2021年1月26日火曜日

IPO分析(アールプランナー)

 【事業内容】

  当社グループの属する住宅・不動産業界では、住宅又は不動産のいずれかに特化した会社が多数存在しております。一般的に住宅に特化した会社は、住宅を「どこに建てるか」という土地に関する情報力は十分でなく、一方で、不動産に特化した会社は、地域の土地に関する情報力が豊富な反面、「どういった住宅に住みたいか」といった建物に関するニーズへの対応力に課題が多いことがあります。そのため、顧客が住宅購入の検討を始めてから入居に至るまでには、複数の業者との折衝を重ねて多くの課題を解決していく必要があります。

 これに対し、当社グループは、「デザイン力・商品力×不動産情報力×集客力×販売力」を強みとすることで、戸建住宅事業における「注文住宅」×「分譲住宅」×「不動産仲介」のビジネス展開(ワンストップ・プラットフォーム戦略)が可能となっております。

 すなわち、戸建住宅事業において「注文住宅」を取扱うことで、時代に合わせたデザイン・仕様・性能等のノウハウが当社グループ内に蓄積され、また「分譲住宅」を取扱うことで、土地に合わせた住宅を提供するノウハウが当社グループ内に蓄積されております。このように、「注文住宅」及び「分譲住宅」で培ったノウハウを相互に利用することで、顧客ニーズに合った住宅の提案を行っております。また、「不動産仲介」を取扱う中で、土地情報が当社グループ内に蓄積されることで、「注文住宅」を希望している顧客に対しては最適な土地情報を提供でき、「分譲住宅」においては建築に適した用地を確保することが可能となっております。また、「不動産仲介」においても、土地購入者に対して当社グループの住宅を提案するなど、当社グループで「注文住宅」及び「分譲住宅」を同時に取扱うことのメリットを活用しております。当社グループでは、この「注文住宅」×「分譲住宅」×「不動産仲介」のビジネスモデルを「ワンストップ・プラットフォーム戦略」と呼んでおり、当社グループの強みとしております。


(2) 当社グループの強み

① 住宅購入に関する多様なニーズをワンストップで解決できる体制

前述のとおり、顧客が住宅購入の検討を始めてから入居に至るまでには解決が必要な多くの課題が存在しております。当社グループの「注文住宅」×「分譲住宅」×「不動産仲介」のビジネスモデル(ワンストップ・プラットフォーム戦略)により、当社グループは住宅に関する様々な提案を行うことができ、多様な顧客ニーズに対応することが可能です。

 現在は自分のライフスタイルが重視される時代であり、顧客は皆、自分なりの好みやこだわりを持って家を選ぶ傾向にあります。しかしながら、こと住宅に関しては、デザイン、性能、価格、立地等、何かを妥協しないと手に入らないという既成概念がありました。また、通常、顧客は土地の所有状況や目的に応じて、不動産業者、工務店、モデルハウスや住宅展示場へと足を運ぶことになります。

 これに対し、当社グループは「注文住宅」×「分譲住宅」×「不動産仲介」を一体としたことで、住宅購入の様々なステージにおいて顧客への対応が可能であります。すなわち、当社グループでは土地を探すこと(立地の提案)から住宅のデザイン、性能、価格等の相談までワンストップで対応することで、希望の立地にデザイン性・機能性を兼ね備えた住宅を適正な価格で提供することを可能としております。その結果、顧客の様々な側面からのニーズに対応できる利便性のよいサービスを提供し、幅広い顧客層を開拓して成長を遂げてまいりました。


② 「注文住宅」×「分譲住宅」×「不動産仲介」の一体化によるシナジーと顧客の囲い込み

 「① 住宅購入に関する多様なニーズをワンストップで解決できる体制」からシナジーが生まれ、さらなる顧客の囲い込みも可能となっております。

 「ワンストップ・プラットフォーム戦略」により、当社グループのすべての住宅は「アールプランナーのデザイン住宅」として、「外観」「空間」「価格」を自社独自でデザインすることが可能となっております。通常、顧客は土地の所有状況や目的に応じて、不動産業者、工務店、モデルハウスや住宅展示場へと足を運ぶことになりますが、当社グループは「注文住宅」×「分譲住宅」×「不動産仲介」を一体としたことで、住宅購入の様々なステージにおいて顧客への対応が可能であります。

