2018年4月9日月曜日

IPO分析(アイペット損害保険)

【事業内容】
 様々な顧客のニーズに対応できるよう、複数の商品を取り揃えております。ペット保険への認知が高まるにつれ、当社のペット保険に対する支持が次第に拡大し、平成30年2月末では保有契約が35万件を突破することができました。
 顧客と大切なペットが豊かで楽しい生活を送れることがペット共生社会の実現に貢献するものであると考え、今後もペット保険事業を展開し、損害保険会社としての社会的責任を果たしていくことを目指しております。
(1)商品について
 当社では顧客のニーズに合わせ、ペットの通院から入院・手術まで幅広くカバーした犬・猫向けのペット医療費用保険「うちの子」及び「うちの子プラス」、手術と手術を含む連続した入院に補償を限定し、保険料を抑えたペット手術費用保険「うちの子ライト」の3つのタイプの商品を販売しております。また、平成29年4月より鳥・うさぎ・フェレット向けのペット医療費用保険「うちの子キュート」を新たに販売開始しております。
(2)販売チャネル(経路)について
 主に、ペットショップ代理店および一般代理店等からなる代理店チャネルと、インターネット等を通じた募集を行うダイレクトチャネルの2つに分類しております。顧客ニーズやシーンに合わせて当社の商品をご案内しております。
①代理店チャネル
 代理店は損害保険会社との間で締結した「損害保険代理店委託契約」に基づき、保険会社に代わって保険募集を行います。当社では、保険会社のために保険契約の媒介のみを行う媒介代理店を通じて保険募集を行っております。
 当社は、主に、ペットショップ代理店、一般代理店等に販売を委託しております。
 なお、当社の代理店数は、平成30年2月末現在、全国で875社であります。

(a)ペットショップ代理店
 ペットショップは当社代理店チャネルの中核代理店であり、平成30年2月末時点で688社と代理店契約を締結し、1,640店舗で当社商品を販売しております。
 主に、ペットショップ専用商品として、生体購入時から補償が受けられる「うちの子プラス」「うちの子キュート」を販売しております。
(b)一般代理店
 訪問相談や来店型保険ショップ、保険比較サイト等と代理店契約を締結しており、平成30年2月末時点で187社、816店舗で当社商品を販売しております。
②ダイレクトチャネル
 代理店を経由せず顧客が保険に加入する場合、当社コンタクトセンターから商品の説明を受ける、又は当社が提供する資料やウェブサイト等の内容を確認の上、契約の申込みと保険料の支払手続きを行うことで、完了となります。
 また、当社が提供するウェブサイトでは、資料請求や保険料の見積りだけでなく、保険契約締結まで、すべて非対面による手続きが可能となっております。
 平成29年4月から平成30年2月までの新規契約のうち、約4割がインターネット経由での申込となっております。

(3)保険金の支払について
 当社では、損害保険会社として重要な責務である保険金等の支払いを、顧客が利用する動物病院によって以下の2通りの方法で行っております。
 ①アイペット対応動物病院で診療を受ける場合
 当社と提携している「アイペット対応動物病院」で診療を受けた場合は、動物病院の窓口で当社が発行している保険証を提示することにより補償額が控除され、顧客は補償額を除く負担分のみ支払うこととなります。
 アイペット対応動物病院は、全国で4,400病院(平成30年2月末現在)あり、ご協力いただける動物病院ネットワークを構築しています。当社の保険金請求件数の約8割が対応動物病院の窓口での精算によるものです。なお、「うちの子ライト」および「うちの子プラス」の100%補償期間(第1保険期間)は窓口での精算ができませんので、顧客より直接当社への保険金請求が必要になります。
②アイペット対応動物病院以外で診療を受ける場合
 契約者は動物病院にて一旦診療費の全額を支払い、その後、保険金請求書類を当社に郵送します。当社が保険金請求書類を受領した後、原則30日以内に補償割合に応じた保険金を支払います。日本国内の動物病院での診療費が対象となります。

(4)その他サービス等
①クラブアイペット
 クラブアイペットとは、当社と提携している全国の様々な施設やお店で、当社のペット保険の契約者が利用できる優待サービスです。トリミングサロンやペットホテルの割引優待のほか、ドッグカフェ、しつけ教室、ペット雑誌、ペットグッズ等の優待・情報サービスを順次追加しております。
②自社メディア
 平成27年10月より3つの自社メディアの運営を開始しております。
(a)ワンペディア・にゃんペディア
 「ワンペディア」・「にゃんペディア」とは、「獣医師をはじめとするペットの専門家の方々から情報をいただき、ペットに関する知識を広く提供する」ために作られた犬・猫辞典です。ペットとの日々の生活の中で生じる様々な問題を解決するための情報をお伝えします。
(b)PEDGE(ペッジ)
 「PEDGE(ペッジ)」は、「ペット業界の半歩先を伝える。」をコンセプトに、先進的な取り組みや社会的意義のある取り組みをされている個人・企業・団体を紹介するインタビューサイトです。ペット業界の従事者、又は同業界に興味・関心がありペット業界のトレンドをいち早く得たいと考えているユーザーの役に立つメディアとなることを目指しております。

