2024年7月31日水曜日

初値分析(Faber Company)

Faber Company

公募価額 1000円

初値予想 1300円

初値   1190円(+19.0%)

終値   1162円

今の地合いですとこんなものでしょう。



2024年7月30日火曜日

前日予想(Faber Company)

Faber Company

公募価額 1000円

初値予想 1700円→1300円

初値買い 中立

今の相場には合わない銘柄なので下方修正。ノーマーク予定。

初値分析(Heartseed)

Heartseed

公募価額 1160円

初値予想 1300円

初値   1548円(+33.4%)

終値   1580円

引き続きバイオは強く、予想以上の初値でした。

2024年7月29日月曜日

前日予想(Heartseed)

Heartseed

公募価額 1160円

初値予想 1300円

初値買い 中立

ノーマーク予定

初値分析( Liberaware)

 Liberaware 

公募価額 310円

初値予想 550円

初値   454円(+46.5%)

終値   401円

前日予想をアップし忘れましたが、今の地合いであれば妥当な初値でした。参戦しておりません。

2024年7月26日金曜日

初値分析(タイミー)

タイミー

公募価額 1450円

初値予想 1800円

初値   1850円(+27.5%)

終値   1650円

初値では売れませんでしたが、初日で公募分は処分しました。参戦はしてないです。

2024年7月25日木曜日

前日予想(タイミー)

タイミー

公募価額 1450円

初値予想 1800円

初値買い 中立

ブック状況から2000円に上方修正しようと思っていましたが、この地合いなので据え置きにしました。高ければ参戦しない予定。


2024年7月23日火曜日

初値分析(フィットイージー)

フィットイージー

公募価額 990円

初値予想 1250円

初値   1213円(+22.5%)

終値   1121円

やはり思ったより伸びなかったです。参戦はしてません。

2024年7月22日月曜日

上場承認(オプロ)

 8/21 オプロ 228A       情報・通信業     東グロ  SMBC日興証券   

事業内容:帳票に関するデータオプティマイズソリューション、サブスクリプションビジネスの販売管理に関するセールスマネジメントソリューションで構成されるクラウドサービス事業

公開株数合計     570,000              OA 85,500

公募株数             564,900              売出株数            5,100

発行済み株数⇒2,205,300

ブックビルディング8/059

引受証券会社 SMBC日興証券 SBI証券 楽天証券 松井証券 マネックス証券

              

主要株主

里見 一典         58.01%

オプロ従業員持株会        10.81%

株式会社たいかも            8.97%

安川 貴英         7.20%

朏 仁雄             2.80%

吉田 順一         1.88%

TSV1号投資事業有限責任組合              1.40%

金野 栄太郎     1.12%

長井 利仁         1.12%

和田 典子         0.98%


想定価額 1240円 予想レンジ1500円〜2800円 期待度3.5

クラウド関連で、規模は小さく需給は良いので初値人気はあるでしょう。

 

前日予想(フィットイージー)

フィットイージー

公募価額 990円

初値予想 1400円→1250円

初値買い 中立

ブック状況、地合い、公募ラッシュなどから下方修正。公募近辺でなければ無理には狙わない予定。

2024年7月18日木曜日

初値分析(カドス・コーポレーション)

 カドス・コーポレーション 

公募価額 2900円

初値予想 3000円

初値   3210円(+10.7%)

終値   2970円

想定以上に初値は良かったかと思います。

IPO分析(Faber Company )

 【事業内容】

(1)事業の概要

 デジタルマーケティングを通じた企業の目標達成、事業成長、ビジネス変革の支援を目的として、「ミエルカSEO」等、デジタルマーケティングの生産性を向上させる自動化ツール群、及びデジタルマーケティングに関する多様で複雑な課題を解決するリソース群(人材・教育・コンサルティング)の提供を行っております。消費者の情報探索プラットフォームの多様化に伴い、企業は各プラットフォームの特性に合わせたデジタルマーケティングの施策展開が必要となっております。当社グループはこの変化をビジネス機会と捉え、自動化ツール群及びリソース群の提供を通じ、解決可能な課題の幅と深度を拡充していくことを可能にするサービスを創出してまいります。

 豊富なサービスラインナップにより企業のデジタルマーケティング活動のワンストップソリューションを目指し、デジタルマーケティングの生産性を向上させる自動化ツールとして、企業のWebサイトへの流入最大化を支援する「ミエルカSEO」、UI/UX改善によるコンバージョンの最大化を支援する「ミエルカヒートマップ」、Googleマップ等を用いた店舗集客を最大化する「ローカルミエルカ」、即戦力となるフリーランス又は副業のデジタルマーケティング人材を企業に提供する「ミエルカコネクト」、特に高い専門性が求められる課題に対する支援を行うソリューションサービス等を提供しております。

 デジタルマーケティングに取り組む企業の目的は、取り組みを通じた企業目標の達成、事業成長、ビジネス変革にあると考えております。デジタルマーケティングを取り巻く環境変化のスピードは速く、対応する当社グループのサービスも変化に応じたアップデートを行っていく必要があること、また、企業のデジタルマーケティング活動の施策内容にも時代の変化に応じたトレンドが存在することから、ビジネスモデル(収益構造)の異なるサービスであっても、企業の当社サービスの利用目的は同一であることから、報告セグメントは「ミエルカ事業」としております。


(2)サービスの概要

①「ミエルカSEO」

<「ミエルカSEO」の主な機能>

 「ミエルカSEO」は、当社が会社設立以来積み重ねてきたデジタルマーケティングの知見をもとに、国立大学との産学共同研究により生み出された、人工知能技術(自然言語処理、機械学習)を活用したデジタルマーケティング自動化サービスです。Webサイトのコンテンツ企画・評価・改善点が自動的に抽出され、利用企業に対する提案が行われます。当社は「ミエルカSEO」の提供に加えて、当社役職員やスキルを有する社外人材が講師を務めるデジタルマーケティングに関する学習動画の提供及び当社カスタマーサクセスチームによるコンサルティングを通じて、利用企業自身が自社内でデジタルマーケティングを実践するための内製化を支援しています。


②「ミエルカヒートマップ」

<「ミエルカヒートマップ」の主な機能>

 利用企業のWebサイトを訪れた訪問者の行動を自動で可視化することができるサービスです。Webサイトにおけるヒートマップは、サイト訪問者のWebサイト上での行動を追跡し、どこをクリックしているか、どのコンテンツがよく見られたか、といったWebサイト上での行動データを色の濃淡で表現することにより可視化し、分析することにより、コンバージョンレートやUI/UXの改善を行うことができます。

 当社は「ミエルカヒートマップ」の提供に加えて、当社カスタマーサクセスチームによるコンサルティングを通じて、利用企業自身が自社内でコンバージョンレートやUI/UXの改善を実践するための内製化を支援しています。主なツール機能は以下のとおりです。

 

③「ローカルミエルカ」

<「ローカルミエルカ」の主な機能>

 小売業、飲食業等を多店舗で行っている企業に、Googleマップを中心としたWeb上での店舗情報の一元管理と、インターネットユーザーが検索を行った際に、店舗情報が上位掲載されることを支援する、ローカルマーケティングの自動化サービスです。

 Googleマップ等における店舗情報の一括での登録や編集、商圏における検索順位のモニタリング等、生産性向上に結びつく機能をはじめ、レビュー獲得の促進、獲得したレビューを自社のWebサイトに表示させる等、利用企業のWebサイトへの集客に寄与する機能を有しております。主なツール機能は以下のとおりです。


 ④「ミエルカコネクト」

 即戦力となるフリーランス又は副業のデジタルマーケティング人材を、企業に対して主に業務委託により提供するサービスです。当社は、「ミエルカSEO」等複数のデジタルマーケティング自動化サービスや、オウンドメディア「ミエルカマーケティングジャーナル」、YouTubeチャンネル「ミエルカチャンネル」、「Web担当者Forum」等デジタルマーケティングの専門媒体における記事執筆、社外セミナーへの登壇等を通じて、意欲の高いデジタルマーケティング人材に広く認知されております。「ミエルカコネクト」は、当社の高度専門人材による面談及びスキルチェックに合格したデジタルマーケティング人材を、デジタルマーケティングに関する多様なニーズを持つ企業に対して主に業務委託によりサービス提供を行うものとなっております。利用企業の課題がより高度で、広範囲に及ぶ場合は、複数名のデジタルマーケティング人材によるプロジェクトの組成も可能です。デジタルマーケティング人材の情報はスキル・実績・利用企業による評価・特性等の要素により整理され、当社内のデータベースにて管理し、継続的にサービス改善を行っております。


⑤ソリューションサービス

 当社による企業のマーケティング活動に対する広範囲なカバー領域のうち、自動化ツールの利用や、自動化ツーツールの利用に付帯するカスタマーサクセスチームによる支援、「ミエルカコネクト」の利用によるデジタルマーケティング人材の提供による支援の範囲を超え、特に高い専門性が求められる課題に対して、当社の役職員による支援を行っております。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2024/09 連結中間実績 1,154 192 189 121

2024/09 連結会社予想 2,260 309 281 204

2023/09 連結実績 2,183 308 309 214

2022/09 連結実績 1,996 310 311 208


決算期 種別 EPS BPS 配当

2024/09 連結会社予想 83.23 - 0.00


上場時発行済株数 3,000,000株

公開株数 1,232,100株(公募320,000株、売り出し751,400株、オーバーアロットメント160,700株)

調達資金使途 人員体制強化にかかる増加人件費、販売促進費用

連結会社 1社


PER:11.7

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:12.0億

公募時時価:29億

​ 

【株主構成】 以下180日

(株)さくらキャピタル 役員らが議決権の過半数所有 1,209,000 50.38%

古沢暢央 代表取締役Founder 870,000 36.25%

稲次正樹 代表取締役 120,000 5.00%

副島啓一 取締役 90,000 3.75%

山田明裕 取締役 48,000 2.00%

鈴木謙一 取締役 9,000 0.38%

月岡克博 執行役員 9,000 0.38%

脇野兼大 従業員 6,000 0.25%

岩本庸佑 従業員 6,000 0.25%

安沢薫 元従業員 4,500 0.19%


 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人である古澤暢央、稲次正樹、副島啓一及び山田明裕並びに当社株主である株式会社さくらキャピタル、鈴木謙一、月岡克博、脇野兼大、岩本庸佑、安澤薫、島倉弘樹、玉飼真一、Le Dinh Tuan、安藤弘哲、青柳悠太、白砂ゆき子、小川卓、松本千紘、片山翔仁、小丸広海、宮内圭介、金子冴、Hoang Nguyen Ngoc、本田卓也、村尾佳祐、市川莉緒は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2025年1月26日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと、グリーンシューオプションの対象となる当社株式を主幹事会社が取得すること等は除く。)等は行わない旨合意しております。

【代表者】

代表者名 稲次 正樹(上場時49歳6カ月)/1975年生

本店所在地 東京都港区虎ノ門

設立年 2005年

従業員数 69人 (2024/05/31現在)(平均33.9歳、年収597.9万円)、連結94人

事業内容 デジタルマーケティング自動化ツール「ミエルカSEO」などSaaS(Software as a Service)提供、フリーランス人材などを活用したマーケティング支援

URL https://www.fabercompany.co.jp/

株主数 27人 (目論見書より)

資本金 100,000,000円 (2024/06/27現在)

代表者生年月日 1975年01月02日生まれ

代表者略歴

1998年04月 株式会社アミューズ入社

2000年07月 株式会社大広入社

2004年11月 株式会社サイバーエージェント入社

2006年06月 株式会社セプテーニ・クロスゲート入社

2009年10月 株式会社セプテーニ転籍

2011年04月 株式会社セルフデザイン・ホールディングス(現当社)取締役

2011年07月 株式会社セルフデザイン・ホールディングス(現当社)取締役社長

2018年11月 当社 代表取締役(現任)


【幹事団】

主幹事証券 SBI - -

引受証券 野村 - -

引受証券 岡三 - -

引受証券 東海東京 - -

引受証券 岩井コスモ - -

引受証券 極東 - -

引受証券 松井 - -

引受証券 マネックス - -


【参考類似企業】今期予想PER(7/5)

