2026年7月15日水曜日

IPO分析(アイ・グリッド・ソリューションズ)

 【スケジュール】

アイ・グリッド・ソリューションズ 603A 東証グロース 電気・ガス業 100株
仮条件決定 2026/07/10
ブックビルディング期間 2026/07/13 - 07/16
上場日 2026/07/29

【事業内容】

使用するエネルギーを旧来の化石燃料から太陽光発電等の“グリーンエネルギー”に転換することで、企業活動や社会の在り方を変革し、温室効果ガスの排出量を削減しつつも、新たな競争力を生み、成長を実現する取り組みは「グリーントランスフォーメーション」(以下、「GX」という。)と呼ばれており、日本の2050年カーボンニュートラルの実現に向け、社会全体が向き合うべき重要なコンセプトです。

当社は、「グリーンエネルギーがめぐる世界の実現」をビジョンに掲げ、以下の4つのアングルから、再エネの導入拡大等によるGX推進に取り組んでおります。

 

再エネを「創り・使う」:主に商業施設等を対象として、屋根上に太陽光発電設備(以下、「オンサイトソーラー」という。)を設置し、オンサイトソーラーが生み出す再エネで当該施設の電力需要の一部を賄い、脱炭素化の促進と電力コストの安定化を実現

再エネを「制御する」 :オンサイトソーラーと合わせて蓄電池も設置、日中に発電した再エネを蓄え、オンサイトソーラーが発電しない時間帯に使用する「タイムシフト」等による再エネの余すことない活用やBCP対応等、施設の多面的な機能強化を実現

再エネを「送る」   :オンサイトソーラーが発電する電力のうち、施設が消費しきれない余剰電力を活用し、グリーンエネルギーを需要家へ供給

再エネを「繋ぐ」   :他社開発再エネ発電所の生み出す再エネも当社の需要家ネットワークと繋ぎ、一層の再エネ活用を促進

 

当社におけるGX推進の最大の特徴は、上記のように再エネの創出、活用、供給を統合的に実現し得ている点です。この根幹を成すのは、当社の顧客である多数の電力需要家層、分散発電所であるオンサイトソーラーのネットワーク、そして、電力需給を最適化し両者を結びつけるテクノロジーであり、この「フィジカル(需要家・発電所)」と「デジタル(テクノロジー)」の融合した当社独自のAIプラットフォーム、「R.E.A.L. New Energy Platform」に当社の強みは集約されております。また、このプラットフォームは、余剰電力の活用という事業上の大きな特徴の基礎ともなっており、これらのコアコンピタンスに立脚して巨大なスケールでGX推進に挑んでいる当社は、「GXプラットフォーマー」と自認しており、脱炭素化の推進という社会的意義の大きい事業の発展に邁進しております。当社の事業セグメントは、「GXソリューション事業」及び「エナジートレーディング事業」の2つから成ります。

以下では、これら2つの事業セグメントと、両セグメントを横断し、当社固有の付加価値の源泉となっている「R.E.A.L. New Energy Platform」の技術要素について説明します。

 

(1)GXソリューション事業

① 概要

固定価格買取制度(以下、「FIT」という。)といった補助金制度を前提としない法人顧客向けの中小型オンサイトソーラーソリューションがGXソリューション事業の中核的なプロダクトであり、これは屋根面積が概ね1,000m2程度以上の商業施設等を対象に中小型のオンサイトソーラーを設置するものです。オンサイトソーラー所有権の帰属主体には様々な形態がありますが、設置施設のオーナー又はテナントとオンサイトソーラー所有者との間でPPAを締結し、これに基づき設置施設のオーナー又はテナントはオンサイトソーラーが発電する電力のうち、自らの消費分を買電します。また、施設におけるより効率的な再エネ活用を実現するために、オンサイトソーラーに、蓄電池やEV充電器を組み合わせて展開することも行っており、これらを通じて、再エネを創り・制御することがGXソリューション事業の内容であります。

 

当社は施設の屋根に設置する非FITのPPA型オンサイトソーラーの設置規模と運用において、2026年3月末時点で全国1,410施設、総容量約357MWの開発実績を有しております。

また、この開発実績のうち、太陽光発電設備の所有権が当社以外(当社が協業する提携先等)での実績も2026年3月末時点で全国344施設、総容量約103MWとなっており、自社保有・他者保有合わせ、一般にオンサイトPPA(電力需要家(顧客)の初期負担ゼロで発電事業者がオンサイトソーラーを設置し、発電電力のうち顧客消費分を顧客へ売電するもの)と呼ばれるこの分野での開発実績において、当社は大きなプレゼンスを有していると自負しております。

