2018年4月11日水曜日

IPO分析(ベストワンドットコム )

【事業内容】
 (当社グループの特徴)
(1) インターネット販売
当社グループでは、国内を含む世界中のクルーズ乗船券やパッケージ旅行を、当社WEBサイトへの掲載、WEBサイトへの集客によって販売しており、店舗を運営しておりません。
販売チャネルをインターネットに限定し、お客様とのやり取りについては、メール及び電話を主な手段とすることで店舗運営にかかる固定費等のコスト削減を図っております。

(2) オンライン予約対応
当社グループでは、専門スタッフによるお客様のサポートに加え、24時間対応のオンライン予約を強化しており、クルーズ乗船券やパッケージ旅行の空室料金照会と予約が24時間いつでも可能です。
空室や料金の問い合わせを行い、その回答を以て検討を始める、という従来の検討行動では、営業時間や連絡手段、場所による制約がありましたが、オンラインでの空室料金照会と予約受付は、曜日や時間を問わず検討、予約したいというお客様のニーズに対応しております。

(3) 多様な商品ラインナップとAPI連携
当社グループでは、お客様が検索できる商品の拡充を図るため、国内外の61社(平成30年2月28日時点)の船会社と契約し、当社WEBサイトへのコース登録総数は17,101コース(平成30年2月28日時点)となっております。また、複数の船会社とのAPI連携(注)を行うことにより、従来のコース登録に必要とした作業時間削減と、提携船会社が掲載している全てのコースが当社WEBサイトへ自動で掲載され、リアルタイムな空室状況及び料金の反映が実現しており、API連携によるコース登録数は3,709コース(平成30年2月28日時点)となっております
また、当社グループでは、クルーズ乗船券の取扱い(手配旅行)により、価格帯や期間などのお客様の多様なニーズへの対応が可能であり、パッケージツアー(募集型企画旅行)が主体の他社との差別化を図っております。

 
(4) 独自商品
 当社は、旅行業法に基づく第一種旅行業者に登録しており、自社でクルーズツアーを企画しております。
国内外の多くの船会社との契約を背景にしたコース選択の多様さや、インターネット販売ならではの機動力を生かし、船会社特別料金を反映した期間限定ツアーなどを発表し、多くのお客様にご利用を頂いています。

(5) 専門スタッフによる接客・提案
 当社グループは、クルーズ旅行に関して、提案経験の豊富なスタッフがお客様のサポートを行っております。
近年、インターネットの普及により、個人が能動的に様々な情報を検索、取得、発信することが可能となりましたが、クルーズ旅行に関する情報が普及しておらず、購買経験が無いお客様も多いことから、旅行会社によるアドバイスや商品提案に一定のニーズがあると把握しております。
このニーズに応えるため、24時間対応のオンライン予約と、専門スタッフによるメールや電話対応を2つの柱とすることで、初めてクルーズを検討するお客様にも安心のサポートを提供しています。
多店舗運営ではなく1拠点ですべての接客対応を行うことにより、商品知識や接客・提案に関する知識が共有蓄積されやすく、専門性を高めやすい販売体制となっております。
また、取引船会社による社内研修会の定期開催や、入社後半年以内の乗船研修など、教育訓練にも注力し、他社との差別化を図っております。

(6) IT・マーケティングの強みとその内製化
 インターネット販売を支えるのが、技術力とマーケティング力であります。そのため、旅行の企画や手配等の業務だけでなく、WEBサイト構築やWEBマーケティングに関わる主要業務を内製化しております。
開発経験豊富なエンジニアの採用により、当社WEBサイトのユーザビリティや各種機能について日常的に向上を図るとともに、船会社とのAPI連携や、その他の商品登録のスピード化などに取り組んでおります。
また、マーケティングについても広告代理店等を利用せず、自社で蓄積した経験・知識を活用して、WEBマーケティングによる集客や利用顧客のリピーター化の向上を図っております。
SEOへの注力の結果、平成25年10月から平成30年1月までの約4年間で、PV数(注2)は11倍超へと増加しております。

(当社グループの主な運営サイト)
(1) ベストワンクルーズ
 ベストワンクルーズは、国内外のクルーズ乗船券とパッケージツアーをオンラインで検索、予約可能なサイトであります。乗船券、自社企画ツアーの販売に加え、各提携旅行会社企画のパッケージツアーを販売する為、取扱いコース数は17,101コース(平成30年2月28日時点)が登録されております。

(2) フネムーン
 ハネムーンを検討しているカップルへ向けたクルーズ専門サイトです。ハネムーンにかける日数、予算などの調査に基づき、若年層でも楽しめるクルーズコースに限定して紹介しております。ベストワンクルーズとは別サイトとして独自のマーケティングを行うことで、当初クルーズを検討していなかったハネムーナーへもアプローチし、クルーズ旅行認知の向上を図っております。

