2025年1月23日木曜日

IPO分析(技術承継機構)

 【事業内容】

 製造業と製造業に関連する事業の譲受及び譲受企業の経営支援に取り組む連続買収(譲受)企業です。各社の技術・技能が失われることを防ぎ、次世代に繋ぐことをミッションとしております。当社チームメンバーは、海外経験の中で、日本経済の置かれている厳しい状況、及び日本の製造業に対する尊敬の眼差しを実感しました。一方、日本の中小製造業は技術を持っているものの、後継者不足・営業不足等、「もったいない」状況にあり、その「もったいない」を改善したいという思いが会社設立の出発点です。当社は、技術を持つ中小製造業複数社が一緒になることで、強固な企業グループの構築を目指しております。なお、買収ファンド(PEファンド)とは違い、譲受した会社の譲渡は基本的には想定しておりません。当社は、中小企業の主要な悩みである人材不足・IT化を改善・推進することで、中小製造業各社の事業強化を行い、グループ内において、開発から売上に至る全ての事業行程での相乗効果を追求しております。

 主な活動は、製造業と製造業に関連する事業の譲受と経営支援であり、当社グループの収益源は、譲り受けた製造業の事業から生まれる利益になります。当社は連続買収(譲受)企業として、製造業のM&Aを適切なバリュエーションで連続的に行うことで成長していきます。譲受した会社をバリューアップし、生まれたキャッシュ・フローでさらにM&Aを加速させることにより、非連続的な成長を目指します。

 創業以来、本書提出日現在までに10社の企業を譲受しており、製造業の中でも幅広い分野に事業を分散させることで、特定の業界の変動に影響を受けにくい構成となっております。当社は、企業の譲受にあたって、主にM&Aアドバイザーや金融機関等から譲受候補となる企業の紹介を受けており、その対価として手数料を支払っています。また、譲受した企業に対しては、役員の派遣などを通じて各種の経営支援を行っており、その対価として各社から経営支援料を受け取っています。

​ 2018年7月9日に東京都中央区にて、中小製造業各社の技術を次世代に繋ぐことをミッションとして設立されました。本書提出日現在までに(親子会社又は兄弟会社は1社と数えて)10社の製造業の譲受を実行しております。

2019年11月 薄膜材料開発製造及び冷間鍛造を行う株式会社豊島製作所(タイ子会社たるTOSHIMA(THAILAND)CO.,LTD.を含む)を100%子会社として譲受

2020年12月 樹脂プリント及び加工を行う株式会社東洋マークを100%子会社として譲受

2021年2月 自動はんだ付け装置の開発製造を行うFAシンカテクノロジー株式会社を100%子会社として譲受

2021年7月 シート材・コイル材切断機の製造を行うエムエスシー製造株式会社を100%子会社として譲受

2021年9月 高機能フィルムの巻取機の設計製造を行う株式会社篠原製作所を100%子会社として譲受

2022年7月 切削加工を行う京和精工株式会社を100%子会社として譲受

2023年4月 板金及び金属箔加工を行う株式会社キンポーメルテックを100%子会社として譲受

2023年6月 炭素繊維強化プラスチック製品の製造を行う株式会社エアロクラフトジャパンを100%子会社として譲受

2023年8月 切削加工を行う株式会社天鳥を100%子会社として譲受

2024年1月 工事用保安機器の製造を行う株式会社ティオックを100%子会社として譲受

 

【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2024/12 連結3Q累計実績 8,044 1,138 1,156 617

2024/12 連結会社予想 11,000 1,500 1,500 860

2023/12 連結実績 9,327 879 926 1,613

2022/12 連結実績 6,804 460 541 148


決算期 種別 EPS BPS 配当

2024/12 連結会社予想 109.08 - 0.00


上場時発行済株数 8,627,778株

公開株数 1,673,200株(公募745,000株、売り出し710,000株、オーバーアロットメント218,200株)

調達資金使途 M&A(買収・合併)待機資金


募集を行う地域

欧州及びアジアを中心とする海外市場(ただし、米国及びカナダを除く。)


PER:18.2

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:33.4億

公募時時価:172億

​   

【株主構成】 以下180日

新居英一 代表取締役社長など 6,397,634 81.16%

藤井陽介 執行役員 600,000 7.61%

佐藤大央 特別利害関係者など 130,000 1.65%

亀田藍子 取締役など 112,000 1.42%

徳田雄一郎 子会社の取締役 101,000 1.28%

永井裕 子会社の取締役 101,000 1.28%

岩間正俊 監査役など 101,000 1.28%

大橋俊之 従業員、子会社の取締役 90,660 1.15%

山口貴弘 特別利害関係者など 60,000 0.76%

玉川陽介 特別利害関係者など 50,000 0.63%


 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である新居英一、売出人である藤井陽介、並びに当社株主である佐藤大央、亀田藍子、徳田雄一郎、永井裕、岩間正俊、大橋俊之、山口貴弘、玉川陽介、株式会社SHIFT、江尻晃洋、中嶋真里、鈴木大雅、平井頌大、安藤憩子、鍬塚洋史、及び当社の従業員1名は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2025年8月3日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等を除く。)は行わない旨合意しております。

 ​

【代表者】

代表者名 新居 英一(上場時41歳10カ月)/1983年生

本店所在地 東京都渋谷区渋谷

設立年 2018年

従業員数 8人 (2024/11/30現在)(平均38.6歳、年収1100万円)、連結556人

事業内容 製造業の譲り受け、譲り受け企業の経営支援

URL https://ngt-g.com/

株主数 22人 (目論見書より)

資本金 55,000,000円 (2024/12/27現在)


【幹事団】

主幹事証券 SBI - -

引受証券 Jトラストグローバル - -

引受証券 アイザワ - -

引受証券 岩井コスモ - -

引受証券 松井 - -

引受証券 むさし - -


【参考類似企業】今期予想PER(1/6)

2884 ヨシムラフード 20.8倍 (連結予想)

3439 三ツ知 10.3倍 (連結予想)

5644 メタルアート 5.8倍 (連結予想)

5971 共和工業 10.3倍 (連結予想)

6286 靜甲 8.0倍 (連結予想)

7250 太平洋 7.3倍 (連結予想)

7318 セレンディプ 13.1倍 (連結予想)

9166 GENDA 45.0倍 (連結予想)


【私見】

M&Aの手数料収入でなく、譲受企業を承継する箱自体の会社で、ヨシムラフードの製造業バージョンで初物的な要素はあります。資金は必要になりますが、有力な企業を買えば必然的に利益は増え、GENDAのように時価総額が大きくなるビジネスモデルは魅力です。完全ロックで、需給的には問題ないのですが、SBIの中規模銘柄は厳しく、初値段階で買いが入るかは微妙ではあります。同主幹事のGENDAやAIロボなど、好業績銘柄はアフターで伸びる会社もあるので、中期的には上がる可能性は充分あると予想します。


想定価額:1970円

仮条件上限:2000円

初値予想:2500円

ブック申し込み度・・・中立

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3.5

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