 

② 特徴

GXソリューション事業のサービス及び事業としての特徴は下記のとおりであります。

1.オンサイトソーラーから生じた余剰電力も活用可能

当社の設置するオンサイトソーラーは、設置施設で使い切れない余剰電力(施設で蓄電をする場合もありますが、その場合は蓄電した上でも使いきれない電力)の発生時に、これを当社が集約、電源として他需要家に供給できるという特徴を備えており、当社ではこれを「余剰電力循環スキーム」と呼称しております。

一般的なオンサイトソーラーでは余剰電力が発生した時、蓄電池等が併設されていなければ、これを活用することは不可能であり、余剰電力が生じたからといって簡単に売電できる訳でもないため、オンサイトソーラーの設置容量を制限する等によって、余剰電力が発生しないように調整を行っております。本スキームは、当社が開発したAIによって需要家の電力消費量及び余剰電力の発生量を高い精度で推計できることが技術的な基礎となっており、加えて、当社自身が小売電気事業者として余剰電力を再エネ電源として活用できる、すなわちエナジートレーディング事業にて需要家に供給する再エネの一部をGXソリューション事業の活動から獲得できるという背景があります。余剰電力の活用により、より効率的に再エネを活用することが可能になり、GXの一層効果的な推進が実現されます。

 

2.余剰電力の活用によって屋根面積を最大限活用したオンサイトソーラーが設置可能

一般的なPPA型オンサイトソーラーでは余剰電力を活用する術がないため、投資効率の観点で、屋根面積に関わらず想定される自家消費電力量を上限にオンサイトソーラーの設置容量を決定することが一般的ですが、当社の設置するオンサイトソーラーでは、自家消費分を上回る余剰電力まで余すことなく活用できるため、施設の屋根面積を最大限に活用して自家消費量を超える電力を生み出す規模のオンサイトソーラーを設置し、再エネの大きな創出・施設への安価な再エネの供給に寄与することが可能となります。

 

3.FIT制度を使わずとも経済的に成り立ち、かつ、様々な比較優位性を有す

当社はオンサイトソーラーの設置に当たりFIT制度を活用しておらず、FIT制度の補助金に依らずとも経済的に成立する持続可能性の高い事業モデルを実現しております。これは、従来型のFIT制度等の政策に依拠した運営事業・再エネビジネスとは異なる点であります。

当社のオンサイトソーラーはFIT制度を利用したメガソーラーに対して様々な比較優位性があります。商業施設等の屋根上に設置されるため、開発時の環境破壊は生じず、設置可能場所が極端に制限されることもありません。また、FIT制度利用に際して発生する「再エネ賦課金」という国民の経済的負担も生じない他、発電された電力の売電先が送配電事業者に固定化されており、政策に依拠した売電以外には収益を上げることが難しいFIT制度利用の場合と異なり、PPA締結の相手方である企業・自治体等の需要家と直接契約関係にあるため、売電に加えて蓄電池やEV充電等のソリューションと組み合わせて提供することもできます。更には、土地造成が不要で制度上の申請期間もFIT制度利用時に比べ短期間で済むことから、完工までの期間が格段に短く、当社では常に複数案件の開発を同時に手掛けており、概ね1営業日に発電所ひとつを上回るペースで完工しております。これらの観点から、FIT制度を利用する場合に比べ、環境・経済合理性いずれの観点からも発展的なアプローチであると考えております。

 

4.導入施設は初期費用ゼロで導入メリットが大きい

当社のオンサイトソーラーは、売電の顧客となる導入施設のオーナー又はテナントに初期費用ゼロで導入いただいております。顧客企業の観点から見ると、初期投資ゼロで太陽光発電設備を導入して脱炭素化を推進できる、長期にわたる電力コスト変動リスクの一定の軽減が可能となる、電気料金の軽減が可能となる等のメリットを享受できることから、導入メリットの大きいサービスとなっております。

このように訴求力があるサービスであることから、当社のオンサイトソーラーは、施設面積が比較的大きく日中の電気使用量が大きい等、導入メリットが大きい各地の商業施設で多数導入頂いており、例えば、当社が営業上得意とする業種であるGMS(General Merchandise Store:総合スーパー)及びスーパーマーケットでは、2026年3月末時点で、東証プライム上場企業18社中、11社に導入頂いております。また、2026年3月末時点で、全業種におけるPPA累計契約社数は389社となっております。

