【事業内容】
当社(イシン株式会社)、子会社3社(Ishin USA, Inc.、Ishin Global Fund Ⅰ Limited及び Ishin Global Fund Ⅰ L.P.)、関連会社1社(GMOベンチャー通信スタートアップ支援株式会社)により構成されており、公民共創事業、グローバルイノベーション事業、メディアPR事業の3つの事業を主な事業として展開しております。いずれの事業においてもメディアを起点に新たな市場へ参入し、顧客の課題を解決するソリューション及びプラットフォームを立ち上げてまいりました。
サービス区分ごとの定義は以下の通りです。
・メディア :当社メディアに広告掲載することで収益を得るサービス。
・プラットフォーム:主な収益はシステム利用料が中心で、同サービス上で顧客とステークホルダーの双方向性のあるサービス。
・ソリューション :上記2区分には含まれない、顧客ニーズに合わせたカスタマイズ性の高いサービス。
なお、Ishin Global Fund Ⅰ L.P.は東南アジアやインドのベンチャーキャピタルファンドに投資する投資事業組合であり、Ishin Global Fund Ⅰ Limitedはその運営管理を行っております。当該ファンドは主に東南アジア・インドのファンドへの投資活動及びベンチャー投資家へ海外スタートアップの情報提供を行うなど、当社グループが展開する各事業との連携や相乗効果を目的として運営しているものであり、各セグメントには配分しておりません。
(公民共創事業)
自治体と民間企業をつなぐ事業として、自治体デジタルトランスフォーメーション(DX)を中心に、防災・危機管理、学校教育・生涯学習、公共インフラ、健康福祉、地方創生などのテーマで、主に大手・中堅企業の自治体向けマーケティング等の業務を一気通貫で支援しております。
当社は、自治体・民間企業の両者の間に立ち、サービスを通じて両者の課題解決を支援しております。
① BtoGプラットフォーム
企業の自治体向けのWEBマーケティングを総合的に支援するサービスであります。主な提供サービスは、自治体職員向けに運営しているWEBメディア「自治体通信Online」にて、各企業の専用ページを設置することができ、雑誌『自治体通信』に掲載した記事だけでなく、各企業のソリューション紹介やサービスカタログの設置が可能となっております。また、各企業のサービスリリースやセミナー開催などの情報を告知が出来たり、自治体職員向けのメールマガジンにて各社のソリューションの紹介も行っております。また、企業の自治体向けのマーケティング施策について、当社の社員と定期的に相談ができるカスタマーサクセスサービスもございます。以下が提供している具体的なサービスであり、プラットフォームを利用している民間企業からの月額利用料に係るSTOCK売上(注2)が主な収益となっております。
<BtoGプラットフォームのサービス内容(2024年1月末時点)>
同サービスは、ライトプラン・スタンダードプラン・プレミアムプランの3つのプランを提供しております。ライトプランは①~③のみ、スタンダードプランは④⑤まで、プレミアムプランは⑥までが提供サービスとなっております。各プラン最低12か月以上の契約となっており、基本的な月額費用は、ライトプラン:3.5万円、スタンダードプラン:10万円、プレミアムプラン:契約内容に応じて変動となっております。
② 自治体通信
2014年創刊の『自治体通信』は、課題解決に取り組む自治体とその取り組みをサポートする民間企業を紹介する情報誌です。2023年3月期の発刊回数は11回で、全国約1,780か所の自治体に無料で毎号約34,800部(2024年1月発刊号実績)を、掲載企業がリーチしたい自治体の担当課に直接配送しております。
民間企業の雑誌掲載に係る広告掲載に係るSPOT売上(注)が主な収益となっており、ソリューションを提供する民間企業のインタビューと自治体の導入事例のインタビューをセットにした記事広告を『自治体通信』の誌面に掲載しております。自治体でのソリューションの導入事例を紹介することにより、読者である自治体職員に導入イメージを喚起し、導入の動機形成を促す効果があるものと認識しており、自治体職員との商談獲得、商談資料として多面的に活用いただいております。また、雑誌という形態は、一定数あるとみられる自治体での回覧文化に沿ったものでもあり、セキュリティ対策のため庁内のWEBの利用環境に制限がある自治体も多いことから、雑誌媒体によるプロモーションの有用性は高いと考えております。
③ テレマーケティング、ウェビナー等の各種ソリューション
民間企業向けに自治体に対する架電業務を代行するサービスであります。具体的には、ターゲットとなる自治体のリストやトークスクリプトを作成し、当社専門チームにて自治体へ架電を行い、顧客に自治体のリード情報(資料請求した自治体の名称・担当課・担当者氏名・メールアドレス等)や調査レポートを納品いたします。当サービスでは、業務支援として、主に架電量に応じた収益を得ております。
ウェビナーは、自治体職員を集客対象としたオンラインイベントやセミナー、展示会を企画・開催するサービスです。民間企業の協賛を募り、協賛企業のソリューションのPRや、参加者リードの獲得を支援しております。いずれの場合も、民間企業からプランに応じ費用を徴収しております。各種ソリューションサービスは、主にSPOT売上が中心となっております。
(グローバルイノベーション事業)
