【事業内容】
(1)当社の概要
当社は、「Technology Makes Happiness」の頭文字から社名が構成されているように、「先端技術で豊かな社会を創る」ことをミッションとして掲げ、半導体製造装置や部品の販売および修理サービスを主たる事業としております。
① 事業の概要
主に半導体工場向けに半導体製造トータルソリューション事業を展開しております。サービスとしては、当社越境ECサイト「LAYLA-EC」(以下、「LAYLA-EC」という。)等を活用した半導体製造装置部品の販売および修理サービスを提供しています。これらは、グローバルサプライヤーが登録する越境ECプラットフォームや継続的に取引を行っているサプライヤー等を通じて調達され、半導体工場へ販売されます。また、中古の半導体製造装置の買取りおよび売却支援をしております。装置の販売には、装置の解体、搬出、設置、必要に応じて装置のプロセスチューニングなどを必要とし、当社のFE(フィールドエンジニア)メンバーによるエンジニアリング力を活かしたサービスが装置の買取りおよび売却の下支えになっております。
2012年の創業以来、当社はグローバルな半導体製造市場でのリーダーを目指しており、特に旧型の半導体工場が多い国内市場に焦点を当て、エンジニアリングとデジタル化の両面から事業を展開してきました。エンジニアリング領域では、半導体製造装置の買取から設置までの全工程を手掛けており、解体などの高度な技術を要する作業も行っています。デジタル化では、2018年に開設した「LAYLA-EC」が、31.5万点超(2024年9月30日現在)のアイテムを取り扱い、多くの国内半導体工場が登録しています。
当社の売上は、半導体製造装置の越境ECプラットフォーム等を利用した部品販売・修理サービスとエンジニアリング力を活用した装置販売サービスの2つに分類されます。部品販売・修理サービスは、一度受注すると継続的に再発注が見込まれる安定した収益源です。一方で、装置販売サービスについては、売上計上までリードタイムが必要ですが、売上の確実性が高い特徴があります。
ビジネスフローでは、「LAYLA-EC」を通じて世界中の装置や部品情報を集約し、半導体製造装置の調達プロセスを効率化しています。また、世界中のエンジニアリング会社やサプライヤーと連携し、多様な顧客ニーズに応えるソリューションを提供しています。これにより、半導体工場は必要な装置や部品、修理サービスをスムーズに受け取ることが可能となっています。
当社は、日本国内には大分(本社)の他、熊本、東京、四日市、岩手の5拠点で営業体制を構築しております。半導体製造装置に知見のある技術営業人員が多数在籍し、クライアントの装置等を診断し、工程や装置自体の改善を提案することで、大手メーカーとの競合に関わらず受注を拡大しております。
当社が提供する半導体工場の稼働をサポートしているトータルソリューションの特徴は以下のとおりです。
a.越境ECプラットフォーム等を利用した部品販売・修理サービス
「LAYLA-EC」を通じて全世界に在庫として存在する部品の情報を可視化することで、安定的な調達経路を確立し、また、国内外の幅広いサプライヤーとの連携をすることで以下のような部品および修理サービスを提供することが可能となっています。
・希少部品の供給
・幅広い修理サービスの提供
・200社以上の優良なグローバルサプライヤーネットワーク
・31.5万点超のアイテムを「LAYLA-EC」に掲載
・日本国内の半導体工場の50%以上が「LAYLA-EC」を利用
b.エンジニアリング力を活用した装置販売サービス
20年以上のエンジニアリング経験を持つ技術営業人員が国内外のエンジニアリング会社やサプライヤーと協業することで、前工程を中心とした半導体製造装置に関して以下のような様々なソリューションを提供することが可能となっています。
・専門性が必要な装置の解体から搬出(設置)までの一気通貫サポート
・旧型装置のプロセスチューニングによる歩留まりの改善
・過去の実績を持つ信頼性(100台以上の装置搬出実績に基づく)
・大手米国半導体メーカーからサプライヤーアワードを受賞
②収益構造
当社は、半導体工場への製造装置部品の販売・修理サービス、ならびに中古装置の販売や関連サービスの提供を通じて、収益を上げています。
a.越境ECプラットフォーム等を利用した部品販売・修理サービス
一度受注すれば継続的に再発注が行われる特性を持ち、前年度の受注案件が継続することによって売上につながっていきます。消耗部品などの新品供給も手掛けており、半導体工場の数カ月から1年間の需要計画に基づき、安定した部品供給を実施しています。また、継続売上のなかには最初は突発的な問い合わせにより発生するものもありますが、一度受注後納品して顧客との信頼を積み重ねていくことにより、継続的な部品や修理発注につながります。