 

5.特定の開発案件に大きく業績を左右されることがなく、安定的な事業成長が可能

巨額の投資を伴う大型再エネ発電所の開発では、特定の開発案件の成否が大きな事業上のリスクとなるのが一般的ですが、当社では常時多数の中小型発電所開発を手掛けており、特定の開発案件の成否に当社全体の業績が左右されることはありません。2026年3月末時点で、当社は373件の契約済オンサイトソーラー開発案件を抱えており、常時多数の開発案件を抱えていることに加えて、案件の地域的分散も相まって、安定的に事業成長を追求することができます。

 

③ サービスの具体的な展開パターン

GXソリューション事業のサービス展開は、オンサイトソーラーや蓄電池、EV充電器等、設備所有主体の違いに応じて、大要下記3つのパターンに分類されます。

 

a.設備が当社に帰属する「PPAサービス」

各種設備が当社に帰属するスキームを「PPAサービス」と呼称しており、これは当社の初期投資負担によってオンサイトソーラーや蓄電池等を開発し、これら設備は当社に帰属します。この結果、これら設備から生じる売電収入等の収益は当社が享受いたします。「PPAサービス」の中心的なサービスであるオンサイトソーラーにおいて、当社と本サービスの顧客である施設のオーナー又はテナントとの間で締結するPPAの基本的な契約期間は20年間であり、なおかつ、2025年6月末時点で、これまでPPAを締結したオンサイトソーラーで解約や顧客の倒産等に至った事例は極めて限定的であることから、「PPAサービス」は当社が長期にわたり安定的に、売上総利益率(2025年6月期実績で39.2%)の高いキャッシュ・フローを獲得できるスキームであります。

 

b.設備が第三者企業に帰属する「インテグレーションサービス」

第三者企業に設備が帰属するスキームを「インテグレーションサービス」と呼称しており、これは第三者企業の初期投資負担によってオンサイトソーラーや蓄電池、EV充電器を設置し、これら設備は当該第三者企業に帰属します。基本的には、当該第三者企業とは設備導入施設のオーナー又はテナントであります。

「インテグレーションサービス」では、PPAの締結主体とならない当社は売電収入を得ない代わりに、主に第三者企業の設備導入時に商材としてのオンサイトソーラーや蓄電池等の機器調達、開発管理を中心とする手数料を一括で受領し、その他も必要に応じてO&M( Operation and Maintenance / 当該設備等の運用、保守・メンテナンス)や余剰電力の買取等のPPA事業に必要な各種機能を提供することでランニングでの手数料も受領いたします。

 

c.設備がアライアンスパートナー等に帰属する「アライアンスソリューション」

アライアンスパートナー等に設備が帰属するスキームを「アライアンスソリューション」と呼称しております。上記のa.「PPAサービス」及びb.「インテグレーションサービス」は、当社が事業主体となり直接オーナー又はテナントへサービスを提供するスキームであることに対し、「アライアンスソリューション」は、事業会社や金融機関、自治体等とパートナーシップを結び、フランチャイズ展開的に事業を行うスキームです。パートナーシップの形態として、ジョイントベンチャー(以下、「JV」という。)を設立する場合としない場合とがありますが、いずれの場合も、設備はJV又はパートナーに帰属し、設備投資もJV又はパートナーの資金負担によって行われます。当社は、案件開発時にノウハウ提供等に基づく開発報酬を一括で獲得し、案件開発後においてもAM( Asset Management / 当該設備資産の管理)/O&M、余剰電力の買取等の各種機能提供を通じてストック収入を継続的に確保できます。

「アライアンスソリューション」における開発の進み方には、①当社が営業を行い、当社資産としてオンサイトソーラーを開発し、完工後にJV又はパートナーに譲渡する場合と、②JV又はパートナーが営業を行い、当初からJV又はパートナーの資産として開発が開始され、当社はその開発を受託する場合とがあります。いずれも、完工時に譲渡収入又はノウハウ提供等による開発報酬として、当社はフロー収入として一括で収益を獲得できるとともに、完工後もAM/O&Mや余剰電力の買取等の各種機能提供を通じて、ストック収入を継続的に獲得できます。①の「アセット譲渡型スキーム」においては、当社が営業を担うことから譲渡時により大きなフロー収入を獲得できるとともに、譲渡後もAM/O&Mや余剰電力の買取等の各種機能提供を通じて、ストック収入を継続的に獲得できます。また、「PPAサービス」に対する位置づけとしては、当社の営業力を活かしつつも、当社自身の借入余力に依存せずパートナー資金による開発が可能になります。

