【事業内容】
エレベーターやエスカレーター等の昇降機を対象として、「すべてのお客様にスペシャリティメンテナンスをフェアプライスで」をミッションとして、点検、監視、保守、部品交換等のメンテナンスやリニューアルサービスを提供しております。事業の遂行にあたっては、昇降機の品質及び性能の維持・向上、利用者の安心・安全の確保を最優先しつつ、高品質なサービスをリーズナブルかつ迅速に提供することを基本方針としております。
(1) 事業の特徴
① リーズナブルな価格設定
当社設立当時のエレベーター等のメンテナンス業界において、メーカーは、それぞれ自社や系列のメンテナンス会社を通じて、自社の製品のみのメンテナンスを行うことが一般的であり、価格やサービス内容に競争原理も働きにくい状況であったと想定しております。
当社は、独立系メンテナンス専業会社であり、開発及び製造コストの負担が想定される上記のメーカー及びメーカー系のメンテナンス会社と比較して、リーズナブルな価格設定が可能であります。
② メーカー各社の昇降機に対応
独立系メンテナンス専業会社として、国内主要メーカーである三菱電機株式会社、株式会社日立製作所、東芝エレベータ株式会社、日本オーチス・エレベータ株式会社、フジテック株式会社の昇降機にオールマイティに対応したメンテナンスサービスを提供できます。
③ 全国拠点網による広範かつ迅速な営業及びサポート対応
全国47支店及び出張所を構えており、広範な営業活動を行うとともに、これらの拠点近隣においては、災害発生等人命に関わる緊急時は、通報後速やかに現場到着できる体制を備えております。
④ トータルサービスの提供
保守業務において昇降機の点検を行った結果、経年劣化が著しい場合、装置の旧式化により時代のニーズに合わなくなった場合は、制御盤、巻上機、モーター等の主要装置のリニューアルを提案・実施することで、トータルなサービス提供が可能であります。
⑤ ITを活用した緊急時対応
災害や故障等の緊急時にタイムリーかつ適切に対処するため、ITを活用しております。具体的には、QRコードから利用者が当社技術員と直接やりとりできるシステムの提供、社内システム上での災害一覧や災害マップの参照機能の導入等を行っております。
(2) 保守業務
①業務内容
エレベーター及びエスカレーターは、集合住宅をはじめ、オフィスビルや高層ビル、ショッピングモール等で人々が効率よく移動するために設置された建物付属電機設備です。これら設備は、適切な運用や操作はもとより、定期又は不定期の点検及び常時監視をすることにより、安全稼働のための機能及び性能を維持し続ける必要があります。これらが適切に行われない場合は、重大な事故や故障に繋がり、利用者の生命や財産に多大な危害を及ぼす恐れがあります。これらの事故やトラブルを未然に防ぎ、全ての利用者が安心してご利用いただけるよう、昇降機を対象として、点検及び監視を行う保守業務を行っております。また、当該保守には、災害、事故、故障、停電等の緊急時の対応も含んでおります。
② 保守業務の種類
保守業務は、以下の点検、監視、緊急時対応に大別されます。
・点検
ビルオーナー等からの依頼により、当社の技術員が、定期又は不定期でエレベーター及びエスカレーター設備の点検を実施します。また、必要に応じて、清掃、注油、調整、消耗品(電球、各種ヒューズ、ビス・ナット、各種リレーリード線等)の補充・交換等も適宜行います。
当該点検においては、経年劣化、損傷、変形、摩耗、腐食、発生音等の点から、異常・不具合・劣化等に関する調査も行い、改善すべき抜本的な指摘事項が抽出された場合は、ビルオーナー等に改善を提案し、「保全業務」として請け負います。
・監視
通信回線を利用して、24時間365日、当社センター専門スタッフがエレベーターの異常・不具合の発生状況について、遠隔監視を行っております。あらかじめエレベーター運転のために必要とされる箇所を網羅的に特定し、通信回線等を利用して、エレベーター本体の運転状態や機器類等の動作状況を遠隔点検することができます。
・緊急・対応
災害、事故、故障、停電等の緊急時に、安全を最優先し、また、当社独自のITシステムを駆使して、迅速に対応いたします。
例えば、エレベーター内に利用者が閉じ込められた際は、利用者はインターホンで当社コントロールセンターと直接通話でき、これにより、閉じ込め故障の状況や動力電源の停電状況の遠隔監視も可能となります。
④ 緊急時対応について
災害や故障等の緊急時は、「すぐ駆けつけ、すぐ対応する」ことを最優先し、24時間365日体制で、ITを駆使し、以下のような独自の対応を行う仕組みがあります。
「Qサポ」による管理