2459 アウンコンサル - (連結予想)

3393 スターティアHD 12.3倍 (連結予想)

3970 イノベーション 11.5倍 (連結予想)

3976 シャノン 143.3倍 (連結予想)

4170 KaizenPF - (連結予想)

4499 Speee 76.9倍 (連結予想)

5259 BBDI 16.4倍 (連結予想)

6026 GMOTECH 19.3倍 (連結予想)

7351 グッドパチ 4,009.1倍 (連結予想)

7357 ジオコード 62.8倍 (単独予想)

9258 CS-C 411.3倍 (単独予想)


【私見】

  デジタルマーケティングということで、類似業種も多く業種妙味はありません。業績は利益はでており、PERも低めなので公募価額より下回ることはなさそうです。SBI主幹事で数は多いのはマイナスですが、完全ロック銘柄なので、低く寄ったときは上がる可能性はあるかと思います。そうは言っても、上値を追う銘柄ではないので、公募やや上くらいが妥当な位置だと予想します。


想定価額:970円

仮条件上限:1000円

初値予想:1700円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3.5

2024年7月17日水曜日

前日分析(カドス・コーポレーション)

カドス・コーポレーション 

公募価額 2900円

初値予想 3000円

初値買い ノーマーク予定

2024年7月16日火曜日

IPO分析(Heartseed)

 【事業内容】

​ 当社はiPS細胞由来の心筋細胞の微小組織(心筋球)を心臓に移植する治療法である「心筋再生医療」を確立し、重症心不全患者さんに貢献することを目的として事業活動を行っております。

(1)事業の特徴

① 概要

 当社が日本で開発中の治療法は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、「薬機法」という。)における再生医療等製品に該当し、日本政府は再生医療等製品の開発・承認期間の大幅な短縮を可能にした法律を世界に先駆けて制定するなど、実用化に向け国を挙げて全面的に後押しをしています。当社は、iPS細胞から作製した心筋細胞を重症心不全患者の心臓の中に移植する世界初の心筋再生医療を実現すべく、本制度を活用した条件及び期限付承認を取得することを目指して開発を進めております。他家iPS細胞由来心筋球については、現在進行中の治験の承認後は、事業パートナーであるグローバル大手製薬企業のノボノルディスク エー・エスと共にグローバル市場への展開を取り組んでいく方針です。


② 対象疾患について

 心臓は標準的なヒト成人の心臓ではおおよそ250-350gといわれていますが、心臓全体として筋肉の塊のような構造をしており、体全体に血液を循環させるポンプの役割をしています。日本医師会によると、心臓によって1分間で合計約5Lの血液量が全身に循環され、心臓の拍動の回数は1日約10万回、一生の間には40億回以上も打ち続けることになります。心臓の拍動を支えるのが心筋細胞ですが、ヒトは壊死した心筋を元に戻す自己再生能力を持っていないため、加齢や疾患などによるダメージなどで心臓の筋肉量は徐々に低下をしていき、結果、心拍出量は低下していきます。

 心臓の収縮能力や拡張能力が低下するなどの原因により、心拍出量が低下し、その拍出量の低下を補うために心臓が拡大し、その結果、肺などの臓器うっ血や呼吸困難、運動能力の低下をきたす症候群が、心不全です。様々な心臓疾患の病状の進行により起こる終末像とも言え、心不全を引き起こす代表的な原因として、虚血性心疾患、高血圧、心臓弁膜症、心筋炎、不整脈等心臓や循環器に起因するものに加えて、糖尿病や肺気腫などの他臓器に関連するもの、心臓が生まれつき正常でない先天性心疾患など数多くの病態が存在します。急性期のショックと、慢性的な病態進行が混ざりながら病態が悪化していきます。心不全では、上記の自覚症状が慢性的に継続しながら病態が進行していった結果、最悪の場合は死に至る可能性もあります。


③ 既存の治療法について

 心不全発症前の治療としては冠動脈閉塞に対するカテーテル術、心不全発症後の病態改善のための治療法としては、心臓の負担を下げるための運動療法や薬物治療など、急性・慢性心不全診療ガイドラインに則して数多くの治療法が整備されておりますが、いずれも対症療法に留まっております。特に近年新薬が登場している薬物治療においても、複数種類の医薬品を組み合わせて、それぞれ最大用量の処方が推奨されるものの、血圧を下げる方向の薬が多いことから併用が難しかったり、患者さんの病態の都合上低用量でしか処方できなかったりと、課題があります。心不全の経過は多くの場合、慢性・進行性であるが故に、急性増悪が繰り返し発生することによって重症化していくことから、こうした対症療法を進めていたとしても、病態コントロールが出来ない場合は結果として、ステージC(心不全ステージ)からステージD(治療抵抗性心不全ステージ)へと進展していきます。

 最も症状が進行したステージDの心不全患者さんの病態は厳しく、5年生存率は多くのがんよりも下回る20%程度であり、重症心不全の根治的な治療法は心臓移植しかありません。心臓移植は世界中で慢性的なドナー不足が続いています。国内では特に深刻で、1997年に「臓器移植に関する法律」が施行され20年以上経つにもかかわらず、日本心臓移植研究会報告によると過去10年平均でわずか50人程度、多い年でも80人程度に留まっています。心臓移植は65歳以下が対象となっていますが、平均待機期間が3年程度で5年以上待機しているケースもあり、移植登録ができるのは実質的には60歳までとなっています。

 心臓移植を待機している患者さん向けの一時的な治療法として、小型ポンプを体内に埋め込んで心臓の左心室につなげて血液循環を補助する補助人工心臓治療があり、近年では心臓移植件数が伸び悩む中、補助人工心臓を半永久的に使用するDestination Therapyという治療法が許可されております。しかしながら、補助人工心臓治療の適応となるには、様々な選択基準をみたす必要がある他、初回退院後6ヵ月程度の同居によるサポートが可能な介護者がいる体制が必須で、バッテリーや電源の管理をはじめとして、患者さんだけでなく支える家族や周囲の方の生活習慣にも大きな制限があります。また心臓移植や補助人工心臓は費用が高額でかつ、施術後も毎年高額な管理費用が必要であり、施術に踏み切ることのできる心不全患者さんは限られているのが実態です。このように、重症心不全は患者数が多く、死亡者数も多く、かつ新規治療法が強く求められる、アンメット・メディカル・ニーズの高い疾患です。

 他方、iPS細胞を用いた心筋再生医療は、心臓移植・補助人工心臓よりも多くの患者さんへの適用を目指すことができます。すなわち、心臓移植を待つ厳しい病態の患者さんへの適用のみならず、病態の早期段階での治療の選択肢としても、心機能の改善、悪化の阻止、病状進行を遅らせるなどの期待があります。多くの患者さんに適用可能になることが望まれております。(図3,図4)


 ④ 当社事業のバリューチェーン、パートナーについて

 当社事業におけるバリューチェーンは、研究、開発、製造、輸送、販売から構成されます。大学病院や公的研究機関等に加え企業等の開発パートナーとの共同研究等を通じて、心筋再生に関する最先端の研究を遂行しております。そしてこれら研究成果を、特許として出願することにより知的財産を形成しております。

 当社は他家iPS細胞由来心筋球による心筋再生医療の海外展開を視野に入れ、2021年5月に、デンマークに本社を置くグローバル大手製薬企業であるノボノルディスク エー・エスと、全世界を対象とする独占的技術提携・ライセンス契約を締結いたしました。本契約は、HS-001やHS-005を含む他家iPS細胞由来心筋球(細胞株、投与方法、適応症は問わない)の、日本以外の全世界における臨床開発・製造・販売権をノボノルディスク エー・エスへと付与する一方、国内では当社が製造販売権を保持して、両者共同で商業化し、日本国内事業に関する収益を50:50にてプロフィットシェアする事業提携スキームとなっております。これにより当社の事業収益は、日本国内で薬事承認後に取得する収益に加えて、導出に係る契約一時金(2021年に受領済)、日本及び海外の開発進捗に応じたマイルストン収入(一部受領済)、並びに海外での製品上市後のロイヤルティ収入及び販売マイルストン収入から構成されます。契約一時金及び各種マイルストン収入は、最大で合計598百万米ドルとなり、海外で販売開始後は、海外年間純売上高に応じて漸増する1桁後半~2桁前半パーセントのロイヤルティ収入も受領いたします。

 他家iPS細胞由来心筋球の日本国内の開発については、現在は当社単独で進めており、開発業務委託機関(CRO)である㈱リニカルの支援を得て治験実施中です。治験製品の製造については、製造開発受託機関(CDMO)である㈱ニコン・セル・イノベーションへ、また、心筋球や移植針などの移植デバイスの輸送は再生医療に実績のある㈱メディパルホールディングスの100%子会社であるSPLine(エスピーライン)㈱へ委託しております。

 なお、当社の保有する特許の実施権は、他家iPS細胞を用いるヒトへの治療用途に限ってノボノルディスク エー・エスに付与されており、それ以外の領域である他家iPS細胞を用いるヒト以外の治療用途や研究用途、及び自家iPS細胞を用いる治療等については、当社が全世界での実施権を保持しております。


(2)技術及び開発品の特徴

 治療薬の開発は、技術の進化に伴って一般的に、体全体に効果を持つゆえに全身性の副作用が出てしまうものから、患部を局所的に治療ができる高い有効性と限定的な副作用が両立できるものへと進化しており、例えば抗がん剤であれば、化学療法が開発された後、分子標的薬が生まれ、現在では血液がん向けに患者自身の免疫を活用した細胞治療薬(CAR-T)が実現されています。心臓領域の治療法では、標準治療薬の開発が進んだ後、近年では、心不全の近接疾患である肥大型心筋症の治療薬として、心臓の筋肉の収縮・拡張をコントロールする医薬品が実現し、新たなブロックバスターになり得ると期待されております。

 再生医療によって心機能改善に取り組む技術開発においては、当社の代表取締役社長である福田惠一が1999年に骨髄間葉系幹細胞から心筋細胞の分化誘導に世界で初めて成功して以降、多くのグループや企業が世界中で試みており、実用化に至る製品も出てきました。しかしながら、それらの多くは、心筋細胞以外の細胞、例えば間葉系幹細胞や骨格筋芽細胞などを移植し、それらの細胞が出す分泌物が移植先の心機能の改善を促す間接的な治療アプローチ(パラクライン効果)でした。


② 当社独自の技術

 当社が開発している再生医療等製品候補である他家iPS細胞由来心筋球、および自家iPS細胞由来心筋球には複数のステップが必要であり、各段階の重要プロセスにおいて当社は独自の技術ノウハウや知財を確立しております。

 他家iPS細胞由来心筋球では、上述のようにiPS細胞は既に作製済みで、既にセルバンク化されていますが、自家iPS細胞由来心筋球では、患者さんの血液等からiPS細胞を製造(a)する必要があります。以降のステップは共通していますが、iPS細胞を大量培養し心筋の中でも心室筋に選択的に分化誘導(b)して大量作製した後、当社が開発した純化精製技術で未分化iPS細胞及び非心筋細胞を除去(c)し心筋細胞の純度を98%以上へ引き上げる徹底した純化を進めます。その後、約1千個の心筋細胞の塊である「心筋球」を大量に作製(d)し、心臓を傷つけないように先端を加工した特殊な注射針(e)を用いて開胸手術時に心臓に心臓外壁から直接移植します。


(3)開発パイプライン

 当社は、重症心不全の中でも特に収縮不全の重症心不全を対象に、他家iPS細胞由来心筋球による治療法の開発を進めております。

 収縮力が低下する重症心不全の原因として、大きく虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症などで虚血、すなわち、心臓に十分血がいきわたらず、血液が運搬する酸素と栄養素が心筋に供給されず心臓が酸欠状態となり胸痛が起こるもの)と拡張型心筋症(心臓の筋肉そのものの異常により心臓の筋肉が薄くなり拡張して収縮力が低下するもの)の2つがありますが、当社の開発品は原因疾患にかかわらずに効果を示せると考えられ、これらの両方を対象として考えております。疾患調査に関する論文などの公開情報及び市場調査などの結果をもとにした当社推計では、虚血性心疾患では、収縮不全の患者層が45%~50%、虚血性且つ難治性の患者層であるニューヨーク心臓病協会(NYHA)分類のII度~IV度を全体の20~30%として、対象患者の母集団としては日本約16万人、米国70~80万人、全世界ベースで約700万人が存在し、また、難病指定をされている拡張型心筋症では日本2万人、米国8~12万人が存在すると想定されます。