 

「アライアンスソリューション」では、当社は商材としてのオンサイトソーラーやPPA事業に必要な機能を提供、パートナーは資金調達や資産の保有を担います。また、需要家のソーシング・獲得に関しては、「アセット譲渡型スキーム」では主として当社が、上記②の「開発受託型スキーム」では主としてパートナーが担っております。このように、当社が蓄積してきたノウハウと、パートナーがもつ資金調達力や地域ネットワークを組み合わせることにより、業種を問わず当社単独ではアクセスしがたい地域企業施設も含めた、良質なオンサイトソーラー案件をスピーディーに獲得することを目指しています。

 

以上のように、GXソリューション事業で提供する各種ソリューションの設備及びそこから生み出される収益が当社に帰属しない「インテグレーションサービス」及び「アライアンスソリューション」は、「PPAサービス」の場合に当社が獲得する長期安定的なストック収益ではなく、オンサイトソーラー等の導入時に当社が一括で収入を得るフロー収益により重きを置いたスキームとなっております。「PPAサービス」と比較して、当社での収益認識、キャッシュ・フロー獲得、いずれもが前倒しされ、当社の設備投資負担が軽減されることも相まって、財務的負担を抑制しつつ、大きな事業成長と当社全体における利益の向上を追求できるスキームとなっております。パートナー等で資金調達や資産の保有を行いつつ、当社とパートナー等双方の顧客基盤を活用しながらオンサイトソーラーの開発を加速することで、当社としてはB/Sへの影響を抑えながらアセットライトな形での事業拡大を進め、収益性及び資本効率を更に高めていくことを目指しております。

なお、「インテグレーションサービス」、「アライアンスソリューション」を通じて設置されるオンサイトソーラーは、「PPAサービス」で設置される設備と同一の仕様であり、それらオンサイトソーラーから生じる余剰電力は当社が資産の所有者から購入して集約し、活用することができるものであります。「インテグレーションサービス」、「アライアンスソリューション」を通じて、当社の財務的余力を制約とせずにオンサイトソーラーの導入を大きく加速することによって、当社が活用できる再エネ/余剰電力の総量も、一層増大いたします。

 

「アライアンスソリューション」イメージ(JVを設立する場合の例示)

 

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なお、オンサイトソーラーに蓄電池やEV充電器、空調制御等の様々な機能を付加し、統合的にサービス提供するソリューションは「GX Store」(流通小売企業向け)又は「GX Logistics」(物流企業向け)というサービス名で「インテグレーションサービス」のスキームにて顧客へ提供しております。

例えば、蓄電池をオンサイトソーラーに組み合わせた場合、日中に生み出された再エネのうち、自家消費に充当されなかった余剰電力を、蓄電池を通じて夜間へタイムシフトさせることにより、施設における再エネ利用量(再エネ自給率)を一層増大させることができます。その他、電力使用量の多い時間に蓄電池から放電することで電力系統からの買電量を減らす(ピークカット)ことにより、電力系統から購入する電力料金を低減させることも可能となります。

 

蓄電池を活用したタイムシフト及びピークカットのイメージ

 

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また、蓄電池容量を超えて余剰電力が発生する場合には、顧客企業の保有施設のうち、PPAを導入していない施設へも余剰電力を融通することで、複数施設間での再エネ利用量の増大も実現されます。本サービスの活用により、施設のGXに加えオンサイトソーラーが生み出す電力や蓄電池に蓄えられた電力が災害時の事業継続を可能にする他、当該施設が近隣住民のライフラインとして災害レジリエンス拠点化する等、脱炭素化に留まらない、いわば「エネルギーのハブ拠点化」ともいうべき多面的な機能強化のメリットを享受することが可能となります。

GXソリューション事業における蓄電池、EV充電器等の展開方法としては、新規顧客に対する販売に加え、既に単体でオンサイトソーラーを設置済みの既存顧客に対する追加のサービスとしてアップセルすることも営業上重視しております。

 

