2024年11月17日日曜日

IPO分析(グロービング)

 【事業内容】

​ <ビジネスモデルの概要>

 当社においては、Joint InitiativeとAIで従来型のコンサルティングを再定義し、高いオペレーション効率と、労働集約性を脱却したビジネスモデルにより高水準の売上成長を目指しております。従来型コンサルティングは、ノウハウ/知恵を持った人材がクライアント企業にアドバイスすることで対価を得るビジネスモデルでありましたが、当社においては、コンサルタントの内部化、AI/デジタル活用、およびクラウドプロダクトによる“Joint Initiativeモデル”で企業変革を実現することを目指します。これらの取組みにより、

・“内部”から企業変革をリードすることによる顧客粘着性の深化

・ 人の“頭数”に頼らないAIによる生産性の劇的向上

・ クラウドプロダクト活用による低コスト化・スケール化

が実現されると考えております。

 また、コンサルティング業務において、従来若手コンサルタントを中心に時間/工数を費やしていた作業をAIで代替し、リーンなコンサルタント構造へ変革することに取り組んでおります。当社内のGLB Intelligence(自社内のAI等活用による業務効率化専門チーム)において、AIツールの活用や開発を進め、コンサルタント、特にジュニアスタッフの工数の多くを占める議事録作成やリサーチ業務の生産性向上を目的としたツールを開発し、テスト運用期間にも関わらず、すでに業務削減効果が表れております。


(コンサルティング事業)

 当社のコンサルティング事業本部、株式会社アバランチ、上海巨球協英信息技術有限公司及びX-AI.Lab株式会社がJoint Initiative(JI)型も含めたコンサルティングサービスを提供しております。株式会社アバランチ、上海巨球協英信息技術有限公司及びX-AI.Lab株式会社は、当社からの外注又は業務委託により、コンサルティングサービスを提供いたします。


「Joint Initiative(JI)型コンサルティング」

新規事業の創造、衰退産業のリカバリ/ポートフォリオ転換、成長産業の創出、持続可能社会の実現(カーボンニュートラル)等を日本産業の復興に向けた社会変革テーマとして掲げており、このようなテーマに取り組むクライアントと同心協力で新規事業/プロダクト・サービスを共創するサービスであります。

 主な特徴として、当社コンサルタントが顧客の立場(出向なども含め)で事業責任者等として事業を推進することで通常のコンサルティングサービスより一段踏み込んで、人材・ノウハウ等を提供し、顧客の事業や改革をハンズオンで実行し、将来的には新規事業の売上増加・コスト削減等の利益をクライアントとシェアすることも目指します。

 一般的なコンサルティングファームがコンサルティングサービスを提供する際には、費用の支払に対して、リスクを負わず、役務提供する形が多い傾向にあり、リスクを負わないため、行動が主体的ではないという課題があると考えております。そのため、当サービスでは、クライアントの変革ニーズに対して当社からはノウハウ・人材等を提供し、クライアントからは人材(社員)・資金等を提供していただき、チームアップを行います。共同で事業変革/新規事業/プロダクト・サービスを共創する役割を果たすことによって、主体者として行動・取組を実施します。


「従来型コンサルティング」

 事業責任者等の派遣を伴わず“内なる外(外部視点を持ったインサイダー)”としてCxOクラスの伴走者となり、戦略立案・実行/DX・AI活用を支援する従来型コンサルティングサービスも提供しております。コンサルティングのテーマとしては、JI型、従来型の両方で、経営戦略/新規事業立上/M&A戦略、DX/デジタル戦略の構想策定・実行支援を提供しております。

 また、一般的なコンサルティングファームはノウハウ/知恵を持った人材がクライアント企業にアドバイスすることで対価を得るビジネスモデルであったため、人の“頭数”が重要でしたが、当社はAI/デジタルツールを活用しコンサルティング業務を省力化して提供することにより、“人の頭数=売上”というビジネスモデルからの脱却を目指しており、ノウハウ/知恵を人から切り離しAIをフル活用することで頭数に比例しないビジネスの拡大を志向している点も当社の特徴となります。


(クラウドプロダクト事業)

 コンサルティング事業で蓄積した汎用性の高いノウハウをシステム化しSaaS型プロダクトで提供しております。

 一般的なコンサルティング契約での支援では、コンサルタント側には膨大なノウハウが蓄積され、他クライアントでの再使用も可能である一方で、クライアント側には限定的なノウハウしか残らず、新規取組の際には再度コンサルティング会社を必要とするという課題・傾向がありました。従来エンタープライズ向けに高価格で提供していたコンサルティングノウハウを幅広いクライアントに提供していくためクラウドプロダクト事業への取組(研究開発)を開始しました。

 提出日現在では、2023年5月期よりセールススイートの開発を開始、2023年12月にβ版のリリース行い、2024年10月末に製品正式ローンチを予定しております。また、2024年1月よりスペンドインテリジェンスの企画を開始しており、初期仮説検証を行っています。


