2022年5月13日金曜日

IPO分析(トリプルアイズ)

 【事業内容】

​ SI部門においてAI技術を用いたシステム開発を含むシステムインテグレーションビジネスを、AIZE部門においてストック型AIプラットフォームビジネスを取り組んでおります。

1,SI部門

 SI部門においては、LAMP技術、OSS開発技術をベースとした基幹システム・決済システムといったシステム開発を中心に、金融、流通、不動産、サービス、医療等の様々な業界において実績がございます。大手SIer)からの一次請けやエンドユーザーからの直接取引によるシステム開発が主となる案件となっております。SIerに対しては主に技術者派遣によって人月単価として売上を得ております。システム開発はエンドユーザーから直接請負によって成果物の対価として売上を得ております。

 システムの開発からネットワーク構築まで開発における様々な分野に精通したフルスタックエンジニアの育成に注力しております。あらゆる工程に対応できる技術者を揃えており、〈システムの設計〉から、〈システム開発〉、〈システム運用のためのインフラ構築〉、〈運用・保守〉まで一連のサービスをワンストップで提供できる体制を構築しております。顧客のニーズに合わせて、柔軟に対応し、高クオリティかつコストパフォーマンスの高いサービスを提供することで、競合他社に対して優位性を築いております。

 さらに、AI、ブロックチェーン、IoT等の研究開発成果を活かした最先端技術によるソリューションを提携先SIerと協働し、顧客先に提案できるのも当社グループの大きな特徴です。AIエンジンを独自に設計、構築することができるSIer・システム開発会社として、顧客先のニーズに最適なAIシステムをトータルで提供し差別化を図っております。

 

 AIZE部門においては、当社グループが独自に開発したAIエンジンによるサービスを展開しております。当社グループのAIエンジンは、画像認識を中心としそのなかでも顔認証のサービスをもっとも充実させております。なお当社グループのAIエンジンは、画像認識にとどまらず言語処理、需要予測などに活用されており、他社のデバイスへの組み込みなども可能です。

 当社グループが注力する画像認識プラットフォーム・AIZEは、顔認証、物体検知を行うソリューションとして、流通小売業を中心に店舗や工場などの業種・業態を問わないサービス提供を行っております。なかでも顔認証につきましては、512次元の特徴量を顔画像から検出し、正面静止画像であれば認証率99%という高精度を誇ります。年齢・性別・感情を推測できるAIエンジンは、マーケティングやおもてなし、安全管理に貢献しております。

 AIZEの顔認証は、横や斜めからの顔画像の認証、ウォークスルー環境での認証、マスク着用時の本人認証も可能で、写真によるなりすまし認証も防ぐことができる認証精度を有しております。

 AIZEは画像認識プラットフォームとして豊富なサービスレイヤーを備え、拡張性に優れており、個別の企業ニーズに合ったサービスラインナップにとどまらず、既存システムに即したカスタマイズも可能です。

 AIZEは画像を取得するデバイスを問いません。防犯カメラ、スマートフォン、PCカメラ、サーモ機器、ロボット、カメラ付きのデバイスと通信環境さえあれば、クラウド上のAIエンジンが画像を解析します。そのため短期間に導入することができ、ローコストで始められる顔認証システムは、AI導入のスモールスタートに最適と言えます。AIZEには記録保存できる画像枚数の上限がありません。大量のデータを処理することで、これまでに企業が費やしていた多大なマーケティング調査費用の圧縮につながります。


AIZEが提供するサービスは、以下のとおりであります。

・店舗等での顔画像の認識によるマーケティングサービス(AIZE Research)

・従業員の勤怠管理・会員管理・入退室管理等を行う顔認証勤怠サービス(AIZE Biz)

・顔画像の認識によるマーケティングサービスに自動検温機能を付加し感染症対策に対応したサービス(AIZE Research+)

・顔認証勤怠サービスに自動検温機能を付加し感染症対策に対応したサービス(AIZE Biz+)

・キャッシュレス店舗、無人店舗等に対応した顔決済サービス(顔決済API)

・AIエンジニア育成プログラム「AT 20」


2,研修事業(株式会社シンプルプラン)

 全国の様々な企業へ人材育成のためのセミナー研修業務を提供しております。同社代表取締役の丸茂喜泰をはじめ、スタッフは営業コンサルティングにも精通しているため、当社グループの営業部門の体制強化にも力を注いでおります。特に自社サービスであるAIZEの販売促進が重要な経営課題であることから、経営・営業・人材育成に実績のある同社と一体となりシナジー効果を発揮していくため、買収するという決断に至りました。また、これからのエンジニアの条件として、ビジネスマインドを持ち、コミュニケーションスキルを磨くことが必須であるため、株式会社シンプルプランの研修プログラムをエンジニア育成に採り入れております。


3,その他の事業

①将棋道場・教室の運営(株式会社所司一門将棋センター)