日系大手企業と国内外のスタートアップをつなぐサービスとして、成長産業に特化した情報提供サービスや各種ソリューションを通じて、大手企業のオープンイノベーションの推進を支援しております。
日系大手企業担当者(主に新規事業開発・R&D・経営企画担当者)及びスタートアップの課題、提供するサービスは以下の通りです。
① BLITZ Portal(ブリッツポータル)
日系大手企業向けに、成長産業に特化した情報ポータルサイト「BLITZ Portal(ブリッツポータル)」を提供しております。当社グループは日本、米国サンフランシスコに拠点を置き、グローバルで活動する契約リサーチャーやライターと連携しながら、国内外の成長産業の市場やスタートアップ、技術の動向を、レポートやデータベースとして提供しております。
成長産業においては変化が激しいゆえに整理された情報が少なく、かつ特に海外のスタートアップについては情報源が英語に限られていることが多くなっております。当社グループは成長産業の市場やスタートアップ、技術の動向を日々情報収集し、独自レポートとして日本語でわかりやすく整理しております。また、米国の大手スタートアップデータベースである「Crunchbase(クランチベース)」を運営するCrunchbase, Inc.(クランチベース)とライセンス契約を結んでおり、「BLITZ Portal」に「Crunchbase」のデータの日本語版を搭載し、約305万社(2024年1月末時点)の国内外の企業データベースを保有しています。さらに、当社グループの取材先スタートアップは日本企業との協業を期待している企業が多く、当社グループは取材先スタートアップと日系大手企業をマッチングするサポートも行っております。
② 研修・イベントサービス
スタンフォード大学やカリフォルニア大学バークレー校の教授を講師として招いたグローバルイノベーション研修や、オープンイノベーションに特化し大手企業やスタートアップが登壇する大型イベントなど、日系大手企業のイノベーション活動を支援する様々なソリューションを展開しております。当サービスでは、研修提供に係る収益及びイベントの協賛や参加に係るSPOT売上が中心となっております。
③ TECHBLITZ
世界のスタートアップエコシステムを取材・調査し、イノベーション創発に役立つコンテンツを配信しているメディア「TECHBLITZ」を運営しております。読者は無料で閲覧できるメディアとなっており、国内外の有望スタートアップに取材し先進事例となるソリューションや技術を紹介するインタビューコンテンツや、事業会社やVC・学術関係者からイノベーション創発の事例、概況、トレンドに係るコンテンツを掲載しており、大手企業の担当者が日々情報収集をする際に活用されております。
(メディアPR事業)
主に成長ベンチャー企業向けにブランディング及び採用支援を行っております。近年、クチコミやSNSなどで風評被害につながるケースが増加しており、企業が正しい情報をステークホルダーにわかりやすく伝達する必要性が高まっております。
メディアの広告やCMSの提供を通じて、顧客がステークホルダーに対して自社の魅力やビジョンを発信することを支援しており、特に採用需要の旺盛な成長企業を中心に導入が進んでおります。また、成長ベンチャー企業の経営者とのネットワークを活かした大型のカンファレンスも開催しております。
成長ベンチャー企業の経営者及びステークホルダーの課題、提供するサービスは以下の通りです。
① 各種メディア
複数のメディアを運営しており、その中でも主力メディアは、ベンチャー業界メディアの『ベンチャー通信』「ベンチャー通信Online」であります。提供サービスの特徴は2つあり、1つは企業の伝えたいメッセージをユーザーにわかりやすく伝える記事広告を制作している点であります。もう1つはSEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)の効果が期待できる点で、顧客の社名・社長名で検索した際に、当社サイトに掲載されている記事が検索順位の上位に表示されやすくなっております。当サービスでは、雑誌掲載に係るSPOT売上及びオンラインメディア掲載に係る月額の広告掲載料に係るSTOCK売上が主な収益となっており、主に経営者インタビューを中心とした記事広告を『ベンチャー通信』「ベンチャー通信Online」に掲載しております。
また、もう一つの主力サービスである「ベストベンチャー100」は、成長が期待されるベンチャー企業向けの有料会員制サービスとなっており、会員企業に対するコミュニティ形成及び会員企業のブランディングや採用支援を目的として、WEBメディア「ベストベンチャー100」の掲載や、カンファレンス及び経営者交流会を開催しております。当サービスは、会員企業からの月額会員費用に係るSTOCK売上が主な収益です。
② HIKOMA CLOUD
企業の採用ページ制作に特化したCMSを提供し、自社サイトを通じた採用活動の支援をしております。CMSの提供の他にも、コンテンツ制作の支援やカスタマーサクセスチームの伴走のもと、サイト改善や求人広告の運用サポートを行っております。当事業は、CMSの月額利用料及び求人広告の運用の手数料といったSTOCK売上が主な収益となります。
③ 大型イベント
