2021年5月26日水曜日

IPO分析(ワンダープラネット)

 【事業内容】

1.エンターテインメントサービス事業について

 当社の提供するタイトルは、ユーザーが無料でダウンロードして楽しむことができ、アプリ・ゲーム内での一部アイテムの獲得や機能拡張を行う際や月額での課金が必要となるフリーミアムモデルとしており、課金により得られた金額が当社の収入となります。

 なお、当社が直接配信を行うサービスは、課金収入から協業パートナーへの収益分配額を控除した金額を当社売上高として計上しており、プラットフォームからは課金収入より手数料を除いた金額を受領しています。一方で、当社が開発・運営等を担当し協業パートナーが配信を行うタイトルは、当社が契約に基づき協業パートナーから受領する金額を当社売上高としています。サービス毎にリスクやリターンの見極めを行い、配信の方式や協業の内容を検討のうえ事業展開を行っています。


<運営中のタイトル(協業タイトル含む)>

・クラッシュフィーバー

明るくポジティブな仮想世界を舞台に、画面をタップするだけの簡単操作で楽しめるブッ壊し!ポップ☆RPG


・ジャンプチ ヒーローズ

「週刊少年ジャンプ」の創刊50周年を記念した友情・努力・勝利!体感プチプチRPG


・DecoLu(デコル)

スティッキーが毎日の予定を楽しく彩るデコれる手帳アプリ


・この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ

アニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』のキャラクターたちが登場するRPG


・おねがい、俺を現実に戻さないで!シンフォニアステージ

ヒロインたちとともにアイドルなき世界にアイドル文化を創生していく異世界アイドル創生リズムゲーム


2.当社の特徴及び強みについて

 当社は、自社開発によるオリジナルタイトル及び他社IPタイトルの日本国内及び海外での展開、他社開発によるIPタイトルの海外での展開を行っています。

 以下に記載のタイトル分類にてバランスの良いポートフォリオを形成することで高い成長性の確保と安定的な収益基盤の構築に努めています。


a 自社開発タイトル(オリジナル)(「クラッシュフィーバー」等)

 企画・開発・運営のすべてを自社で一貫して行うことができる強みがあると考えております。タイトルにかかるコストの多くを当社で負担する必要がある一方で、得られる収益分配の割合も多くなるためヒット時に会社の成長に大きく寄与する特徴があります。


b 自社開発タイトル(IP)(「ジャンプチ ヒーローズ」等)

 IPのファンのうち一定数をタイトルのユーザーとして獲得できる可能性があり、それらのファンに満足いただける企画・開発・運営を行うことができる強みがあると考えております。協業パートナーとの費用負担や役務分担、収益分配の内訳はタイトル毎に異なるものの、収益分配の割合がオリジナルタイトルに比べると低くなる一方で、費用負担が抑えられリスク低減できる特徴があります。


c 他社開発タイトル(海外)(「この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ」等)

 当社オリジナルタイトルの展開市場拡大による収益性の向上だけでなく、これまでの日本及び海外での配信経験により、他社が日本で実績があり海外未配信のタイトルを短期間で海外向けに開発を行い、リリース後も安定した運営を行うことができる強みがあると考えております。IPを保有する協業パートナーへの収益分配が必要となるものの、新規開発と異なり開発費用が抑えられ、短期間でリリース可能である特徴があります。


  また、当社では、独立した3つのスタジオ(名古屋スタジオ、グローバルスタジオ、タノシムスタジオ)にてアプリ・ゲームの企画・開発・運営を行っています。

①自社開発タイトルでヒットが続く名古屋スタジオ

 名古屋スタジオは、自社開発タイトルの開発から運営まで全てを名古屋にて担っているスタジオであり、「クラッシュフィーバー」、「ジャンプチ ヒーローズ」それぞれの日本版における新規開発及びリリース後の運営を行っています。名古屋スタジオの特徴の1つとして高い専門性や技術力が挙げられます。2021年3月末時点で、名古屋スタジオの正社員・契約社員102名のうち34名(名古屋スタジオ全体の33%)がエンジニア、及び当社もしくは他社でのエンジニア業務の経験者であり、当社アプリ・ゲームの品質担保や向上を技術的側面から支えています。また、教育・研修の整備を行うことで継続的なレベルアップや技術の共有による安定的な運営体制と新規開発体制を構築しています。

