【事業内容】
(1) 流通事業
長野県内で食品スーパー「デリシア」51店舗(フランチャイズ含む)と「業務スーパー・ユーパレット」9店舗の計60店舗を展開しており、長野県内で展開していくドミナント戦略(物流や店舗管理、広告宣伝などの効率化とコスト削減のため、ある一定の地域に集中的に店舗を出店し、競合他社よりも優位な地位を獲得する戦略)の下、県内トップクラスの店舗網を有しております。「デリシア」の店舗フォーマットは、価格だけで勝負する食品スーパーではなく、「上質なスーパーマーケット」をコンセプトに、低価格路線からは一線を画し、鮮度・品質重視の品揃え、お客様の利便性を追求するという付加価値を重視する店舗となっております。一方、「業務スーパー・ユーパレット」は、高品質&低価格の大容量の業務用商品等で、低価格(お買い得感)を打ち出し、価格(価値)重視の店舗となっております。2つの異なる店舗フォーマット(コンセプト)により客層や商圏に合わせた店舗展開ができることは当社グループの強みであり、出店戦略においても、「デリシア」は出店することにより当該出店地域でドミナント化が図られることを基本方針とする等、業務スーパーとの差別化や「デリシア」と「業務スーパー・ユーパレット」の出店配置の最適化を図っております。また、多様化する消費動向に対応するため、移動スーパーの「とくし丸」を34台、宅配サービスの「デリシアネットスーパー」を18拠点、セルフ型無人決済店舗を1店舗展開しマルチチャネル化を進めております。
この他、フードサービス事業といたしまして、株式会社モスフードサービスとフランチャイズ契約を締結しモスバーガー事業(4店舗)を、タリーズコーヒージャパン株式会社とフランチャイズ契約を締結しタリーズコーヒー事業(2店舗)を行っております。また、2022年4月に株式会社マックドラッグを傘下に置き、新規事業となる医薬品の販売事業を立ち上げました。
(2) 運輸事業
バス事業、鉄道事業、タクシー事業及び自動車整備事業を行っております。
バス事業は、長野県、東京都、大阪府に営業所を構えております。主要事業は、長野県内外の都市間や都市と上高地・白馬等の観光地を結ぶ「高速バス事業」、松本市内から、中部山岳国立公園内の上高地、乗鞍山頂(畳平)を中心とする地域の輸送を行う「観光路線バス事業」、長野県内各地にて運行する「一般路線バス事業」及び「貸切バス事業」となります。高速バス事業は、運輸事業で一番の収益部門であり、路線別には松本・長野・白馬・諏訪・飯田の各地と「バスタ新宿」を結ぶ新宿系統が高速バス事業全体売上の4割を占めております。また、観光路線バス事業においては、「松本(新島々)~上高地線」及び「松本・沢渡~上高地線」は当社グループの単独路線ということもあり観光路線の中でも一番の収入源になっております。
鉄道事業の営業路線は、松本~新島々間(14.4キロ)の上高地線であり、大正時代の鉄道事業創業以来、松本市西部住民の輸送及び上高地、乗鞍高原方面への観光客の輸送を行っております。
タクシー事業は、長野県内の松本地区、長野地区、諏訪地区、大北地区の4拠点で展開しており、乗用タクシー事業の売上シェアは長野県内ではトップクラス※2となっております。需要拡大が見込めるインバウンド対応も重点的に実施しており、特に冬季における白馬地域では、タクシー需要が拡大しているため、他地域からの応援勤務も含め、全社総力を挙げて売上確保に努めております。
自動車整備事業は、バス・タクシー等のグループ車両の整備の外、一般向け整備事業にも注力しており、お客様が車検に立ち会い「安全・安心」を実感できる車検サービスをはじめ、整備・定期点検・板金塗装・車両販売・マーキングを通じて、地域のお客様のカーライフをサポートしております。
(3) 観光事業
長野県内で、ホテル・旅館事業、サービスエリア事業、旅行事業、レジャー場事業を行っております。
ホテル・旅館事業は、長野県松本市を中心にシティホテル、ビジネスホテル、温泉リゾートホテルの3形態計6施設の運営を行っております。国内利用客として、ビジネスで利用されるお客様は首都圏中心に、観光客として利用されるお客様は首都圏、関西方面から幅広く集客しております。また、需要が拡大しているインバウンドでは台湾、東南アジア、欧米など、広範にわたり各国からのお客様を受け入れております。