(2)エナジートレーディング事業

当社のエナジートレーディング事業では、「特別高圧」・「高圧」・「低圧」という全ての電圧区分で、「法人」・「家庭」と幅広い需要家に対して電力小売を行っており、オンサイトソーラーから生み出された再エネの一部を実質CO2排出量ゼロ(再生可能エネルギー由来の環境価値を組み合わせることで、再生可能エネルギー比率100%かつCO2排出量ゼロの電気の供給を実質的に実現するもの)の電力プランとして供給する等、環境に優しいエネルギーの供給に力を注いでおります。

さらに2025年7月からは、GXソリューション事業で生み出された太陽光電力を活用した新サービス「循環型電力」を開始いたしました。「循環型電力」は、屋根上・駐車場などに設置した太陽光発電設備から自家消費分を超えて生み出された余剰電力を集約し、地域内の他施設等へ長期にわたって供給する電力シェアリングサービスです。これにより、構造上の理由や賃貸条件などで太陽光パネルの設置が困難な施設に対しても、「設置工事不要」「最短2か月」で再エネ導入を可能とし、企業や地域における脱炭素化を力強く後押しします。

エナジートレーディング事業の大きな特徴は、GXソリューション事業において創出された余剰電力を集約し、電力供給において再エネの安定的な調達源として活用できるという点にあります。GXソリューション事業が当社事業全体の中で「再エネを創り、制御する」機能を果たしているのに対し、エナジートレーディング事業は創り・制御した再エネも含め電力を「送る」・「繋ぐ」という機能を果たしております。

エナジートレーディング事業としては、GXソリューション事業から生み出された再エネを電源の一部として活用することで、再エネを志向する需要家へ供給できるというメリットを享受している一方、GXソリューション事業としては、エナジートレーディング事業を通じて余剰電力を他の需要家へ供給するというオペレーションが展開できることで、施設の屋根面積を最大限に活用して自家消費量を超える余剰電力を生み出す規模のオンサイトソーラーを設置し、再エネの大きな創出に寄与することが可能となっております。加えて、エナジートレーディング事業が生み出した収益の一部はオンサイトソーラーの新設に活用されております。このように 、エナジートレーディング事業とGXソリューション事業は相互に不可分な重要な機能を果たし、大きなシナジーを生んでおります。

 

エナジートレーディング事業で供給する電力のうち、一部は一般社団法人日本卸電力取引所(以下、「JEPX」という。)等から調達しております。2021年10月から2023年2月にかけてのJEPXスポット価格高騰の影響を受け、電力調達コストが2倍近く上昇(当社2022年6月期実績10.53円/kWh、2023年6月期実績19.21円/kWh)する状態が見られたことから、当社は2023年1月に電気需給約款及び電気供給約款(低圧)を改定し、顧客への電力供給において、当社が調達する電源に占めるJEPXからのスポット電源調達相当分に関しては、JEPXスポット価格に連動して各月の電力料金を設定するモデルを採用いたしました。なお、発電事業者から電源の一定量を相対で調達することで、JEPXからの調達量を抑制しており、今後もこのオペレーションを継続する方針であります。これらにより、電源調達コスト変動の影響は限定的となり、及び電源の安定的な調達を実現し、エナジートレーディング事業の採算安定化を実現しております。また、今後の事業展開に伴い、GXソリューション事業を通じて当社が活用できる余剰電力量が更に増大すると、当社がJEPX経由、及び相対で調達する電力量が減少するため、エナジートレーディング事業顧客への供給価格安定化にも繋がります。

 

(3)それぞれの事業を支える固有のAIプラットフォーム「R.E.A.L. New Energy Platform」の技術的優位性

GXソリューション事業で生まれる余剰電力を他施設へ融通するには、送配電網を介して電力を流す必要があります。その際、当社のような電力事業者は地域ごと・30分単位で翌日の供給予定量を送配電事業者に事前通告しなければならず、実際の供給量との差分が生じると、その分に応じた「インバランス料金」というペナルティを支払う必要があります。このため、余剰電力を需要家へ供給するためには、発生する余剰電力、つまり送配電網に流す電力量を精緻に見積もることが不可欠です。

当社がオンサイトソーラーを設置する施設は2026年3月末時点で1,400以上あり、規模、日照条件や電力需要パターンなどはそれぞれ異なります。加えて天候などの要因も刻々と変化するため、全施設の需要・発電量・余剰電力量をリアルタイムかつ個別に予測することは極めて困難であって、人間の力はもちろん、固定的なアルゴリズムではこの複雑な計算は解決できません。この技術的課題を解消するのが当社独自のAIプラットフォーム「R.E.A.L. New Energy Platform」であると考えております。

