2024年9月9日月曜日

IPO分析(キッズスター)

 【事業内容】

​ 子どもの夢中に寄り添い、育て、活性化することで、子どもの成長をサポートしていくことを目的として、「子どもの夢中を育て、応援する」をミッションに掲げており、インターネットメディア事業として、主にファミリー向けデジタルコンテンツの開発及び提供をしています。

 社会体験アプリ「ごっこランド」は、子どもたちの「社会体験(ごっこ遊び)」が可能となる企業・自治体の魅力が豊富に詰まっている体験型のデジタルコンテンツが存在します。子どもたちが楽しみながら社会性を育むための重要な体験を創出すると共に、親御様も含めて、企業ブランド、製品及び各自治体の理解を深めることができ、ファンの創出に繋いでいくことを可能にし、2013年5月のサービス開始以来、その利用者数は成長し続けております。また、2024年7月から「ごっこランド」の利用者に向けたリアルイベントを全国各地で開始し、デジタル・リアルを一体とするサービスの展開を進めてまいります。

 

<社会体験アプリ「ごっこランド」の内容>

 「ごっこランド」は、2013年5月より開始された「子どもたちの身の回りにある商品、サービス、社会インフラの全てをスマートデバイス上のアプリを通じて体験し学べるようにすることにより、興味・関心を喚起し、夢との出会いや将来の可能性を広げていきたい」という想いが込められた当社の事業軸となるサービスとなります。


 そのビジネスモデルは、子どもユーザーの利用を無料とする一方、企業・団体から、出店料を収受しております。ユーザーは、子ども向け職業疑似体験型の知育ゲームを通じて、無料かつ楽しく遊びながら「お仕事」を学ぶことが可能であり、未就学児でも遊べるように、シンプルな操作が特徴となります。また、プラットフォーム型のため、一つのアプリの中で様々な職業体験を提供するサービスとなります。「ごっこランド」に出店する企業・団体は、大手B to Cサービスを提供する企業・団体が中心でしたが、近年においては、B to Bサービスを提供する企業、社会インフラを提供する企業等、広がりを見せております。


 「ごっこランド」の配信開始以来、累計670万のダウンロード数を記録し、かつ、月間のプレイ回数は2,000万回を超えて、多くの子育て世代に、ご利用頂いているサービスとなります。

 また、「ごっこランド」にコンテンツを提供する企業の出店数は、2024年6月末において78店に上り、出店企業は、「ごっこランド」を通じて、自社のサービスや商品のブランディングの展開により、実在する企業の魅力を、そのままに発信することが可能となり、また、ユーザーであるファミリー内のコミュニケーションが促進され、ファミリー層のファンの獲得やプロモーション効果が期待されるサービスとなります。


<「ごっこランド」のリアル展開>

 スマートデバイス向け社会体験アプリ「ごっこランド」のリアル展開の第1弾として、2024年7月から、大規模なモールや商業施設におけるファミリー向けイベント「ごっこランドEXPO」を開催し、アプリで慣れ親しんだ世界観を、全国各地で体験できる場所の創出を開始いたしました。

 具体的には、ひと目で「ごっこランド」と感じられる装飾を施した会場で、子どもたちが楽しみながら学べる企業協賛ワークショップの開催、クイズラリー及びフォトスポット等を提供します。これにより出店企業は、アプリのみならず、リアルな世界においても、自社サービスや商品とのタッチポイントと良質な原体験を創出することができ、更なるファン作りに繋がることが可能になるものと考えております。

 なお、2024年7月末時点では、出店企業及び開催施設の双方から収益を得るビジネスモデルとなります。


<「ごっこランド」のアジア展開>

 「ごっこランド」の海外版である「Gokko World」を展開するにあたり、2023年8月に、第1弾として、ベトナム版の配信を開始いたしました。ユーザーは無料でサービスを利用できること、かつ、企業からの協賛を原資とするビジネスモデルを強みに、継続した子ども世代の人口増加と経済成長により、アプリユーザーと出店企業の増加が大いに期待されるアジアを中心に「Gokko World」の展開に注力してまいります。ベトナム版の配信開始以降、2024年6月末時点で78万の累計ダウンロード数を記録し、2024年内に120万を超える進捗で推移しております。アプリの利用実態も、公式アプリストアにおける評点が4ポイント以上を記録していることから、日本国内と同様に、実生活に浸透したサービス提供が実現できていると判断しております。以上の実績が確認できたことから、本年6月よりベトナム版の法人向け営業を開始し、日系の大手食品メーカーの出店の合意を得ております。今後も日系企業に加え、現地企業も含めた出店数の増加が見込まれます。


 <周辺サービスの内容>

a.地域体験ガイドブック「ジモトガイド」

 2021年4月より社会体験アプリ「ごっこランド」内の新設カテゴリーとして開始され「地域の魅力を発掘し、その素晴らしさを認識することや、子どもたちが地域への憧れや住んでいる街に誇りを持つことで、地域の活性化へ繋げていきたい」という想いが込められた、子ども目線で見つけた地域の魅力が詰まったデジタルガイドブックを提供するサービスとなります。動画を再生するように、自動でナレーションが再生されてページ送りされる仕様で、まだ文字の読めない子どもでも楽しむことが可能です。本サービスは、掲載する各地方自治体や地場の協賛企業から、掲載料を収受するビジネスモデルとなります。


b.事業開発支援・受託開発「サービスデザイン」

 当社がこれまで培ってきた子ども向けアプリの企画・開発のノウハウ(サービスの「ファン」になって頂くためのノウハウ)を、顧客である企業に対して提供することで、デジタルを通じて、企業が持つコンテンツ資産の活用を一気通貫でサポートするサービスとなります。

