2022年7月17日日曜日

IPO分析(日本ビジネスシステムズ)

 【事業内容】

 独立系クラウドインテグレーターとして、マイクロソフトクラウドサービスなどを活用し、顧客のパフォーマンスを最大化することが可能なコンサルティング及びITサービスを提供しております。

 IT領域において、DX計画策定からクラウドによる効果の創出まで一貫してサービスを提供するモデルとなっており、計画策定からクラウド基盤設計・構築を行う「クラウドインテグレーション事業(CI)」、クラウド利活用のための運用支援を行う「クラウドサービス事業(CS)」、クラウドの運用及び利活用に必要なライセンスや関連製品を取り扱う「ライセンス&プロダクツ事業(L&P)」によって構成されております。クラウドサービス事業(CS)における継続契約型の保守運用売上と、ライセンス&プロダクツ事業(L&P)におけるクラウドライセンス売上は、定期的な契約更新により安定的な売上が見込めるストック収益型のビジネスモデルとなっております。

 新型コロナウイルス感染症の影響で企業のクラウドシフトや働き方改革が加速する中、顧客においてはクラウドサービスへのノウハウ獲得やITベンダーに依存したシステム設計・開発の見直しといったニーズが増加しています。当社は国内外のクラウド製品に精通し豊富な導入・運用実績を持つだけでなく、世界中のクラウド活用ナレッジが集約されたCAF(クラウドアダプションフレームワーク)に準拠したコンサルティング、クラウドサービスライセンスの提供、導入・保守運用サポートの実装、それらを包括したマネージドサービスに早期から取り組んでおり、マルチベンダーとしてスピーディかつ最新のクラウド利活用をご提供できる体制を整えております。また、クラウドを活用して大きな経営効果を生み出した先行事例のベストプラクティスを集約した方法論を適用しながら、グローバル標準のクラウドマネージドサービスを提供できる実績・ノウハウを保有している企業として、当社は、2022年4月には、Azure(Microsoft Azure)の最上位パートナープログラムであるAzure Expert MSP認定を取得しております。なお、本資格の認定における審査内容は2021年に更新があり、CAFのフレームワークに沿ったマネージドサービスの提供における仕組み・プロセスの整備や導入実績が取得要件に加わった中で、当社は2022年4月時点で同審査基準を満たした日本で唯一の企業となっております。当社は、本資格を有するクラウドマネージドサービスプロバイダーとして、同認定で評価された当社の実績・ノウハウを集約した自社クラウドマネージドサービスであるJBS Cloud Suiteの提供を開始しました。本サービスは、クラウドを用いたDXデザインから導入・保守運用、利活用までの一貫した支援と、数多くあるクラウドサービスを購入から一元管理、コスト最適化までを実現する管理ツールで構成されており、当社のクラウドプロフェッショナル集団が顧客の経営環境に即した形でお届けするものです。今後も効率的かつ多様なソリューションを提供するクラウドマネージドサービスプロバイダーとしてさらなる成長を目指していきます。

 当社は人材採用と育成に強みを持ち、安定した採用力と整備された人材育成プログラムにより、国内有数のマイクロソフトクラウド関連資格取得者をはじめとしたさまざまなクラウド技術の資格保有者(2021年9月末時点の延べ人数で2,201人)が在籍しており、最新のクラウド技術の習得に努めております。特にCAFに沿ったエンジニアスキルの強化を全社的に進めることで、付加価値の高い独自のマネージドサービスの機能開発と提供を行っていきます。

 また、企業の多くはオンプレミスのIT環境を有しており、クラウド導入によるDX効果を創出するためには、オンプレミスとクラウドを組み合わせて活用するハイブリッドクラウドの設計から導入、利活用が必要不可欠となります。当社は創業以来、オンプレミスのIT構築・運用支援も行ってきており、クラウド中心の事業展開をしながらも同ハイブリッドクラウドの支援によって、顧客の状況に合わせたクラウド活用を提案し、サービスを提供することも可能です。加えて、企業のDX化においては、クラウド技術を見極め有効活用するための計画策定から運用まで自社で遂行できる体制強化を進めていくことが重要と考えております。このような企業における内製化の取組みにおいて、当社は当社と日テレホールディングス㈱との合弁会社である㈱日テレWandsでのIT内製化支援をはじめ、人材トレーニングの提供に留まらず組織設計から運用まで踏み込んだ支援実績を多く有しております。

 

① クラウドインテグレーション事業(CI)

 主に、マイクロソフト社のクラウド製品である「Azure(Microsoft Azure)/M365(Microsoft365)/D365(Dynamics365)」及び周辺クラウドサービスの導入を支援しております。

 具体的には、顧客のクラウドDX計画策定、D365を含む業務環境の導入をSaaS/PaaSで行うビジネスアプリケーションとAzureでのIaaSを主とするプラットフォームのアジャイル型開発、働き方やコミュニケーション最適化のコンサルティングからM365(Teams、Outlookなど)の導入を支援するモダンワークプレイスソリューションと必要なセキュリティ&デバイスの各領域におけるデモンストレーション段階(PoC)から設計・構築、定着化や効果モニタリングまで含めた一貫したクラウド環境構築に係るサービスを提供しております。


② クラウドサービス事業(CS)

