2022年7月11日月曜日

IPO分析(HOUSEI)

 【事業内容】

(1) 事業の概況

 新聞社や出版社をはじめとするメディア業界向け情報システム開発・運用・保守事業(メディア事業)、製造業・金融業等の各種事業者向けの情報システム開発・運用・保守事業(プロフェッショナルサービス事業)及び自社開発の情報システム・ソフトウエア・クラウドサービスを提供する事業(プロダクト推進事業)、並びに中国の消費者向けに日本製品を販売し、そのためのクラウドサービスを提供する事業(越境EC事業)を展開しております。


(2) 事業の特徴

① 情報システム事業

 システムインテグレーションを主体として、受託システム開発、自社で開発・制作したソフトウエア・クラウドサービス等を販売するプロダクト販売等を行っており、システム開発分野においては元請け型で、コンサルティングからシステムの設計・構築・プログラム開発、及び運用・保守のアフターフォローまで情報システム構築に係る全行程を自社グループ内で提供するワンストップソリューションの実現を目指しております。

 製品・サービス及び顧客業界別に主に以下の事業に取り組んでおります。また、開発工程は以下のとおりであり、原則として当社、及び詳細設計・製造・単体試験の工程について中国・武漢に設置した開発子会社である方正株式(武漢)科技開発有限公司及び外注にて行っております。


1)メディア事業

 主に新聞社や出版社といった紙媒体のメディア事業者に対して、紙面構成を決める組版システムをはじめ、紙面管理システム、制作システム、広告管理システム、営業管理システム等の受託開発並びに保守を行っております。これらのシステムは、新聞社向けシステムの場合、新聞の発行計画から紙面レイアウト作成、刷り出しに至るまでの新聞制作の基盤となるシステムであり、かつ新聞が発行時間帯や配布地域により複数の紙面(版)を短時間で顧客ニーズに合わせて仕上げる必要があり、顧客ごとの独自性が強く、また迅速な報道を行う点から高い安定性が求められるシステムであります。当社グループでは、総合紙、スポーツ紙、専門紙など、特定の分野によらない顧客層を有し、コンテンツの収集・管理・組版・画像処理・配信に至るまでの新聞社の製作ワークフローに関するトータルソリューション、及び広告業務の管理、記事や写真等のデータベース化、その他付帯するハードウエア・ミドルウエア等を提供しております。

 自社及び中国・武漢の開発子会社にて、数億円から十数億円規模の、新システムとして新たに要件定義からシステム運用までを一貫して行うシステム開発案件を手掛けております。


2)プロフェッショナルサービス事業

 金融業、製造業、小売業等のメディア業界以外の業界向けのシステム開発並びに保守を手掛けております。また、従来のシステムで使われている機能を新しいシステム基盤に移植するマイグレーションによる現行システムの延命だけでなく、システムの課題やユーザーからの機能追加等の要望に応じて、既存のIT資産を有効活用しながらシステムを再構築するほか、クラウド、ビッグデータ、AIを活用した業務システムの構築等にも対応しております。

 当社では、自社及び中国・武漢の開発子会社にて、数億円から十数億円規模の、新システムとして新たに要件定義からシステム運用までを一貫して行うシステム開発案件を手掛けております。


3)プロダクト推進事業

 自社開発のシステムやソフトウエア及びクラウドサービス並びに保守を提供しております。具体的な開発実績として、顔認証システムやクラウド型CRMシステムのほか、テレビ会議システム、中国語フォント等を取り扱っております。


② 越境EC事業

 国内子会社である24ABC㈱が「越境ECプラットフォーム24ABC」を運営し、中国の消費者向けに日本の製品を販売する越境ECショップが開設できるECプラットフォームを提供、及び中国の個人輸入代行業者向け越境ECサービスとして化粧品、日用雑貨等の日本の消費財の販売を行っております。

 主な顧客は中国に製品を販売したい日本の事業者ですが、当社グループ自らも製品を仕入れて中国の個人輸入代行業者向けに販売しております。中国国内での販売ルートとしては、中国国内で実績がある多数のEC事業者を経由しております。