サービスエリア事業は、長野県内の高速道路上下線10か所のサービスエリアのうち、諏訪湖(上り線)、梓川(上り線)、姨捨(上下線)の4か所を運営しております。売店、レストランなど、地域の特色を活かした商品・サービスの提供に努めております。
旅行事業は長年培ってきた企画力とグループインフラを活かした豊富な旅行商品を取り揃えることで、地域のお客様へ魅力ある商品やサービスを提供しております。同事業を担うアルピコ長野トラベル株式会社は、前身の長野トラベル株式会社からは50年の社歴を有し、観光庁長官登録第1種の旅行業登録により、国内・海外の募集型企画旅行、受注型企画旅行、手配旅行を取扱い、個人から団体、教育旅行まで幅広く展開しております。
レジャー場事業は、八ヶ岳など大自然の絶景を臨む蓼科高原において、ゴルフ場やキャンプ場などの運営を行っております。「蓼科高原カントリークラブ」は、1963年に開場し60年を超える歴史があるゴルフ場で、全長10,318ヤード(約9.4キロメートル)、27ホールを有しております。
(4) 不動産事業
不動産賃貸事業、別荘分譲地管理事業を行っております。
不動産の賃貸事業は、約30件の賃貸不動産事業を行っており、松本市、長野市、茅野市等長野県内に自社で保有する土地又は建物を主に法人に対して賃貸し、賃料を得るというビジネスモデルとなっております。
別荘分譲地管理事業は、古くからのリゾート地である蓼科高原及び八ヶ岳中央高原において、自社所有余地の売却、財産区から賃借している土地の転貸、建築及びリフォーム(一部外注あり)、上水道の供給、温泉供給、別荘管理などを行っております。
(5) その他のサービス事業
長野県内を中心に保険代理店事業等を行っております。
同事業を担うアルピコ保険リース株式会社では、長野県内9つの営業所網を有し、当社グループ従業員を含めた長野県のお客様に対して、幅広い種類の保険の販売を中心にサービスを提供しております。
【業績等】
決算期 種別 営業収益 営業利益 経常利益 純利益
2025/03 連結中間実績 52,278 2,423 2,238 1,651
2025/03 連結会社予想 102,300 2,900 2,500 1,700
2024/03 連結実績 99,620 2,448 2,123 904
2023/03 連結実績 92,637 545 527 72
決算期 種別 EPS BPS 配当
2025/03 連結会社予想 26.05 - 3.00
上場時発行済株数 71,113,460株
公開株数 14,292,700株(公募11,000,000株、売り出し1,428,500株、オーバーアロットメント1,864,200株)
調達資金使途 流通事業の新規出店、運輸事業のバス車両などの取得、観光事業の宿泊施設改装
PER:7.3
PBR:
配当利回り:1.6%
公募時吸い上げ資金:27.3億
公募時時価:135億
【株主構成】 以下180日
サンリン(株) 特別利害関係者など 6,369,426 10.11%
(株)八十二銀行 特別利害関係者など 5,837,814 9.27%
高沢産業(株) 特別利害関係者など 5,095,540 8.09%
キッセイ薬品工業(株) 特別利害関係者など 4,000,000 6.35%
損害保険ジャパン(株) 特別利害関係者など 3,625,028 5.75%
鈴与(株) 特別利害関係者など 3,184,710 5.06%
ホクト(株) 特別利害関係者など 3,052,800 4.85%
八十二キャピタル(株) 投資業(ファンド) 2,950,000 4.68%
昭和商事(株) 特別利害関係者など 2,928,000 4.65%
(株)日本アクセス 特別利害関係者など 2,000,000 3.17%
