【事業内容】
当社は“会話を クラウドで おもしろく!”をコンセプトとする「カイクラ」を提供しております。「カイクラ」は、顧客に関する情報をクラウドに蓄積しており、カイクラユーザーのオフィスの固定電話に着信があった場合、その着信と同時に「カイクラ」と連携したパソコン/タブレット/スマートフォンの画面に自動で顧客情報をポップアップ表示します。このポップアップ画面では過去の会話履歴メモや録音記録も参照することができるため、電話対応者は顧客情報や会話履歴を画面で確認しながら電話応対が可能となり、結果、顧客とのコミュニケーションに関して属人化からの脱却が可能となり、顧客との電話業務に関わる課題を減らし、より円滑なコミュニケーションを実現することができます。
さらに「カイクラ」はSMS送信機能、通話録音機能、ビデオ通話機能、携帯通話録音機能、及びメール連携機能などを備えています。これらの機能により、顧客がカイクラユーザーのオフィスに電話した場合だけではなく、カイクラユーザーから顧客に送信したSMS、顧客と行ったビデオ通話記録、携帯電話の録音記録やメールによるコミュニケーションも顧客情報と関連付けて一元管理し、自動で保存することできます。その結果、カイクラユーザーはきめ細やかな顧客対応を安定して実現できるだけではなく、カイクラ内のコミュニケーション履歴を参照することで、顧客とのコミュニケーションを組織として管理することが可能となります。
また販売面では、自社の販売部門や、販売代理店や取次店などの販売パートナーによる「カイクラ」の販売に加え、「カイクラ」の機能をより迅速に展開するため、「カイクラ」の一部機能を他社にOEM提供することで、先方の販売力とブランド力を生かして「カイクラ」機能の拡大を担っていただいております。
当社は「カイクラ」を通して、顧客との様々なチャネルによるコミュニケーションを自動で記録・整理し一元管理し、必要な時にこれを参照できるようにすることで、顧客とのコミュニケーションロスやクレームを減らし、カイクラユーザーと顧客の双方の満足度を向上させるとともに、コミュニケーションに関する業務の効率化やカイクラユーザーにとって優良な顧客の囲い込みを可能とすることで、「カイクラ」を利用する企業や店舗、個人事業主などの生産性の向上に寄与していきたいと考えております。なお、当社は、カイクラ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の開示を省略しております。
(1)コミュニケーションプラットフォーム「カイクラ」
(a)「カイクラ」の特徴
「カイクラ」は、企業活動で発生する様々なコミュニケーションのDXを実現するサービスであり、個別の機能として、オフィスの固定電話でのコミュニケーション支援機能やSMS送信機能、通話録音機能、ビデオ通話機能、携帯電話録音機能、及びメール連携機能などを備えております。「カイクラ」を使うことにより、顧客とのこうしたコミュニケーションを自動で記録・整理し、一元管理することが可能です。
例えば、固定電話とSMSなど、異なるコミュニケーション手段を用いて顧客とコミュニケーションを取った場合であっても、カイクラユーザーはカイクラを通じ、これらを自動で記録・整理し、顧客情報と関連付けして一元管理することが可能となります。その結果、「カイクラ」を導入したオフィスでは、コミュニケーションの属人化を排除することができ、電話対応者の業務経験やスキルに依存しない、より質の高い顧客対応が可能となります。
また、固定電話及び携帯電話の会話を「カイクラ」で録音した場合、AIにより自動でテキスト化することができます。このテキスト化されたデータを用いて、「解約」等ビジネス上影響があると考えられる単語の強調表示や会話内で頻出する単語の分析などが可能となります。
「カイクラ」は、オフィスに設置したカイクラアダプターにより、そのオフィスへの固定電話への着信時に、インターネット回線を通じて関連する顧客情報やコミュニケーション履歴を自動で呼び出し、パソコン/タブレット/スマートフォンにこれらをポップアップします。カイクラアダプターを設置しても、カイクラユーザーは自身の固定電話番号などの電話環境を変更する必要はありません。
