2021年10月28日木曜日

IPO分析(日本調理機)

 【事業内容】

  多数の人に継続的に食事を提供する集団給食施設等向けの厨房機器の開発・製造・販売・修理を行っております。当社の主力製品は、食器洗浄機、消毒保管機、回転釜、炊飯器、スチームコンベクションオーブン等であり、当社の中心的顧客は、教育としての学校給食、健康管理としての病院給食、福利厚生としての社員給食等、営利目的より社会貢献に重点を置く集団給食施設の運営者となっております。当社は社会生活に欠かせない「食」に対し、「安心・安全な製品およびサービス」を提供することにより、新たな社会の発展に貢献することを目指しております。

 当社は全国の集団給食施設を含む外食作業を取引対象とする業務用総合厨房機器メーカーとして、『安心、安全、こだわり』をモットーとし、製造面に関しては、厳格な品質管理体制のもと、栃木工場及びに大分工場の2工場体制で生産を行っております。販売面に関しては、当社の主たる販売先である学校・病院は、いずれも官公庁向けが主流であり、社員給食等は民間向けが主流となっておりますが、発注者が官公庁の場合や民間でも大型案件の場合は、入札形式となる場合があります。製品の製造販売のみならず、常にお客様の目線に立ち、設備・機械等のハード面から、動線・運用・アフターフォローといったソフト面を考慮した厨房システムの企画、開発、設計、生産から施工、アフターサービスに関する事業を行うことが特徴です。

 その中でも当社の事業の最大の特徴は、無償でコンサルティングサービスを提供し、顧客ごとのベストな「厨房」づくりを実現することであります。「厨房」づくりにあたり、当業界においては各メーカーが自社製品を推奨する営業を行うのが一般的ですが、当社は「常に消費者の視点に立って考える」「顧客満足に貢献する」という基本理念に立ち、顧客ニーズの実現に努め、自社製品・他社製品の中から最適な製品の導入ができるよう事業を推進しております。当社は創業以来70数年にわたり、集団給食向けの厨房機器を日本中の様々な施設で施工しており、その実績とアフターサービス情報に基づき、お客様の施設あるいは厨房機器に関する様々な情報を蓄積しております。当社はこれらの情報に基づき、今後もお客様の現場に合わせて、以下の体制で一貫したサービスを継続して提供して参ります。


(コンサルティング部門)

 厨房設備・機械などのハード面から、作業動線・使いやすさなどソフト面まで、幅広い視点でお客様毎のベストな厨房を提案しております。販売部門・設計部門・管理栄養士・HACCPコーディネーターなどのスペシャリストが専門知識や経験を結集し、チームコンサルティングにより、給食運営全般のランニングコストを低減させる仕組みづくりなどを提案しております。


(販売・施工部門) 

 当社は国内すべてのエリアをカバーすべく、支店・営業所を全国に設置し、東京23区を担当する本社営業部門を含めてエリア別に営業活動を推進するとともに、広域営業部において、設計事務所及び全国に展開する一般企業に対する営業活動を実施しています。また、業務統括本部品質管理部施工課では、施工に関する支援業務及びコントロールを行っております。


(設計・開発部門) 

 当社は、常に革新的な製品の開発を志向しており、新製品の開発や従来品のバージョンアップ等を長期スパンで取り組んでおります。「使い勝手の向上」「安心※4の提供」「安全※4の提供」を開発方針とし、設計・開発部門と他の部門の連携体制を構築し開発専門のプロジェクトを組成して、「低環境負荷」「省エネルギー」「人にやさしい」製品、システムを開発し、市場に供給しております。

 また、当社は顧客の要望に合わせてカスタマイズした製品を供給するため、受注生産を基本としており、顧客の要望や問題点の分析結果をもとにコンサルティング部門と連携し、設計部門で最適なカスタマイズ設計を行い、生産部門に引き渡すことで顧客満足度の高い製品の供給を可能としています。


(生産部門)

 栃木工場と大分工場の2工場体制で、創立以来培われてきた職人の技と各種機械制御技術を融合させ、耐久性と安全性の高い製品を生産しております。

 各工場では1名もしくは数名のチームでそれぞれの工程に携わる体制としており、職人の技術の伝承にあわせて、繁忙期対応のために、多能工化を推進しております。 

 現在、大分工場においては、消毒保管機及びスチームコンベクションオーブンを主体に、それ以外の製品については栃木工場で生産しており、災害等が発生した場合には、同一製品をどちらの工場でも生産できるように互いに補完範囲を拡大すべく、製作担当者の人事交流を行い、製品固有の生産技術伝承に努めております。


(アフターサービス部門)

 「製品とサービスはワンパッケージ」という考えのもと、アフターサービスに力をいれております。業務統括本部コールセンターを中心に工場に配置されたカスタマーサービス部ならびに各営業拠点に配置されたカスタマーエンジニアが相互に連携し、保守点検、修理、相談に迅速に対応できる体制を確立しております。営業拠点のカスタマーエンジニアについては、1年単位の研修を実施した後に再配置する仕組みとしており、これにより全国で同一のサービス提供を可能としております。