b.エンジニアリング力を活用した装置販売サービス
主に、半導体製造装置の解体、搬出、設置などの業務を含む案件です。受注から売上計上までに数カ月から1年のリードタイムが必要ですが、売上の計上確度は高い特性を持ちます。
(2)サービスの特徴
他社に先駆けて半導体製造装置・部品の越境ECサイト「LAYLA-EC」を2018年4月に開設し、半導体工場の調達の利便性向上に寄与しております。「LAYLA-EC」では、世界のサプライヤー200社超がサイトに登録し、現在では31.5万点超のアイテム点数が揃うプラットフォームにまで成長しております。また、顧客数においても国内半導体工場の登録工場数:50工場超、登録ユーザー数:700名超まで増加しております。(2024年9月30日現在)
かつて半導体工場の調達担当者が部品を購入する過程では、各問い合せ先(例えば商社)に対して個別にコンタクトを取り、必要な情報を手に入れるしか方法がなく、商社は独自のネットワークを通じて、世界各地に散在する在庫情報を収集し、それを基に半導体工場に見積もりを提出しておりました。
しかしこの流れでは、在庫を持つ販売者からエンドユーザー(最終購入者である半導体工場)へ部品が届くまで、複数の中間業者が介在することとなります。このため、部品の価格が上昇し、納品速度や情報応答も効率が悪化する傾向にありました。
これらの問題を解決するべく、当社ではエンドユーザーが365日24時間、リアルタイムで現行在庫を確認できるシステムを構築しました。このプラットフォームは半導体製造装置・部品に特化し、価格、納期、保証期間、状態を一覧で確認できる機能を有しております。
当社のプラットフォームは、世界中のサプライヤーと半導体工場を直接つなぐ初めての試みであり、半導体工場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支える重要な要素と自負しております。部品購入において避けられない「品質」の問題に対しても、当社が販売窓口として機能し、半導体メーカーおよびサプライヤーとの直接的なコミュニケーションを担保することで、エンドユーザーが安心して部品を購入できる環境を実現しています。
また、新たなソリューションとして工場で不要となった旧型半導体製造装置の売却を支援する競売プラットフォームシステム(サイト名:LAYLA-Auction(レイラオークション))を2023年7月に開設し、売買成立後の搬出や輸出手続きも当社が担い、設備更新などで不要になった遊休化する中古装置が増加するなか、半導体工場の保管スペースや廃棄費用の削減ニーズに対応するサービスを展開しております。
【業績等】
決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2024/11 単独3Q累計実績 3,885 61 29 28
2024/11 単独会社予想 6,235 361 359 286
2023/11 単独実績 1,747 -127 -353 116
2022/11 単独実績 1,698 -17 246 216
決算期 種別 EPS BPS 配当
2024/11 単独会社予想 85.04 - -
上場時発行済株数 3,556,250株(別に潜在株式269,750株)
公開株数 695,700株(公募190,000株、売り出し415,000株、オーバーアロットメント90,700株)
調達資金使途 広告宣伝費、製造設備資金、システム開発費用、採用費・人件費
PER:17.6
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:9.1億
公募時時価:53億
【株主構成】
榎並大輔 代表取締役社長 2,424,500 66.68% 180日 △200,000
SBI AI&Blockchain 投組 投資業(ファンド) 250,000 6.87% 90日・1.5倍 △125,000
林書宏 特別利害関係者など 105,000 2.88% 90日・1.5倍 △30,000
林書玄 特別利害関係者など 105,000 2.88% 90日・1.5倍 △30,000
九州アントレプレナークラブ2号投組 投資業(ファンド) 105,000 2.88% 90日・1.5倍
関真希 取締役 92,500 2.54% 180日
香月賢一 取締役 92,500 2.54% 180日
おおいた中小企業成長ファンド投組 投資業(ファンド) 85,000 2.33% 90日・1.5倍 △24,000
SEVENファンド2号 投資業(ファンド) 63,000 1.73% 90日・1.5倍
CBC(株) 特別利害関係者など 62,500 1.71% 180日