 

【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2022/12 連結1Q実績 1,024 48 64 57

2022/12 連結会社予想 4,475 377 392 273

2021/12 連結実績 4,102 202 284 271

2020/12 連結実績 3,399 254 270 219


決算期 種別 EPS BPS 配当

2022/12 連結会社予想 43.57 443.39 0.00


上場時発行済株数 6,754,000株(別に潜在株式227,900株)

公開株数 2,084,900株(公募850,000株、売り出し963,000株、オーバーアロットメント271,900株)

調達資金使途 研究開発費、人件費


PER:9.6

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:8.8億

公募時時価:28億

​   


【株主構成】 

佰瑞祥鴻(香港)有限公司 代表取締役社長が所有する会社 2,347,000 38.28% 180日

KSK(同) 代表取締役社長が所有する会社 2,315,500 37.76% 180日

EPSホールディングス(株) 資本提携先 900,000 14.68% 180日

メディカル・データ・ビジョン(株) 資本業務提携先 187,500 3.06% 180日

篠崎弘美 元取締役 118,800 1.94%

石自力 取締役 30,500 0.50%

芦野雄一 元監査役 14,300 0.23%

胡奎 執行役員 9,800 0.16%

古市健 執行役員 7,300 0.12%

羽入友則 取締役 6,500 0.11%

岩崎宗利 元従業員 5,500 0.09%

山内智晶 元従業員 5,500 0.09%


 本募集及び引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人であるKSK合同会社、売出人である佰瑞祥鴻(香港)有限公司、当社株主であるEPSホールディングス株式会社及びメディカル・データ・ビジョン株式会社は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後180日目の2023年1月23日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)等を行わない旨合意しております。

【代表者】

代表者名 管 祥紅(上場時55歳6カ月)/1967年生

本店所在地 東京都新宿区津久戸町

設立年 1996年

従業員数 157人 (2022/05/31現在)(平均41.4歳、年収602.8万円)、連結326人

事業内容 情報システム開発・運用・保守事業、および自社開発の情報システム・ソフトウエア・クラウドサービスを提供する事業、ならびに中国の消費者向けに日本製品を販売し、そのためのクラウドサービスを提供する事業

URL https://www.housei-inc.com/

株主数 16人 (目論見書より)

資本金 425,495,000円 (2022/06/24現在)

代表者生年月日 1967年01月22日生まれ

代表者略歴

1989年09月 日本プロセス(株)入社

1992年04月 住友金属工業(株)入社

1996年03月 当社設立 代表取締役社長(現任)

2017年09月 KSK(合)設立 代表社員(現任)

2018年04月 方正株式(武)科技開発有限公司 董事(現任)

2018年06月 24ABC(株)設立 代表取締役社長(現任)

2018年10月 佰瑞祥鴻(香港)有限公司設立 総経理(現任)



【幹事団】

主幹事証券 みずほ 1,577,600 87.02%

引受証券 SBI 181,300 10.00%

引受証券 楽天 18,100 1.00%

引受証券 あかつき 9,000 0.50%

引受証券 いちよし 9,000 0.50%

引受証券 松井 9,000 0.50%

引受証券 マネックス 9,000 0.50%


【参考類似企業】今期予想PER(6/29)

2332 クエスト 10.1倍 (連結予想)

3937 Ubicom 30.0倍 (連結予想)

4053 サンアスタ 25.7倍 (連結予想)

4481 ベース 20.7倍 (連結予想)

4722 フューチャー 17.2倍 (連結予想)

9651 日プロセス 14.4倍 (連結予想)


【私見】

 業種はSI系で、中国との越境EC関連を手掛けること以外は業種妙味はそれほどありません。業績の伸びは良く、PERもやや低めで20くらいまでは上値余地はあるかもしれません。規模の小ささと、既存株主の売り圧力がないことは魅力で、更に低単価であることから初値人気は高いでしょう。初値が2倍以上であれば、本来の価値を上回っており、マネーゲームに手を出すことは危険でしょう。


想定価額:420円

仮条件上限:400円

初値予想:900円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3.5

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