 (中間業者との連携)

 中間業者は、ゼネコン/サブコン・特約店/販売協力店・地元企業に区分され、顧客都合等の理由により当社の厨房設備・厨房機器を含めて中間業者が発注者と契約を締結する取引があります。中間業者との連携により、当社の受注拡大に繋がる場合もあります。なお、中間業者取引であっても、施工責任は当社が直接/間接的に負うことになります。


【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(単独実績)2019.9 16,164 372 400 267

(単独実績)2020.9 15,902 464 491 332

(単独予想)2021.9 17,050 602 625 422

(単独予想)2022.9 17,000 505 525 340


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(単独予想)2022.9 308.24 5,812.13  - 

調達資金使途 九州支店建屋の改築、運転資金


上場時発行済み株数 1,118,572株 (別に潜在株式13,500株)

公開株数 290,900株(公募145,000株、売り出し108,000株、オーバーアロットメント37,900株)


PER:8.8

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:7.9億

公募時時価:30億

    


【株主構成】 180日(黒沢公雄除く)

(有)第一エア工業 特別利害関係者など 208,079 21.08 180日

田中幸子 特別利害関係者など 106,082 10.75

斎藤徳子 取締役の血族 104,369 10.57

従業員持株会 特別利害関係者など 103,474 10.48

斎藤隆哉 取締役の血族 80,860 8.19

田中成和 特別利害関係者など 37,439 3.79

黒沢公雄 特別利害関係者など 31,000 3.14

西山昌子 取締役の血族 30,778 3.12

佐藤由美子 特別利害関係者など 29,900 3.03

斎藤有史 代表取締役社長 22,800 2.31


 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である有限会社第一エア工業、売出人である田中幸子及び齋藤德子、当社株主かつ新株予約権者である齋藤有史、西山智康、西山秀康、三島博史、鈴木克明、菅野信尚、澁澤隆志、石井輝男、木谷潤、松本愼二及び赤峰敬二並びに当社株主である齋藤隆哉、田中成和、西山昌子、佐藤由美子、田中美希、池田由希子、梅田政德、髙木京子、西山宏、山田由紀子、玉木淳、安田洋、岩間初江、川村清子、梅田隆德、梅田一枝、後藤精治、松井美勲、梅田知行、吉村七郎、玉木恭子、髙田勝由、伊藤淳、舘野清彦、舘野貴裕、井上壽範、鈴木かをり、後藤正子、早川桂司、西山宏喜、佐々木隆及び日本調理機従業員持株会は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2022年5月7日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式(当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した当社普通株式を含む)の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)等は行わない旨合意しております。

 また、当社の新株予約権者である松浦宏文、森下雅史及び三井聡は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後180日目の2022年5月7日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した当社普通株式の売却等を行わない旨合意しております。


【代表者】

代表者名 斎藤 有史(上場時51歳7カ月)/1970年生

本店所在地 東京都大田区東六郷

設立年 1947年

従業員数 543人 (8/31現在)(平均44歳、年収540万円)

株主数 89人 (目論見書より)

資本金 597,600,000円 (10/6現在)

代表者生年月日 1970年04月09日生まれ

代表者略歴

1994年10月 当社入社

2006年12月 当社取締役 営業本部副本部長

2009年12月 当社取締役 栃木工場長

2013年12月 当社常務取締役 生産部門担当役員

2015年12月 当社代表取締役社長(現任)


【幹事団】

主幹事証券 SBI 214,800 84.90

引受証券 大和 12,700 5.02

引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 6,300 2.49

引受証券 岡三 5,100 2.02

引受証券 岩井コスモ 2,500 0.99

引受証券 極東 2,500 0.99

引受証券 アイザワ 1,300 0.51

引受証券 エイチ・エス 1,300 0.51

引受証券 光世 1,300 0.51

引受証券 東洋 1,300 0.51

引受証券 松井 1,300 0.51

引受証券 水戸 1,300 0.51

引受証券 むさし 1,300 0.51


【参考類似企業】 今期予想PER(10/12)

2751  テンポスHD 17.7倍(連結予想 )

5941  中西製作 12.9倍(単独予想 )

5965  フジマック 29.1倍(連結予想 )

5982  マルゼン 13.4倍(連結予想 )

6405  鈴茂器工 17.6倍(連結予想 )

6420  フクシマガリレ 14.6倍(連結予想 )

6459  大和冷 22.5倍(単独予想 )

6465  ホシザキ 37.1倍(連結予想 )

9930  北沢産 30.0倍(連結予想 )


【私見】

 業種は地味で売上・利益共に横ばいでSBI主幹事とは思えない銘柄です。成長性は感じませんが、PERは1桁台で、同業と比べても割安感は感じます。需給もロックは完全で、規模も小さく、配当も毎年あるので下値不安はありません。ただし、買い需要は乏しいと思いますので、そう上がらないでしょう。


想定価額:2710円

仮条件上限:2710円

初値予想:3300円

ブック申し込み度・・・やや強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3


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