2020年6月27日土曜日

IPO分析(SPEEE)

【事業内容】
(1)MarTech事業
人々の消費活動の複雑化に伴い、マーケティング活動は高難易度化してきており、それに即した形で多種多様なデータや解法が存在する一方、それらの活用難易度も高い状態になっております。当社グループは、自社で蓄積したデータと世の中に散在するデータや解法を収集・整理し、活用方法を紡ぎ出すことで顧客企業の成果最大化を目指しており、当セグメントでは、データ分析を元にしたマーケティングソリューションサービスを提供するほか、データを活用したマーケティング施策のオペレーション代行等を行っております。
具体的には、以下のサービスを提供しております。

(コンサルティングサービス)
本サービスでは、顧客の事業に本質的に貢献できるようなサービスを目指して、「Webアナリティクス」、「トレーディングデスク」、2018年10月より事業開始した「PAAM」を主要なサービス内容としており、首都圏を中心に316社の顧客に利用されております(2020年2月末現在)。
「Webアナリティクス」においては、Google等の検索エンジンを通じてユーザーの来訪数や購入数等を向上させるために顧客のWebサイトの掲載内容や構造を改良することを目的としたコンサルティングを提供し、顧客ごとに毎月一定額の報酬を得ております。
「Webアナリティクス」では「Webサイトの流入数やコンバージョン数※2の最大化による顧客の事業上の成果に貢献するための要素」ととらえ、Webサイトに流入するユーザーの分析やプロジェクトマネジメントなどの機能を通じて、より上流の工程から顧客をサポートしております。

(プロダクト)
マーケティングの自動化支援のための主力プロダクトとして、当社グループではネイティブアド配信プラットフォーム「UZOU(ウゾウ)」を提供しております。「UZOU」はネイティブ広告を扱うアドネットワークであり、187社の広告主・624の媒体に利用いただいております(2020年2月末現在)。媒体に掲載された記事の内容や来訪ユーザーの属性を考慮して顧客の広告を表示し、それらの対価として広告主から広告出稿量に比例した収入を得ております。
  
(2)X-Tech事業
価値交換を行うための情報伝達経路が潜在したまま分断され、消費者と事業者双方の売買経験が蓄積されないことと相まってバリューチェーンの非効率が取り残されやすい状態になっている、産業としての歴史が長い領域に対して、当セグメントは、バリューチェーン※の生産性に影響を及ぼしている課題を特定した上で、テクノロジーを活用した新たなソリューションを実装しております。
主力サービスは中古不動産売却におけるマッチングサービス「イエウール」、外壁リフォームにおけるマッチングサービス「ヌリカエ」であり、いずれの市場においても、集客支援メディアとして参入後、ツールの提供等を通じて価値提供の幅を拡大する方針を採っております。

(イエウール)
本サービスは、不動産一括見積もりサイト「イエウール」の運営を通じて、不動産の売却を検討するユーザー(個人)を、複数の不動産業者に紹介するものであります。
具体的には、オンライン広告等のプロモーション手段によって、当社グループの運営するWebサイト「イエウール」に、不動産売却に関心を持つユーザーを集客します。サイトではユーザーから居住地域や物件に関する情報を受け取り、条件に適合する不動産業者にユーザーを紹介しております。
その後、不動産業者がユーザーに連絡を取り、売却見積価格の提示・売却の提案等を行うこととなります。
物件などの条件に適合する複数の不動産業者の見積価格を一度に比較できることが、ユーザーにとってのメリットであります。また不動産業者にとっては、売却を検討しているユーザーの情報を入手できることがメリットであります。当社グループは「ユーザーの紹介」1件ごとにその対価として不動産仲介業者から報酬を得ております。

 
(ヌリカエ)
本サービスは、外壁塗装一括見積サイト「ヌリカエ」の運営を通じて、住宅の外壁塗装工事を検討するユーザー(個人)を、複数の外壁塗装業者に紹介するものであります。
具体的には、オンライン広告等のプロモーション手段によって、当社グループの運営するWebサイト「ヌリカエ」に、外壁塗装に関心を持つユーザーを集客します。サイトではユーザーから居住地域や物件に関する情報を受け取り、さらに電話で希望条件等を詳しく聞いた上で、条件に適合する外壁塗装業者にユーザーを紹介しております。
その後、外壁塗装業者がユーザーに連絡を取り、見積価格の提示・提案等を行うこととなります。
「イエウール」と同様に、複数の業者の見積価格を一度に比較できることが、ユーザーにとってのメリットであります。また外壁塗装業者にとっては、外壁塗装を検討しているユーザーの情報を入手できることがメリットであります。当社グループは紹介の対価として、「ユーザーの紹介」及び「紹介したユーザーの成約」ごとに報酬を外壁塗装業者から得ております。

本サービスは、「イエウール」と多くの共通点を持っており、「Webサービス開発とプロモーションの体制」「成約率向上への注力」が特徴であります。
またそれらに加え、「ヌリカエ」独自の特徴として「カスタマーサポートの体制」が挙げられます。
外壁塗装は、物件の種別のみならず、塗装箇所の大きさや劣化状態、塗料の材質などによっても大きく価格が変動することが特徴であります。そこで本サービスでは「カスタマーサポート」のチームを設け、Webサイトでユーザーから情報を集めた後、直接ユーザーに電話でも問合せを行い、詳しい情報を収集しております。これにより、紹介すべき適切な業者を判断し、成約率を向上させることができます。

