2021年5月27日木曜日

IPO分析(テンダ)

 【事業内容】

(1) ITソリューション事業

 ITによる顧客企業の業務やワークフローの改善・改革をトータルにサポートし、顧客企業のワークスタイル変革を推進するためのシステム開発、保守、運営技術者支援に関するトータルサービスを提供しております。

 具体的には、ECショップ、会員サイト、プロモーションサイトなど、顧客企業とお客様との重要な接点となるWebサイトの構築から、顧客企業のワークスタイル変革のための業務の自動化・効率化の開発、AIやRPAといったデジタル技術を活用した顧客企業のサービスの再構築や、技術者派遣(経験豊富なITエンジニアと技術を求めている企業を最善にマッチングし、プロジェクト単位の技術支援、開発支援を行うサービス)を手掛けており、開発から保守・運営まで一気通貫で対応することが可能となっております。

 当社グループは、2001年以降モバイル事業に取り組み、2021年1月末現在までに1,000件以上のシステムの開発実績に裏付けられた知見から従来の請負開発のみならず、多数の国内LAMPエンジニアを中心としたアジャイル型開発手法を積極的に取り入れております。さらに顧客企業の状況に応じて必要な人材を必要な期間だけ契約するラボ型開発契約により、顧客企業のご要望に柔軟かつスピーディーに対応できるだけでなく、システムソリューションの提供に留まらない、仕組みから大きく変える業務改善を提案し、ワンストップで提供できることが強みです。また、顧客企業のニーズに合ったシステム開発に基づき、「Responsive Krei」、「Crawl Krei」をはじめとした幅広い自社開発ソリューションを用意し、効率的な開発が可能であることも特徴となっております。

 本サービスは主として顧客企業又は一次請け企業との請負契約により収益が発生しますが、開発だけでなく保守・運用サービスもセットで提供することにより、収益の安定化を図っております。また、顧客企業のリピート率は2021年1月末現在85%と、高いリピート率を達成しております。なお、本サービスは当社が提供しておりますが、Webサイト構築と合わせて、紙カタログの作成をアイデアビューロー株式会社が提供しております。


(2) ビジネスプロダクト事業 

 「ホワイトカラーの業務効率化」をコンセプトに、マニュアル自動作成ソフト「Dojo」、次世代マニュアルナビゲーション「Dojo Sero」、RPA業務自動分析・導入ソリューションプラットフォーム「D-Analyzer」をはじめとした、AIやクラウドを活用したプロダクトなどの企画・開発・販売を行っております。

 

主な製品サービスは以下のとおりであります。

a. マニュアル自動作成ソフト「Dojo」

 パソコン上のすべての操作を、自動でマニュアル化するマニュアルソリューションです。業務上のシステム操作・手順を、自動で操作対象画面・操作手順の説明文として自動作成し、電子文書媒体に出力します。2008年にリリース後、累計導入企業は2,600社以上となっており、2009年には公益財団法人りそな中小企業振興財団と日刊工業新聞社が主催し、経済産業省中小企業庁および中小企業基盤整備機構が後援する「中小企業優秀新技術・新製品賞」にて「優秀賞」を受賞しております。


b. マニュアルナビゲーション「Dojo Sero」

 「Dojo」の上位製品として2019年にリリースした、システムの操作手順を実画面上でナビゲーション表示する「わかりやすさ」を追求したマニュアルソリューションです。操作手順をリアルタイムに実画面上に表示する「ナビゲーション機能」と、実システムにメモが自由自在に貼れる「ふせん機能」で運用ルールの共有・浸透、早期習熟を支援します。

 本製品につきまして特許申請を行っておりましたが、2019年8月7日に特許取得となりました。また、2021年4月7日には、「中小企業優秀新技術・新製品賞」にて新設されたソフトウェア部門の最上位の賞である「中小企業基盤整備機構理事長賞」を受賞いたしました。


c. RPA導入ソリューションプラットフォーム「D-Analyzer」

 2018年にリリースした、RPAを導入する際に必要なRPA化する業務の選定を自動で行えるパッケージソリューションです。RPA化に適切な業務をパソコン操作記録から解析を行い、業務フローとして出力し、業務にかけられている時間を算出できます。