 心筋再生医療を普及させ、世界中の患者さんにお届けするためには、移植方法と免疫拒絶の抑制の2つの側面からパイプラインを展開する必要があると考えております。そのために、当社では、リードパイプラインであるHS-001の、最も確実な移植方法である開胸手術下での移植から臨床開発に着手しつつ、同時に以下の当社パイプラインように開発しております。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2024/10 単独中間実績 153 -720 -719 -720

2024/10 単独会社予想 153 -1,965 -1,798 -1,798

2023/10 単独実績 344 -1,459 -1,456 -1,473

2022/10 単独実績 499 -1,458 -1,410 -1,412


決算期 種別 EPS BPS 配当

2024/10 単独会社予想 -109.09 239.07 0.00


上場時発行済株数 21,996,900株(別に潜在株式1,004,000株)

公開株数 2,071,900株(公募1,801,700株、オーバーアロットメント270,200株)

調達資金使途 支払手数料、消耗品費、人件費や採用費、地代家賃、その他経営管理に必要な各種費用


募集を行う地域

欧州及びアジアを中心とする海外市場(ただし、米国及びカナダを除く。)


PER:

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:24.0億

公募時時価:255億

​   

【株主構成】 

福田恵一 代表取締役社長 3,200,000 15.09% 180日

SBI Ventures Two(株) 投資業(ファンド) 2,236,800 10.55% 180日・1.5倍

AngelBridgeDeal-by-Deal F5号(株) 投資業(ファンド) 1,890,400 8.92% 180日・1.5倍

SBI AI&Blockchain投組 投資業(ファンド) 1,539,200 7.26% 180日・1.5倍

秋山琢己 特別利害関係者など 1,120,000 5.28% 180日

古川俊治 取締役 1,120,000 5.28% 180日

河西佑太郎 取締役 800,000 3.77% 180日

AstellasVentureManagement LLC. 投資業(ファンド) 708,800 3.34% 180日・1.5倍

プライベート・エクイティ・コインベスト2号投組 投資業(ファンド) 485,600 2.29% 180日・1.5倍

伊藤忠ケミカルフロンティア(株) 資本業務提携先 481,600 2.27% 180日・1.5倍


​本募集に関し、貸株人である福田惠一、当社株主である秋山琢己、古川俊治、河西佑太郎、Astellas Venture Management LLC.、株式会社JMDC、志水秀行、安井季久央、澁谷工業株式会社、藤田淳、湯浅慎介、金澤英明、勝俣良紀、遠山周吾、関倫久、井上北斗、林正栄、桐谷直毅、キッズウェル・バイオ株式会社、高野六月、平野達義、菊川知之及びその他19名並びに当社新株予約権者である金子健彦は、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、本募集に係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の2025年1月25日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。

 当社株主であるSBI Ventures Two株式会社、Angel Bridge Deal-by-Deal Fund5号株式会社、SBI AI&Blockchain投資事業有限責任組合、プライベート・エクイティ・コインベスト2号投資事業有限責任組合、伊藤忠ケミカルフロンティア株式会社、協創プラットフォーム開発1号投資事業有限責任組合、ニッセイ・キャピタル11号投資事業有限責任組合、株式会社メディパルホールディングス、五味大輔、SMBCベンチャーキャピタル6号投資事業有限責任組合、ニッセイ・キャピタル9号投資事業有限責任組合、KII2号投資事業有限責任組合、MIJ Biotech-Japan 投資事業有限責任組合、SMBCベンチャーキャピタル5号投資事業有限責任組合、MIJパートナーズ有限責任事業組合及び合同会社エムズインベストメントは、主幹事会社に対して、本募集に係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の2025年1月25日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等(ただし、その売却価格が募集における発行価格又は売出しにおける売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)を行わない旨を約束しております。

 

【代表者】

代表者名 福田 恵一(上場時67歳2カ月)/1957年生

本店所在地 東京都港区芝浦

設立年 2015年

従業員数 39人 (2024/05/31現在)(平均43.7歳、年収805.2万円)

事業内容 重症心不全患者を対象としたiPS(人工多能性幹)細胞由来心筋球移植治療をはじめとする再生医療など製品の研究・開発

URL https://heartseed.jp/

株主数 66人 (目論見書より)

資本金 50,000,000円 (2024/06/26現在)

代表者生年月日 1957年05月23日生まれ

代表者略歴

1987年04月 慶應義塾大学助手

1991年06月 国立がんセンター研究所に留学

1992年08月 米国ハーバード大学ベスイスラエル病院分子医学教室に留学

1994年08月 米国ミシガン大学心血管研究センターに留学

1995年01月 慶應義塾大学医学部循環器内科助手

1999年04月 同大学医学部講師

2005年04月 同大学医学部再生医学教授

2010年03月 同大学医学部循環器内科教授


【幹事団】

主幹事証券 SMBC日興 - -

引受証券 SBI - -

引受証券 野村 - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 松井 - -

引受証券 マネックス - -

引受証券 極東 - -


【参考類似企業】 時価総額(7/3)

2370 MDNT 113億円

4894 クオリプス 570億円

4896 ケイファーマ 116億円


【私見】

 心臓関連のバイオベンチャーで、評価は出来そうなバイオベンチャーですが、売上少なく赤字の財務内容を見ると投資対象外になってしまいます。そうは言っても、直近2社のバイオベンチャーのスタート良かったので、ここも安い場面では上がる可能性もあると思います。それなりの規模で、VCに1.5倍のロック制限もあることから高値追いは危険だと思います。


想定価額:1110円

仮条件上限:1160円

初値予想:1300円

ブック申し込み度・・・中立

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3

2024年7月14日日曜日

IPO分析(Liberaware)

 【事業内容】

​ (当社の事業内容)

(1)ドローン事業

 自社開発した屋内専用の産業用小型ドローン「IBIS」を中心に、その他ドローン等のデバイスを活用し、ユーザーが抱える各種課題の解決に資するソリューションの提供を行う事業であります。

 具体的には、調査・点検・測量等を目的としたドローン撮影画像の提供を行う「点検ソリューション」及び当該用途に供されるドローンの機体販売・レンタルを行う「プロダクト提供サービス」を展開しております。特に、ドローン等で撮影した画像は後述のデジタルツイン事業において、3次元化の基礎となる重要なデータとなります。

 サービスの中核を構成するIBISは、製鉄業等における実現場での綿密な実証実験のもと開発された、屋内の暗所・狭小空間、鉄粉の舞う環境や高温環境での飛行に耐えうる防塵性・耐熱性を有した、20cm四方程度の大きさの小型ドローンとなります。転落リスクを伴う高所空間、狭小で点検員が進入できない空間、高温あるいは半水没環境、又は有毒性のガスが含まれているような空間といった、危険かつ点検が困難な箇所を人に代わって調査・点検を行うことが可能となります。このような環境は国内外に数多く存在しており、IBISは「狭く、暗く、危険な」環境においても接近目視と同等の調査・点検を実現しております。


(2)デジタルツイン事業

 当社の関連会社であるCalTa株式会社(以下「CalTa」という。)が提供するソフトウェアTRANCITY(以下「TRANCITY」という。)や、その基幹システムを構成する当社のソフトウェアLAPISを用いて、デジタルツインサービスを提供する事業となります。それらのソフトウェアを活用し、映像及び映像以外の周辺情報(例えば、ガス濃度、温度など、ドローン等から取得した情報等)を、デジタルツインのプラットフォーム上に構築することで、顧客が設備の維持管理や建設現場の管理などを行う上で必要となる様々な情報の一元管理を支援しております。

 TRANCITYの顧客は、鉄道業・建設業が中心で、インフラ及び設備の維持管理のためには時系列でデータを保管することが有用となります。そのため、当社のサービスを用いてデータを保管し続けることが想定されることから、他社サービスへスイッチしにくく、継続利用が見込めるサービスであります。

 

(3)ソリューション開発事業

  「ドローン事業」「デジタルツイン事業」を展開する上で源泉となる事業であり、インフラ・プラント業界や建設業界等の企業に対し、効率化・省力化・省人化のニーズに応じたドローン等の開発やデジタルツインプラットフォームの開発、ユーザー保有施設のデジタル管理ソフトウェアなど、当社の技術力とノウハウを基にハードウェアからソフトウェアまで幅広いソリューションを自社開発にて提供する事業となります。

 当事業では、導入にあたり顧客企業からのヒアリングや情報分析を徹底して行うことで課題を深く理解し、当該理解を基に活用方針を明確にし、実証実験や試作開発、本開発、さらには事業化後の継続開発まで、長期にわたり顧客企業と協同し、課題解決に取り組んでおります。

 これまでに、日本製鉄株式会社(以下「日本製鉄」という。)との高温環境対応ドローンの開発や、東京電力グループとの高放射線環境下でのドローンの活用といった特殊環境特化型ドローンの共同開発等を行っており、現在も開発を継続しております。また、後述するTRANCITYもJR東日本グループから受託したソリューション開発が発端となっています。ドローンの開発にとどまらず、ロボットやデジタルツインを主とした新たなサービスの源泉となる開発を進めております。


(関連会社の概要)

 CalTaは、JR東日本スタートアップ株式会社、JR東日本コンサルタンツ株式会社及び当社が出資し、2021年7月に設立された企業となります。東日本旅客鉄道株式会社(以下「JR東日本」という。)をはじめとした鉄道・インフラ業界は、施設・設備の老朽化と労働力減少の背景から建設工事・維持管理などの生産性向上が急務であります。その課題解決のため、IBIS等を用いた施設の撮影サービス事業、IBIS等のドローン・ロボットの技術等により取得した情報をデジタルツインで表現し、施工管理や維持管理に資する情報を提供するソフトウェアサービスTRANCITY事業、及び受託開発事業を展開しております。

 TRANCITYは、JR東日本グループが長年研究・蓄積していた施工管理や設備維持管理の現場における技術ノウハウと、当社の画像処理技術をベースに構築されたデジタルツインのソフトウェアサービスであり、取得した情報の時系列管理、測量、CAD化、BIM化、差分分析等を行えるサービスであります。類似サービスと比較し、より現場業務にフィットしたソフトウェアであり、鉄道業を中心に、製鉄業・通信業などにも活用が広がっております。

 当社は、CalTaがエンドユーザーから獲得した設備等の調査・点検業務や受託開発案件等の全部または一部の受託、TRANCITYの画像処理に係るライセンス供与や当該ソフトウェアの構築・アップデートを行っております。2024年5月末時点でのライセンスの供与数は100件であります。

 

(1)ハードウェア、ソフトウェア及びサービスの強み

 当社は、ハードウェア及びソフトウェアともに自社開発によりサービス構築を行い、顧客ニーズに応じたソリューションを提供することにより、屋内狭小空間での飛行実績及び撮影画像データを積み上げてきたことで、以下のような強みを有しております。

・屋内ドローン飛行を可能とする技術力

 当社のドローンIBISは、「狭く・暗く・危険な」環境における画像データの取得を可能としている屋内狭小空間に特化したドローンであり、そのような環境での飛行・撮影に資する多くの技術を組み合わせることで、機体の優位性を確保できていると考えています。


具体的には、屋内という暗く、粉塵等が舞い、配管やダクト等の障害物の多い空間の飛行は、屋外に比べ様々な制約があることから技術的なハードルが高く、また、天井裏等のより狭い空間の飛行には小型化が必須であるため、カメラ・モーター・プロペラ・バッテリー等の各部品をそれぞれ独自に設計する技術も必要となりますが、IBISはそれらの技術課題を乗り越え生み出された機体であります。


・屋内外の重要設備撮影情報の解析技術と他社連携

 狭小空間は、暗く、粉塵等の障害物が多いため、撮影データの3次元化等の画像処理が極めて困難な空間ですが、LAPISは、独自のアルゴリズムを構築することで、当該環境下においても顧客の求める形で画像処理を行うことができます。