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、貸株人である損害保険ジャパン株式会社、売出人である株式会社みずほ銀行並びに当社株主であるサンリン株式会社、高沢産業株式会社、キッセイ薬品工業株式会社、鈴與株式会社、ホクト株式会社、株式会社八十二銀行、八十二キャピタル株式会社、昭和商事株式会社、株式会社日本アクセス、株式会社高見澤、北野建設株式会社、みずほリース株式会社、株式会社オカムラ、株式会社R&Cながの青果、松本信用金庫、三井住友海上火災保険株式会社、北陸コカ・コーラボトリング株式会社、松本土建株式会社、株式会社Uホールディングス、長野日野自動車株式会社、日野自動車株式会社、株式会社マルイチ産商、株式会社丸水長野県水、直富商事株式会社、いすゞ自動車中部株式会社、ブリヂストンタイヤ長野販売株式会社、株式会社トーヨータイヤジャパン、株式会社まるたか、株式会社あずさ環境保全、松本日産自動車株式会社、株式会社アドヴァンスト・インフォーメイション・デザイン、長野證券株式会社、株式会社虎ノ門インベスターズ、八十二リース株式会社、株式会社五千尺及び株式会社上高地温泉ホテルは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2025年6月22日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得することは除く。)等を行わない旨合意しております。
【代表者】
代表者名 佐藤 裕一(上場時64歳6カ月)/1960年生
本店所在地 長野県松本市井川城
設立年 2008年
従業員数 36人 (2024/10/31現在)(平均47.4歳、年収538.3万円)、連結2013人
資本金 338,465,000円 (2024/11/21現在)
代表者生年月日 1960年06月11日生まれ
代表者略歴
1984年04月 株式会社八十二銀行入行
2003年06月 同行富士見支店長
2005年06月 同行川中島支店長
2006年07月 同行融資部付出向、松本電気鉄道株式会社(現アルピコ交通株式会社)経営企画室長
2008年06月 当社取締役
2009年06月 株式会社八十二銀行リスク統括部長
2011年06月 同行企画部長
2013年06月 同行執行役員飯田エリア飯田支店長
【幹事団】
主幹事証券 みずほ - -
引受証券 野村 - -
引受証券 八十二 - -
引受証券 長野 - -
引受証券 大和 - -
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - -
【参考類似企業】今期予想PER(11/26)
3199 綿半HD 15.2倍 (連結予想)
3232 三交GHD 9.4倍 (連結予想)
7475 アルビス 13.5倍 (連結予想)
7646 PLANT 6.2倍 (単独予想)
8167 リテールPT 10.3倍 (連結予想)
8198 MV東海 12.2倍 (連結予想)
8255 アクシアル 10.8倍 (連結予想)
9010 富士急 25.8倍 (連結予想)
9017 新潟交13.1倍 (連結予想)
9031 西鉄 9.9倍 (連結予想)
9035 第一交通 11.2倍 (連結予想)
9052 山陽電 17.0倍 (連結予想)
9083 神姫バス 9.2倍 (連結予想)
9085 中央バス 17.9倍 (連結予想)
9956 バローHD 9.2倍 (連結予想)
【私見】
長野の鉄道・バス・スーパー・観光など完全な長野銘柄で、優待ができれば長野の方にとっては長期で保有したい安定銘柄かもしれません。コロナ明けからの業績回復で、今後の成長性はないかもしれませんが、PERからは割安感はあります。需給からも問題はなく、初値高騰はないと思いますが、安定した動きとなるでしょう。
想定価額:209円
仮条件上限:191円
初値予想:250円
ブック申し込み度・・・やや強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価:3.5
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