これにより、カイクラユーザーは既存の電話環境を維持しながらも顧客対応業務の効率を改善させ、電話対応の負担を削減できることから、顧客満足度及び従業員満足度を向上させ、結果カイクラユーザーの収益向上に貢献します。なお、「カイクラ」サービスのイメージ図は下記のとおりです。
(b)「カイクラ」の主な機能
イ.固定電話でのコミュニケーション支援
カイクラユーザーのオフィスの固定電話へ着信があった時に、関連する顧客情報や会話履歴を自動で呼び出し、パソコン/タブレット/スマートフォンにこれらをポップアップします。ポップアップさせる情報はカスタマイズ可能であり、例えば顧客氏名、住所、営業担当者、商品購入日、商品の詳細など、カイクラユーザーのニーズに合わせたオリジナルの画面を提供することができます。
また、カイクラユーザーが他社のCRM(※)システムを通じて顧客情報を管理している場合、API連携(※)により「カイクラ」とこれらCRMシステムとを連携させることが可能です。この場合、カイクラユーザーのオフィスへ着信があった時に、当該CRMシステムで管理されている情報を、「カイクラ」の画面上に表示させることができます。
これにより、電話の応対時に、カイクラユーザーが必要とする情報を確認できることから、よりきめ細やかで安定したコミュニケーションが可能となります。また、顧客情報はクラウド上のデータベースに蓄積されており、これは電話着信時だけではなくいつでも参照することができるため、カイクラユーザーは組織として、顧客情報やコミュニケーション履歴を管理することができます。
ロ.SMS送信
「カイクラ」の画面から、以下のイメージのように、顧客や自社の従業員に対してSMSを送信することができます。SMSは携帯電話の番号に対して送信できるため、顧客への連絡や不在時の伝言に有効となります。また、「カイクラ」は送信したSMSの履歴を自動で記録し、顧客情報と関連付けて一元管理するため、どの顧客に・いつ・どのようなSMSを送信したか、顧客情報から検索できるだけでなく、カイクラユーザーのオフィスの電話に着信があった時にはその内容がパソコンなどの画面にポップアップされます。
さらに、「カイクラ」のSMS送信機能は予約送信機能を有しているため、例えば来店予約の前日に来店リマインドのメッセージを自動で送付するなど、いわゆるMツールとして利用することも可能です。
ハ.通話録音
カイクラユーザーのオフィスの電話の内容を自動で録音し保存することができます。また、この電話の会話内容をAIにより自動でテキスト化し、さらに生成AIによりそのテキストを要約することも可能です。
通話録音の音声データ及びそれをテキスト化したデータは、「カイクラ」により自動で顧客情報と関連付けられ、一元管理されます。
この通話録音機能により、カイクラユーザーは重要な会話などについてあとから聞き直すことができ、より適切な顧客対応が可能となります。また、会話のテキストデータは「カイクラ」上で検索や分析が可能となるため、「解約」「キャンセル」などの特定のキーワードが含まれている会話だけを抽出したり、どのようなキーワードが頻繁に使われていたりするのかなどの分析も可能となります。
ニ.ビデオ通話
「カイクラ」はビデオ通話機能を有しております。特定のアプリケーションのインストールは不要で、パソコンやスマートフォンのブラウザ上で簡単にビデオ通話を行うことができます。このビデオ通話機能ではカメラを通じた動画や音声だけでなく、パソコンやスマートフォンの画面の共有も可能であり、またビデオ通話内容を録画することも可能です。この録画データも「カイクラ」により自動で顧客情報と関連付けて記録・整理され、他のコミュニケーション履歴とともに一元管理されます。また、その履歴は必要に応じて検索が可能です。
ホ.携帯通話録音
「カイクラ」は、固定電話だけでなく、社用の携帯電話で会話した内容を自動で録音することができます。また、この電話の会話内容をAIにより自動でテキスト化することも可能です。
この携帯電話での会話の音声データ及びそれをテキスト化したデータは、「カイクラ」により自動で顧客情報と関連付けて記録・整理され、他のコミュニケーション履歴とともに一元管理されます。その結果、カイクラユーザーはこの携帯電話での会話データを、顧客情報、オフィスの固定電話での会話内容、送信したSMS、ビデオ通話内容とともに参照することが可能です。