・屋内狭小空間における飛行・画像撮影実績

 長年、屋内における小型かつ非GPS環境下での事業展開を行っているため、屋内におけるドローンの利活用実績を多く有しており、ユーザーとしては、製鉄会社・鉄道会社などの固定資産の多い重厚長大型産業に属する企業が中心です。他の機体では撮影できないプラントやインフラでの豊富な利活用実績を通じて、ハードウェアとソフトウェアの技術開発を進められていること、及び他社が有していない屋内における重要設備のドローン撮影画像データ蓄積及び撮影ノウハウが強みとなっております。

 上記に加えて、JR東日本グループや日本製鉄とは、長年にわたり取引関係を築いていることも、当社の強みの一つと捉えています。JR東日本グループに対して、また、他の鉄道事業者に対しては、CalTaを通じて各種サービスの提供をしており、日本製鉄とも設立初期より共同研究等を行い深い関係が構築できております。これらの会社が当社サービス利用先となっていることに加え、JR東日本グループや日本製鉄等が蓄積してきた設備データやノウハウを基にサービス開発を行えていることも強みの一つと捉えております。


(2)当社の技術的な強み

 ドローン等を開発するハードウェア技術、及びドローン等のデバイスで取得した映像情報等のデータ処理や解析、デジタルツインプラットフォームといったデジタル管理システムの開発等のソフトウェア技術を合わせ持ち、それらを一気通貫で実行できる開発体制を有しております。そのため、営業やプロダクトマネージャーが得たユーザーニーズを、各技術スペシャリストの検討のもと、正確に開発項目・要件・仕様に落とし込むことで、ユーザーニーズにフィットした製品・サービスを開発することが可能であります。

 特に当社がターゲットとするユーザーは、インフラやプラント、建設業界等に属する事業者であり、当該ユーザーが従事する環境は「狭く・暗く・危険」であることも多いため、そのような環境に耐えうる仕様の製品・サービスを開発する必要があります。


(3)コア技術に関する知財確保

 企業競争力・事業競争力の確保を企図し、競合他社が市場参入してきた際の防御策として、ドローンを構成する要素の中で、筐体設計に係る耐久性向上技術や、モーターの放熱に係る安全性向上技術に関して、知財を確保しております。

 

(4)大手との取引

・JR東日本グループ

 JR東日本のグループ会社が出資し、当社の関連会社でもあるCalTaを通じ、当社は、JR東日本グループ関連の案件を多数受注しております。CalTaへの売上高は、2022年7月期は52百万円、2023年7月期は74百万円であり、2024年7月期以降も継続的な成長を見込んでおります。

 CalTaの運営に係り重要となる契約は、同社の株主であるJR東日本コンサルタンツ株式会社・JR東日本スタートアップ株式会社・当社間の合弁契約と、同社と当社間のTRANCITYに係るライセンス契約の2つとなります。


・日本製鉄グループ

 機体の開発に着手した2016年より、日本製鉄のフィールドを借り、耐環境性、ユーザビリティの高いドローンの開発を進めてきており、同社とは継続的な取引関係にあります。

 日本製鉄のグループ会社や、製鉄所における協力会社・商社等を通じ、日本製鉄関連の案件を多数受注しております。サービス開始の2019年から継続した取引実績があり、直近2年の取引実績は、2022年7月期が42百万円、2023年7月期が33百万円であり、今後も継続的な受注を見込んでおります。また、2024年7月期以降は営業体制を再整備し、日本製鉄に対してはアカウント営業に徹する方針にしており、より一層の受注拡大を目指しております。


・東京電力グループ

 東京電力ホールディングス株式会社の福島第一廃炉カンパニー等をエンドユーザーとした受託開発プロジェクトを過年度より継続して実施しております。

 福島第一廃炉カンパニーとは、廃炉内の状況を把握し、今後実施が見込まれる廃炉処理を安全・適切に進めることを最終目的としており、社会的意義の非常に高い事業であると考えております。


(5)産学官連携による研究開発推進及び事業化推進

 当社が身を置くドローン市場やデジタルツイン市場は、ドローンやそのシステムを構成するハードウェア・ソフトウェアの各関連領域において、めまぐるしい関連技術の発展とサービス創出がなされている状況であります。

 このような状況において、「誰もが安全な社会を作る」という大きなミッションに向けて、当社が各分野でのリーディングカンパニーとしての地位を獲得するには、最先端の技術を取り入れ、継続的に研究開発を行っていくことが不可欠と考えております。

 そのために当社は、省庁、自治体、大学、その他外部の研究機関や民間企業と積極的に産学官連携を行い、研究開発推進並びに事業化推進をしております。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2024/07 単独3Q累計実績 609 -282 -260 -262

2024/07 単独会社予想 812 -464 -463 -466

2023/07 単独実績 379 -630 -635 -641

2022/07 単独実績 260 -462 -455 -456


決算期 種別 EPS BPS 配当

2024/07 単独会社予想 -27.25 42.34 0.00


上場時発行済株数 18,836,700株(別に潜在株式1,693,000株)

公開株数 3,616,600株(公募1,700,000株、売り出し1,444,900株、オーバーアロットメント471,700株)

調達資金使途 サーバーなど設備の購入費用、新規拠点の設立費用、研究開発費、人件費や広告宣伝費、借入金返済


PER:

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:11.2億

公募時時価:58億

​   

【株主構成】 

閔弘圭 代表取締役 3,446,000 18.30% 180日

BIG2号投組 投資業(ファンド) 2,217,400 11.78% 90日・1.5倍 売出104,800

AI・テクノロジー・イノベーション・F3号(責) 投資業(ファンド) 2,100,000 11.15%

千葉道場ドローン部1号投組 投資業(ファンド) 1,390,000 7.38% 90日・1.5倍 売出417,000

みやこ京大イノベーション2号投組 投資業(ファンド) 980,000 5.20% 90日・1.5倍 売出294,000

和田哲也 取締役 980,000 5.20% 180日

千葉道場ドローン部2号投組 投資業(ファンド) 756,000 4.01% 90日・1.5倍 売出226,800

AI・テクノロジー・イノベーション・F3号α(責) 投資業(ファンド) 680,000 3.61% 90日・1.5倍 売出36,300

野平幸佑 従業員 640,000 3.40% 90日

コタエル信託(株) 新株予約権信託の受託者 498,500 2.65% 180日

価値共創ベンチャー2号(責) 投資業(ファンド) 450,000 2.39% 売出135,000


親受けJR東日本 1,883,600㈱


 本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、売出人であるオリックス株式会社、当社株主である閔弘圭、和田哲也、林昂平、TOPPANホールディングス株式会社、内田太郎、鈴木智、大録洋志、株式会社ORSO及びセントラル警備保障株式会社並びに当社新株予約権者であるコタエル信託株式会社は、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の2025年1月24日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。

 当社株主である野平幸佑及びその他4名並びに当社新株予約権者である富田竜太郎は、主幹事会社に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して90日目の2024年10月26日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。

 売出人であるBIG2号投資事業有限責任組合、千葉道場ドローン部1号投資事業有限責任組合、みやこ京大イノベーション2号投資事業有限責任組合、千葉道場ドローン部2号投資事業有限責任組合、AI・テクノロジー・イノベーション・ファンド3号アルファ有限責任事業組合、価値共創ベンチャー2号有限責任事業組合、FFGベンチャー投資事業有限責任組合第1号、ケップルDX1号投資事業有限責任組合及びKepple Liquidity1号投資事業有限責任組合は、主幹事会社に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して90日目の2024年10月26日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等(ただし、その売却価格が募集における発行価格又は売出しにおける売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)を行わない旨を約束しております。

【代表者】

代表者名 閔 弘圭(上場時39歳1カ月)/1985年生

本店所在地 千葉県千葉市中央区中央

設立年 2016年

従業員数 52人 (2024/05/31現在)(平均37.4歳、年収792.7万円)

事業内容 屋内狭小空間点検ドローン「IBIS」をベースにしたドローンなどの開発と、点検サービス、ドローンのレンタル・販売、およびドローンなどで収集したデータの処理・解析するサービスを提供

URL https://liberaware.co.jp/

株主数 37人 (目論見書より)

資本金 220,000,000円 (2024/06/25現在)

代表者生年月日 1985年06月26日生まれ

代表者略歴

2013年04月 国立大学法人千葉大学 特別研究員

2016年08月 当社設立 代表取締役就任(現任)

2021年06月 CalTa株式会社 社外取締役就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 SMBC日興 - -

引受証券 SBI - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 松井 - -

引受証券 水戸 - -

引受証券 岩井コスモ - -

引受証券 極東 - -

引受証券 岡三 - -

引受証券 丸三 - -


【参考類似企業】時価総額(7/1)

5597 ブルーイノベ 41億円

6232 ACSL 130億円


【私見】

 ドローンベンチャーとして業種としては面白く、JRとの関係も強く業種妙味はあります。成長性は高そうですが、現状は赤字なので投資妙味はやや落ちます。JR東日本を親受けとしていることから吸収規模は非常に小さく、初値高騰しやすい要因になりそうですが、VCのロック基準は甘いので高値は追いかけるのはリスクは高そうです。同業種のACSLとの比較から、同程度までの可能性はありますが、上限ラインは黒字見通しがでるまでは同水準かと思います。


想定価額:295円

仮条件上限:310円

初値予想:550円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3.5

2024年7月13日土曜日

IPO分析(タイミー)

 【事業内容】

​ (1)サービス概要

・スキマバイトサービス「タイミー」

 「タイミー」は有料職業紹介事業として「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするスキマバイトサービスであります。従来の求人媒体型サービスと異なり、「タイミー」でマッチングする業務はクライアントとワーカーの1日単位の直接雇用となっております。

 創業者である小川嶺が単発アルバイト勤務を繰り返している中で潜在的に感じたフラストレーションを解消させることで事業が構想されており、応募から働くまでの工程削減(履歴書なし・面接なし)や正当な評価(相互レビュー機能)、働いてから入金されるまでの時間短縮(即金性)に受け継がれています。働き手(以下、「ワーカー」という。)は、働きたい案件を選ぶだけで、履歴書なし・面接なしですぐ働くことができ、勤務終了後すぐに報酬を受け取ることができ、雇用主(以下、「クライアント」という。)は、来て欲しい時間や求めるスキルを設定するだけで、条件にあったワーカーが自動的にマッチングします。新しい就業機会を得たワーカーにとっては「タイミー」での出会いや経験が就業、起業など人生の可能性を広げる機会となり、クライアントにとっては人手不足が解消されるだけでなく、繁忙期に合わせた採用を行うことで人件費の効率化にも寄与しております。ワーカーとクライアント双方に支持され続け、2024年4月末現在、登録ワーカー数は7.7百万人、登録クライアント事業所数は25.4万拠点であり、ワーカーの観点ではサービス利用率、クライアントの観点では求人掲載数に基づき、本邦No.1のスキマバイトプラットフォームとなっております。

 「タイミー」のワーカーは、20代から40代までの若い世代が多く、正社員・パート/アルバイト・契約/派遣社員・学生といった様々な職業の方に性別問わずご利用いただいております。クライアントは、サービス開始以降、物流業界や飲食・小売業界を中心にご利用いただいております。近年は人流回復やインバウンド需要の回復に伴い、ホテル・宿泊業界での利用も伸びてくるなど、様々な業界でご利用いただけるサービスとして成長しております。

 なお、クライアントは初期費用、掲載料無料で、「タイミー」に最短1時間の業務時間から求人情報を掲載することができます。クライアントが当社へ支払う手数料は、原則としてワーカーに支払う賃金報酬及び交通費の合計額(以下、「賃金報酬等」といいます。)の30%程度であり、成果報酬型の料金体系を採用しております。

 

a)クライアントから選ばれる理由

・「今働ける人がすぐに見つかる」

 日本全国で7.7百万人(2024年4月末時点。サービス開始以来の累計)を超えるワーカーが登録しており、稼働率は約88%を誇り、パートタイムの平均稼働率約18%を大きく上回っています。また、勤務開始時間の直前まで求人を掲載できるため、急な欠員や繁忙期にも高確率でワーカーを採用することが可能となっております。そのため、繁忙期を想定した人員を年間を通じて固定で雇用するのではなく、「タイミー」を活用して繁忙度に合わせた採用を行うことで、閑散期の余剰人員を抑えることも可能となっております。人件費の効率化にも貢献でき、クライアントが抱える喫緊の課題に対するソリューションとなっております。


