2026年10月21日水曜日

IPO分析(LTV-X)

 【概要】

LTV-X
655A 名証ネクスト 情報・通信業 100株
ブックビルディング期間 2026/10/19 - 10/23
上場日 2026/11/05
代表者名 野口 学夫(上場時50歳3カ月)/1976年生
本店所在地 東京都港区芝
設立年 2010年
従業員数 11人 (2026/08/31現在)(平均36.8歳、年収472.4万円)
事業内容 各業界の事業者向けに顧客管理・マーケティングオートメーション・オペレーション業務を支援するクラウドシステム「LTV-Labシリーズ」「ふるさとLab」「LTV-ZAIko」などを開発・提供
URL https://ltv-x.jp
株主数 16人 (目論見書より)
資本金 10,000,000円 (2026/09/30現在)

【事業内容】

 当社は、「世の中の課題をクラウドで解決する」という企業理念を掲げ、先進的なテクノロジーを活用してデータを可視化する技術やノウハウを武器に、データ活用による企業の売上高拡大、業務効率化や省力化、意思決定を支援するクラウドサービスを展開しております。

 企業のデジタル化・省力化へのシフトや働き方の見直しに伴う業務の自動化・効率化などへの取り組みが続いており、それらを支援するソフトウエアについては、各分野で高い需要が維持されております。特に当社が手掛けるSaaS型クラウドサービスは、各分野においてイニシャルコストを抑えて短期での導入が可能であることや、システム更新などの運用負荷を軽減できることから導入へのハードルが低いため、企業規模や業種を問わずSaaSに対する投資意欲が高まっており、これが市場成長をけん引しております。

 

 当社の強みは、各分野に関する運用・分析手法についての知見を持ったカスタマーサクセスチームによるコンサルティングの充実であります。当社カスタマーサクセスチームによる個々のクライアント企業に適したコンサルティングを実施することにより、クライアント企業の担当者は、「ツールを導入して満足する」状態から「PDCAを回し続け結果を出す」状態に到達していると考えております。また、このコンサルティングの過程で、当社とクライアント企業との間で「LTVを向上する」という共通認識が構築されるとともに、様々なクライアントからの要望やコンサルティングのノウハウが蓄積されます。そこから、カスタマーサクセスチームが要望やノウハウを基にサービス・新機能のクラウドサービスを提案することにより、新しい価値をクライアントに提供する事が可能となる好循環が生まれております。

 

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 また、当社の最大の特徴は、クラウドサービスの新機能開発から提供までをスピーディーに実現する点であります。カスタマーサクセスチームが要件定義を行い、外部開発パートナーによる実装、および多数の販売パートナーとの連携を組み合わせることで、効率的な事業推進体制を構築しております。様々な業界に向けて将来的に100種類のクライアント向けのSaaS型クラウドサービスの開発・展開を目指し、複数のサービスを組み合わせて一体的に提供(コンパウンドSaaS)をする「LTV-100」という行動指針に掲げております。さらに将来的には、AI技術を加えることで、ツール間をまたいだ高度なデータ分析を可能にし、顧客の売上拡大をより強力に支援する体制の構築を目指しております。

 

 当社は、クラウドシステムの開発・運営事業並びにこれらの付帯業務の単一セグメントにて事業を行っておりますが、展開している市場や業界、クライアント規模の大小に応じて、複数のシリーズ/プロダクト展開をしております。

 

 各プロダクト概要は以下のとおりであります。

(1) LTV-Labシリーズ(CRM・MA)

 LTV-Labシリーズ(CRM・MA)は、中堅・中小事業者向けのCRM・MAツールとして展開しております。その中でも「LTV-Lab」は、中堅・中小通販EC事業者(アパレル/健康食品/化粧品/雑貨など)や小売業など、BtoCだけではなく、BtoBの事業も含む企業を中心に、オンラインマーケティングの施策のPDCAを回すことによるLTVの向上にむけて導入されております。既に多数のECカートサービス等と連携対応が可能となっております。また展開当時より中堅・中小企業でもCRM・MAツールが導入できるよう、低価格プランを採用する一方で、メール配信無制限とし、クライアント企業の投資対効果の充実を図ってまいりました。またデータ連携等に関しても、既存の様々なECシステムと標準的なデータ連携機能を開発・実装し、自社ECサイトだけではなく、モールや実店舗の顧客注文データ統合も可能としております。