 主な販売先はホンダ16.6%、三井化学12.7%、パーソルクロステクノロジー10.3%、MTG4.3%。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2025/05 連結1Q実績 1,720 610 618 399

2025/05 連結会社予想 7,612 2,184 2,187 1,401

2024/05 連結実績 4,175 369 378 260

2023/05 単独実績 2,606 736 738 473


決算期 種別 EPS BPS 配当

2025/05 連結会社予想 255.59 - 0.00


場時発行済株数 5,745,600株(別に潜在株式782,420株)

公開株数 1,085,600株(公募530,000株、売り出し414,000株、オーバーアロットメント141,600株)

調達資金使途 人件費、オフィス増床費用、ソフトウエア開発費


売出しを行う地域

欧州及びアジアを中心とする海外市場(ただし、米国及びカナダを除く。)


PER:17.7

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:49.2億

公募時時価:260億

​   


【株主構成】 以下180日

輪島総介 代表取締役代表パートナー兼上級執行役員 2,045,460 34.10%

EMMA&KEITO(株) 役員らが議決権の過半数所有 1,750,000 29.18%

パーソルクロステクノロジー(株) 資本業務提携先 375,000 6.25%

(株)KFV 役員らが議決権の過半数所有 250,000 4.17%

田中耕平 代表取締役社長兼上級執行役員 145,140 2.42%

小寺拓也 従業員、元取締役 100,000 1.67%

大沢拓巳 従業員 100,000 1.67%

増本秀俊 上級執行役員CIO、元取締役 100,000 1.67%

赤羽陽一郎 元取締役 100,000 1.67%

北村裕樹 元従業員 100,000 1.67%

寺島尚秀 元従業員 100,000 1.67%


本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である輪島総介、売出人である田中耕平、小寺拓也、増本秀俊、当社株主であるEMMA&KEITO株式会社、パーソルクロステクノロジー株式会社、株式会社KFV、大沢拓巳、赤羽陽一郎、北村裕樹、寺島尚秀、矢野冴菜、早川直樹は、共同主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、共同主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと及びグリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を三菱UFJモルガン・スタンレー証券が取得すること等は除く。)を行わない旨合意しております。

【代表者】

代表者名 田中 耕平(上場時45歳2カ月)/1979年生

本店所在地 東京都港区南青山

設立年 2017年

従業員数 188人 (2024/09/30現在)(平均34.2歳、年収1482万円)、連結220人

事業内容 コンサルティングサービスを提供するコンサルティング事業および各種SaaS(Software as a Service)を提供するクラウドプロダクト事業

URL https://globe-ing.com/

株主数 13人 (目論見書より)

資本金 90,000,000円 (2024/10/24現在)

代表者生年月日 1970年11月01日生まれ

代表者略歴

1994年04月 三菱自動車工業株式会社 入社

2000年11月 アクセンチュア株式会社 入社

2012年09月 同社 Strategy本部 F&EP統括 就任

2017年01月 当社 設立、4月:PwCコンサルティング合同会社 入社

2021年03月 当社 代表取締役代表パートナー 就任

2024年02月 当社 代表取締役代表パートナー兼上級執行役員就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - -

主幹事証券 モルガン・スタンレーMUFG - -

主幹事証券 大和 - -

引受証券 野村 - -

引受証券 SBI - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 松井 - -

引受証券 マネックス - -

引受証券 岩井コスモ - -

引受証券 岡三 - -

引受証券 極東 - -

引受証券 あかつき - -


【参考類似企業】今期予想PER(10/30)

3636 三菱総研 12.8倍 (連結予想)

3719 ジェクシード 147.8倍 (単独予想)

3996 サインポスト 35.8倍 (単独予想)

4307 NRI 32.4倍 (連結予想)

4722 フューチャー 17.0倍 (連結予想)

4812 電通総研 22.4倍 (連結予想)

6088 シグマクシスH 18.5倍 (連結予想)

6532 ベイカレント 24.5倍 (単独予想)

7033 MSOL 15.6倍 (連結予想)

8275 フォーバル 17.2倍 (連結予想)

9168 ライズ 11.8倍 (連結予想)


【私見】

 デジタル系コンサルで、ホンダ、三井化学、パーソルクロステクノロジーなどを顧客とし、業種妙味はあります。ベイカレントのように大きく伸びた企業もありますが、近いところでは同規模のライズが上昇していないように、見た目の判断ですと将来性をこの時点判断するのは非常に難しいです。今期の利益予想が20億超と強気な見通しで、PERからはシグマクシス、フューチャーと近く、ベイカレントよりは割安な水準で設定されています。仮条件を大きく上げてきたのは、単に同業より割安と判断なのか、さらなる成長があるのか判断が迷います。単価が大きいので吸収金額はそこそこ大きいのですが、海外配分を考えると需給は緩くはなく、完全ロックなのでタイトではあります。上場後緩やかに上がるか分かりませんが、最初は静かなスタートになると予想します。


想定価額:3880円

仮条件上限:4530円

初値予想:5200円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3.5

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