・「実績のある優良ワーカー/リピーターが豊富」

 クライアントが掲載した求人情報は勤務データ(クライアントからの評価や直前キャンセル・遅刻に基づくペナルティポイント)に基づき、勤務実績の優れたワーカーから先行公開される仕組みを構築しており、サービス開始以降2024年4月末までの期間において、クライアントによるワーカーレビュー数は累計1,860万件(同じ職場で2回以上勤務した場合のレビューを含む)となっております。

 また、過去に就業したワーカーの中から、もう一度働いて欲しいワーカーに限定して求人を出す機能(お気に入りリスト機能)も実装しており、毎回の教育コストをかけずに、勤務実績があり優秀なワーカーのみを採用することも可能です。同一業界で勤務経験があるワーカーは約76%となっておりますが、この機能により、同じ職場で何度も働くワーカーは多く、約62%のワーカーがリピーターとして働いております。クライアントにとっては、「タイミー」を活用いただければいただくほど、教育コストのかからないリピーターのみで現場を回す体制を実現することが可能となっております。


・「充実した労務機能」

 「タイミー」でマッチングする業務はクライアントとワーカーの1日単位の直接雇用となっております。そのため、クライアントの労務関連の業務負担を削減するための様々な機能を実装しております。例えば、マッチングの都度クライアント側で作成が必要となる労働条件通知書のドラフトは、求人を掲載する時に自動生成され、ワーカーは必ず事前同意の上で勤務しております。また、出退勤確認として勤務日当日に勤務現場でワーカーがQRコードを読み込むことで、雇用契約が開始・終了する仕組みを構築しており、クライアントに煩雑な労務・保険・税務関連手続きが生じることを防止する目的で、かかる手続きが必要になる一定の条件に該当する求人情報は投稿できない、または、マッチングされない仕組みとしております。クライアントが当社以外を含む複数のサービスを利用すると、かかる一定の条件に該当したかを判断することが難しくなることから、クライアントには充実した労務機能を提供している「タイミー」のみの利用を継続するインセンティブが生じるものと考えております。

 ワーカーに支払う賃金報酬等についても、当社が立替払いをすることで即日入金(注9)としておりますので、クライアントは当社から送付する月末締め翌月末払いの請求書で一括精算を行うのみとなっております。


・「専任担当者による手厚いサポート」

 主要クライアントには専任のカスタマーサクセス担当者をつけることで手厚いサポートを提供しております。クライアントの業務プロセスを把握した上で、ワーカーが対応可能な業務の切り出しを提案し、業務効率の改善(特別なスキル・経験を必要としない業務はワーカーが対応し、正社員は付加価値の高い業務に注力)に貢献しております。また、毎月のワーカー稼働状況及び稼働率の報告や、クライアントの下で働いたワーカーに対するヒアリングを行い、クライアントへのフィードバックを実施するなど、クライアントの満足度の向上に努めております。

 

b)ワーカーから選ばれる理由

・「好きな時間に働ける」

 ワーカーは、好きな時間、好きな場所、好きな職種で最短1時間から働くことができ、勤務条件の自由度が高くなっております。例えば、育児の合間の時間で働きたい主婦/主夫、希望したシフトに入れなかったパートタイマー、体力的な理由から短時間だけ働きたいシニア世代の中には、シフト制といった従来の働き方では働きたくても働けない方々が数多くおりました。「タイミー」は、あらゆる方々のスキマ時間を活用した就業機会を創出及び提供することで潜在労働力を喚起すると同時に、就業・起業といった人生の可能性を広げるきっかけをも提供しております。


・「履歴書・面接なし」

 従来の一般的な仕事探しは、求人情報を見て応募し、面接を経て合否が決まるまで数週間の時間を要しておりました。「タイミー」は、履歴書や面接は不要で、応募から勤務までの工程を可能な限り削減しております。ワーカーは、働きたい案件を選ぶだけで先着順でマッチングされ、応募したその日から働くことも可能となっております。


・「報酬は即日入金」

 一般的に、派遣・アルバイトの報酬は、月末締め、翌月末払いなどと設定されているケースが多く、賃金報酬等を受け取るまでに一定の時間を要します。「タイミー」では、業務終了直後に賃金報酬等が確定し、ワーカーから振込申請をすることにより、24時間365日いつでも、ワーカー側の振込手数料の負担なしで賃金報酬等の支払いを事前登録した銀行口座にて受けることが可能となっております。副業としてタイミーを利用しているワーカーのうち、約88%のワーカーの本業の年収が500万円未満となっており(2023年2月6日 当社公表の「副業に関する実態調査」に基づく。調査期間:2023年1月16日から18日、調査対象:ワーカーのうち本業が「会社員」「会社役員」「公務員」「自営業・自由業」の2,888名。)、生活費の足し、急な入り用、ちょっとした贅沢等様々な場面で活用いただいております。


・「特別なスキル・経験を必要としない業務」

 クライアントは、自社の業務プロセスの中から、ワーカーが対応可能な業務を切り出してワーカーを募集しております。そのため、工場での梱包やピッキング・仕分け・検品・搬出入といった軽作業、飲食店の洗い場作業、引越し作業といった特別なスキル・経験を必要としない業務に関する求人情報が多く、幅広い就業機会の提供が可能となっており、募集人数は2023年10月期第2四半期から2024年10月期第2四半期までの期間において、91%増加しております。


c)サービスの健全性を確保するための取組

 当社は、「タイミー」を利用する全てのクライアントとワーカーに対して、安心・安全なサービスを提供するため、以下の対応を行い、サービスの健全性の確保に努めております。


・「求人情報の確認」

 当社は、クライアントが投稿する求人情報が労働基準法等の各種法令に違反していないかどうか、求人情報の全件について専任部署が確認しております。加えて、投稿された求人情報の業務内容とワーカーが実際に行った業務内容に齟齬があった場合や、サービス残業を強制させられた場合等を把握するために、ワーカーによる通報窓口を設置しており、ワーカーはアプリより通報を行うことができます。


・「本人確認の実施」

 ワーカーに対して「タイミー」での求人申込前に本人確認を実施しております。ワーカーは求人申込前に本人情報(氏名・生年月日・住所等)と顔写真を登録し、本人確認書類を撮影してアプリに登録する必要があります。入力された本人情報と本人確認書類が合致する場合にのみ、求人申込をすることができます。


・「ペナルティポイント」

 キャンセルポリシーに基づき、キャンセル又は遅刻した際にペナルティポイントが付与される制度を導入しております。例えば、勤務開始の24時間前までにキャンセルすると1ポイント、勤務開始の24時間前から12時間前までにキャンセルすると4ポイント、12時間前から8時間前までにキャンセルすると5ポイント、遅刻をすると2ポイントが付与されます。また、累積されたポイントに応じて使用制限があり、4から7ポイントで1週間以降の求人申込が1件までに制限され、8ポイント以上で14日間の利用停止となります。ペナルティポイントは勤務終了後のレビューをするごとに1ポイントずつ減らすことができます。なお、申告がない欠勤の場合は、当社キャンセルポリシーに則り一定期間の利用停止となります。2024年10月期第2四半期の無断欠勤率は約0.2%となっております。


・「相互レビュー」

 業務終了後にワーカーとクライアントそれぞれが相互に評価を記載できる仕組みを構築し、相互牽制による求人情報の内容の正確性及びワーカーの勤務態度の担保を実施しております。

 相互レビューでは、ワーカーは「勤務時間はおおむね予定通りでしたか?」「掲載されていた仕事内容通りでしたか?」「またここで働きたいですか?」などの項目でGood/Badを選び、テキストコメントで働いた感想を記載することが求められます。記載したコメントはアプリ上で、他のワーカーからも見ることができ、まだその職場で勤務したことがないワーカーが安全・安心に仕事選びができるようになっております。

 一方で、クライアントからも勤務したワーカーの仕事ぶりをGood/Badの2択及びテキストコメントで評価することができます。万が一、評価の悪いワーカーとマッチングした場合は、事前キャンセルすることも可能となっております。

 相互レビューがあることで、ワーカーにはやりがいを感じていただき、クライアントはレビューコメントの内容をうけて、職場環境の改善につなげるなどの効果も生まれており、クライアントから初回勤務のワーカーへのGood率、初回勤務のワーカーからクライアントへのGood率は共に90%以上となっております。なお、クライアントとワーカー間でトラブルが発生した際には、当社のカスタマーサポートが間に入り、双方へのヒアリングを実施した上で、円滑に問題解決をする運用を構築しており、クライアント・ワーカー共に問題行動が頻発した場合には、問題行動を起こしたクライアント・ワーカーを利用停止にするなどの対応を講じることもあります。


d)ストック性の高いビジネスモデル

 「働く」という人々の日常に不可欠な領域が持つ本来のストック性に加え、日本社会が直面する慢性的な労働力不足により、「タイミー」はストック性の高いビジネスモデルとなっております。各企業・業界特有の季節性に起因する変動はあるものの、サービス開始以降、多くのクライアントに継続的にご利用いただいております。

 なお、コホート別の流通総額(ワーカーに支払う賃金報酬等の合計額)の推移は以下のとおりであり、当社の収益の大部分は、前四半期から登録されたアクティブアカウント(月に少なくとも1つの求人情報を掲載した登録クライアント事業所数)のコホートによるものとなります。2024年10月期第2四半期における流通総額の91%は、2024年10月期第1四半期以前のアクティブアカウントによるものとなりました。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2024/10 単独中間実績 12,450 1,719 1,617 964

2024/10 単独会社予想 27,556 4,091 3,623 2,253

2023/10 単独実績 16,144 1,957 1,924 1,802

2022/10 単独実績 6,216 122 114 256


決算期 種別 EPS BPS 配当

2024/10 単独会社予想 23.69 88.82 0.00


上場時発行済株数 95,139,000株

公開株数 37,082,200株【売り出し32,245,400株、オーバーアロットメント4,836,800株(売出に係る国内・海外の募集株式数の内訳(国内売出:9,996,100株/海外売出:22,249,300株)】

調達資金使途 -


PER:60.3

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:530億

公募時時価:1360億

​   

【株主構成】 

小川嶺 代表取締役 24,030,000 21.96% 売出779,400 360日

(株)Recolle 代表取締役の資産管理会社 9,045,000 8.27% 360日

KeyrockCapitalMasterFund,Ltd 投資業(ファンド) 7,950,000 7.27% 180日

(株)MIXI 投資業(ファンド) 6,117,000 5.59% 6年(下記参照) 

ジャフコSV6投組 投資業(ファンド) 4,704,000 4.30% 売出2,000,000

月山特定目的会社 投資業(ファンド) 3,999,000 3.66% 売出2,200,000

エン・ジャパン(株) 投資業(ファンド) 3,867,000 3.53% 売出2,200,000

(株)サイバーエージェント 投資業(ファンド) 3,840,000 3.51% 180日

JEC2 Limited 特別利害関係者など 3,615,000 3.30% 180日

Woodline Master Fund LP 投資業(ファンド) 3,180,000 2.91% 180日

 グローバル・オファリングに関連して、売出人かつ貸株人である株式会社サイバーエージェント、売出人であるCA Startups Internet Fund 2号 投資事業有限責任組合、コロプラネクスト3号ファンド投資事業組合及び他1社、当社株主であるKeyrock Capital Master Fund,Ltd、JEC2 Limited、Woodline Master Fund LP、Kadensa Master Fund、Seiga Japan Fund、タイミー従業員持株会、渡辺雅之、Seiga Japan Long Opportunities Fund、八木智昭及び他1名並びに上記に含まれない当社の新株予約権者である108名は、ジョイント・グローバル・コーディネーターに対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む。)後180日目の日までの期間(以下、「ロックアップ期間(A)」という。)、ジョイント・グローバル・コーディネーターの事前の書面による同意なしには、当社普通株式(ただし、JEC2 Limited、Woodline Master Fund LP、Kadensa Master Fund、Seiga Japan Fund及びSeiga Japan Long Opportunities Fundについては、当該株主が元引受契約締結日時点で保有する当社普通株式に限る。)の売却等(ただし、本件売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために大和証券株式会社に当社普通株式の貸付けを行うこと及びグリーンシューオプションが行使されたことに基づいて当社普通株式を売却すること等を除く。)を行わない旨を合意しております。

