2018年2月13日火曜日

IPO分析(ジェイテックコーポレーション)

【事業内容】
 世の中にないオンリーワンの技術により、広く社会に貢献することを経営理念として、創薬、医療技術分野におけるイノベーションの推進に貢献するシステムの開発、販売を推進してまいりました。
『オプティカル事業』の主要製品は放射光及びX線自由電子レーザー施設向けX線ナノ集光ミラーであります。
 当事業では、兵庫県に建設されました大型放射光施設「SPring-8」や、「SPring-8」に隣接して建設されましたX線自由電子レーザー施設「SACLA」及び海外の同様の施設で行われておりますX線を利用した基礎研究や産業利用など幅広い研究のための高度化された分析装置に使用されるX線ナノ集光ミラーを中心とした特殊ミラーの製造・販売を行っております。
『ライフサイエンス・機器開発事業』の主要製品は各種自動細胞培養装置、その他自動化装置であります。
 当事業では、創業当初から大手企業と各種自動細胞培養装置を共同開発し、製造・販売してまいりました。また医療及びバイオ分野以外にも半導体分野、化学・繊維分野、印刷分野等の様々な分野において研究機関や企業からの委託開発製品や独自の製品を開発・製造・販売してまいりました。
(1) オプティカル事業
 物質科学だけでなく、広く創薬や医療技術の基礎研究に取り組んでいる兵庫県の大型放射光施設「SPring-8」やX線自由電子レーザー施設「SACLA」等国内外の先端的放射光施設やX線自由電子レーザー施設等で使われる反射表面の形状精度が1ナノメートル以下の超高精度のX線ナノ集光ミラー等の設計開発・製造・販売を行っております。
(2) ライフサイエンス・機器開発事業
 創業当初は創薬スクリーニングに関連する細胞培養から、再生医療に関連する細胞培養まで様々な細胞操作を自動化した各種自動細胞培養装置やiPS細胞用の各種細胞培養装置の開発・製造・販売を推進してまいりました。
 当社の自動細胞培養装置は、培地と呼ばれる細胞増殖に欠かせない栄養分を交換したり、細胞を培養したり、培地を保存したりする様々な機能をオールインワンにまとめた全自動化のシステムであることが特長で、この医療及びバイオ分野では顧客の希望する内容が多様化しており、顧客ごとに独自の操作手順を提案し、カスタムメイドで製造・販売してまいりました。
 しかし最近では高価な自動細胞培養装置に対して量産汎用タイプを目指し、iPSアカデミアジャパン株式会社(現株式会社iPSポータル)とiPS細胞専用の自動細胞培養装置の開発に成功し、京都大学の山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞した直後、タイムリーに販売することができました。また長年産業技術総合研究所と浮遊培養(培地内を細胞が浮遊状態で増殖する培養方法)の一種である独自のCell Float技術を用いた3次元培養装置をコアにした再生医療向け3次元細胞培養システムの研究開発を推進し、また再生医療や創薬へ製品展開を図っております。
 尚、医療及びバイオ分野以外でも企業からの委託開発を受注してOEM製品として供給したり、独自の製品としてX線ナノ集光ミラー用の集光装置等を製造しております。当事業では、ユーザーへの提案から開発・設計は自社で実施しておりますが、その後の製造に関しては外部の協力会社に委託するファブレス化を進めております。販売体制としては、直接販売のほか販売チャンネルとして広く販売代理店を活用しております。
・再生医療向け細胞培養装置の研究開発について
 当社は、長年産業技術総合研究所と研究開発を進めてまいりました3次元培養技術を用い、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区事業として、横浜市立大学、産業技術総合研究所、大阪大学とともに「再生医療等に用いるヒト軟骨デバイスの実用化のための3次元細胞培養システムの開発・事業化」に関する共同研究を推進し、昨年度からは国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の産学連携医療イノベーション創出プログラム(ACT-M)に採択され、横浜市立大学及び神奈川県立こども医療センターと臨床研究を開始しております。
・創薬スクリーニング用細胞培養装置の研究開発について
 当社は、経済産業省の「平成26年度中小企業経営支援等対策費補助金(戦略的基盤技術高度化支援事業)」(平成26~28年度)に採択され、産業技術総合研究所、大阪大学と「iPS細胞等の3次元大量培養技術の開発」の共同研究を推進し、独自の3次元培養技術であるCell Float技術を応用し、創薬スクリーニングの毒性試験等に用いる3次元の肝臓細胞組織等を均質で大量に培養可能な大量培養装置や、この大量の3次元組織細胞を用いた創薬スクリーニング用自動化装置の開発に成功しました。

【業績等】
   売上高 営業利益 経常利益 純利益
2016.6 596 70 124 83
2017.6 801 165 199 129
2018.6 1,223 419 417 288
中間   430 103 105 63
1Q    367 173 174 108
     EPS BPS  配当
2018.6 53.72 331.63 0 
上場時発行済み株数 5,620,000株 (別に潜在株式103,000株)
公開株数 1,150,000株(公募500,000株、売り出し500,000株、オーバーアロットメント150,000株)
PER:41.9
PBR:6.8
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:25.9億(OA含む)
公募時時価:126億