(3) ゲームコンテンツ事業

 2001年よりソーシャルゲームをはじめとしたコンテンツの制作・運用を開始し、2014年からは蓄積された企画、開発、運用ノウハウを活かし、コンテンツプロバイダーとして自社ゲームの提供を行っております。本サービスは国内プラットフォーム運営事業者の運営するプラットフォーム上、またはプラットフォームを介してユーザーに無料で提供され、アイテムを購入する際に課金が行われる課金型のビジネスモデルを採用しております。自社所有ゲームをエンジン化(基本機能の共通化)し、ゲーム化権を獲得した有名IP(Intellectual Property・知的資産)を自社エンジンに載せることで、開発期間の短縮化、低コスト化を実現するとともに、プラットフォーム運営のノウハウを活用した集客・売上の拡大や、ゲーム運営ノウハウを活用したゲームタイトルの長寿命化を図れていることが当社の強みとなっております。また、ゲーム化権を所有した法人から受託開発サービスとして、ソーシャルゲームからネイティブゲームまで、企画、開発、運営のトータルサポートも可能となっております。


 主なゲームタイトルは以下のとおりであります。

① 自社タイトル

a. 「ヴァンパイア†ブラッド」(カードバトルRPG)

 2012年よりサービスを開始したスマートフォン、フィーチャーフォン向けのソーシャルゲームです。2014年にORICON NEXT株式会社から著作物、及び著作権を譲り受け、自社タイトルとして配信を開始し、多数の有名ゲームプラットフォームでサービスを提供しております。自社タイトルとして配信を開始した翌年の2015年には、月間売上ランキング1位を獲得するプラットフォームもある人気ゲームです。


b. 「からくりサーカス~Larmes d'un Clown(ラームズ ダン クラウン)~」(カードバトルRPG)

 2018年よりサービスを開始したスマートフォン向けのソーシャルゲームです。累計発行部数1,500万部を誇る人気少年漫画「からくりサーカス」の初となるソーシャルゲームです。2018年に放映開始されたアニメで再構築されたストーリーを再現しているカードRPGです。


c. 「ヤマダゲームたぷたん」(パズル)

 2017年よりサービスを開始したスマートフォン向けのカジュアルパズルゲームです。個性豊かな「マペット」と呼ばれるオリジナルキャラクターの中から相棒を選び、タップするだけの簡単操作でスコアを競うパズルゲームです。


② 受託開発、運用タイトル

a. 「宇宙戦艦ヤマト2202 遥かなる旅路」(カードバトルRPG)

 2014年よりサービスを開始したスマートフォン、フィーチャーフォン向けのソーシャルゲームです。傑作アニメーション映画「宇宙戦艦ヤマト2199」をソーシャルゲーム化し、その後、最新作「宇宙戦艦ヤマト2202」の登場と共に、アップデートし「宇宙戦艦ヤマト2202 遙かなる旅路」としてリリースしたカードRPGです。


b. 「ろくでなしBLUES~激闘クロニクル~」(カードバトルRPG)

 2017年よりサービスを開始したスマートフォン向けのソーシャルゲームです。人気少年漫画「ろくでなしBLUES(ブルース)」のソーシャルゲームです。ストーリーを忠実に再現したことで、原作ファンはもちろん、未読の方でも新たな出会いを楽しめるカードRPGです。


【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(連結実績)2019.5 2,548 165 167 110

(連結実績)2020.5 3,193 292 298 205

(連結予想)2021.5 2,976 301 293 190

(連結予想)2022.5 3,431 320 310 228


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(連結予想)2022.5 107.83 - -

調達資金使途 研究開発費、採用費・人件費、広告宣伝費、借入金の返済


上場時発行済み株数 2,123,000株 (別に潜在株式146,300株)