 売出人である小川嶺、西山知義、THE FUND投資事業有限責任組合、株式会社NEXYZ.Group、株式会社MSERRNT、貫啓二、須田将啓、株式会社WDI及び他4名、当社株主かつ新株予約権者である株式会社Recolle、当社株主である伊藤忠商事株式会社は、ジョイント・グローバル・コーディネーターに対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む。)後360日目の日までの期間(以下、「ロックアップ期間(B)」という。)、ジョイント・グローバル・コーディネーターの事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、本件売出し等を除く。)を行わない旨を合意しております。

 当社株主である勝部孝史は、ジョイント・グローバル・コーディネーターに対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む。)の2年後の日までの期間、ジョイント・グローバル・コーディネーターの事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、株式受渡期日(当日を含む。)の1年後の日から株式受渡期日(当日を含む。)の2年後の日の前日までの期間(以下、「ロックアップ期間(C)」という。)において、当該ロックアップ対象者が株式受渡期日の午前0時の時点で保有する発行会社の普通株式の数の2分の1を上限として行われる発行会社の普通株式の売却又は譲渡等を除く。)を行わない旨を合意しております。

 当社株主である株式会社KIDS HOLDINGS、AIAIグループ株式会社、SBSホールディングス株式会社及びその他2社は、ジョイント・グローバル・コーディネーターに対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む。)の3年後の日までの期間(以下、「ロックアップ期間(D)」という。)、ジョイント・グローバル・コーディネーターの事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、本件売出し、(a)株式受渡期日(当日を含む。)の1年後の日から株式受渡期日(当日を含む。)の2年後の日の前日までの期間において、当該ロックアップ対象者が株式受渡期日の午前0時の時点で保有する発行会社の普通株式の数(以下、「本件保有株式数(A)」という。)の3分の1を上限として行われる発行会社の普通株式の売却又は譲渡、(b)株式受渡期日(当日を含む。)の2年後の日から株式受渡期日(当日を含む。)の3年後の日の前日までの期間において、本件保有株式数(A)の3分の2を上限として行われる発行会社の普通株式の売却又は譲渡(ただし、上記(a)に則ってロックアップ期間(D)中に売却又は譲渡される発行会社の普通株式の総数が、当該規定に基づき売却又は譲渡可能な発行会社の普通株式の数の上限を超えず、かつ、上記(a)及び(b)に則ってロックアップ期間(D)中に売却又は譲渡される発行会社の普通株式の総数が本件保有株式数(A)の3分の2を超えない場合に限る。)等を除く。)を行わない旨を合意しております。

 当社株主であるその他2社は、ジョイント・グローバル・コーディネーターに対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む。)の3年後の日までの期間(以下、「ロックアップ期間(E)」という。)、ジョイント・グローバル・コーディネーターの事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、本件売出し、(a)株式受渡期日(当日を含む。)の1年後の日から株式受渡期日(当日を含む。)の3年後の日の前日までの期間において、当該ロックアップ対象者が株式受渡期日の午前0時の時点で保有する発行会社の普通株式の数(以下、「本件保有株式数(B)」という。)の3分の2を上限として行われる発行会社の普通株式の売却又は譲渡を除く。)を行わない旨を合意しております。

 売出人かつ貸株人である株式会社MIXIは、ジョイント・グローバル・コーディネーターに対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む。)の6年後の日までの期間(以下、「ロックアップ期間(F)」という。)、ジョイント・グローバル・コーディネーターの事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、本件売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために大和証券株式会社に当社普通株式の貸付けを行うこと及びグリーンシューオプションが行使されたことに基づいて当社普通株式を売却すること、(イ)株式受渡期日(当日を含む。)の17か月後の日から株式受渡期日(当日を含む。)の24か月後の日の前日までの期間において、当該ロックアップ対象者が特約付貸借契約で定義する返還日の翌日午前0時の時点で保有する発行会社の普通株式の数(以下、「本件保有株式数(C)」という。)の10分の1を上限として行われる発行会社の普通株式の売却又は譲渡、(ロ)株式受渡期日(当日を含む。)の24か月後の日から株式受渡期日(当日を含む。)の36か月後の日の前日までの期間において、本件保有株式数(C)の5分の1を上限として行われる発行会社の普通株式の売却又は譲渡(ただし、上記(イ)に則ってロックアップ期間(F)中に売却又は譲渡される発行会社の普通株式の総数が本件保有株式数(C)の10分の1を超えない場合に限り、かつ、上記(イ)及び(ロ)に則ってロックアップ期間(F)中に売却又は譲渡される発行会社の普通株式の総数が本件保有株式数(C)の5分の1を超えない場合に限る。)、(ハ)株式受渡期日(当日を含む。)の36か月後の日から株式受渡期日(当日を含む。)の48か月後の日の前日までの期間において、本件保有株式数(C)の5分の2を上限として行われる発行会社の普通株式の売却又は譲渡(ただし、上記(イ)及び(ロ)の各規定に則ってロックアップ期間(F)中に売却又は譲渡される発行会社の普通株式の総数が、それぞれ当該各規定に基づき売却又は譲渡可能な発行会社の普通株式の数の上限を超えない場合に限り、かつ、上記(イ)ないし(ハ)に則ってロックアップ期間(F)中に売却又は譲渡される発行会社の普通株式の総数が本件保有株式数(C)の5分の2を超えない場合に限る。)、(ニ)株式受渡期日(当日を含む。)の48か月後の日から株式受渡期日(当日を含む。)の60か月後の日の前日までの期間において、本件保有株式数(C)の5分の3を上限として行われる発行会社の普通株式の売却又は譲渡(ただし、上記(イ)ないし(ハ)の各規定に則ってロックアップ期間(F)中に売却又は譲渡される発行会社の普通株式の総数が、それぞれ当該各規定に基づき売却又は譲渡可能な発行会社の普通株式の数の上限を超えない場合に限り、かつ、上記(イ)ないし(ニ)に則ってロックアップ期間(F)中に売却又は譲渡される発行会社の普通株式の総数が本件保有株式数(C)の5分の3を超えない場合に限る。)及び(ホ)株式受渡期日(当日を含む。)の60か月後の日から株式受渡期日(当日を含む。)の72か月後の日の前日までの期間において、本件保有株式数(C)の5分の4を上限として行われる発行会社の普通株式の売却又は譲渡(ただし、上記(イ)ないし(ニ)の各規定に則ってロックアップ期間(F)中に売却又は譲渡される発行会社の普通株式の総数が、それぞれ当該各規定に基づき売却又は譲渡可能な発行会社の普通株式の数の上限を超えない場合に限り、かつ、上記(イ)ないし(ホ)に則ってロックアップ期間(F)中に売却又は譲渡される発行会社の普通株式の総数が本件保有株式数(C)の5分の4を超えない場合に限る。)等を除く。)を行わない旨を合意しております。


【代表者】

代表者名 小川 嶺 (上場時27歳3カ月)/1997年生

本店所在地 東京都港区東新橋

設立年 2017年

従業員数 917人 (2024/05/31現在)(平均30.9歳、年収583.6万円)

事業内容 スキマバイトサービス「タイミー」の運営など

URL https://timee.co.jp/

株主数 60人 (目論見書より)

資本金 107,254,000円 (2024/06/21現在)

社員数 917人(2024年05月31日現在)

代表者生年月日 1997年04月13日生まれ

代表者略歴

2017年08月 当社設立、代表取締役(現任)

2023年03月 一般社団法人スポットワーク協会理事(現任)


【幹事団】

主幹事証券 大和 - -

主幹事証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - -

主幹事証券 モルガン・スタンレーMUFG - -

引受証券 野村 - -

引受証券 みずほ - -

引受証券 SBI - -

引受証券 SMBC日興 - -

引受証券 岩井コスモ - -

引受証券 水戸 - -

引受証券 岡三 - -

引受証券 楽天 - -


【参考類似企業】今期予想PER(6/26)

2181 パーソルHD 15.7倍 (連結予想)

2341 アルバイトタイ 44.6倍 (連結予想)

2379 ディップ 16.9倍 (連結予想)

4848 フルキャストHD 10.5倍 (連結予想)

6054 リブセンス 17.5倍 (連結予想)

6098 リクルートHD 41.6倍 (連結予想)

6551 ツナグGHD 12.6倍 (連結予想)


【私見】

 規模も大きく、知名度高いスタートアップ銘柄の上場で注目度は高いです。以前から若手社長ということでメディアには取り上げられていましたが、人手不足の現状での需給は強く、都内中心に周囲でも利用者は多く実績も伴っています。まだ赤字と思いましたが、利益水準は高く、成長率も非常に高く納得できる数字です。問題はリクルートなど他社が隙間時間を使った求人に参入を示しているように、他社の追随が気になるところではありますが、先行特権で優位性はしばらくあるのではないかと思います。同業比較では、時価総額1900億でディップは経常利益は120億、フルキャストは経常利益70億で時価総額600億からどこを基準とするかでしょう。グロースではフリーが現状1500億ですが、勢いがあるときは2000億を超えていたので、当面の目標は時価総額2000億の2000円のラインと個人的には思います。需給としてはジャフコなどがロックはありませんが、この規模では影響は少なく、海外配分も6割から7割に増えたことから初値段階で株価は高いと予想します。


想定価額:1330円

仮条件上限:1430円

初値予想:1800円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:4

2024年7月8日月曜日

IPO分析(フィットイージー)

 【事業内容】

​ (1)事業の概要

(ⅰ)直営店

 当社が店舗設備投資を実施し、当社の従業員が店舗を運営し、会員からの会費や販売商品等から収入を得ており、「直営売上」として売上計上しております。

(ⅱ)FC店

 FC加盟企業と締結するフランチャイズ契約に基づき、店舗設備投資及び店舗スタッフの人件費を含む店舗運営に関わる全ての費用をFC加盟企業の負担により運営する形態であります。

 出店時の物件選定やプランニング等のサービス提供、またブランド使用権や継続的な指導の対価として会員数に応じたロイヤリティ、当社システム利用料、広告等分担金・広告宣伝費等を受領しており、「運営売上」として売上計上しております。

 また、FC加盟企業から契約締結時に受領した加盟金、開業監修費、当社システム導入費及びFC店の新規出店に必要となるフィットネストレーニング機器、並びに店舗運営備品等の代金を受領しており、「開発売上」として売上計上しております。

 さらに、新規出店により直営店数が増加し事業戦略上FC店化すべきと判断した際、FCオーナーに対して直営店売却を実施して対価を受領しており、こちらも「開発売上」として売上計上しております。

 なお、2023年10月期の売上構成について直営売上1,194百万円(売上構成比率26.7%)、運営売上1,058百万円(同23.6%)、開発売上2,207百万円(同49.3%)、その他売上20百万円(同0.5%)となります。


(2)事業の特徴

(ⅰ)アミューズメントフィットネスクラブ

 フィットネストレーニング機器だけを設置した単なるフィットネスクラブではなく、会員が気軽に「楽しみながら健康になれる」「楽しみながら目標達成できる」のがアミューズメントフィットネスクラブであり、FIT-GOLF(シミュレーションゴルフ)やFIT-SAUNA(個室サウナ)をはじめ、FIT-RACE(プロドライバー監修の本格レーシングシミュレーター)、FIT-LOUNGE(PCを持ち込んで仕事やオンラインミーティングができるコワーキングスペース)、セルフエステ等のアミューズメント設備を自らの趣味嗜好に合わせて利用することを可能とした五感で楽しめる空間の実現を目指しております。

 また、会員は入会場所に関係なく全店舗で利用できるため、ちょっとした空き時間や仕事帰りには近くの店舗、休日は自宅近くの店舗利用等、ライフスタイルに合わせた利用が可能となっております。