三菱UFJキャピタル6号投組 投資業(ファンド) 62,500 1.71% 90日・1.5倍
Golden Asia Fund II, L.P. 投資業(ファンド) 37,750 1.03% 90日・1.5倍
本募集ならびに引受人の買取引受による売出しに関連して、当社役員かつ売出人である榎並大輔、貸株人かつ売出人であるET Family Asset株式会社、当社役員かつ当社新株予約権者である関真希、香月賢一および野木村修ならびに当社株主であるCBC株式会社は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2025年6月1日までの期間(以下「ロックアップ期間①」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式(当社新株予約権および新株予約権の行使により取得した当社株式を含む。)の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すことは除く。)は行わない旨合意しております。
また、売出人である林書宏、林書玄、おおいた中小企業成長ファンド投資事業有限責任組合および大分ベンチャーキャピタル株式会社ならびに当社株主であるSBI AI&Blockchain 投資事業有限責任組合、九州アントレプレナークラブ2号投資事業有限責任組合、SEVENファンド2号、三菱UFJキャピタル6号 投資事業有限責任組合、Golden Asia Fund II, L.P. 、大分VCサクセスファンド6号投資事業有限責任組合およびほうわ創業・事業承継支援投資事業有限責任組合は主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2025年3月3日までの期間(以下「ロックアップ期間②」といい、ロックアップ期間①とあわせて以下、「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出しおよび売却価格が発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通じて行う売却等を除く。)を行わない旨を合意しています
【代表者】
代表者名 榎並 大輔(上場時42歳7カ月)/1982年生
本店所在地 大分県大分市下郡北
設立年 2012年
従業員数 37人 (2024/09/30現在)(平均42.6歳、年収636.7万円)
事業内容 半導体製造装置部品の販売・修理サービスおよび半導体製造装置の買い取り・売却支援
URL https://www.tmh-inc.co.jp/
株主数 13人 (目論見書より)
資本金 100,000,000円 (2024/10/31現在)
代表者生年月日 1982年04月08日生まれ
代表者略歴月
2006年04月 ㈱東芝入社
2010年01月 ㈱セミフレン 代表取締役
2012年03月 当社代表取締役社長就任(現任)
【幹事団】
主幹事証券 SBI - -
引受証券 野村 - -
引受証券 岡三 - -
引受証券 アイザワ - -
引受証券 東洋 - -
引受証券 岩井コスモ - -
引受証券 極東 - -
引受証券 西日本シティTT - -
引受証券 広田 - -
引受証券 松井 - -
引受証券 マネックス - -
引受証券 水戸 - -
引受証券 むさし - -
【参考類似企業】今期予想PER(11/6)
167A リョーサン菱 12.8倍 (連結予想)
2737 トーメンデバ 8.0倍 (連結予想)
2760 東エレデバ 11.2倍 (連結予想)
3132 マクニカHD 10.6倍 (連結予想)
3445 RSTECH 13.7倍 (連結予想)
6315 TOWA 17.5倍 (連結予想)
6918 アバール 11.1倍 (単独予想)
6973 協栄産 5.6倍 (連結予想)
7537 丸文 6.9倍 (連結予想)
7995 バルカー 11.6倍 (連結予想)
8141 新光商 32.2倍 (連結予想)
8150 三信電 9.6倍 (連結予想)
【私見】
TSMCの近くである大分の半導体関連銘柄で、業種としては悪くないです。好業績で、PERは割安感はありませんが、成長を加味すれば上値余地はありそうです。規模は小さめで良いのですが、1.5倍でロックが外れるVCもいて、SBI主幹事からもセカンダリーは入りにくいかもしれません。
想定価額:1500円
仮条件上限:1500円
初値予想:2000円
ブック申し込み度・・・やや強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価:3.5
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