 また、本社のある名古屋を中心とした地域に根ざした雇用を行っていることも特徴の1つであり、名古屋スタジオの正社員・契約社員のうち90名(名古屋スタジオ全体の88%)が東海3県(愛知、岐阜、三重)の出身、もしくは東海3県の学校(大学院、大学、専門学校、高校)卒業者です。


②海外展開を一気通貫するグローバルスタジオ

 グローバルスタジオは、自社及び他社開発タイトル海外版の開発・運営を担っており、東京を拠点に開発・運営に係る業務を一貫して実施できる点が強みです。当社では、日本国内以外にも今後の成長や一定の規模が見込まれる海外の国・地域において事業展開を行っており、海外売上高比率は2019年8月期に単体売上高の34%、2020年8月期に連結売上高の35%を占めています。海外向けのタイトルにおいても、企画・開発からリリース後の運営・プロモーションの実施まで一貫して実施することで、日本版で培ったノウハウの活用や、スピーディな展開が可能となっています。また、2021年3月末時点でグローバルスタジオの正社員・契約社員51名のうち外国籍の社員は29名在籍しており、当該スタジオ全体の57%を構成し、海外の言語や文化的背景の理解がスムーズであることも海外展開における強みであると考えています。また、グローバルスタジオにおける外国籍の新規採用者は、2019年8月期から2021年8月期第2四半期までの期間中、15名中9名がリファラル採用であり、上記のとおり外国籍社員が既に活躍していることから新規採用者の就業への安心感に繋がり、継続的に人材確保できている点も特徴であると考えております。

 また、タノシムスタジオは、2016年2月に子会社化し、2018年9月に吸収合併したタノシム株式会社のメンバーが中心となり、ゲーム以外の領域を含め協業パートナーとの新規チャレンジを担っているスタジオです。

 それぞれのスタジオが持つ方針や特徴を活かし、過去のサービスや施策から得られた経験やノウハウを蓄積し、新しい挑戦に繋げることで長期的にユーザーに楽しんでいただけるものづくりを行っています。また、必要に応じて各スタジオが持つ強みを持ち寄り、スタジオ横断でサービスの企画・開発・運営に取り組むこともあります。運営にあたって、実際にサービスを利用するユーザーからの声を聞くことを重視しており、寄せられた意見や要望等を参考に、課題や優先順位の把握、機能改修、施策への活用等に繋げています。継続的な改善を実施することで、2015年7月にリリースしたクラッシュフィーバーは5年を、2018年3月にリリースした「ジャンプチ ヒーローズ」は3年を超えて楽しんでいただけるサービスとなっています。  


【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(単独実績)2019.8 2,856 -130 -136 12

(連結実績)2020.8 3,434 312 312 224

(単独予想)2021.8 3,842 492 484 1,003

(単独中間実績)2021.8 1,881 139 141 176


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(単独予想)2021.8 483.63 - 0

調達資金使途 新規開発タイトルに係る人件費や外注費、借入金返済


上場時発行済み株数 2,149,412株 (別に潜在株式236,984株)

公開株数 217,600株(公募50,000株、売り出し139,300株、オーバーアロットメント28,300株)


PER:5.3

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:5.6億

公募時時価:55億


【株主構成】 

常川友樹 代表取締役社長CEO 375,000 16.05 180日

JAPAN VENTURES I L.P. ベンチャーキャピタル(ファンド) 278,700 11.93 180日・1.5倍

(株)海外需要開拓支援機構 ベンチャーキャピタル(ファンド) 256,412 10.97 180日・1.5倍

石川篤 取締役会長 225,000 9.63 180日

グローバル・ブレイン5号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 196,000 8.39 180日・1.5倍

