2021年10月16日土曜日

IPO分析(CINC)

 【事業内容】

(1) 事業の特徴

 当社は、ビッグデータとAI・機械学習技術で、顧客のマーケティング課題をデータドリブンに解決し、ビジネスの成果創出を支援しています。主たる事業としては、マーケティング用調査・分析ツール「Keywordmap」シリーズの開発・提供を行うソリューション事業、「Keywordmap」シリーズを用いてDXコンサルティングを提供するアナリティクス事業を展開しております。

 ソリューション事業では、「Keywordmap」および「Keywordmap for SNS」を主軸に、マーケティングにおける調査、分析、運用を支援するソフトウェアの開発・販売を行っております。

 「Keywordmap」シリーズは、当社が運営するクローラーや、データサービスプロバイダーを通じて取得したビッグデータを、自然言語処理・機械学習・深層学習技術と統計学を用いて解析を加えながら、分析用のデータを提供するプロダクトです。


各サービスの内容は以下のとおりであります。

・Keywordmap

 世界最大級である約2,800万以上の検索キーワードの日本語データベースをもとに市場分析から競合調査、改善点抽出まで、Web戦略で次の打ち手に必要となる調査分析の効率化支援ツール

・Keywordmap for SNS

 消費者のインサイト分析、アカウントの傾向把握、投稿管理といったソーシャルメディアマーケティングに必要な情報の抽出とアカウント運用の最適化を実現する業務効率化支援ツール


 「Keywordmap」シリーズは、マーケターのプロとして業務を推進するアナリティクス事業のコンサルタント及びデータアナリストに日々活用されており、彼らの声を新サービスの開発や新機能開発に取り入れることで、「Keywordmap」シリーズはよりユーザーに使いやすい実践的なツールへと日々進化を遂げています。そして、「Keywordmap」シリーズが進化することで、当社が提供するコンサルティングサービスの質も高められ、両事業において良いシナジーが生まれています。


 アナリティクス事業では、「Keywordmap」シリーズを活用し、ビッグデータの解析を基盤としたマーケティングソリューションを提供しております。当社のデータアナリストが「Keywordmap」シリーズが保有するビッグデータを中心に、多量かつ多様なデータを、定量的・客観的に調査・分析し、クライアントの市場における需要・供給の状況や、競合他社の戦略について的確に把握することで、クライアントのデジタルマーケティングの戦略立案・施策実行・効果測定までを統合的にサポートしています。

 自社ツール「Keywordmap」シリーズは当社のアナリティクス事業本部の生産性向上にも寄与しています。「Keywordmap」シリーズを活用することで、コンサルティングおよび分析、クリエイティブ制作ディレクションなどの業務フローが統一され、高品質なアウトプットを効率的に提供できるほか、人材の育成期間も短縮できています。例えば、膨大なデータを取り扱うデータアナリストの業務は、サービスの品質に大きな影響を与えますが、「Keywordmap」シリーズを活用することで、当社ではほぼ未経験の状態でデータアナリストを採用し、早期の戦力化を実現できております。これにより、コンサルティング事業にありがちな人材育成の遅延を要因とする事業成長の鈍化を回避し、順調な事業成長を実現しております。

 

(2) 具体的な製・商品又はサービスの特徴

(ソリューション事業)

① 「Keywordmap」

 独自に取得したビッグデータや、データサービスプロバイダー企業を通じて収集したデータを活用し、検索エンジンマーケティングに関わるマーケティング調査、分析を支援するクラウド型ソフトウェアです。月額定額制のサブスクリプション型の料金体系です。


② 「Keywordmap for SNS」

 昨今、TwitterやYouTubeなどSNSの利用者数が増加しており、SNS経由の売上影響度も高まっています。こうした市場の変化と事業者によるSNSマーケティングへの関心の高まりから、当社では2019年10月にTwitterのデータ解析を通じてSNSマーケティングを調査・分析・プラニングできるサービス Keywordmap for SNSをリリースしました。月額定額制のサブスクリプション型の料金体系です。


(アナリティクス事業)

 DXコンサルティング

企業に対してBtoC及びBtoBマーケティング支援を実施しています。検索エンジンやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)上のビッグデータ解析を通して、クライアントの対象顧客の顕在的・潜在的な需要を把握し、最適なコミュニケーション戦略および施策の立案を行います。