 

<ECシステム標準データ連携機能>

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 クライアント企業が「LTV-Lab」のサービスを活用することで、「1st Party Data」といわれる、クライアント企業自身が保有する顧客データ(氏名や購入履歴など)やWebサイトへのアクセスログ等といった行動履歴データを一元管理・整理することが可能です。

 また、蓄積されたデータを自動で分析・分類し、メールやLINE等の最適な手段で顧客ごとに適した情報配信を行うことができます。これにより、クライアント企業はリピート購入やファン化を促す施策を実行し、LTV向上が可能となります。

 

<LTV-Labシリーズの主なサービスラインナップ>

 LTV-Labシリーズは、主に次の主要なサービスによって構成されています。

製品名

特徴

対象規模

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EC・通販向けCRMシステム。顧客管理・情報配信・分析が一気通貫で行えるサービス。

中小~中堅規模

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LTV-Labの機能に加え、高度な分析機能を搭載し、大企業での分析から運用までをサポートするCRMシステム。

大規模

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実店舗とEC向けCRMシステム。データを統合し、そのデータに対して様々な情報配信ができるサービス。

中堅~大規模

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BtoB通販に特化したMA/CRMシステム。BtoB取引を意識した機能を多数用意し、BtoB取引をDX化するサービス。

中小~中堅規模

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定期購入・単品リピート通販向けCRMシステム。

中小規模

 

(2) ふるさとLab

 ふるさとLabは、自治体向けのふるさと納税寄付におけるリピーターを増やすサービスとして展開しております。これまで民間のEC通販事業支援で培ったノウハウを自治体に提供し、自治体が抱える課題を解決することで、ふるさと納税寄付額の向上から地方創生支援につなげてまいります。また、これをきっかけにふるさと納税及び関係人口の増加に寄与し、地域活性化を促進することを目指しております。

 

<ふるさとLab概念図>

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(3) LTV-Zaiko

 LTV-Zaikoは、小売業を中心とした事業者向けの需要予測/在庫分析ツールとして展開しております。「大量生産・大量廃棄という世界的課題の解決。そしてサステナブルな世界を構築する」をスローガンとして、LTV-Labで培った顧客育成のノウハウを商品の管理/育成に展開し、商品の無駄な値引きを抑制し、最適な在庫状態を可視化できる分析を実装しました。また、在庫分析にとどまらず、その結果を行動にシームレスに展開ができるようLTV-Labへの連携を実現いたしました。具体的には、LTV-Labで保有している各商品のアクセス履歴や販売状況と連携する事により、「何故売れているのか」「何故売れていないのか」を分析・可視化でき、またLTV-Zaikoで抽出した商品リストをLTV-Labに連携し、情報配信を行うといった事も可能になります。

 

<用語集>

用語

説明

LTV

Life Time Value(顧客生涯価値)の略称。

ある顧客が、自社の商品・サービスを初めて利用してから、長期的な関係の中で生涯にわたって得られる利益(売上)の総量を指す。

SaaS

Software as a Service(サース/サーズ)。

複数の機能を持ったソフトウエアから、ユーザーが必要な機能を選んで利用するソフトウエアの提供形態、または、ソフトウエア提供サービスのこと。

サービス提供事業者側のシステム(サーバ)で稼働しているソフトウエア機能を、インターネットを通じてブラウザ上で利用するタイプのサービスが主流。

コンパウンドSaaS

コンパウンドSaaSとは、共通のデータ基盤を持ち、既存顧客への新プロダクト連携提供を通じて、顧客の業務フロー全体を包括的に支える「複合型」のサービスモデルを指す。