ユナイテッド(株) 資本業務提携先 194,000 8.30 180日・1.5倍

ジャフコSV4共有投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 150,000 6.42 180日・1.5倍

久手堅憲彦 取締役CGO 106,000 4.54 180日

西條晋一 特別利害関係者など 100,000 4.28 180日・1.5倍

LINE VENTURES JAPAN(責) ベンチャーキャピタル(ファンド) 60,000 2.57 180日・1.5倍


 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、貸株人かつ当社の代表取締役である常川友樹、当社の取締役である石川篤及び久手堅憲彦は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後180日目(2021年12月6日)までの期間(以下、「ロックアップ期間」という。)、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等を除く。)を行わない旨を合意しております。

 また、売出人であるJAPAN VENTURES I L.P.、当社株主である株式会社海外需要開拓支援機構、グローバル・ブレイン5号投資事業有限責任組合、ユナイテッド株式会社、ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合、西條晋一、LINE Ventures Japan有限責任事業組合、NVCC8号投資事業有限責任組合、ニッセイ・キャピタル6号投資事業有限責任組合、SMBCベンチャーキャピタル2号投資事業有限責任組合、日本アジア投資株式会社、及びみずほ成長支援投資事業有限責任組合は、主幹事会社に対し、ロックアップ期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出し及び売却価格が本募集等における発行価格又は売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通じて行う株式会社東京証券取引所での売却等を除く。)を行わない旨を合意しております。

 加えて、当社の新株予約権を保有する久手堅憲彦、佐藤彰紀、村田知常、鷲見政明、開哲一、高宮啓、大坊拓、青田径春、手嶋浩己、和田洋一、桐島昌悟、吉谷幹人、加藤雄大、安藤琢磨、大橋資紀、有子山淳史、荘富翔、藤澤健治、福谷優大、橋本久美子、達川耕司、竹島由美子、五田満紘及びその他113名は、主幹事会社に対し、ロックアップ期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した当社普通株式の売却等を行わない旨を合意しております。

 

【代表者】

代表者名 常川 友樹(上場時39歳11カ月)/1981年生

本店所在地 愛知県名古屋市中区錦

設立年 2012年

従業員数 195人 (3/31現在)(平均32.1歳、年収499.6万円)

株主数 15人 (目論見書より)

資本金 250,001,000円 (5/7現在)

代表者生年月日 1981年06月18日生まれ

代表者略歴 

2001年10月 (株)エムラボ 執行役員就任

2004年04月 (株)オープンキューブ設立、代表取締役就任

2012年09月 当社設立、代表取締役社長CEO就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 大和 - -

引受証券 SBI - -

引受証券 野村 - -

引受証券 マネックス - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - -

引受証券 東海東京 - -


【参考類似企業】今期予想PER(5/11)

2121  ミクシィ 23.4倍(連結予想 )

3656  KLab 96.5倍(連結予想 )

3662  エイチーム 43.3倍(連結予想 )

3668  コロプラ 14.8倍(連結予想 )

3765  ガンホー 6.3倍(連結予想 )

3903  gumi 22.0倍(単独見込 )

3911  Aiming 9.5倍(単独予想 )

3928  マイネット 11.6倍(連結予想 )

3932  アカツキ 7.7倍(連結予想 )

4175  coly 15.2倍(単独予想 )

4393  バンクイノベ 74.5倍(連結予想 )

4644  イマジニア 11.8倍(連結見込 )

4751  サイバエージ 44.7倍(連結予想 )


【私見】

 ゲーム事業で誰もが知っているようなビックタイトルはありませんが、業績はそれなにり伸びている印象です。PERが低い業種ですが、成長性を加味してなのか、低めの設定で2倍の10程度は維持できる水準ではないかと思います。需給は、吸収金額が小さく跳ね上がっても良い株数ですが、VCに1.5倍のロック条件が付いてることからも、警戒感が強くセカンダリーは一旦売られる可能性は強いのかと思います。


想定価額:2410円

仮条件上限:2560円

初値予想:6000円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3.5

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