「カイクラ」の携帯通録は、録音データのアクセス権をアカウントごとに設定できるだけではなく、電話の相手先の属性ごとに、携帯電話での会話の録音可否を設定できます。このように、携帯電話での会話については、録音記録が必要な会話のみを記録し、必要な従業員にしかそれをアクセスできないようにすることで、個人情報やプライバシーに配慮しながら、必要な会話を一元管理することが可能となります。
へ.メール連携
「カイクラ」は、オフィスの固定電話着信と同様に、メールの送信時及び受信時にその内容を「カイクラ」に取り込み、社内のチームメンバーに対してポップアップ通知することができます。これにより、「カイクラ」の画面上で顧客とのメールのやり取りを確認・共有できるとともに、固定電話やSMS、ビデオ通話、携帯電話など、「カイクラ」で一元管理されているその他のコミュニケーション履歴を参照しながらメール対応することが可能となります。
また、「カイクラ」に取り込むメールは顧客とのメールに限定し、その他の不要なメールは取り込まないなど、個人情報やプライバシーに配慮しながら必要なメールのみを一元管理することが可能です。
(2)「カイクラ」の収益構造
「カイクラ」の主な収益構造は、カイクラユーザーから得られる「カイクラ」の利用料収入であります。
この利用料収入は、「カイクラ」導入時の初期費用、サブスクリプション型の月額利用料及びSMSなどの従量課金売上の3つから構成されます。
初期費用は「カイクラ」を導入した拠点ごとに収益計上されます。また月額利用料及び従量課金売上は「カイクラ」を導入した拠点が継続して「カイクラ」を利用することで収益が計上されます。
当社の収益モデルは、「カイクラ」導入拠点数及びその利用量が増加するに従って月額利用料及び従量課金売上などの収益が逓増する、いわゆるSaaS型の収益モデルとなっております。
【業績】
決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2024/12 単独会社予想 1,353 171 151 133
2023/12 単独実績 1,040 101 98 108
2022/12 単独実績 768 -150 -150 -136
2021/12 単独実績 577 -96 -91 -89
決算期 種別 EPS BPS 配当
2024/12 単独会社予想 43.83 - 0.00
上場時発行済株数 3,159,320株(別に潜在株式392,640株)
公開株数 713,000株(公募467,000株、売り出し153,000株、オーバーアロットメント93,000株)
調達資金使途 人材関連費用、広告宣伝費
PER:25.0
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:7.8億
公募時時価:35億
【株主構成】
江尻高宏 代表取締役社長 530,480 17.20% 180日 売出143,000
DCIベンチャー成長支援投組 投資業(ファンド) 515,680 16.72% 90日・1.5倍
(株)ナンディ 役員らが議決権の過半数所有 280,000 9.08% 180日
SBI AI&Blockchain投組 投資業(ファンド) 250,000 8.10% 90日・1.5倍
東京神奈川イノベーション応援1号投組 投資業(ファンド) 139,400 4.52% 90日・1.5倍
リード・グロース3号投組 投資業(ファンド) 136,000 4.41% 90日・1.5倍
NVCC8号投組 投資業(ファンド) 116,000 3.76% 90日・1.5倍
スターティアレイズ(株) 特別利害関係者など 104,000 3.37% 90日・1.5倍
(株)J.C.O.S 特別利害関係者など 100,000 3.24% 90日・1.5倍
池田吉史 元取締役 96,000 3.11% 90日・1.5倍
千本倖生 元取締役 84,080 2.73% 90日・1.5倍
河辺幸夫 特別利害関係者など 52,200 1.69% 90日・1.5倍