成長が著しいベンチャー企業の経営者を中心に集めた「ベストベンチャー100カンファレンス」を開催しております。主に成長企業に対してマーケティングをしたいBtoB企業にスポンサーとして協賛していただき、イベントでの自社ソリューションのプレゼン機会や参加者リード、経営者とのマッチング機会の提供、といったサービスを提供しております。イベント協賛金に係るSPOT売上が主な収益となります。
【業績等】
決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2024/03 連結3Q累計実績 884 129 120 89
2024/03 連結会社予想 1,278 168 165 126
2023/03 連結実績 1,148 95 111 83
2022/03 連結実績 1,024 71 116 97
決算期 種別 EPS BPS 配当
2024/03 連結会社予想 78.91 - 0.00
上場時発行済株数 1,840,000株(別に潜在株式98,000株)
公開株数 563,500株(公募240,000株、売り出し250,000株、オーバーアロットメント73,500株)
調達資金使途 ソフトウエアの保守開発費用、新規事業の開発費用、人員採用費・人件費
PER:13.7
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:6.1億
公募時時価:20億
【株主構成】 以下180日
(株)Bright Stone 役員らが議決権の過半数所有 760,000 44.76%
明石智義 代表取締役会長 629,400 37.07%
松浦道生 従業員、元常務取締役 72,000 4.24%
村口和孝 元取締役 53,300 3.14%
片岡聡 代表取締役社長 51,200 3.02%
吉田秀明 専務取締役 32,000 1.88%
丸山広大 取締役 32,000 1.88%
松本大 金融商品取引業者などの役員 21,300 1.25%
西中大史 取締役 10,000 0.59%
吉川慶 執行役員 7,200 0.42%
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である明石智義、売出人である松浦道生並びに当社株主である株式会社Bright Stone、村口和孝、片岡聡、吉田秀明、丸山広大、松本大及び当社新株予約権者である西中大史他32名は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後180日目の2024年9月20日までの期間(以下、「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(但し、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等を除く。)等を行わない旨合意しております。
【代表者】
代表者名 片岡 聡(上場時43歳4カ月)/1980年生
本店所在地 東京都新宿区新宿
設立年 2005年
従業員数 85人 (2024/01/31現在)(平均34.4歳、年収527.6万円)、連結86人
事業内容 企業の自治体向けマーケティング支援事業、日系大手企業のグローバルオープンイノベーション支援事業、成長企業のブランディングおよび採用支援事業
URL https://ishin1853.co.jp/
株主数 8人 (目論見書より)
資本金 8,000,000円 (2024/02/20現在)
代表者生年月日 1980年11月17日生まれ
代表者略歴
2004年04月 株式会社リクルート(現株式会社リクルートホールディングス)入社
2012年10月 株式会社リクルートキャリア転籍(持株会社制への移行に伴う分社化のため)
2013年07月 株式会社幕末(現当社)入社
2013年10月 当社取締役就任
2014年04月 当社専務取締役就任
2015年05月 当社代表取締役社長就任(現任)
2016年04月 株式会社Nメディア代表取締役就任
2016年06月 Ishin Global Fund Ⅰ Limited Director及び日本における代表者就任
【幹事団】
主幹事証券 みずほ - -
引受証券 SMBC日興 - -
引受証券 SBI - -
引受証券 松井 - -
引受証券 マネックス - -
引受証券 岩井コスモ - -
引受証券 極東 - -
引受証券 東海東京 - -
引受証券 丸三 - -
【参考類似企業】 今期予想PER(2/22)
3922 PRTIMES 26.5倍 (連結予想)
7067 ブランディン 878.4倍 (連結予想)
7078 INC 28.2倍 (連結予想)
7370 Enjin 11.1倍 (連結予想)
9341 GENOVA 15.4倍 (連結予想)
【私見】
業種としては類似業種もあり新鮮味はないので、業種妙味はさほどありません。売上・利益の伸びをみても、現状では成長性は高そうではありませんが、PERは低めの設定なので、上値余地はありあそうです。一番の魅力は吸収金額が小さく、VCなしの完全ロックの株主構成で、IPOラッシュの中、単独上場なことからも初値買いが集まることが予想されます。
想定価額:1080円
仮条件上限:1080円
初値予想:2500円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価:3.5
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