1st Party Data

1st Party Data(ファースト・パーティ・データ)とは、企業や組織が自社の顧客との関わりの中で直接収集した顧客データのことを指す。類義語に2nd Party Data(セカンド・パーティ・データ/他社が収集したデータ)、3rd Party Data(サード・パーティ・データ/自社以外のサイトから収集したデータ)がある。

CRM

Customer Relationship Management(顧客関係管理)の略称。

広義には「顧客との関係を管理するもの」、狭義には「顧客関係管理ツール/システム」のことを表す。

マーケティングオートメーション(MA)

マーケティングのプロセスを自動化するツール。

【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2027/03 単独1Q実績 126 50 50 33
2026/03 単独実績 444 146 147 97
2025/03 単独実績 352 80 81 54

1株あたりの数値(単位:円)
決算期 種別 EPS BPS 配当
2026/03 単独実績 46.08 184.78 -

上場時発行済株数 2,484,000株(別に潜在株式238,300株)
公開株数 805,000株(公募367,000株、売り出し333,000株、オーバーアロットメント105,000株)
調達資金使途 システム開発費、システム運用関連費用、マーケティング費用、採用関連投資

PER:12.4

PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:4.6億
公募時時価:14.1億
​   
 【株主構成】 以下180日

小村富士夫 元取締役 994,000 42.20%
ドコモ・イノベーションファンド2号投組 投資業(ファンド) 333,000 14.14% 売出333,000
(株)SRI 筆頭株主が代表取締役 170,000 7.22%
古後淳 特別利害関係者など 160,000 6.79%
野口学夫 代表取締役社長 155,000 6.58%
舟橋裕道 特別利害関係者など 100,000 4.25%
高田知孝 取締役 95,000 4.03%
江田健二 特別利害関係者など 80,000 3.40%
柿尾正之 取締役 65,000 2.76%
井本浩樹 特別利害関係者など 40,000 1.70%

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、当社の株主である小村富士夫、貸株人及び当社の株主である株式会社SRI及び当社役員5名、並びにその他当社株主8名(対象となる株式総数1,784,000株)は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2027年5月3日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すことは除く。)等は行わない旨合意しております。

 また、当社の役員・従業員かつ新株予約権者である14名(役員6名 従業員8名)は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2027年5月3日までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した株式の売却等を行わない旨合意しております。

 更に、当社は主幹事会社に対し、ロックアップ期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の発行、当社株式に転換若しくは交換される有価証券の発行または当社株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行(ただし、本募集、株式分割、ストックオプションとしての新株予約権の発行及びオーバーアロットメントによる売出しに関連し、2026年9月30日開催の当社取締役会において決議された主幹事会社を割当先とする第三者割当増資等を除く。)等を行わない旨合意しております。

【幹事団】

主幹事証券 Jトラストグローバル 630,000 90.00%
引受証券 SBI 35,000 5.00%
引受証券 楽天 21,000 3.00%
引受証券 丸三 14,000 2.00%

【参考類似企業】今期予想PER

3393 スターティアHD 12.4倍 (連結予想)
3976 シャノン 5.0倍 (連結予想)
519A ベーシック 7.4倍 (単独予想)
6562 ジーニー 8.9倍 (連結予想)
9211 エフ・コード 9.3倍 (連結予想)
9258 CS-C - (連結予想)

【私見】

 クラウド関連で業種としては悪くないですが、大きな優位性があるわけでなく、名証案件なので中期では妙味はないでしょう。PERが高い業種ではないので、公募価額は妥当で、いずれこの水準に戻ってくるとは思います。しかし、昨今の地方市場は需給のみで上がるので、初値若しくはセンカンダリーで一時的に上がる可能性は高いです。ドコモファンドの全株売出しで、売り要素はなくなったので、初値段階で軽いマネーゲームが起きる可能性は高いと思います。
 
想定価額:560円
仮条件上限:570円
初値予想:900円
ブック申し込み度・・・やや強気
セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3

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