 「不動産仲介」においては、土地を所有していない顧客に対して、「分譲住宅」の紹介や、自社建築条件付き土地の紹介、土地の紹介(仲介)等を行っております。「不動産仲介」を行うことで当社グループ内に土地情報が蓄積され、蓄積された土地情報をもとに住宅建築時に土地を提案することで、「注文住宅」の成約率の向上にもつながっております。また、最終的に他社にて土地を購入することになった顧客でも、土地購入の検討過程で当社グループが案内した「分譲住宅」やモデルハウスの情報をもとに、住宅については当社グループの「注文住宅」を購入してもらえる可能性もあります。

 なお、当社グループは主な営業拠点を愛知県を中心として23拠点(愛知県:20拠点、東京都:3拠点)(2020年11月30日現在)構えており、住宅一次取得者(初めて住宅を購入する人)のボリュームゾーンを主要顧客層として、住宅・不動産に関わるサービスをワンストップで提供しております。


③ 住宅と不動産の「ワンストップ・プラットフォーム戦略」によるマーケティング上の施策

 住宅展示場と不動産店舗の同一エリアへの出店を進めております。同一エリア内に住宅展示場と不動産店舗を開設することで、当社グループ内での事業間の連携を密に行うことができ、住宅展示場⇔不動産店舗を往来する顧客の利便性の向上にも寄与しております。これにより、「注文住宅」×「分譲住宅」×「不動産仲介」のシナジーを最大限活用できる体制を整えております。


【業績等】

業績動向(百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益

(連結実績)2019.1 16,635 762 679 423

(連結実績)2020.1 19,183 687 593 434

(連結予想)2021.1 22,000 550 428 277

(連結3Q累計実績)2021.1 15,035 307 231 153

決算 3月中旬予定


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(連結予想)2021.1 277.50 2,151.62 0

調達資金使途 付随費用含む土地仕入れおよび建築費用の一部


上場時発行済み株数 1,270,000株 (別に潜在株式16,500株)

公開株数 460,000株(公募270,000株、売り出し130,000株、オーバーアロットメント60,000株)

シンジケート 公開株数400,000株 


PER:8.0

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:10.1億

公募時時価:28億

    


【株主構成】 以下90日

梢政樹 代表取締役社長など 290,000 28.53

古賀祐介 代表取締役会長など 260,000 25.58

Ko. International(株) 役員らが議決権の過半数を所有する会社 250,000 24.59

TreeTop(株) 役員らが議決権の過半数を所有する会社 200,000 19.68

安藤彰敏 取締役 2,000 0.20

舟橋和 取締役 2,000 0.20

森川祐次 従業員 1,500 0.15

山崎寛征 従業員 1,500 0.15

楯純二 従業員 1,500 0.15

広角祐輔 従業員 1,500 0.15


【代表者】

代表者名 梢 政樹(上場時45歳6カ月)/1975年生

本店所在地 愛知県名古屋市東区

設立年 2003年

従業員数 240人 (11/30現在)(平均32.6歳、年収513.6万円)、連結290人

株主数 4人 (目論見書より)

資本金 50,000,000円 (1/6現在)

代表者生年月日 1975年07月26日生まれ

代表者略歴 

1998年04月 中部積和不動産(株)(現 積水ハウス不動産中部(株)) 入社

2007年02月 (株)アールプランナー・ソリューションズ(現 (株)アールプランナー不動産) 取締役 就任

2009年12月 当社 取締役 就任

2010年06月 (株)アールプランナー・ソリューションズ(現 (株)アールプランナー不動産) 代表取締役 就任(現任)

2013年08月 当社 代表取締役社長 就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 野村 364,000 91.00

引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 12,000 3.00

引受証券 みずほ 12,000 3.00

引受証券 SBI 12,000 3.00


【参考類似企業】今期予想PER(1/12)

1420  サンヨーH 16.1倍(連結予想 )

1439  安江工務 -倍(連結見込 )

2734  サーラ 9.2倍(連結見込 )

3465  ケイアイスター 8.7倍(連結予想 )

8886  ウッドフレンス 4.9倍(連結予想 )

8891  エムジーホーム 1.5倍(連結予想 )

8904  AVANTIA 12.6倍(連結予想 )

8995  誠建設 10.9倍(連結予想 )


【私見】

 愛知の戸建て不動産で、マンションから戸建て回帰という多少の流れはあるものの、大きな優位性はなく、評価はできません。業績はそこそこ伸びていて、PERからも平均並みで、次回決算の成長性を加味すれば上の評価はできそうです。需給は非常に良く、売り要素は全くないので、初値段階では上がり、その後停滞するパターンでしょうか。


想定価額:2090円

仮条件上限:2210円

初値予想:3800円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3


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