【事業内容】
(1)サービス概要
日本国内で研修サービスを提供しております。研修サービスは「biz研修」と「tech研修」の2種類で構成されており、提供方法としては「一社研修」「公開講座」「動画講座」の3つの形式を用意しております。なお、当社は、「人材育成事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
研修サービスとは、企業に対して行われる教育プログラムやトレーニングを指します。これらの研修は、従業員や管理職等のスキル向上や能力開発を目的として、企業が抱える特定のニーズや課題に応じて当社が準備したカリキュラムを、当社と契約している講師が実施します。例えば、研修サービスの主な目的は以下のようなものがあります。
・従業員のスキルアップ:新しい技術や業務知識を学び、日々の業務に役立てるためのトレーニングです。当社サービスの場合、例えばプログラミング研修を提供しております。
・リーダーシップ開発:管理職やリーダー層に対して、リーダーシップやマネジメントスキルを養うための研修です。当社サービスの場合、例えばマネジメント研修を提供しております。
・コンプライアンスや法令遵守:法律や社内規則に基づく業務を徹底するための研修です。ハラスメント防止や安全対策等が含まれます。当社サービスの場合、例えばハラスメント研修を提供しております。
当社の顧客は、企業をターゲットとしております。研修サービスであるbiz研修とtech研修について説明します。biz研修はビジネススキル全般に関する研修です。tech研修は、IT未経験者向けのエンジニア・DX研修です。それぞれの提供サービス、主な顧客等は以下の通りです。
事業系統図は次の図の通りです。集客や営業、コンテンツ制作やシステムの提供を当社にて実施します。登壇する講師は、当該研修に関連する実績や経歴を持つ外部パートナーを、面接やデモ授業を通じて選定し、業務委託契約を締結しております。研修当日の登壇や動画講座への出演を依頼しております。
① 一社研修・公開講座(biz研修・tech研修共通)
企業に対して研修を提供することで対価を得ます。登壇した講師に対しての講師料、印刷や運送といったテキスト費用が原価となります。また、tech研修では会場及び機材の手配費用も原価となります。
② 動画講座(biz研修・tech研修共通)
動画講座でも事業構造は類似となります。顧客に対して、動画講座を提供します。講師に対しても当日の研修登壇ではなく、動画出演を依頼します。教材費や会場及び機材の手配費用はありません。
(3)特徴
研修サービスにおける共通の特徴は、研修サービスの標準化と研修実施プロセスのDX化、その結果として安価な価格設定を実現していることです。具体的には次の通りです。
① 研修サービスの標準化
属人化しやすい研修というビジネスモデルにおいて、研修サービス内容の標準化を実現し、個人スキルへの依存度を低下させております。
属人化しやすい点について説明します。従来の研修業界では、講師自身が各社に向けた研修コンテンツを作成したり、著名な講師による研修をアピールポイントとするやり方が一般的でした。また、各企業に対するカスタマイズを前提としたコンサルティング営業や見積り交渉も行われるのが通常でした。属人性が高いビジネスモデルになっていたと言えます。
標準化について説明します。当社では、講師と営業において、属人性を減らすことを標準化と呼んでおります。標準化を行うことでスケールしやすいビジネスモデルを構築しております。
・講師:当社が準備したコンテンツをもとに、講師が研修に登壇します。研修コンテンツはすべて当社にて作成しており講師が作成することはありません。顧客側には、講師による品質相違がなくいずれの講師であっても高品質の研修を安定的に受けることができるという利点があります。当社側の利点は、特定の著名な講師に依存することがなくなるため、売上の機会損失を回避できることです。
・営業:研修サービスは明瞭価格になっております。また、研修のコンテンツはカスタマイズを前提とせず標準パッケージ化されております。顧客側は価格が明瞭になることにより稟議等での対応がしやすくなるという利点があります。また、標準パッケージ化された研修コンテンツにより営業担当のスキルに依存せずに、担当が変わっても同一品質の研修が実施できます。当社側の利点は、営業担当の見積り交渉のスキルやカスタマイズ対応力への依存度が下がり、営業未経験者であってもスムーズな戦力化が可能となることです。
② 研修実施プロセスのDX化
顧客の利便性向上を目的として研修実施プロセスのDX化を推進しております。具体的には、自社で開発した研修サポートシステムを顧客へ無料提供しております。このシステムを用いることによる顧客側のメリットは研修管理、研修準備等の研修プロセスにおける手間を削減することができることです。以下のような機能を活用することができます。
・研修準備に必要なことはシステムを確認すると把握できるようになっており、顧客は当社へ問い合わせをせずに進捗を把握することができます。
・受講者の研修実施履歴を閲覧することができます。これにより、いつ、誰が、何を受講したのかを管理することができます。
・受講者が記載する研修に対する満足度等の研修アンケートもシステム上で閲覧可能になります。データのダウンロードも可能で今後の研修計画の立案等に活用ができます。
③ 安価な価格設定の実現
研修サービスの標準化や研修実施プロセスのDX化により、安価な価格設定を実現しています。
研修サービスの標準化は、「講師は登壇のみであり、講師への研修コンテンツ作成費の支払い等がない」「研修コンテンツはすべて当社作成であり、コンテンツ費用等他社への支払いがない」等の理由から研修コストの削減に繋がります。
研修実施プロセスのDX化も「顧客が自ら操作を行い、システムが管理をサポートすることになることから、顧客対応工数や研修運営上の誤りを減らすことができる」という理由により、当社コストの削減が可能となっています。研修運営コストの削減分を反映することで、価格面でも特徴的な研修サービスを提供しています。
(4)各サービスの特徴
各サービス特有のその他の特徴について説明します。
① biz研修
WebサイトをEC化して提供しております。顧客は検索窓からのサジェスト機能やレコメンド機能等を利用して、関心のある研修を迅速かつ容易に見つけることができます。比較検討段階では、お気に入り研修の登録や閲覧研修履歴の確認、稟議に必要な見積書の作成等様々なサポートをサイト上で受けることができます。