「R.E.A.L. New Energy Platform」は各施設・設備に設置されたエッジ端末とAIモデルで構成されています。エッジ端末が様々な機器から発電量や使用量等をリアルタイムで収集し、施設ごとに別個に割り当てられたAIモデルがこれらデータ等を用いて需要と発電量の予測を行います。学習初期のモデルは類似条件で稼働する他のAIモデルから支援を受けながら精度を高めていきます。

また、円滑な事業運営に繋げるべく、「R.E.A.L. New Energy Platform」に集約される様々なデータを活用するアプリケーションの開発も行っております。予測データを活用した送配電事業者に通告する余剰計画の作成や各施設の太陽光発電状況監視、収支管理、請求書作成等を行う業務アプリケーション、各施設データの可視化やダウンロード、蓄電池や空調の制御機能を提供する顧客向けアプリケーションなど、利用シーンや利用者に応じて適切な機能を提供する多様なアプリケーションが同一プラットフォーム上で実用化されております。

このように多数のAIモデルの力を活用する「R.E.A.L. New Energy Platform」によって、複雑な余剰電力量の精緻な予測が可能となり、余剰電力循環スキームが実現しています。「R.E.A.L. New Energy Platform」のAIは当社が過去約20年間に亘り、8,000以上の施設で蓄積した電力使用量のビッグデータと省エネSaaSを展開してきたノウハウを基礎に開発されており、日々進化を続けています。膨大な知見に裏打ちされたこのプラットフォームは、他社による模倣が困難な当社固有の技術的優位性であると認識しております。

  

【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2027/06 単独会社予想 30,966 3,844 3,080 2,140
2026/06 単独3Q累計実績 18,543 2,653 2,131 1,499
2026/06 単独会社予想 25,464 3,238 2,497 1,723
2025/06 単独実績 22,939 3,139 2,389 1,595
2024/06 単独実績 19,256 1,277 1,144 -2,631


決算期 種別 EPS BPS 配当
2027/06 単独会社予想 61.88 349.92 0.00

上場時発行済株数 34,799,000株(別に潜在株式4,390,000株)
公開株数 12,351,500株(公募2,689,000株、売り出し8,051,500株、オーバーアロットメント1,611,000株)
調達資金使途 設備投資および関連費用、人材採用・教育研修費用、外部コンサルティング費用

PER:12.4
PBR:2.2
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:95億
公募時時価:243億

親受け​

・伊藤忠商事株式会社 取得株数500,000株(3.5億円)を上限として要請を行う予定であります。

・UntroD野村クロスオーバーインパクトファンド投資事業有限責任組合 取得金額3億円を上限として要請を行う予定であります。

【株主構成】 

伊藤忠商事(株) その他の関係会社 7,940,000 21.75% 180日
THE FUND投組 投資業(ファンド) 4,775,000 13.08% 180日
ES&Gパートナーズ投組 投資業(ファンド) 2,900,000 7.95% 180日
関西電力(株) 特別利害関係者など 2,600,000 7.12% 売出2,600,000 
(株)シグマクシス・ホールディングス 特別利害関係者など 1,750,000 4.79% 売出1,750,000
芙蓉総合リース(株) 特別利害関係者など 1,500,000 4.11% 売出550,000  180日
JA三井リース(株) 特別利害関係者など 1,355,000 3.71% 売出406,500 180日
本多聡介 取締役会長 1,310,000 3.59% 180日
コタエル信託(株) 新株予約権信託の受託者 1,145,000 3.14% 180日
東急不動産(株) 特別利害関係者など 1,075,000 2.95% 180日
秋田智一 代表取締役社長 850,000 2.33% 180日
片山晃 特別利害関係者など 750,000 2.05% 180日
山口貴弘 特別利害関係者など 750,000 2.05% 180日