本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、貸株人かつ売出人である江尻高宏、売出人である岡野泰山、当社株主である株式会社ナンディ、千本倖生、河邉幸夫、トビラシステムズ株式会社、株式会社テクニカ、株式会社BMO、未来経営パートナーズ株式会社、株式会社エリッツホールディングス、平林良仁、サントレ株式会社、中村陽子、株式会社ストアソリューションズ、林慎太郎及び他8名、当社新株予約権者である池田吉史、石川祐介、笹田直紀、上田友博、大城安則、松村剛利、下沢城司、伊藤裕貴、馬場聖、松村由紀夫、西田要介、長尾剛、五十畑弘子、岡崎貴之、小松昇平及び他12名は、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の2024年9月22日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。
当社株主であるDCIベンチャー成長支援投資事業有限責任組合、SBI AI&Blockchain投資事業有限責任組合、東京神奈川イノベーション応援1号投資事業有限責任組合、リード・グロース3号投資事業有限責任組合、NVCC8号投資事業有限責任組合、スターティアレイズ株式会社、株式会社J.C.O.S、次世代企業成長支援1号投資事業有限責任組合、株式会社工芸精器製作所、大樹生命保険株式会社、きぼう投資事業有限責任組合、京銀輝く未来応援ファンド2号投資事業有限責任組合、紀陽キャピタルマネジメント株式会社、山梨中銀SDGs投資事業有限責任組合、High-Value C 1st投資事業有限責任組合及び大分VCサクセスファンド6号投資事業有限責任組合は、主幹事会社に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して90日目の2024年6月24日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等(ただし、その売却価格が募集における発行価格又は売出しにおける売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)を行わない旨を約束しております。
江尻 高宏 143,000株
岡野 泰山 10,000株
【代表者】
代表者名 江尻 高宏(上場時47歳11カ月)/1976年生
本店所在地 東京都千代田区神田錦町
設立年 2014年
従業員数 56人 (2024/01/31現在)(平均37.8歳、年収585.7万円)
事業内容 コミュニケーションプラットフォーム「カイクラ」の開発、販売およびその他関連する業務
URL https://www.thinca.co.jp/
株主数 39人 (目論見書より)
資本金 99,000,000円 (2024/02/21現在)
代表者生年月日 1976年03月30日生まれ
代表者略歴
2000年04月 株式会社日本総合研究所入社
2007年09月 株式会社船井総合研究所入社
2013年04月 一般社団法人クラウド利用促進機構 委員
2014年01月 当社設立 代表取締役社長(現任)
2023年07月 株式会社ナンディ 設立 代表取締役社長(現任)
【幹事団】
主幹事証券 SMBC日興 589,000 95.00%
引受証券 SBI 12,400 2.00%
引受証券 マネックス 6,200 1.00%
引受証券 楽天 6,200 1.00%
引受証券 ひろぎん 3,100 0.50%
引受証券 岡三 3,100 0.50%
【参考類似企業】 今期予想PER(2/29)
2321 ソフトフロントH - (連結予想)
3762 テクマト 25.0倍 (連結予想)
3842 ネクストジェン 21.3倍 (連結予想)
3908 コラボス - (単独予想)
4441 トビラシステム 18.2倍 (単独予想)
5580 プロディライ 16.1倍 (単独予想)
【私見】
コミュニケーションプラットフォームということで類似業種も多く、大きな優位性はないような気はします。業績も黒字になりましたが、今後の成長性次第ですが、PERからも適度といったところでしょうか。吸収金額は大きくありませんが、1.5倍でロックが外れるVCもおり、ロックラインの攻防になるでしょうか。
想定価額:1050円
仮条件上限:1100円
初値予想:1500円
ブック申し込み度・・・やや強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価:3.5
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