【事業内容】
(1) 事業の概要
脱炭素やGXに取り組む企業向けに、エナジー・インフォマティクス事業を展開しております。
連結子会社であるInformetis Europe Ltd.は、地域的にAIの学術的教育環境が整っており、最先端のAI研究者採用に有利なイギリス・ケンブリッジに設立された技術開発拠点であるとともに、欧州圏を中心とした営業拠点でもあります。
関連会社である株式会社エナジーゲートウェイは、当社と東京電力パワーグリッド株式会社で共同設立した東京電力パワーグリッド株式会社の子会社で、国内における当社電力消費者向けサービスの独占的販売代理店であるとともに、東京電力グループの事業領域を拡大し、同グループの競争力の強化と企業価値の向上に重要な役割を果たしております。
エナジー・インフォマティクス事業は、エネルギー関連データを独自のAIで解析し、①省エネルギーと快適生活の実現をするスマート・リビングサービスと②エネルギーの運用効率の最適化を実現するエネルギー・マネジメントサービスをSaaS型で提供するもので、その概要は、以下のとおりであります。
① 電力センサー等から得られるエネルギー関連データをIoTデータプラットフォーム(以下、「プラットフォーム」という。)に収集
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② プラットフォームに蓄積されたエネルギー関連データを独自のAIで解析し、例えば、電力のムダを削減するなどの価値あるデータに加工
エネルギーデータをAI(機械学習)により分析し、家庭や施設の総電力データから「どの家電がいつ、どのくらい使われているか」をリアルタイム(即時)に推定する機器分離推定技術(Non-Intrusive Load Monitoring技術(以下、「NILM」という。))や最適化技術を中核とするエネルギーデータ解析に特化した当社グループ独自のAIのことです。NILMは、各家庭や各施設の総電力の入口である主幹部分に設置した1つの電力センサーにより総電力データを取得し、主幹電力波形をAI(機械学習)等により分析することで、家電ごとにたくさんのセンサーを取り付けたり、スマート家電に買い替えたりすることなく、どの家電が、いつ、どれくらい使われていたかを推定する当社グループのコア技術です。
当社グループは、2016年に国内初のNILM商用サービスを提供し、東京電力グループとの連携を通じて、業界でのプレゼンスを強化してまいりました。これにより、当社グループは、電力AI業界におけるリーディング企業としての地位を確立しております。
NILMによって、これまで知りえなかった電力使用の内訳を簡単に知ることができるようになるだけでなく、そこから得られたデータは、エネルギーの効率的利用や生活の見守りなど様々なメリットをもたらします。
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③価値あるデータを用いてプラットフォーム上に構築されたスマート・リビングサービスとエネルギー・マネジメントサービスを提供することで、電力利用効率の最適化
具体的には、電気を作る(発電)→電気を送る(送配電)→電気を小売りする(小売)→電気を消費する(消費)という電力供給の仕組みの中で電力利用効率の最適化を図るためには、電力供給に関わる設備の特徴を考慮しながら電力供給のバランスを維持しつつ、生活の質を保ち、不便を最小限に抑える必要があることを踏まえて、(ⅰ)電力消費者向けサービスの提供を通じて電力利用効率の最適化を図る「ienowa(イエノワ)」、「enenowa(エネノワ)」及び「hitonowa(ヒトノワ)」などのサービスと、(ⅱ)電力を供給する側である電力事業者向けサービスの提供を通じて電力利用効率の最適化を図る「BridgeLAB DR(ブリッジラボ ディーアール)」などのサービスを提供しております。
収益モデルは、プラットフォーム上に構築されたサービスを利用する顧客企業数又は顧客企業のエンドコンシューマー数及びプラットフォーム上で稼働する各種アプリのエンドコンシューマー数が増加するにつれて、年々売上収益が積み上がり、累積的・継続的な発生を見込むことが可能なリカーリング型の収益(ストック型の収益)があり、「プラットフォーム・アプリ提供」がこれに該当いたします。
一方で、プラットフォーム上に構築されたサービスやプラットフォーム上で稼働する各種アプリの利用開始時には、起点として、電力センサーの機器販売代金、プラットフォーム上に構築されたサービスの初期設定費用やプラットフォーム上で稼働する各種アプリの初期設定費用などの一時的な収益(フロー型の収益)を伴うこともあり、「アップフロント」がこれに該当いたします。
「アップフロント」は、「プラットフォーム・アプリ提供」の起点となることから、当社グループでは、累積的・継続的な収益である「プラットフォーム・アプリ提供」のみならず、一時的な収益である「アップフロント」も重視しております。
なお、当社グループにおいては、見込顧客による実証実験が翌年以降の商業化に伴う収益につながっております。実証実験において、当社グループは、実証実験の設計、運営、データ分析やレポート作成などのプロセスの全部又は一部を見込顧客から受託し、委託料を受け取るのが一般的な収益モデルとなっており、「その他」がこれに該当いたします。
② 海外領域
海外領域においては、英国に連結子会社(Informetis Europe Ltd.)を設け、欧州圏の現地企業や日本企業の現地法人などとの実証実験を行う等、欧州圏における本格的な事業展開に向けた準備を進めております。
特に、脱炭素化を背景に英国を筆頭とした欧州圏に広がるガスボイラー(ガス給湯器)からヒートポンプ(電気給湯器)への急速なシフトが直近で最大の事業拡大機会であります。
具体的には、ヒートポンプ(電気給湯器)への急速なシフトが進む中、電気の消費が急激に増加することによる電力系統・電力網の安定運用への影響を管理・制御するため、家全体だけでなくヒートポンプ(電気給湯器)やその他制御可能な機器の詳細な消費エネルギーデータを取得したうえでのヒートポンプ(電気給湯器)の最適化制御が重要になります。