公開株数 442,700株(公募280,000株、売り出し105,000株、オーバーアロットメント57,700株)


PER:30.1

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:14.3億

公募時時価:69億

    

【株主構成】 180日・1.5倍

(株)KFC 役員らが議決権の過半数を所有する会社 1,166,000 58.61   180日・1.5倍

小林謙 代表取締役会長 244,000 12.27  180日・1.5倍

中村繁貴 代表取締役社長 155,000 7.79  180日・1.5倍

加藤善久 特別利害関係者など 140,000 7.04  180日・1.5倍

小林まり子 代表取締役会長の配偶者 100,000 5.03  180日・1.5倍

(株)博報堂プロダクツ 資本業務提携先 77,000 3.87

林貢正 取締役執行役員 19,000 0.96  180日・1.5倍

松下貴弥 取締役執行役員 15,000 0.75  180日・1.5倍

富沢和宏 執行役員 7,000 0.35

堀学 特別利害関係者など 6,000 0.30

高木洋充 執行役員 6,000 0.30


本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、当社株主であり売出人かつ当社役員である小林謙及び中村繁貴並びに当社株主であり貸株人である小林まり子並びに当社株主であり当社役員である林貢正及び松下貴弥並びに当社株主である株式会社KFC及び加藤善久は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2021年12月6日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと及びその売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)等は行わない旨合意しております。

 また、当社の株主であり取締役かつ新株予約権を保有する中村繁貴、林貢正及び松下貴弥は、主幹事会社に対し、ロックアップ期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した当社株式の売却等は行わない旨合意しております。 


【代表者】

代表者名 小林 謙(上場時66歳8カ月)/1954年生

本店所在地 東京都豊島区東池袋

設立年 1995年

従業員数 206人 (3/31現在)(平均35.6歳、年収451.2万円)、連結219人

株主数 9人 (目論見書より)

資本金 100,000,000円 (5/7現在)


 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、当社株主であり売出人かつ当社役員である小林謙及び中村繁貴並びに当社株主であり貸株人である小林まり子並びに当社株主であり当社役員である林貢正及び松下貴弥並びに当社株主である株式会社KFC及び加藤善久は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2021年12月6日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと及びその売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)等は行わない旨合意しております。

 また、当社の株主であり取締役かつ新株予約権を保有する中村繁貴、林貢正及び松下貴弥は、主幹事会社に対し、ロックアップ期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した当社株式の売却等は行わない旨合意しております。


【幹事団】

主幹事証券 いちよし 288,900 75.04

引受証券 みずほ 15,400 4.00

引受証券 SMBC日興 15,400 4.00

引受証券 SBI 15,400 4.00

引受証券 マネックス 15,400 4.00

引受証券 松井 11,500 2.99

引受証券 極東 11,500 2.99

引受証券 東洋 11,500 2.99


【参考類似企業】今期予想PER(5/12)

2130  メンバーズ 29.7倍(連結予想 )

2307  クロスキャット 24.0倍(連結見込 )

3771  システムリサーチ 14.6倍(連結予想 )

3784  ヴィンクス 13.8倍(連結予想 )

3920  アイビーシー 26.8倍(連結予想 )

4011  ヘッドウォータ 90.7倍(単独予想 )

4396  システムサポ 28.9倍(連結予想 )

4828  ビーエンジ 14.6倍(連結見込 )

4847  インテリW 21.4倍(単独予想 )

7357  ジオコード 26.1倍(単独予想 )


【私見】

 業種としてはWEB関連からゲーム事業までIT関連を幅広く行っている印象ですが、大きな優位性は感じません。業績も安定性はあるものの、急成長というほどではなく、PERからも妥当な水準で、初値で上がってしまえば株価に成長が追い付かないでしょう。需給は適度な規模で、1.5倍の条件ロックなので、セカンダリーは厳しい印象です。


想定価額:3250円

仮条件上限:3250円

初値予想:6500円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3.5

    


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