 また、オンライン上での見込み顧客の獲得、会員登録、購入・成約など全フローにおいて、クライアントのデジタルトランスフォーメーション(DX)を包括的に支援しています。例えば、見込み顧客の獲得を目指すフローでは、コンテンツマーケティングの手法を活用し、潜在顧客にアプローチします。コンテンツマーケティングを実施するプラットフォームは、コーポレートサイトやECサイト、YouTube、Twitterなど、様々です。加えて、ブランディング記事やホワイトペーパーのディレクション、展開を通じて顧客の会員登録、商品の購入などを後押ししています。原則、初期調査費用+月額定額制のサブスクリプション型の料金体系です。


【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(単独実績)2019.10 764 81 99 74

(単独実績)2020.10 934 42 39 11

(単独予想)2021.10 1,234 163 161 112

(単独3Q累計実績)2021.10 932 164 162 107


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(単独予想)2021.10 37.31 - 0

調達資金使途 サービス開発費、設備投資、人材投資、借入金返済


PER:82.5

PBR:

PSR:8.26

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:29.5億

公募時時価:102億

 

上場時発行済み株数 3,328,000株 (別に潜在株式275,100株)

公開株数 957,200株(公募328,000株、売り出し504,400株、オーバーアロットメント124,800株)


【株主構成】 

石松友典 代表取締役社長 1,290,000 39.39  180日

(株)CZ 役員らが議決権の過半数を所有する会社 810,000 24.73 180日

(株)平企画 役員らが議決権の過半数を所有する会社 465,000 14.20 180日

平大志朗 取締役副社長 435,000 13.28 180日

前山奈津子 新株予約権の受託者 240,000 7.33

渡井弘一 従業員 9,000 0.27

雨越仁 取締役 9,000 0.27

山地竜太 従業員 7,500 0.23

間藤大地 従業員 6,600 0.20

外石正行 監査役 3,000 0.09

 

本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、売出人かつ貸株人である石松友典及び平大志朗、売出人である株式会社CZ並びに当社株主である株式会社平企画は、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しにかかる元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の2022年4月23日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。

 

【代表者】

代表者名 石松 友典(上場時41歳5カ月)/1980年生

本店所在地 東京都港区赤坂

設立年 2014年

従業員数 87人 (8/31現在)(平均30.8歳、年収532.5万円)

株主数 4人 (目論見書より)

資本金 10,000,000円 (9/22現在)

代表者生年月日 1980年05月13日生まれ

代表者略歴

2004年04月 (株)エキスパートスタッフ 入社

2005年10月 ソシエテ ジェネラル証券入社

2007年10月 JPモルガン証券株式会社入社

2009年04月 スタンダードチャータード銀行 入行

2009年10月 フィート(株) 設立 代表取締役

2012年01月 (株)Speee入社

2014年04月 当社設立 代表取締役(現任)



【幹事団】

主幹事証券 SMBC日興 716,200 86.04

引受証券 野村 41,600 5.00

引受証券 SBI 33,200 3.99

引受証券 楽天 8,300 1.00

引受証券 松井 8,300 1.00

引受証券 岩井コスモ 8,300 1.00

引受証券 いちよし 8,300 1.00

引受証券 東海東京 4,100 0.49

引受証券 マネックス 4,100 0.49


【参考類似企業】今期予想PER(9/30)

3655  ブレインP 63.3倍(連結予想 )

3906  ALBERT 84.4倍(単独予想 )

3925  DS 22.2倍(連結予想 )

3993  PKSHA 728.9倍(連結予想 )

4056  ニューラル 150.4倍(単独予想 )

4382  HEROZ 468.7倍(単独予想 )

7046  TDSE 53.9倍(単独予想 )


【私見】

 DX関連で旬な業種で評価できます。代表者は外資金融機関を渡り歩き、株価的にも期待は持てそうです。

PERは高めで、成長性を相当加味した価額ですが、10月決算のため、来期のPERで換算すればそこまで割高とは言えないかもしれません。需給はVCなしで、上位株主にはロックがかかっていることはプラス材料です。時価総額200憶、PSR20あたりが落ち着き所と考えると、初値で2倍ラインになると、直近のCCTの動きからも、セカンダリーは今の地合いでは簡単ではないかもしれません。


想定価額:2850円

仮条件上限:3080円

初値予想:6000円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立~やや強気

総合評価4


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