当社独自の地震災害時WEB復旧要請システム「Qサポ」により、エレベーター内に貼付されたステッカーのQRコードをご利用者自身が読み取り、直接復旧作業の連絡を取ることが可能となります。
また、「Qサポ」では、Googleマップ上で復旧対応時の現地技術員の位置情報が確認できるほか、おおよその現地技術員の到着時間も把握できます。
GPSによる管理
GPSにより、現地技術員の位置情報を常時把握でき、緊急時の現地技術員への出動命令(同時にエレベーターの異常内容を送信)、現地技術員からの状況報告を一括管理できます。
電話回線による対応
電話回線により、エレベーター内の利用者と当社センター専門スタッフや現地技術員との直接通話が可能となります。
「イージスモード」による対処
「イージスモード」は、当社基幹システム「Assist」上で遠隔監視と災害対応の管理を実現する機能です。これにより、大規模な災害が発生した場合でも、「イージスモード」に切り替えることで、物件情報が即座に共有され、当社センター専門スタッフと現地技術員は、「災害一覧」と「災害マップ」を参照しながら、リアルタイムで迅速な対応が可能となります。
⑤ 「イージスモード」と「Qサポ」の内容
2011年に発生した東日本大震災当時は、復旧要請の連絡を電話で受け、故障したエレベーターの場所を口頭で確認したのち、被害にあったエレベーターのある物件の把握、現地技術員への作業指示を行わなければならず、復旧対応に相応の時間を要しておりました。当社では、当時のこれらの教訓を活かし、2014年4月に基幹システム上の災害時発動機能「イージスモード」の導入、2021年7月にWEB復旧要請システム「Qサポ」(お客様閲覧システム及び契約者サイトの開始は2023年10月)の提供を開始いたしました。
a 「イージスモード」について
<災害一覧>
被災した物件の情報を登録したデータをリアルタイムで社内共有する事が可能となります。復旧及びその対応状況等が、ひと目で確認でき、電話やメールでやりとりなく、スムーズな復旧作業を実現しております。
<災害マップ>
現地技術員は、登録されている災害マップを随時参照・確認しながら、自身のいる場所から最も近い現場に直行することで、迅速かつ効率的に復旧作業を行うことができます。
b 「Qサポ」について
当社がメンテナンスを担当するエレベーター内には、「Qサポ」アクセス用のQRコードが記載されたステッカーが貼付されています。突発的な災害時には、ご利用者様がご自身で当該QRコードをスマートフォン等で読み取っていただき、直接、復旧要請の連絡が可能となります。
また、「Qサポ」を利用することにより、Googleマップ上で対象エレベーターの設置位置、復旧対応に駆けつける現地技術員の位置情報をリアルタイムでご確認できるほか、おおよその到着時刻を把握することができます。復旧対応時の現地技術員の位置情報の可視化により、万が一、エレベーターに閉じ込められてしまった場合でも、ご利用者様の「安心」につながります。
⑥ 保守業務の契約形態
保守業務における契約形態は、以下の2つに大別されます。
(4) 保全・リニューアル業務
① 業務内容
エレベーターやエスカレーター等の昇降機は、日々の使用により機能劣化が進むため、適切なタイミングで交換、修繕が必要となります。当社では、保守業務での点検結果により、改善すべき抜本的な指摘事項が抽出された場合に、部品交換やリニューアル等を行います。
② 保全・リニューアル業務の種類
保全・リニューアル業務は、以下の保全とリニューアルに大別されます。
③ リニューアルの対応
リニューアルにおける目的別の当社の対応は、以下のとおりであります。
【業績等】
決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2025/05 単独中間実績 1,901 99 109 68
2025/05 単独会社予想 4,026 229 218 126
2024/05 単独実績 3,291 140 137 74
2023/05 単独実績 2,787 73 75 26
2025/05 単独会社予想 129.65 242.79 0.00
上場時発行済株数 999,940株(別に潜在株式130,400株)
公開株数 119,800株(公募50,000株、売り出し54,300株、オーバーアロットメント15,500株)
調達資金使途 運転資金
PER:13.1
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:2.0億
公募時時価:17億
【株主構成】 以下180日
そらしづ(株) 役員らが議決権の過半数所有 500,000 46.28%
薄田章博 代表取締役社長 195,000 18.05%