 具体的には、各企業キャラクターのアプリ化、企業独自のアプリ展開、スマートデバイス向けコンテンツの受託開発等の開発支援、PoC支援を行っています。本サービスは、共同開発パートナーや顧客との間において開発支援契約等を締結し、収益を得ております。


c.B to C サービス

 「ごっこランド」のように企業・団体から出店料を収受し、開発された各企業・団体のサービスや商品に関連したデジタルコンテンツではなく、当社が独自に企画、開発を行ったユーザー課金型のサービスとなります。

 NTTドコモが2013年11月より運営している総合知育サービス「dキッズ」では、「ごっこランド」の運営により蓄積したノウハウを基に「dキッズ」版に3種類の知育アプリを開発、提供しており、収益の分配契約に基づき、UU数に応じて運営元である株式会社NTTドコモから成果報酬を収受しております。

 なお、今後のB to Cサービスとして、お子様の特性や長所を見出せるような、親世代ユーザー向けへのサービス提供を検討しております。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2024/12 単独中間実績 402 55 54 34

2024/12 単独会社予想 898 170 163 108

2023/12 単独実績 764 157 155 109

2022/12 単独実績 564 104 104 75


決算期 種別 EPS BPS 配当

2024/12 単独会社予想 54.76 866.64 -


上場時発行済株数 2,500,000株(別に潜在株式138,750株)

公開株数 800,000株(公募700,000株、オーバーアロットメント100,000株)

調達資金使途 人件費・採用費・支払い報酬、外注・業務委託費、販売促進費・広告宣伝費、オフィス移転などの企業運営全般の費用


PER:46.7

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:20.4億

公募時時価:64億

​   

【株主構成】 

(株)くふうカンパニー 親会社 867,800 44.76% 90日

穐田誉輝 親会社の取締役 700,000 36.11% 90日

平田全広 代表取締役 117,500 6.06% 180日

松本健太郎 取締役 67,500 3.48% 180日 

金城永典 取締役 67,500 3.48% 180日

PKSHAアルゴリズム2号(責) 投資業(ファンド) 32,200 1.66%

細田正志 取締役 16,000 0.83%

匿名1 従業員 5,200 0.27%

匿名2 従業員 5,200 0.27%

匿名3 従業員 5,200 0.27%

匿名4 従業員 5,200 0.27%

匿名5 従業員 5,200 0.27%

匿名6 従業員 5,200 0.27%

匿名7 従業員 5,200 0.27%

匿名8 従業員 5,200 0.27%

匿名9 従業員 5,200 0.27%


 本募集に関連して、貸株人かつ新株予約権者である平田全広、当社株主かつ新株予約権者である松本健太郎及び金城永典、新株予約権者である細田正志及び村田吉隆は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2025年3月24日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すことは除く。)等は行わない旨合意しております。

 また、当社株主である株式会社くふうカンパニーは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2024年12月24日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等は行わない旨合意しております。

【代表者】

代表者名 平田 全広(上場時51歳3カ月)/1973年生

本店所在地 東京都渋谷区神泉町

設立年 2014年

従業員数 57人 (2024/07/31現在)(平均39.9歳、年収538.4万円)

事業内容 ファミリー向け社会体験アプリ「ごっこランド」の開発・運営およびイベントの企画・運営、子ども向けプロダクトを通じた、企業・団体の事業開発支援

URL https://www.kidsstar.co.jp/

株主数 6人 (目論見書より)

資本金 90,000,000円 (2024/08/23現在)

社員数 57人(2024年07月31日現在)

代表者生年月日 1973年06月10日生まれ

代表者略歴

1997年04月 ㈱バウコミュニケーション入社

2001年08月 ㈱サイバーエージェント入社

2008年05月 ㈱アイフリーク(現 ㈱アイフリークモバイル)執行役員就任

2014年10月 当社代表取締役就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 岡三 644,000 92.00%

引受証券 SBI 14,000 2.00%

引受証券 野村 14,000 2.00%

引受証券 SMBC日興 7,000 1.00%

引受証券 岩井コスモ 3,500 0.50%

引受証券 極東 3,500 0.50%

引受証券 松井 3,500 0.50%

引受証券 丸三 3,500 0.50%

引受証券 三田 3,500 0.50%

引受証券 楽天 3,500 0.50%


【参考類似企業】今期予想PER(8/28)

157A Gモンスター 11.1倍 (連結予想)

4014 カラダノート 36.3倍 (単独予想)

4376 くふうC 82.3倍 (連結予想)

7359 東京通信 - (連結予想)

7363 ベビーカレン 413.1倍 (単独予想)

7865 ピープル 45.7倍 (単独予想)


【私見】 

 ファミリー向けのアプリ開発で、その分野では知名度はありそうで業種としては悪くはありません。売上・利益ともに伸びてはおりますが、大きな成長とまではいかず、PERからは割安感はありません。吸収金額も大きめで、4社同時上場で買い手不在が予想されることからも公募近辺の初値と予想します。


想定価額:2560円

仮条件上限:2560円

初値予想:2650円

ブック申し込み度・・・中立

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3

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