売 出 株 放 出 元  

DG りそなベンチャーズ1号投資事業有限責任組合 500,000 株

㈱日商インターライフ 400,000 株 

鈴与商事㈱ 235,000 株

WMグロース3号投資事業有限責任組合 165,000 株

中島 丈俊 150,000 株

紀陽成長支援1号投資事業有限責任組合 150,000 株 

あいおいニッセイ同和損害保険㈱  150,000 株

堤 郁子 130,000 株

みずほ成長支援第4号投資事業有限責任組合 125,000 株

三井住友海上火災保険㈱ 125,000 株 

山下 憲明 110,000 株

イノベーション・エンジンPOC投資事業有限責任組合 85,000株 

オークファンインキュベート1号投資事業有限責任組合 80,000株 

本多 聰介  60,000 株

㈱ニラク 60,000 株

ちゅうぎんインパクトファンド投資事業有限責任組合 45,000 株

ちゅうぎんインフィニティファンド2号投資事業有限責任組合 45,000 株 

東 祐司 40,000 株

イノベーション・エンジンPOC第2号投資事業有限責任組合 20,000 株 

田丸 浩昭 10,000 株 依田 和也 10,000 株 升田 純江 10,000 株 諸井 通晃 10,000 株

柴田 千鶴子 10,000 株

今村 雅宏 5,000 株 西本 悦子 5,000 株 渡辺 房子 5,000 株  加藤 孝治 5,000 株

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、貸株人である伊藤忠商事株式会社、売出人である芙蓉総合リース株式会社、JA三井リース株式会社、本多聰介、鈴与商事株式会社、中島丈俊、みずほ成長支援第4号投資事業有限責任組合、紀陽成長支援1号投資事業有限責任組合、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社、株式会社ニラク、ちゅうぎんインパクトファンド投資事業有限責任組合、イノベーション・エンジンPOC第2号投資事業有限責任組合、オークファンインキュベート1号投資事業有限責任組合、東祐司、田丸浩昭、依田和也、升田純江及び今村雅宏、当社株主であるTHE FUND投資事業有限責任組合、ES&Gパートナーズ投資事業有限責任組合、東急不動産株式会社、秋田智一、片山晃、山口貴弘、東京センチュリー株式会社、株式会社ウエストエネルギーソリューション、井上北斗、川野裕介、株式会社サンベルクス、IE FAST&GREAT投資事業有限責任組合、千代藤隆一、株式会社いちい、ウェルジャパン株式会社、株式会社アンツビズシェア及び株式会社インフォランス並びに当社新株予約権者であるコタエル信託株式会社、中田裕之、加田木太朗、岩崎哲、大﨑亜紀、大野秀二、中村宏、那須智仁及び当社従業員7名は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2027年1月24日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、元引受契約締結日に保有する当社普通株式(当社新株予約権を含む。)の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等を除く。)を行わない旨合意しております。

【代表者】

代表者名 秋田 智一(上場時49歳8カ月)/1976年生
本店所在地 東京都港区虎ノ門
設立年 2004年
従業員数 153人 (2026/05/31現在)(平均40.3歳、年収749.2万円)
事業内容 ・分散型エネルギー資源などを統合活用可能なプラットフォームの開発・運営<br>・オンサイトソーラー発電所の開発・運営およびそれらの支援・コンサルティングサービス<br>・蓄電池やEV関連サービスを含む、GX(グリーントランスフォーメーション)促進に係る各種サービス提供<br>・再生可能エネルギー資源の効率的な使用/循環を目的としたエナジートレーディングサービス
URL https://igrid.co.jp/
株主数 65人 (目論見書より)
資本金 103,751,000円 (2026/06/25現在)

【幹事団】

主幹事証券 野村 - -
引受証券 みずほ - -
引受証券 SBI - -
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - -
引受証券 SMBC日興 - -
引受証券 松井 - -
引受証券 中銀 - -

【参考類似企業】今期予想PER(7/7)

1407 ウエストHD 13.7倍 (連結予想)
1436 グリーンエナシ 21.8倍 (連結予想)
3150 グリムス 10.8倍 (連結予想)
5582 グリッド 32.8倍 (単独予想)
9519 レノバ 6.0倍 (連結予想)

【私見】

 エネルギー関連で、パワーエックスのような
インパクトある銘柄か、期待外れだったデジタルグリッドのような銘柄かの判断になりますが、どちらかというと後者のイメージではあります。来期の業績予測から、割高感はありませんが未知数ではあります。伊藤忠やファンドは残りますが、関電とシグマクシスの売出しが終わり、売り出し株主を見ても売出し色が強いです。親引け6億を引いても吸収金額が85億と大きいことから買い需要はあるとは思えず、公募近辺と予想とします。 

想定価額:710円
仮条件上限:770円
初値予想:770円
ブック申し込み度・・・中立
セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3

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