a)一社研修
一社単独実施の研修であり、営業担当が付き、顧客対応を行います。
数日以内の短期の研修が多いことから、顧客の受講人数の変動が頻繁に発生します。当社では受講人数の変動により見積金額が変わることがない料金一律設定で研修を提供しており、顧客は何度も見積りを取り直す手間や顧客社内における稟議対応のやり直しを避けることができます。
b)公開講座
Webサイトからの自動申し込みとなり、営業担当はつきません。
オンラインでの実施に絞ることで、通常必要な研修会場費を削減し、価格に反映しています。研修サポートシステムでは、「上司や人事担当者ではなく、受講者自らが申し込む」「請求書の一括管理機能」等様々な顧客ニーズに対応しており、顧客は手間を少なく研修の管理ができるようになっています。
c)動画講座
公開講座同様、Webサイトからの自動申し込みとなり、営業担当はつきません。
動画を買い切ることも、レンタルし利用することもできます。レンタルして当社システム上で利用する場合には、実施履歴の管理やテストの実施状況も管理され、担当者の手間を最小限に抑えられます。
② tech研修
特徴は、IT未経験者に対するプログラミング研修等「エンジニアの入り口まで連れて行く初期研修」にコンテンツが集中している点が挙げられます。未経験者向けのJava、PHP、Ruby、Python等のプログラミング言語、Linux、ネットワーク、AWS等のインフラ技術の研修を幅広く取り揃えております。
受講期間が長期にわたることもあることから日々の日報、出席、講師からの報告等の情報管理が研修サポートシステムより行えるようになっております。加えて、AIによる自動質問回答システム等育成のサポート機能を利用することができるようになっております。
なお、tech研修では一社研修や公開講座のサービスを主として提供しており、動画講座に関しては売上僅少となります。公開講座においても受講期間が長期になることから各社に営業担当がつき、一社研修と同様に運営しております。
当社のKPIは「biz研修の一社研修の顧客企業数」と「tech研修の一社研修・公開講座の顧客企業数」であります。biz研修の公開講座・動画講座及びtech研修の動画講座に関しては、当社の内部統制評価範囲で選定された重要な事業拠点の対象とならない事業規模となるためKPI開示の対象から外しております。tech研修の一社研修と公開講座は、同一ビジネスフローでの事業活動となるため分けずに顧客企業数を開示します。なお、tech研修の社数には、一社研修と公開講座にはそれぞれを利用することで重複してカウントされる企業も含まれます。
【業績等】
決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2025/03 単独中間実績 1,423 605 603 395
2025/03 単独会社予想 1,934 667 657 422
2024/03 単独実績 1,483 402 404 285
2023/03 単独実績 920 223 223 147
決算期 種別 EPS BPS 配当
2025/03 単独会社予想 208.91 643.98 -
上場時発行済株数 2,080,900株
公開株数 660,400株(公募80,900株、売り出し493,400株、オーバーアロットメント86,100株)
調達資金使途 人材採用費、オフィス拡張のための設備投資、海外事業への展開費、システム開発費
PER:17.9
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:24.6億
公募時時価:78億
【株主構成】
松田航 代表取締役社長 2,000,000 100.00% 180日
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である松田航は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2025年6月14日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等は除く。)は行わない旨合意しております。
【代表者】
代表者名 松田 航(上場時36歳11カ月)/1988年生
本店所在地 東京都新宿区四谷
設立年 2022年
従業員数 52人 (2024/10/31現在)(平均29.7歳、年収437.3万円)
事業内容 人材育成事業
URL https://corp.reskill.jp/
株主数 1人 (目論見書より)
資本金 50,000,000円 (2024/11/14現在)
代表者生年月日 1988年01月12日生まれ
代表者略歴
2012年04月 株式会社日本ライセンスバンク入社
2012年04月 株式会社リカレント 取締役就任
2012年04月 オンシー株式会社設立 代表取締役就任
2013年10月 株式会社デントランス 取締役就任
2015年07月 株式会社リカレント 代表取締役就任
2022年05月 当社 代表取締役社長就任(現任)
【幹事団】今期予想PER(11/19)
264A Schoo 22.2倍 (単独予想)
5577 アイデミー 25.3倍 (連結予想)
6200 インソース 22.6倍 (連結予想)
7043 アルー - (連結予想)
9610 ウィルソンWLW - (連結予想)
【参考類似企業】
主幹事証券 SBI - -
引受証券 今村 - -
引受証券 丸三 - -
引受証券 水戸 - -
引受証券 岩井コスモ - -
引受証券 岡三 - -
引受証券 極東 - -
引受証券 松井 - -
引受証券 マネックス - -
【私見】
人材研修銘柄で、優位性はわかりにくいですが、それなりに人気はある業種で悪くはないと思います。売上・利益の伸びは非常に良いのは魅力で、PERからは割高感はなく、同業20~25の評価をしても良いかと思います。もう一つの魅力は一人株主でという珍しいケースで、需給は全く心配ありません。SBI主幹事、小さくはない吸収金額、大型上場含む同時上場で、地合いによっては厳しいスタートになるかもしれません。
想定価額:3590円
仮条件上限:3730円
初値予想:4200円
ブック申し込み度・・・やや強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価:3.5
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