このような状況の中、当社グループは、英国において、電力消費の側面から電力利用効率の最適化を図るサービスとして、2021年10月から当社グループの電力センサーがDaikin Europe N.V.の英国におけるヒートポンプ(電気給湯器)の付帯設備として導入され、電力系統・電力網と消費者の電力料金負担の双方のメリットを創出する最適化技術を提供しております。ここでは、Daikin Europe N.V.の英国におけるヒートポンプ(電気給湯器)の付帯設備として導入される電力センサーの販売料金が「アップフロント」に該当し、導入された電力センサーからのデータに基づいて、最適化サービスを利用する際に生じるランニング費用が「プラットフォーム・アプリ提供」に該当し、特別なシステム開発やコンサルティング等を行った場合に生じる費用が「その他」に該当いたします。
【業績等】
決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2024/12 連結3Q累計実績 698 -11 34 34
2024/12 連結会社予想 1,067 103 111 104
2023/12 連結実績 923 -169 -71 -313
2022/12 連結実績 496 -286 -300 -369
1株あたりの数値(単位:円)
決算期 種別 EPS BPS 配当
2024/12 連結会社予想 24.21 267.02 0.00
上場時発行済株数 4,863,357株(別に潜在株式269,300株)
公開株数 2,830,800株(公募600,000株、売り出し1,861,600株、オーバーアロットメント369,200株)
調達資金使途 新技術・事業開発、採用費・人件費、欧州各国での新規事業費
PER:44.6
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:30.6億
公募時時価:53億
【株主構成】
ジャフコSV4共有投組 投資業(ファンド) 2,093,975 46.20% 90日 売出し1,712,800
(株)フォーバル 取引先 635,240 14.01% 180日
TIS(株) 資本業務提携先 278,248 6.14% 180日
伊藤忠エネクス(株) 資本業務提携先 254,237 5.61% 180日
ジャフコグループ(株) 投資業(ファンド) 181,932 4.01% 90日 売出し148,800
IEファスト&エクセレント投組 投資業(ファンド) 140,148 3.09% 180日
(株)建設技術研究所 取引先 129,032 2.85% 180日
ヒューリックスタートアップ1号投組 資本業務提携先のファンド 84,745 1.87% 180日
JIA1号投組 投資業(ファンド) 84,700 1.87% 180日
(株)日立製作所 資本業務提携先 80,400 1.77% 180日
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人であるジャフコSV4共有投資事業有限責 任組合及びジャフコ グループ株式会社は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後90日目の2025年3月8日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等を除く。)等を行わない旨合意しております。
当社株主(新株予約権の保有者を含む。)である株式会社フォーバル、TIS株式会社、伊藤忠エネクス株式会社、IEファスト&エクセレント投資事業有限責任組合、株式会社建設技術研究所、ヒューリックスタートアップ1号投資事業有限責任組合、JIA1号投資事業有限責任組合、株式会社日立製作所、日本郵政キャピタル株式会社、ダイキン工業株式会社、ネクスト新事業新技術1号投資事業有限責任組合、加賀電子株式会社、株式会社エンジェル・トーチ、株式会社博報堂DYホールディングス、合同会社K4 Ventures、小川グループ株式会社、カケルパートナーズ合同会社、只野太郎、横溝大介、阿部友一、他39名は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後180日目の2025年6月6日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等を行わない旨合意しております。
【代表者】
代表者生年月日 1968年05月15日生まれ
代表者略歴
1991年04月 ソニー㈱(現・ソニーグループ㈱) 入社
2013年04月 当社設立 代表取締役(現任)
2014年11月 Informetis Europe Ltd. Director(現任)
2018年04月 ㈱エナジーゲートウェイ 取締役 (現任)
【幹事団】
主幹事証券 みずほ - -
引受証券 SBI - -
引受証券 楽天 - -
引受証券 東海東京 - -
引受証券 岡三 - -
引受証券 松井 - -
引受証券 マネックス - -
引受証券 あかつき - -
引受証券 岩井コスモ - -
引受証券 東洋 - -
【参考類似企業】今期予想PER
1711 SDSHD - (連結予想)
1980 ダイダン 12.7倍 (連結予想)
3150 グリムス 13.7倍 (連結予想)
3825 REMIX 29.7倍 (連結予想)
7692 Eインフィニティ 37.9倍 (単独予想)
9514 EF-ON 10.8倍 (連結予想)
【私見】
エネルギー系で、業種的には微妙で、今期黒字化と現状では厳しそうな印象です。筆頭ジャフコの売出し銘柄であることが一番のマイナス材料で、吸収金額も大きくこの時期に買いが入る可能性は低いです。上場後に急に上がることもありますが、スタート時点では公募前後の動きと予想します。
想定価額:1080円
仮条件上限:1080円
初値予想:1080円
ブック申し込み度・・・やや弱気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価:3
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