2024年12月3日火曜日

IPO分析(黒田グループ)

【事業内容】

​ エレクトロニクス商社、黒田電気の持ち株会社。車載向けが主力。製造子会社も傘下に持ち、液晶用配光膜印刷版や自動化装置、ハード・ディスク・ドライブ用部品、電力・電設資材、回路基板、大型樹脂成形金型、産業モーター用アルミダイカスト製品などを製造もしくは仕入れ、販売している。

 黒田電気は1945年10月に個人経営で創業し、47年3月に設立された。かつて東京証券取引所の第一部に上場していたが、村上世彰氏ら大株主と株主還元を巡って対立。2018年3月に韓国系投資会社、MBKパートナーズグループに買収され上場を廃止した。上場する持ち株会社は買収の受け皿として設立され、20年4月に現商号に変更した。

 2024年3月期の売上収益構成比は、製造23.5%(日本9.1%、中国3.7%、アセアン9.0%、その他1.6%)、商社76.5%(日本45.6%、中国19.0%、アセアン6.8%、その他5.1)。製品およびサービス別では電気材料41.6%、一般電子部品50.6%、半導体2.9%、その他4.9%。主な販売先はデンソー17.95%。


【業績等】

決算期 種別 売上収益 営業利益 税引き前利益 純利益

2025/03 連結中間実績 60,360 3,130 2,991 2,301

2025/03 連結会社予想 121,000 5,900 5,600 3,650

2024/03 連結実績 126,691 1,981 1,168 378

2023/03 連結実績 139,275 4,567 4,074 2,597


決算期 種別 EPS BPS 配当

2025/03 連結会社予想 85.98 890.32 60.00


上場時発行済株数 46,568,020株(別に潜在株式1,273,500株)

公開株数 13,970,400株(売り出し12,148,200株、オーバーアロットメント1,822,200株)


売出しを行う地域

欧州及びアジアを中心とする海外市場(ただし、米国及びカナダを除く。)


PER:8.1

PBR:0.79

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:97億

公募時時価:326億

​   

【株主構成】 

ケイエム・ツー・エルピー 投資業(ファンド) 42,449,980 97.09% 180日

細川浩一 代表取締役社長執行役員 297,140 0.68%

森安伸 取締役 137,960 0.32%

鈴木秀和 子会社の取締役、執行役員 95,520 0.22%

尹棡洙 子会社の取締役、執行役員 95,520 0.22%

小林郁夫 子会社の取締役、執行役員 95,520 0.22%

Cheng Jit Ann 子会社の取締役 95,520 0.22%

匿名1 執行役員 95,520 0.22%

匿名2 執行役員 74,280 0.17%

匿名3 従業員 74,280 0.17%

鈴木達也 子会社の取締役 74,280 0.17%

中務勝将 子会社の取締役 74,280 0.17%


 引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人及び貸株人であるケイエム・ツー・エルピーは、共同主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2025年6月14日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、共同主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと及びグリーンシューオプションの対象となる当社普通株式をSMBC日興証券株式会社が取得すること並びに一定の借入れに関する担保権の設定及び当該担保権の実行に伴う処分等を除く。)を行わない旨合意しております。

 

【代表者】

代表者名 細川 浩一(上場時67歳7カ月)/1957年生

本店所在地 東京都品川区南大井

設立年 2017年

従業員数 59人 (2024/10/31現在)(平均45.7歳、年収934万円)、連結2491人

事業内容 ・液晶ディスプレー用印刷版、自動化設備、樹脂成形金型、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)用部品、電力・電設資材、アルミダイカスト製品の製造・販売およびプリント回路基板の設計・受託開発・エレクトロニクス業界および自動車業界への電子部品、電気材料などの販売

URL https://www.kuroda-group.com/hd/

株主数 2人 (目論見書より)

資本金 11,642,005,000円 (2024/11/12現在)

代表者生年月日 1957年05月05日生まれ

代表者略歴

1981年04月 黒田電気株式会社 入社

2007年06月 同社 執行役

2012年04月 同社 執行役常務海外統括

2014年04月 同社 代表執行役社長、6月:同社 取締役兼代表執行役社長

2018年04月 KMホールディングス株式会社(現 黒田グループ株式会社)代表取締役社長

2019年04月 黒田電気株式会社 代表取締役兼社長執行役員

2020年04月 当社 代表取締役社長

2023年04月 黒田電気株式会社 取締役、当社 代表取締役社長執行役員(現任)


【幹事団】

主幹事証券 SMBC日興 - -

主幹事証券 野村 - -

引受証券 大和 - -

引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - -

引受証券 みずほ - -

引受証券 SBI - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 マネックス - -


【参考類似企業】今期予想PER(11/19)

167A リョーサン菱 12.0倍 (連結予想)

2737 トーメンデバ 8.3倍 (連結予想)

3132 マクニカHD 10.5倍 (連結予想)

3156 レスター 9.2倍 (連結予想)

7537 丸文 6.6倍 (連結予想)

8015 豊通商 8.2倍 (連結予想)

8141 新光商 32.4倍 (連結予想)


【私見】

 地味業種でファンドの売出し再上場案件で、通常であればスルー案件ですが、8.6%という高配当は見逃されないのではと思い穴銘柄としました。村上ファンドとの対立から2017年に上場廃止になりましたが。当時から業績は落ち気味で、2017年3月期で売上2300億、純利益50億 配当67円。2018年3月期予想で、売上1600億、純利益で36億ということで、当時の株価は2000円前後で時価総額約800億。その後TOBで2700円というプレミアムが付いてファンドが買い取りました。前期は減損があり、今期は減収増益ですが、決して業績面は良くはなく、PERからは同業と比べても適切でしょう。魅力は何と言っても期末の60円の配当で、利回りでは8.6%という高利回りで、この利回りで放置されることは考えにくいと思ってます。売上・利益・時価総額では、丸文と近いですが、PBRは同じく1倍割れで、配当利回りは4.9%ですので、ここも5%台後半で落ちつくのではないかと思ってます。減配という心配はありますが、今回ファンドが3割ほどしか売り出しがなく、6か月後のロック解除後には追加売出しは確実で、減配は考えにくく株価もある程度な価額は維持すのではないかと思ってます。6%として株価1000円という数字がラインと考えていますが、TOB当時の有利子負債が300億近く残っており財務内容は悪く、配当まで3ヶ月はあるので注意が必要な銘柄だとは思ってます。


想定価額:640円

仮条件上限:700円

初値予想:850円

ブック申し込み度・・・やや強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3

0 件のコメント:

コメントを投稿