村石誠司 取締役副社長 50,400 4.67%
六日市拓也 取締役 42,000 3.89%
こたろう(株) 役員らが議決権の過半数所有 34,000 3.15%
大久保圭太 特別利害関係者など 30,600 2.83%
杉山央 - 24,200 2.24%
向江弘徳 - 24,200 2.24%
渡辺和則 取締役 20,000 1.85%
上田健一 監査役 10,800 1.00%
村元裕 特別利害関係者など 8,000 0.74%
末岡由紀 特別利害関係者など 8,000 0.74%
エレコミ従業員持株会 特別利害関係者など 8,000 0.74%
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、貸株人であるそらしづ株式会社、売出人かつ当社株主(新株予約権の保有者を含む。)である、六日市拓也、大久保圭太、渡邊和則、村元裕、長谷川将樹、松波竜太、大野仁宏、村上千恵子、斉藤三寛及び当社株主(新株予約券の保有者を含む。)であるこたろう株式会社、株式会社グッドコムアセット、有限会社恒志堂、株式会社TMIトラスト、株式会社アカウンティング・アシスト、株式会社ナインホールディングス、有限会社ホテルテトラ、株式会社古名屋、株式会社高木電機工業、株式会社CURBS、エレベーターコミュニケーションズ従業員持株会、薄田章博、村石誠司、上田健一、末岡由紀、豊田稔、岡部眞、砂金富保、小泉始、他41名は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2025年10月21日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式(当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した当社普通株式を含む。)の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等を除く。)等は行わない旨合意しております。
【代表者】
代表者名 薄田 章博(上場時54歳3カ月)/1971年生
本店所在地 東京都品川区南大井
設立年 2006年
従業員数 219人 (2025/02/28現在)(平均41歳、年収431万円)
事業内容 エレベーター・エスカレーターなど昇降機設備の保守、管理およびリニューアル
URL https://www.evcom.co.jp
株主数 79人 (目論見書より)
資本金 67,090,000円 (2025/03/24現在)
代表者生年月日 1971年01月10日生まれ
代表者略歴
1989年04月 北海製罐株式会社(現ホッカンホールディングス株式会社)入社
1991年11月 シティーハウス株式会社入社
1995年04月 有限会社ヒロテック設立 代表就任
2000年04月 ジャパンエレベーターサービス株式会社入社
2005年07月 株式会社日本リフツエンジニアリング入社
2006年02月 当社設立 代表取締役社長就任(現任)
2019年04月 エレベーターアクシス株式会社 取締役就任
【幹事団】
主幹事証券 東洋 88,600 84.95%
引受証券 SBI 6,300 6.04%
引受証券 北洋 2,100 2.01%
引受証券 岡三 2,100 2.01%
引受証券 マネックス 2,100 2.01%
引受証券 松井 2,100 2.01%
引受証券 あかつき 1,000 0.96%
【参考類似企業】今期予想PER(3/31)
4658 日本空調 12.3倍 (連結予想) 時価340億 売上610億 経常38億 当利28億
6044 三機S 11.4倍 (連結予想) 時価70億 売上210億 経常10億 当利6億
6086 シンメンテHD 16.7倍 (連結予想)
6544 JESHD 47.8倍 (連結予想)
【私見】
エレベータ保守管理業務で、業種の真新しさはありませんが、安定した業種で、需要もある業界ですので悪くはありません。業績の伸びは良く、同業との比較になりますが、日本空調の1/15ほど、三機の1/4ほどの規模感から、15億~20億の時価総額は妥当と考えられます。PERも12前後を考えると想定価額を上回った仮条件は妥当な価額です。札幌とはいえ、割安な水準であれば面白いかと思いましたが、妥当な価額ですので、割れたら買いくらいののスタンスで良いかと思います。
想定価額:1600円
仮条件上限:1700円
初値予想:1800円
ブック申し込み度・・・中立
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価:3