「Azure/M365/D365」を含む、クラウド利活用における保守・運用・改善を請け負い、一貫したサポートを提供しております。

 加えて今後、マイクロソフト社のクラウドライセンスに、課金・請求管理等のユーザーポータル機能といった利便性の高い各種アプリケーション機能を有する自社マネージドサービスの開発・提供を加速させることで、顧客の継続的かつ効果的な利活用を促すサービスを強化していきます。


③ ライセンス&プロダクツ事業(L&P)

 主に顧客のシステム開発における基盤となるマイクロソフト社の「Azure」「M365」「D365」等をはじめとしたクラウドソリューションとライセンス・関連機器をリセールとして提供しております。また、オンプレミスのインフラ、プライベートクラウド並びにパブリッククラウドで構成されているハイブリッドクラウド環境に対してもその構築の関連機器をリセールとして提供しております。



【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2022/09 単独中間実績 37,831 2,558 2,570 1,526

2022/09 単独会社予想 85,444 3,513 3,551 2,129

2021/09 単独実績 74,954 2,273 2,363 1,560

2020/09 単独実績 68,247 1,513 1,822 833


決算期 種別 EPS BPS 配当

2022/09 単独会社予想 108.42 - 30.00


上場時発行済株数 24,183,200株(別に潜在株式1,750,000株)

公開株数 2,803,700株(公募2,438,000株、オーバーアロットメント365,700株)

調達資金使途 採用費・人件費、サービス基盤拡充・新規サービスの開発費


PER:14.0

PBR:

配当利回り:1.9%

公募時吸い上げ資金:42.6億

公募時時価:367億

​   

【株主構成】 以下180日

(株)ロマネ 代表取締役社長の資産管理会社 8,600,000 40.23%

(株)三菱総合研究所 その他の関係会社 3,141,000 14.69%

牧田幸弘 代表取締役社長 1,850,000 8.65%

長井一浩 新株予約権信託の受託者 1,750,000 8.19%

社員持株会 特別利害関係者など 1,051,000 4.92%

三菱総研DCS(株) 資本業務提携先 982,000 4.59%

(有)セブンレイヤーズ 特別利害関係者など 340,000 1.59%

牧田和也 代表取締役社長の血族 320,000 1.50%

森屋正樹 執行役員 150,000 0.70%

小沢正彦 執行役員 115,000 0.54%

上加世田克 従業員 89,500 0.42%


本募集に関連して、当社株主かつ貸株人である牧田幸弘、当社株主である株式会社ロマネ、株式会社三菱総合研究所、日本ビジネスシステムズ社員持株会、三菱総研DCS株式会社、有限会社セブンレイヤーズ、牧田和也、森屋正樹、小澤正彦、上加世田克、和田行弘、牧田京子、佐藤みほり、牧田さやか、斎美子、島田直樹、皆木宏介、後藤行正、占部利充、兒玉眞二及び当社従業員168名は、共同主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後180日目の2023年1月28日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、共同主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)等は行わない旨合意しております。


【代表者】

代表者名 牧田 幸弘(上場時65歳4カ月)/1957年生

本店所在地 東京都港区虎ノ門 虎ノ門ヒルズ森タワー16階

設立年 1990年

従業員数 2328人 (2022/05/31現在)(平均34.4歳、年収598.3万円)

事業内容 マイクロソフト製品を中心とした、DX(デジタルトランスフォーメーション)計画策定からクラウドによる効果創出までの一貫したIT(情報技術)サービスの提供

URL https://www.jbs.co.jp/

株主数 200人 (目論見書より)

資本金 539,635,000円 (2022/06/28現在)

代表者生年月日 1957年03月14日生まれ

代表者略歴

1979年04月 日本アイ・ビー・エム(株)入社

1990年10月 当社設立 代表取締役社長就任(現任)



【幹事団】

主幹事証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 1,268,300 52.02%

主幹事証券 みずほ 780,100 32.00%

引受証券 野村 73,100 3.00%

引受証券 SMBC日興 73,100 3.00%

引受証券 東海東京 73,100 3.00%

引受証券 SBI 73,100 3.00%

引受証券 岡三 24,300 1.00%

引受証券 岩井コスモ 24,300 1.00%

引受証券 東洋 24,300 1.00%

引受証券 むさし 24,300 1.00


【参考類似企業】銘柄 今期予想PER(7/5)

3636 三菱総研 10.5倍 (連結予想)

3844 コムチュア 28.3倍 (連結予想)

3915 テラスカイ - (連結予想)

4178 Sイノベション 24.2倍 (連結予想)

4200 HCSHD 8.6倍 (連結予想)

4261 アジアクエスト 17.0倍 (連結予想)

4270 BeeX 18.8倍 (単独予想)

4299 ハイマックス 13.3倍 (連結予想)

4396 システムサポ 16.5倍 (連結見込)

4434 サーバーワクス 47.0倍 (連結予想)

4447 PBシステムズ 22.6倍 (単独予想)

9692 シーイーシー 12.1倍 (連結予想)


【私見】

 マイクロソフト製品を扱うベンダーですが、三菱総研と関連も強く、主幹事も含めて三菱色が強い銘柄で安定感はありそうです。DX化に伴い売上・利益の伸びは非常に良いですが、同業のPERからも15~20が落ち着きどころで上値としてはそう大きくはないかと思います。VCなしでロックは完全なので売り要素はないのですが、時価総額が300憶越と大きく、PER20を最大限に2000円が上限ラインと予想します。


想定価額:1420円

仮条件上限:1520円

初値予想:1700円

ブック申し込み度・・・やや強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3

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