参考類似企業 今期予想PER(1/31)
6951  日電子 45.3倍(連結予想 )
6965  ホトニクス 36.2倍(連結予想 )
7701  島津製 28.4倍(連結予想 )
7713  シグマ光機 20.7倍(連結予想 )
7748  ホロン 21.5倍(単独予想 )

【株主構成】
津村 尚史 代表取締役社長 3,887,000 74.42   180
大阪コンピューター工業(株) 役員らが議決権の過半数を所有する会社 360,000 6.89  180
OUVC1号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 300,000 5.74  1.5倍
川崎 望 取締役 110,000 2.11  180
有馬 誠 特別利害関係者など 100,000 1.91 180
山内 和人 特別利害関係者など 80,000 1.53  180
森 勇藏 特別利害関係者など 30,000 0.57  180
上田 昭彦 取締役 26,000 0.50  180
岡田 浩巳 取締役 26,000 0.50  180
バイオ・サイト・キャピタル(株) ベンチャーキャピタル(ファンド) 20,000 0.38 1.5
岡田 雅彦 特別利害関係者など 20,000 0.38  180
三村 秀和 特別利害関係者など 20,000 0.38  180
紀ノ岡 正博 特別利害関係者など 20,000 0.38 180
村山 昇作 特別利害関係者など 20,000 0.38 180
  本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、貸株人かつ売出人である津村尚史、売出人である川﨑望及び山内和人並びに当社株主である大阪コンピュータ工業株式会社、有馬誠、森勇藏、上田昭彦、岡田浩巳、岡田雅彦、三村秀和、紀ノ岡正博、村山昇作、津村優磨、津村茉鈴菜、増永竜彦、安田進、小野貴弘、尾方勝、平井靖人、松山智至、植村壽公、桜井靖久、木下雅貴、森田健一、佐野泰久、当社新株予約権者である西田隆郎、野村公平、青野真也、城間晋作、西本浩之、松山翔太、境田靖弘、浜島義和、清本めぐみ、中森紘基、一井愛雄、常深珠紀、森重潔、加藤正和及び楠本憲司は、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の平成30年8月26日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)の売却等を行わない旨を約束しております。
 売出人であるOUVC1号投資事業有限責任組合、当社株主であるバイオ・サイト・キャピタル株式会社は、主幹事会社に対して、ロックアップ期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)の売却等(ただし、その売却価格が募集における発行価格又は売出しにおける売出価格の1.5倍以上であって、東京証券取引所における初値が形成された後に主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)を行わない旨を約束しております。
【代表者・役員】
代表者生年月日 1957年04月25日生まれ
代表者略歴
1981年04月 倉敷紡績(株)入社
1991年04月 (株)片岡実業入社 取締役技術部長就任
1993年12月 当社設立 代表取締役社長就任(現任)
役員名
取締役 上田昭彦
取締役 岡田浩巳
取締役 平井靖人
取締役 川﨑望

【幹事団】
主幹事証券 SMBC日興 865,000 86.50
引受証券 野村 30,000 3.00
引受証券 SBI 20,000 2.00
引受証券 みずほ 20,000 2.00
引受証券 エース 20,000 2.00
引受証券 東洋 20,000 2.00
引受証券 岡三 10,000 1.00
引受証券 エイチ・エス 10,000 1.00
引受証券 マネックス 5,000 0.50

【私見】
 オンリーワンの技術によるハイテク銘柄で、業種妙味が抜群に良く、直近のヴィスコを彷彿させる銘柄です。業績の伸びは良く、PERからは類似業種と同等で成長性でどこまでカバーできるかでしょう。需給は、吸収金額・時価総額共にやや規模感はあり、VCも3,200単元あることから跳ね上がるほどではありません。昨年末の上場であれば時価総額1000億をクリア出来た可能性はありますが、地合いが一変したので状況を見ながらセカンダリーも考えたほうが良いかもしれません。
想定価額:2,170円
仮条件上限:2,250円
初値予想:5,000円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・やや強気
総合評価4


7 件のコメント:

  1. こたさんこんにちは。
    Mマートは予想通りよりませんでしたね。ジェイテックはこたさん久しぶりのやや強気で私も期待していますが、時価総額1000億だとPER300超えますね。。。                               こたさんは上値をいくらくらいのターゲットプライスにされるでしょうか?

    返信削除
  2. 年末ならいくらでも買いと思いますが、Mマートのセカンダリーを見極めてからの判断になるかと思います。
    今クール一番の銘柄だと思っているので買いたい気持ちは強いですね。

    返信削除
  3. こたさんこんばんは。
    残念ながら今日は寄りませんでしたね。
    明日の大手予想は9000円だそうですがこたさんはどこまで追いかけますか?ターゲットプライスをどのあたりにおいてますか?
    時価1000億くらいでしょうか?

    返信削除
  4. パークシャ、ヴィスコの後なのでこうなりますね。
    500なのか、1000なのか…

    返信削除
  5. 今の地合いなら、こたさんの第二目標ラインはいけるのではないでしょうか?

    返信削除
  6. こたさんこんばんは。
    上がったと思ったらまた下がり、上値が重いですね。
    しばらく持たれるとのことですが、今後の展開をどう思われますか?
    時価1000億まで待たれますか?

    返信削除
    返信
    1. この動きは耐えきれず、初値上で逆指値にかかり売りました。
      凄い銘柄だと思ったのですが、何が原因なのかまだ分かりません。

      削除