 その結果として、当社の顧客層は、24時間フィットネスクラブで多数を占める20歳代及び30歳代の男性だけでなく、40歳代以降に占める比率及び女性の占める比率が向上しております。

 加えて当社は、①居抜き物件を主体とした出店によるコスト削減、②建材及び設備品の海外直接大量仕入れと在庫ストックによるコスト削減、③床・壁・天井・設備の既存店再利用によるコスト削減、④自社で内製化した店舗プランの作成及び空間デザインによるコスト削減、⑤物件契約から店舗オープンまでの工期を管理し、スピードの加速とコスト削減に繋げており、これらを実施することにより低コストでハイクオリティな設計・施工システムを実現しております。その結果2024年5月末時点においての会費価格帯は、通常会費:7,150円(税込)、FIT-GOLF利用会員会費:7,678円(税込)となっております。


(ⅱ)AI顔認証

 AI顔認証による全店舗相互利用を実現しており、会員が気軽に手ぶらで近隣店舗に入館できる仕組みを構築しております。また、鍵の貸し借りによる不正入館の防止、並びに犯罪及びトラブルを未然に防ぐことを可能にしており、当社はなりすましによる不正入館ゼロを目指しております。


(ⅲ)出店戦略

 創業からこれまでは愛知・岐阜・三重エリアを中心に、近隣住民が日常的に利用出来るような駅から徒歩数分内の物件や車で通える郊外型ロードサイド、またビジネス街において仕事帰りに気軽に立ち寄れるような立地を中心に出店しておりました。近年では、ターミナル駅、商業ビル内への出店に加え、日本全国の未出店エリアへの新規出店も進めております。なお、全店舗に対して愛知・岐阜・三重エリアの店舗が占める割合は57.0%となっております(2024年5月末時点)。

 デベロッパー、不動産業者等から独自のルートで入手した物件情報に対して、これまでの実績に基づいた「商圏」「動線」「地点」の視点でのマーケティングリサーチを実施し、その評価に基づき優良と判断した物件へ出店しております。

 また、物件決定前に独自の重回帰分析ツールによる精度の高い入会数予測を行い、ドミナント出店による相互利用・近隣店舗に別のマシンメーカーやアミューズメントサービスを展開することによる出店拡大をはじめ、未出店エリアへの出店においても戦略的に行っております。

 結果として、創業以降、店舗撤退・閉鎖(試験的に運営した店舗を除く)の実績はなく、現時点(2024年5月末時点)において、店舗数、会員数は以下のとおりです。


■フィットイージー店舗数及び会員数(全社計)

 店舗数 158店舗

 会員数 123,393人

■フィットイージー店舗数及び会員数(直営店)

 店舗数 25店舗

 会員数 18,206人

■フィットイージー店舗数及び会員数(FC店)

 店舗数 133店舗

 会員数 105,187人

■エリア別出店状況

 北海道エリア  2店舗

 東北エリア   4店舗

 関東エリア   16店舗

 中部エリア  104店舗

 近畿エリア   18店舗

 中国エリア   4店舗

 四国エリア   3店舗

 九州エリア   7店舗


(ⅳ)FC運営

 長期安定的なFC店舗の収益性について、下記の特徴があります。

・近隣会員の日常利用による多頻度来店により、退会率の低減及び会員数の安定を目指しております。

・FC店の会費も本部にて集約しているため、回収業務及び未回収管理を本部が代行しております。

・本部による物件の転貸借による一元的な管理により地代・賃料が低いこと、また役割分担・行動予定表によるスタッフ業務のシステム化に伴いオペレーション負荷が低く、店舗の人件費コントロールが比較的容易であることにより、長期的に安定した利益獲得を目指しております。

・出店候補地の選定から店舗設計、スタッフのトレーニング等、出店プロセス全体をFC加盟店経営者の関与の下で進め、店舗経営へのモチベーション向上につなげております。また、会員数増加がFC加盟店経営者の収入増につながることにより、出店後もFC加盟店経営者のモチベーションを高く維持するよう努めております。

 なお、当社では、常に進化を求め、新サービス及び新システムの開発を実施しており、FC加盟店でも同様のサービス展開が可能となっております。このような取り組みから本部とFC加盟店との信頼関係は良好であり、グループ全体での強みとなっております。さらに、本部からはオンラインによる毎月1回の「店舗責任者ミーティング」、スーパーバイザーによる半期に1回の「SV訪問」及び外部業者による「覆面調査(※)」を実施し、FC加盟店の店舗改善にも取り組むことにより、強固な運営体制が実現しております。


(ⅴ)直営店のFC店化

 直営店の出店数は30店舗を基本水準として考えております。その中で、新規出店により直営店数が増加し、地の利に長けたFC加盟店に経営を委ねると効率的といった事業戦略上FC化すべきと判断した際にFCオーナーに対して、直営店売却(店舗設備、マシン等含む)を実施しております。


(ⅵ)店舗運営コストの削減

 顔認証・熱感知システム、スマート入会システム、FOS管理システム、WEB予約等のDX活用事例や、24時間対話型警備システムを導入することによって、オペレーションの省力化を可能にし、1日スタッフ平均約1.5名での運営を実現しております。なお、ⅮX活用に伴い、CS(顧客満足度)やES(従業員満足度)の向上を目指しております。

 また、複数のメーカーからマシンを導入することで、仕入交渉に努めております。

 上記のようなDXの活用等による省力化及び仕入コストの低減により、店舗運営コストの削減に努めております。


(ⅶ)信頼感と安心感

 安心・安全なフィットネスクラブの運営を目指しております。その一環として、フィットネス産業の健全な発展に寄与する情報提供、教育機会の提供等を通じてフィットネス産業の普及促進、安心して通える快適なクラブ作りに貢献しているFIA(一般社団法人日本フィットネス産業協会)への加盟をしており、また、10万人超の会員情報を扱う事業者として、個人情報の適切な管理体制の構築と運用を目的として、Pマークを2024年4月に取得しております。


(ⅷ)五感で楽しむ空間

 会員に非日常で洗練された「サードプレイス(自宅でもない職場でもない第三の場所)」となる空間を提供するために、サービス・接客はもとより、カラーコーディネーターの色彩理論に基づいたマシンのカラーリングやマットの配色、ライティング、床材・壁材・天井・棚等の備品に至るまでの店内全体のデザイン、全店共通の香りのアロマディフューザーの設置、空調管理などを徹底的にこだわり抜き、統一感のある空間を演出することにより、当社の雰囲気や印象を魅力的に表現しております。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2024/10 単独3Q累計実績 3,110 899 892 588

2024/10 単独会社予想 6,064 1,487 1,458 930

2023/10 単独実績 4,481 1,113 1,094 722

2022/10 単独実績 3,145 458 442 36


決算期 種別 EPS BPS 配当

2024/10 単独会社予想 61.22 179.74 12.63


上場時発行済株数 15,840,000株(別に潜在株式526,010株)

公開株数 4,945,000株(公募900,000株、売り出し3,400,000株、オーバーアロットメント645,000株)

調達資金使途 新規出店に係る設備投資、ホームページ拡充や基幹システム更新、アプリ開発に係る設備投金、人材投資、借入金の返済


PER:16.2

PBR:

配当利回り:1.3%

公募時吸い上げ資金:49億

公募時時価:157億

​   

【株主構成】 

(株)オリーブ 役員らが議決権の過半数所有 8,000,000 51.73% 180日 売出500,000

国江仙嗣 代表取締役社長 6,450,000 41.70% 180日 売出2,900,000

中森勇樹 取締役副社長 300,560 1.94% 180日

国江紀久 取締役、代表取締役の配偶者 200,000 1.29% 180日

守田拓記 常務取締役 104,150 0.67% 180日

新谷永 取締役 77,350 0.50%

星野秀人 取締役 77,350 0.50%

藤原祐次 常務取締役 54,150 0.35%

フィットイージー社員持株会 特別利害関係者など 40,000 0.26% 180日

永江亘 監査役 38,680 0.25% 180日

川島友一郎 従業員、元取締役 38,680 0.25% 180日

国江孝太 代表取締役の血族、従業員、元取締役 38,680 0.25% 180日


 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である國江仙嗣、売出人である株式会社オリーブ、並びに当社の株主である中森勇樹、國江紀久、守田拓記及びフィットイージー社員持株会は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後180日目の日(2025年1月18日)までの期間(以下、「ロックアップ期間」という。)、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得することを行わない旨を合意しております。

 加えて、当社の新株予約権を保有する中森勇樹、守田拓記、永江亘、川島友一郎、國江孝太及び他2名は主幹事に対し、ロックアップ期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしに、当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した当社普通株式の売却等を行わない旨を合意しております。

【代表者】

代表者名 国江 仙嗣(上場時59歳8カ月)/1964年生

本店所在地 岐阜県岐阜市本町

設立年 2018年

従業員数 43人 (2024/05/31現在)(平均34.9歳、年収461.2万円)

事業内容 アミューズメントフィットネスクラブの運営、企画、FC展開事業

URL https://fiteasy.co.jp/

株主数 6人 (目論見書より)

資本金 100,000,000円 (2024/06/19現在)

代表者生年月日 1964年11月20日生まれ

代表者略歴

1983年04月 株式会社大岐インテリア入社

1987年04月 インテリアケイズ設立

1994年04月 同社を株式会社化(株式会社インテリアケイズ)、4月:同社 代表取締役就任

2008年04月 株式会社ケイズビルダー設立、4月:株式会社ケイズビルダー代表取締役就任

2018年05月 株式会社ケイズ設立、5月:株式会社ケイズ代表取締役就任(現任)

2018年07月 フィットイージー株式会社設立、同7月: フィットイージー株式会社 代表取締役社長就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 大和 3,934,500 91.50%

引受証券 野村 64,500 1.50%

引受証券 みずほ 64,500 1.50%

引受証券 マネックス 64,500 1.50%

引受証券 SBI 64,500 1.50%

引受証券 楽天 43,000 1.00%

引受証券 東海東京 21,500 0.50%

引受証券 岡三 21,500 0.50%

引受証券 松井 21,500 0.50%


【参考類似企業】今期予想PER(7/3)

2378 ルネサンス 28.8倍 (連結予想) 時価211憶 26 売上436憶 経常5憶

2928 RIZAPG 109.0倍 (連結予想)

4801 セントラルSP 17.5倍 (連結予想) 時価290憶 17 売上453憶 経常21憶

7074 247 - (連結予想)

7085 カーブスHD 23.7倍 (連結予想)

7092 FFJ 17.2倍 (連結予想) 時価265憶 売上158憶 経常35憶

8920 東祥 16.4倍 (連結予想)


【私見】

 フィットネスの中でもアミューズメントを取り入れて優位性があり、成長力のある会社だと思います。売上・利益の伸びも良く、FFJやセントラルの時価総額250億を目指すかもしれません。VCなしで売り圧力はなく、規模は大きめですが、需給は良いので初値で上がるか、初値が低くてもセカンダリーで期待が持てるかもしれません。目先は250億の1500円、300億の2000円が上限ラインでしょう。


想定価額:950円

仮条件上限:990円

初値予想:1400円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3.5

2024年7月3日水曜日

IPO分析(カドスコーポレーション)

 【事業内容】

​ (1)建設事業

 建設事業として、山口県・広島県を中心に主として流通店舗の設計施工を行っています。なお、当社は元請を主としており、実際の施工は当社の協力会社(下請会社)が行っております。

 創業以来、土地の有効活用を希望する土地オーナーの情報、事業に適した用地の情報、新しい事業展開のために拠点を求めるテナント企業の情報を収集してまいりました。これらの情報をもとに、土地オーナーとその土地に適したテナント企業を引き合わせ、双方のニーズをつなげることで建築工事の受注に結び付けるビジネスモデルを「カドスLANシステム」と呼び、当社にとって強みと言えるビジネスモデルであると考えております。これにより、土地の特性に合わせた最適な事業プランの提案から店舗の設計施工、テナント企業の出店までをトータルプロデュースしております。なお、社名の「CADOS」は、「Construct=建設」「Architecture=建物」「Design=設計」「Of」「Survey=測量」の頭文字を組み合わせて命名したものであり、「カドスLANシステム」の「LAN」は、「Land=土地」「Application=活用」「Network=情報網」の頭文字を組み合わせて当社が作った造語です。いずれも、土地活用の提案から設計・施工までをトータルプロデュースするという、当社の事業スタンスを意図して表現しております。