(3) ファイブスタークルーズ
 高級船専門のクルーズ旅行会社として、子会社(株式会社ファイブスタークルーズ)が運営しております。「すべてのお客様に初めての感動体験を」を謳い、クルーズ旅行を身近な旅行スタイルとして提案する当社とは対照的に、社名通り5つ星のラグジュアリー客船(注)と、その他の客船のスイートに限定して富裕層、シニア向けに販売を行っております。
これにより様々な顧客属性、嗜好に対応できる販売体制をグループで構築しております。

【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益
(連結実績)2016.7 937 11 5 4
(連結実績)2017.7 1,196 48 51 34
(連結予想)2018.7 1,724 117 121 78
(連結中間実績)2018.7 801 76 81 56
1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当
(連結予想 )2018.7 142.45 - - 

PER:30.4
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:5.4億
公募時時価:26億

上場時発行済み株数 609,000株 (別に潜在株式30,300株)
公開株数 125,300株(公募75,000株、売り出し34,000株、オーバーアロットメント16,300株) シンジケート 公開株数109,000株 (別に16,300株)
  
【参考類似企業 今期予想PER】
3926  オープンドア 110.9倍(連結見込 )
6030  アドベンチャ 121.7倍(連結予想 )
6548  旅工房 274.0倍(連結見込 )
6634  ネクスG 10.5倍(連結予想 )
9376  ユーラシア 32.2倍(連結予想 )
9603  エイチ・アイエス 18.6倍(連結予想 )
9726  KNTCT 27.5倍(連結見込 )

  
【株主構成】
沢田 秀太 代表取締役社長 229,200 40.62
米山 実香 取締役 84,900 15.05
(有)秀インター 役員の血族が議決権の過半数を所有する会社 84,000 14.89
MICイノベーション4号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 39,000 6.91
SMBC VC1号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 30,000 5.32
みずほ成長支援投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 30,000 5.32
諸藤 周平 特別利害関係者など 30,000 5.32
小川 隆生 取締役 16,500 2.92
宮前 幸央 特別利害関係者など 9,000 1.59
野本 洋平 取締役 4,500 0.80
ロックアップについて
 本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、当社株主であるSMBCベンチャーキャピタル1号投資事業有限責任組合及びみずほ成長支援投資事業有限責任組合は、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して90日目の平成30年7月23日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)の売却等(ただし、その売却価格が募集における発行価格又は売出における売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)を行わない旨を約束しております。
貸株人かつ売出人である有限会社秀インター、売出人である澤田秀太、米山実香及び諸藤周平、当社役員かつ当社新株予約権者である小川隆生及び野本洋平、当社新株予約権者である原あすか、田邊浩司及び田渕竜太は、主幹事会社に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の平成30年10月21日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)の売却等を行わない旨を約束しております。
また、当社は、主幹事会社に対し、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の平成30年10月21日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、当社普通株式及び当社普通株式を取得する権利あるいは義務を有する有価証券の発行又は売却(株式分割による新株式発行等及びストック・オプションに係る新株予約権の発行を除く。)を行わないことに合意しております。
【代表者】
代表者生年月日
1981年11月02日生まれ
代表者略歴
2004年04月 日興コーディアル証券(株)(現SMBC日興証券(株))入社
2005年06月 澤田ホールディングス(株)取締役
2006年09月 エイチ・エス証券(株)(エイチ・エス証券分割準備(株)より商号変更)取締役
2012年02月 当社代表取締役社長(現任)
2016年07月 (株)ファイブスタークルーズ代表取締役会長(現任)
【幹事団】
主幹事証券 SMBC日興 99,400 91.19
引受証券 みずほ 3,300 3.03
引受証券 SBI 2,700 2.48
引受証券 岩井コスモ 1,600 1.47
引受証券 マネックス 1,000 0.92
引受証券 エース 1,000 0.92
【私見】
 旅行会社の中でクルーズ専門の会社は初物ということから業種妙味はあり、HISの澤田社長の息子ということで話題性は非常に高い会社です。業績は伸びてはいるものの、成長性には限界はありそうですが、小型の旅行関連銘柄同様にPER100超えが容認されるのでしょう。需給ではVCは気にならない程度で、吸収金額・時価総額共に非常に小さいので初値高騰は必至でしょう。セカンダリーに関しては時価総額は問題ないものの、PERからは高騰した初値では厳しいのではないかと思います。

想定価額:4130円
仮条件上限:4330円
初値予想:15000円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3.5

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