(5)CSV活動
 当社はペット保険会社として、顧客の声へ真摯に対応し事業に反映するとともに、当社を取り巻く社会問題の解決や環境の改善に貢献することを通じて、経営理念であるペットとの共生環境の向上を目指しております。
 また、「CSV基本方針」を定め、上記の活動が当社の利益だけではなく、ステークホルダーとの共有価値の創造に繋がるものと考え、実践しております。
 当社のCSV活動の主な支援先は以下の2つです。
①特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン
 世界の難民や被災者の生命を守る緊急人道支援、復興・開発支援を行っている特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン(広島県神石郡神石高原町、代表理事:大西健丞)の理念に賛同し、平成26年11月より活動支援をしております。当社では、ふるさと納税制度を活用して、殺処分寸前の犬や迷い犬らの保護、譲渡に取り組む同団体の「ピースワンコ・ジャパン」プロジェクトに当社契約者及び当社従業員が寄付を行っております。また、新卒研修の一環として、ピースワンコ・ジャパンを訪問し、保護犬の世話をするボランティア研修を実施しております。
②特定非営利活動法人ワンコレクション
 小学生や幼稚園児を対象に、動物愛護についての教育を行っている特定非営利活動法人ワンコレクション(東京都港区、代表理事:道躰雄一郎)の活動を支援しております。この活動は、子どもたちに命の大切さを学んでもらうとともに、子どもたちがペットに対する正しい知識を得ることを目的としております。

【業績等】
業績動向(百万円) 経常収益 基礎利益 経常利益 純利益
(単独実績)2016.3 8,128 - 307 106
(単独実績)2017.3 10,071 - 297 196
(単独見込)2018.3 12,161 - 380 -137
(単独3Q累計実績)2018.3 8,995 - 316 -104
1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当
(単独見込 )2018.3 -29.31 - - 
上場時発行済み株数 5,147,467株 (別に潜在株式241,260株)
公開株数 787,400株(公募450,000株、売り出し234,700株、オーバーアロットメント102,700株) シンジケート 公開株数684,700株(別に102,700株)
PER:
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:22.4億
公募時時価:146億
【株主構成】
(株)ドリームインキュベータ 親会社、ベンチャーキャピタル(ファンド) 3,034,002 61.43
みずほ証券PI(株) ベンチャーキャピタル(ファンド) 234,700 4.75
YCP Holdings Limited ベンチャーキャピタル(ファンド) 234,000 4.74
(株)フォーカス ベンチャーキャピタル(ファンド) 234,000 4.74
双日(株) 特別利害関係者など 234,000 4.74
(株)ソウ・ツー ベンチャーキャピタル(ファンド) 210,000 4.25
従業員持ち株会 特別利害関係者など 157,040 3.18
山村 鉄平 代表取締役社長執行役員 51,500 1.04
工藤 雄太 取締役常務執行役員 51,500 1.04
田中 聡 取締役常務執行役員 51,500 1.04
秋元 康 特別利害関係者など 47,000 0.95
青山 正明 取締役常務執行役員 45,000 0.91
明治キャピタル9号 ベンチャーキャピタル(ファンド) 32,858 0.67
山内 宏隆 特別利害関係者など 25,000 0.51

ロックアップ
 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人であるみずほ証券プリンシパルインベストメント株式会社、大株主であり貸株人である株式会社ドリームインキュベータ、並びに当社の株主である、YCP Holdings Limited、株式会社フォーカス、双日株式会社、株式会社ソウ・ツー、アイペット損害保険従業員持株会、秋元康、山村鉄平、田中聡、工藤雄太、秋元伸介、株式会社Y&N Brothers、萩野研介、有岡正裕、河村陽介、中川裕之、山森康平、安田正、東谷徹、近藤哲平、久保浩規、平田倫広、湯川敬介、朝井秀尚、安部みゆき、谷地又健一、江頭伸哉、前田兄太、殿川一徳、河西正人、横山亜弓、佐々木亜沙美、首藤真樹、千葉和代及び入江穂は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後90日目(平成30年7月23日)までの期間(以下、「ロックアップ期間」という。)、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること及び当社普通株式の売却価格が本募集等における発行価格又は売出価格の1.5倍以上であって、株式会社東京証券取引所取引での売却等を除く。)を行わない旨を合意しております。
 当社の新株予約権を保有する山村鉄平、田中聡、工藤雄太、青山正明及び有岡正裕は、主幹事会社に対し、ロックアップ期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した当社普通株式の売却等(ただし、新株予約権行使により取得した当社普通株式の売却価格が本募集等における発行価格又は売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う株式会社東京証券取引所取引での売却等を除く。)を行わない旨を合意しております。

【代表者】
代表者生年月日
1975年03月27日生まれ
代表者略歴
1997年04月 安田生命保険(相)(現 明治安田生命保険(相))入社
2013年05月 当社入社
2014年10月 当社取締役営業企画管理本部長
2016年06月 当社代表取締役社長執行役員(現任)

【幹事団】
主幹事証券 大和 - -
引受証券 SMBC日興 - -
引受証券 マネックス - -
引受証券 岡三 - -
引受証券 いちよし - -
引受証券 SBI - -

【私見】
 ペット保険としてはアニコム以来の上場で、初物ではないので新鮮さは感じませんが二番手としてそれなりの評価は受けると思います。
単純に500億円のペット保険市場でアニコムとアイペットで8割にシェアと言われ、アニコムが60%のシェアで売上300億円、アイペットが100億の収入なので2割のシェアと考えられます。利益は後から付いてくるとことにして、時価総額730億(4月9日現在)のアニコムから1/3なので240億前後、株価では1.5倍の4500円ほどが考えられます。最終的には、楽天の新規参入などのマイナス評価もありますが、上場での知名度をプラス評価して株価2倍の300億くらいの評価でしょうか。
想定価額:2600円
仮条件上限:2850円
初値予想:6000円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3.5

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