 競合企業の多くが、テナント企業の出店が決定した案件の施工を請負うことに集中しているのに対し、当社は創業当初から土地を活用したい土地オーナーへのアプローチを進め、活用することについて、土地オーナーから承諾を得た土地の情報を店舗設計図案とともにテナント企業に紹介し、土地の賃貸借契約につなげるマッチングを進めてまいりました。その結果、出店用地を探したいテナント企業の評価や土地を活用したいと考える土地オーナーの認知度も高めることができました。土地オーナーとテナント企業のマッチングは、テナント企業からの特命受注につながり、競合他社との価格競争も回避できております。また、当社は、店舗施工後においても物件の修繕対応や物件の土地オーナーとの関係性構築を行っております。土地オーナーとの関係性構築の一環として、土地オーナーそれぞれに管理番号を設定のうえ賃貸借契約管理書(管理カード)の発行を行っており、管理番号により物件名や担当者を即時に把握し、適切な対応を行えるようにしております。当社では、賃貸借契約締結後においても、土地オーナーに直接テナント企業から連絡があった場合には内容を確認し、テナント企業との面談に同席を行うなど、必要なアドバイスも行っており、また土地オーナーが所有する他の土地の相談等に応じるなど、土地オーナーのアフターケアを行うことで、賃貸借契約満了時には当社で新たな土地活用方法を提案し、永続的なトータルコーディネートを行うべく事業を推進しております。上記の賃貸借契約管理書(管理カード)を発行したオーナーを施工物件土地オーナーとして管理しており、2023年7月期末現在の管理数は235人(社)となりました。また、当社が土地オーナーから土地活用の依頼を受け、テナント企業に土地の紹介と出店の提案を行い、出店の合意をもとに土地オーナーとテナント企業が土地賃貸借契約を締結するまでのマッチング期間の中間値(2021年7月期~2023年7月期)は約4か月(119日)であります。契約締結までに2か月を要しないケースもあり、早期の契約締結が実現できておりますが、地域環境の変化や競合企業の参入などにより、ビジネス機会を逃すことのないよう、今後もマッチング期間の短縮は重要であると認識しております。

 2023年7月期の完成工事高(売上高)は4,503百万円、新築工事件数(売上計上分)は34件、新築完工件数(施主引渡分)は23件(ドラッグストア10件(43.5%)、飲食店8件(34.8%)、その他店舗2件(8.7%)、事務所2件(8.7%)、コンビニエンスストア1件(4.3%))であり、売上高のうち、当社のメインターゲットであるナショナルチェーン(山口県隣県以外にも出店しているチェーン店)店舗関連は4,051百万円(90.0%)、ナショナルチェーン以外のローカル店舗(地場企業、オフィス・事業拠点など)関連が452百万円(10.0%)でありました。

 当社設立から2023年7月期までの新築完工件数の累計は511件(コンビニエンスストア163件(31.9%)、飲食店127件(24.9%)、ドラッグストア86件(16.8%)、その他店舗77件(15.1%)、オフィス・事業拠点58件(11.4%))と実績を積み上げております。新築完工累計件数は、当社設立から2013年7月期までの15年間で207件に対し、約2.5倍となっております。ナショナルチェーンの件数は404件(79.1%)、ナショナルチェーン以外のローカル店舗は107件(20.9%)であります。ブランド数は165件であり、ナショナルチェーン77件(46.7%)、ローカル店舗88件(53.3%)であります。1ブランド当たり平均店舗数は3.1店舗であり、ローカル店舗1.2店舗に対し、ナショナルチェーンは5.2店舗と4倍超となっております。

 ナショナルチェーン404件のうち、同一ブランド10店舗以上のブランドは8ブランド274件(67.8%)、同一ブランド3店舗以上(~9店舗)は16ブランド64件(15.8%)、同一ブランド3店舗未満のブランドは53ブランド66件(16.3%)であります。

 交通要地という好立地の提供・紹介により、ナショナルチェーンの割合は着実に上昇しております。また、ナショナルチェーンの割合を増やすことで、当社が営業エリアを拡大する際には一からテナント企業を開拓することなく、新たな営業エリアでも既存エリアのテナント企業に営業活動が可能となることから、営業エリア拡大にも寄与するものと考えております。


(2)不動産事業

 建設事業の営業活動の中で土地オーナーとテナント企業とのニーズがマッチングしないケースがあることから、当社が両社の間に入り双方のニーズをつなぎ合わせることで案件を成立させております。例えば、土地オーナーの希望は土地の賃貸、テナント企業の希望は建物の賃借の場合では案件は成り立ちませんが、当社が土地オーナーより土地を賃借し、当社費用で建物を建築のうえテナント企業に土地・建物を賃貸(建貸)することで双方のニーズがマッチングします。また、土地オーナーの中には、テナント企業と直接賃貸借契約を結ぶことに不安を持たれる方もおられますので、当社が土地オーナーから土地を賃借してテナント企業に転貸することで、テナント企業から店舗施工の受注につながるとともに不動産賃貸収入を得られる場合もございます。これらのビジネスモデルにより、土地オーナーとテナント企業のマッチングを促進させ、店舗施工の受注成約率を高めるとともに、当社にとって長期安定収入となる不動産賃貸収入を得ています。また、中古の店舗・事務所・ビル等を取得し、必要な改装等を施したうえでの賃貸、出店を予定している企業と土地オーナー間の不動産売買の仲介、保有設備である太陽光発電システムによる売電も不動産事業として展開しており、建設事業と不動産事業の両輪でビジネス機会を最大化する構造を構築しております。さらに、収益規模の拡大を目的とし、採算性を十分に検討したうえでの不動産売買にも着手しております。

 なお、当社の不動産事業における不動産賃貸借パターンは以下のとおりです。

1.土地オーナーから当社が土地を賃借し、当社費用で建物を建設のうえ当社が土地建物をテナント企業に賃貸するケース

2.土地オーナーから当社が土地を賃借し、当社がテナント企業に土地を賃貸するケース

3.土地オーナーから当社が土地を購入し、当社がテナント企業に土地を賃貸するケース

4.土地建物オーナーから当社が土地建物を購入し、当社がテナント企業に土地建物を賃貸するケース

5.土地オーナーから当社が土地を購入し、当社費用で建物を建設のうえ当社が土地建物をテナント企業に賃貸するケース

6.土地オーナーから当社が土地を賃借し、自社で運用するケース:駐車場など

7.土地建物オーナーから当社が土地建物を賃借し、当社がテナント企業に土地建物を賃貸するケース

8.建物オーナーから当社が借地上の建物(敷地の借地権含む)を購入したうえで、土地オーナーから当社が土地を賃借し、当社がテナント企業に土地建物を賃貸するケース

9.土地オーナーから当社が土地を購入し、自社で運用するケース:太陽光発電所など


 同事業は、山口県及び広島県を中心に事業展開しており、2023年7月期の不動産事業売上高は1,156百万円(対象物件数は95件)であり、内訳は、建物賃貸収入863百万円(74.7%)、土地賃貸収入233百万円(20.2%)、売電収入33百万円(2.9%)、仲介手数料収入25百万円(2.2%)でありました。

 2023年7月期末現在の不動産賃貸件数は95件となっており、2013年7月期末時点の不動産賃貸件数52件と比較すると10年間で約1.8倍となっております。なお、2023年7月期末現在の不動産賃借件数は73件であります。

 当社は、建設受注と不動産賃貸の両面からアプローチすることにより、例えば当社が不動産を賃借することで建設受注にもつながるなど、建設事業と不動産事業の複合案件を生み出し、不動産賃貸による不動産収入の獲得、さらには期間満了後には新たな建設受注の獲得も期待できることから、将来にわたって長期間安定した不動産収入と建設受注を獲得しうる事業構造(プラットフォーム)を確立しています。事業系統図によって示すと次のとおりです。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2024/07 単独3Q累計実績 4,654 426 415 272

2024/07 単独会社予想 6,300 623 585 385

2023/07 単独実績 5,659 521 511 365

2022/07 単独実績 4,522 484 471 312


決算期 種別 EPS BPS 配当

2024/07 単独会社予想 508.20 4,102.79 85.00


上場時発行済株数 948,000株(別に潜在株式104,400株)

公開株数 494,500株(公募198,000株、売り出し232,000株、オーバーアロットメント64,500株)

調達資金使途 賃貸用不動産の取得・建築に係る設備資金、借入金の返済


PER:5.7

PBR:

配当利回り:2.99%

公募時吸い上げ資金:14.3億

公募時時価:28億

​   

【株主構成】 以下180日

(株)ネクストライト 役員らが議決権の過半数所有 240,000 28.09% 売出42,500

(株)せんじゅ 役員らが議決権の過半数所有 240,000 28.09% 売出77,500

杉田茂樹 代表取締役会長 181,800 21.28% 売出112,000

カドス従業員持株会 特別利害関係者など 55,800 6.53%

工藤博丈 代表取締役社長 15,000 1.76%

杉田千佳子 代表取締役の配偶者、従業員 13,500 1.58%

井上一志 従業員 6,600 0.77%

松本浩美 特別利害関係者など 6,000 0.70%

従業員1 従業員 5,400 0.63%

従業員2 従業員 5,100 0.60%


 本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、貸株人かつ売出人である杉田茂樹、売出人である株式会社ネクストライト及び株式会社せんじゅ、当社役員である工藤博丈及び那須聖並びに当社株主であるカドス・コーポレーション従業員持株会、杉田千佳子、井上一志、松本浩美、井上裕子、杉田幹雄及びその他1名は、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しにかかる元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の2025年1月13日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。


【代表者】

代表者名 工藤 博丈(上場時53歳11カ月)/1970年生

本店所在地 山口県山口市小郡黄金町

設立年 1999年

従業員数 97人 (2024/04/30現在)(平均45.2歳、年収672万円)

事業内容 土地活用の提案から設計・施工までトータルプロデュースすることにより、流通店舗の建築工事を受注する建設事業および当該店舗などをテナント企業に賃貸する不動産事業

URL https://cados.jp/

株主数 13人 (目論見書より)

資本金 33,000,000円 (2024/06/14現在)

代表者生年月日 1970年08月10日生まれ

代表者略歴

1997年04月 ㈱一条工務店入社

2002年08月 当社入社

2016年08月 取締役本店営業部長

2020年08月 常務取締役事業本部長

2022年08月 当社代表取締役社長(現任)


【幹事団】

引受証券 野村 - -

引受証券 大和 - -

引受証券 SBI - -

引受証券 東海東京 - -

引受証券 ひろぎん - -


【参考類似企業】今期予想PER(6/21)

1401 エムビーエス 14.3倍 (連結予想)

1418 インターライフ 11.5倍 (連結予想)

1446 キャンディル 25.1倍 (連結予想)

1764 工藤建設 22.6倍 (単独予想)

1766 東建コーポ 16.8倍 (連結予想)

1793 大本組 20.6倍 (単独予想)

1878 大東建 14.2倍 (連結予想)

1905 テノックス 12.7倍 (連結予想)

1925 大和ハウス 10.7倍 (連結予想)

5078 セレコーポ 10.8倍 (連結予想)

8848 レオパレス21 10.8倍 (連結予想)


【私見】

 地方の不動産事業で業種妙味はありません。業績は緩やかに伸び、PERは低めの設定で、公募価額以下はないという水準だと思います。需給も完全ロックで売られる要素はないので、公募割れでもするようならリバ狙いで狙っても良い銘柄かもしれません。


想定価額:2850円

仮条件上限:2900円

初値予想:3000円

ブック申し込み度・・・中立

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3

2024年7月2日火曜日

初値分析(PRISM BioLab)

 PRISM BioLab  

公募価額 450円

初値予想 550円

初値   489円(+8.7%)

終値   569円

初値で動くかなと思ったのですが、セカンの方でした。参戦せず。

2024年7月1日月曜日

前日予想(PRISM BioLab)

 PRISM BioLab  

公募価額 450円

初値予想 550円

初値買い ノーマーク予定