、マーケティング上において、広告等を通じて医療機関や患者へ生活習慣病の治療に役立つ情報の提供、及び当該企業の計測機器と検査データ等をWelbyマイカルテに通じて、医療機関及び患者と連携することで、自社製品の利便性を向上しております。
医療機関向けには、大学病院や一般内科クリニックを中心に、「患者の継続治療への支援」、「患者治療アウトカム※の改善」、及び「診療業務の効率化」を主要な目的として導入を進めており、Welbyマイカルテを活用した治療事例が「日本糖尿病学会」や「日本高血圧学会」等の国内主要学会で紹介されております。また、徳島大学や福島県喜多方医師会等においては、地方公共団体及び医師会と共同して、市民を対象とした患者に血圧計を貸出し、糖尿病や高血圧症等の生活習慣病の自己管理、及びWelbyマイカルテを通じて担当医師に共有する地域連携のツールとしても導入されております。
 上記、自治体・一般企業、医療周辺企業、及び医療機関への導入が進むことにより、Welbyマイカルテのユーザーが登録したかかりつけ医療機関は9,000施設(無料利用施設を含む)を超えており、アプリのダウンロード数は40万回を超えており、60代以上ユーザーのアクティブ率(月に1度以上アプリを利用するユーザーの割合)は40%近くになっています。



【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益
(単独実績)2016.12 253 -136 -136 -136
(単独実績)2017.12 474  -73 -76  -76
(単独見込)2018.12 808 156  153  176
(単独予想)2019.12 1,083 200 184  156

1株当たりの数値(円)EPS BPS 配当
(単独予想)2019.12 82.04 856.47 0
調達資金使途 新規PHRプラットフォームの開発・改修費用、学会出展・セミナー開催費用、人材採用費

上場時発行済み株数 1,921,700株 (別に潜在株式154,000株)
公開株数 188,200株(公募66,700株、売り出し97,000株、オーバーアロットメント24,500株)
シンジケート 公開株数163,700株 (別に24,500株)

PER:63.4
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:9.8億
公募時時価:100億
    

【株主構成】 
比木 武 代表取締役社長 852,000 42.41 180
(株)デジタルガレージ ベンチャーキャピタル(ファンド)370,000 18.42 180
(株)ブライトリンクパートナーズ役員らが議決権の過半数を所有する会社 140,000 6.97 180
日本郵政キャピタル(株)ベンチャーキャピタル(ファンド) 110,000 5.48
姜 琪鎬 特別利害関係者など 100,000 4.98 180
成松 淳 特別利害関係者など 50,000 2.49 180
森下 満成 取締役(監査等委員) 42,000 2.09 180
高橋 朗 執行役員 37,000 1.84 180
立石 知雄 特別利害関係者など 32,000 1.59 180
(株)ワン 特別利害関係者など 30,000 1.49 180
サンエイト3号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 28,000 1.39 180

本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、貸株人かつ売出人である比木武、売出人である株式会社ブライトリンクパートナーズ、姜琪鎬、成松淳、森下満成、高橋朗及びサンエイト3号投資事業有限責任組合、当社株主である株式会社デジタルガレージ、立石知雄、株式会社ワン、サンエイトOK組合、株式会社キョーエン、姚志鵬、井上秀樹、池田宗高、小松恒彦、株式会社メディカル・インサイト、佐藤輝英、佐藤寿彦及び木野英明、当社新株予約権者である石橋太郎及び岸倫太郎は、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しにかかる元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の2019年9月24日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)の売却等を行わない旨を約束しております。


【代表者】
代表者生年月日 1973年08月19日生まれ
代表者略歴 年月 概要
1996年04月 住友商事(株) 入社
2007年09月 楽天(株) 入社
2009年01月 (株)メドピア入社 取締役COO
2011年09月 当社設立 代表取締役就任(現任)


【幹事団】
主幹事証券 SMBC日興 155,000 90.12
引受証券  みずほ 5,100 2.97
引受証券  大和 5,100 2.97
引受証券  岡三 1,700 0.99
引受証券  いちよし 1,700 0.99
引受証券  SBI 1,700 0.99
引受証券  マネックス 1,700 0.99


【参考類似企業】今期予想PER(3/1)
6034  MRT 76.1倍(連結予想 )
6078  バリューHR 27.3倍(連結予想 )
6095  メドピア 71.2倍(連結予想 )
6098  リクルートHD 34.3倍(連結予想 )
6888  アクモス 21.2倍(連結予想 )


【私見】
 業種としては時流に乗っており初物業種で抜群に良いと思います。業績も規模は小さいですが、急拡大していて成長性を加味すれば高PERが容認されると思います。需給は公開数が少なく、郵政キャピタルにロックがかかっていないこと以外は問題なく初値高騰が予想されます。HEROZ・サイバーダイン・パークシャー等の日興特有の仮条件を大幅に上げた銘柄のパフォーマンスは良いので、初値若しくはセカンリーで相当な人気となるでしょう。機関投資家も好みそうな業種で、総合的には今クール1.2を争う銘柄です。

想定価額:3660円
仮条件上限:5200円
初値予想:14000円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立~やや強気
総合評価4.5


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