 当社グループ社員で構成する将棋部を持ち、アマチュア将棋団体戦の全国大会である「職団戦」において、トップクラスであるS級に所属しております。これは、当社グループの知名度向上に寄与しております。渡辺明名人の師匠である所司和晴氏が代表取締役を務める株式会社所司一門将棋センターを買収し、将棋道場の運営にかかわることで、将棋界全体の発展に寄与する企業グループとして、その特色を色濃くし、企業価値・ブランドイメージの更なる向上を図るものであります。将棋界に広く認知されることで論理能力に優れた将棋のアマ強豪の採用にも寄与しております。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2022/08 連結予想 2,595 174 163 138

2022/08 連結中間実績 1,212 96 93 84

2021/08 連結実績 2,122 60 83 38

2020/08 連結実績 1,791 -174 -166 -260


決算期 種別 EPS BPS 配当

2022/08 連結予想 21.67 161.59 0.00


上場時発行済株数 6,802,600株(別に潜在株式725,600株)

公開株数 621,000株(公募540,000株、オーバーアロットメント81,000株)

調達資金使途 事業開発など技術への投資、採用や教育など人材への投資


PER:40.6

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:5.5億

公募時時価:60億

​   

【株主構成】 

福原聖子 従業員、前代表取締役の配偶者 2,347,000 33.59%  90日

(株)コスモウエア 福原聖子氏の資産管理会社 1,800,000 25.76% 90日

AIテクノロジーイノベーションファンド1号有組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 470,000 6.73% 90日・1.5倍

JPE第1号(株) ベンチャーキャピタル(ファンド) 400,000 5.72% 90日・1.5倍

(株)キューブシステム 取引先 300,000 4.29% 90日・1.5倍

(株)TOKAIコミュニケーションズ 特別利害関係者など 250,000 3.58% 90日・1.5倍

山田雄一郎 代表取締役 138,600 1.98% 90日

ジェイズ・コミュニケーション(株) 特別利害関係者など 125,000 1.79% 90日・1.5倍

東港金属(株) 特別利害関係者など 100,000 1.43% 90日・1.5倍

丸茂喜泰 執行役員、子会社の代表取締役 70,000 1.00% 

加藤慶 取締役CFO 69,600 1.00% 90日

桐原永叔 取締役 69,600 1.00% 90日


 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、当社株主であるJPE第1号株式会社並びに当社株主であり売出人である株式会社キューブシステム、株式会社TOKAIコミュニケーションズ、ジェイズ・コミュニケーション株式会社及び東港金属株式会社は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2022年6月1日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し及びその売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)等は行わない旨合意しております。

 また、当社株主であり売出人かつ貸株人である福原聖子並びに当社株主である株式会社コスモウエア並びに当社株主であり当社役員である山田雄一郎、加藤慶、桐原永叔及び飯塚健並びに当社株主であり当社執行役員である原正人は、主幹事会社に対し、ロックアップ期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)等は行わない旨合意しております。 

【代表者】

代表者名 山田 雄一郎(上場時39歳11カ月)/1982年生

本店所在地 東京都千代田区神田駿河台

設立年 2008年

従業員数 197人 (2022/03/31現在)(平均35.5歳、年収439万円)、連結197人

事業内容 システムインテグレーションおよび独自開発のAI(人工知能)プラットフォームの提供

URL https://www.3-ize.jp/

株主数 28人 (目論見書より)

資本金 465,257,000円 (2022/01/26現在)

代表者生年月日 1982年06月11日生まれ

代表者略歴

2005年12月 新日本監査法人(現 EY新日本有限責任監査法人)入所

2018年06月 (一社)日本ラクロス協会 監事 就任

2020年08月 当社 入社

2020年09月 当社 執行役員CFO就任

2020年11月 当社 取締役CFO 経営戦略本部副管掌就任

2021年03月 当社 代表取締役就任(現任)

2021年11月 首都圏ソフトウェア協同組合理事就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 いちよし 405,000 75.00%

引受証券 野村 40,500 7.50%

引受証券 みずほ 29,700 5.50%

引受証券 SBI 10,800 2.00%

引受証券 あかつき 5,400 1.00%

引受証券 SMBC日興 5,400 1.00%

引受証券 岡三 5,400 1.00%

引受証券 極東 5,400 1.00%

引受証券 東海東京 5,400 1.00%

引受証券 東洋 5,400 1.00%

引受証券 松井 5,400 1.00%

引受証券 マネックス 5,400 1.00%

引受証券 丸三 5,400 1.00%

引受証券 楽天 5,400 1.00%


【参考類似企業】今期予想PER(4/29)

2335  キューブシス 12.8倍 (連結見込)

3627 JNS 26.3倍 (連結予想)

3744 サイオス 54.2倍 (連結予想)

4011 ヘッドウォータ 129.3倍 (連結予想)

4055 ティアンドエス 28.4倍 (単独予想)

4264 セキュア 42.0倍 (連結予想)

4268 エッジテクノ 95.1倍 (単独見込)

5028 セカンドサイト 58.7倍 (単独見込)



【私見】

 将棋関連でも話題性のあるAI銘柄で、空白期間明けでもありますので人気化が予想されます。成長性はまずまずですが、3倍くらいの初値になってしまえばPERも100超で割高感は感じます。延期後は規模も半減されたことはプラス材料ですが、1.5倍でロックが外れるVCが80万株強あることは要注意です。



想定価額:880円

仮条件上限:880円

初値予想:2500円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

期待度:4


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