本サービスの運営によって得たノウハウや顧客基盤を生かして、外壁塗装以外のリフォーム関連領域においてユーザーを業者に紹介するサービス「ナコウド」を2018年11月より展開しております。
これは、解体、太陽光及びエクステリアに関するサービスを提供するリフォーム事業者とユーザーをインターネット上でマッチングするものであります。

(3)Data Platform事業
ビッグデータやAIといった潮流がある中で、世界にはデータが溢れているイメージがあるものの、重要なデータは共有されず、データを活用しきれていない課題があります。「Datachain」では、重要なデータに関して、全ての取引履歴について第三者による検証が可能であり、意図しない相手へのデータ流出を防ぎつつ、中央管理者を介さずに当事者間でデータ流通が完結する取引形態を実現することで、ブロックチェーン技術とトークンエコノミーによってデータ流通を革新することを目指しております。

(4)その他
上記のほか、当社グループでは将来の企業成長の柱となる事業の立ち上げを目指し、次に挙げるような様々な領域へ参入を行っております。なお、PT.SPEEE RECRUITMENT NUSANTARA、株式会社ThinQ Healthcareの2社によって当該事業を行っております。

① インドネシア共和国におけるHR(人材)関連サービス「Job-Like」
インドネシア共和国において、企業の求人広告を制作・掲載し、それを求職者である一般ユーザーへ情報提供を行うWebサービス「Job-Like」を運営しております。
② ThinQ Healthcare事業について
従業員のヘルスケア領域に対して、テクノロジーを活用したサービスの運営を行っております。

【業績等】
業績動向(百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
(連結実績)2018.9 7,165 205 165 226
(連結実績)2019.9 7,420 198 189 21
(連結予想)2020.9 8,753 589 537 497
(連結中間実績)2020.9 4,600 520 481 542

 1株当たりの数値 EPS BPS 配当
(連結予想)2020.9 54.95  -  0
調達資金使途 採用費および人件費、広告宣伝費

上場時発行済み株数 9,755,600株 (別に潜在株式780,000株)
公開株数 1,121,900株(公募855,600株、売り出し120,000株、オーバーアロットメント146,300株) 

PER:52.4
PBR:
PSR:3.2
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:32.3億
公募時時価:281億
    
【株主構成】
大塚英樹 代表取締役 2,895,000 29.91 90日
久田哲史 取締役 2,610,000 26.96 90日
(株)Print 役員らが議決権の過半数を所有する会社 2,510,000 25.93 90日
渡辺昌司 取締役 805,000 8.32 90日
安田智之 新株予約権受託者 730,000 7.54 90日
松嶋良治 特別利害関係者など 75,000 0.77
(株)バルーン 役員らが議決権の過半数を所有する会社 55,000 0.57 90日
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人及び貸株人である大塚英樹、売出人である渡邉昌司、当社株主である久田哲史、株式会社Print及び株式会社バルーン並びに当社新株予約権者である安田智之は、主幹事会社に対して、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2020年7月18日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)を行わない旨を合意しております。

【代表者】
代表者生年月日 1985年08月23日生まれ
代表者略歴 
2008年03月 当社入社
2010年10月 (株)RiTAKE設立 代表取締役
2011年06月 当社 代表取締役(現任)
2016年04月 (株)バルーン設立 代表取締役(現任)
2018年03月 (株)Datachain 取締役(現任)
2019年08月 (株)ThinQ Healthcare取締役(現任)

【幹事団】
主幹事証券 野村 849,100 87.0
引受証券 SBI 58,500 6.0
引受証券 みずほ 36,500 3.74
引受証券 楽天 9,700 0.99
引受証券 SMBC日興 7,800 0.8
引受証券 大和 7,800 0.8
引受証券 マネックス 2,400 0.25
引受証券 藍沢 1,900 0.19
引受証券 いちよし 1,900 0.19

【参考類似企業】今期予想PER 6/15現
2159  フルスピード 9.9倍(連結見込 )
2459  アウンコンサル 108.0倍(連結見込 )
6026  GMOTECH 147.7倍(単独予想 )
6533  オーケストラHD 31.8倍(連結予想 )
6549  ディエムソリュ 17.4倍(単独予想 )
6550  Fringe81 -倍(連結見込 )
7067  ブランディン 210.5倍(連結予想 )

【私見】
 アドテク関連で人気業種ではあるものの、類似業種も多く優位性があるかどうかがポイントになりそうです。直近の3月でトヨタファイナンスとブロックチェーンでの提携をしていことや、典型的なIT関連で新規事業に資金を費やしてることから上場後も材料は期待出来そうです。業績はPERは高いですが、利益の伸びも良く成長性を感じます。時価総額が既に300憶近いので値は軽くないですが、ロックも完全にかかっており需給は悪くないです、IT関連特有のきな臭さはありますが、逆に中期でみれば意外とセカンダリーがあるかもしれません。イメージ的には同じ野村主幹事のヘンゲ(時価総額200憶→800憶)のように時間をおいてから上がることをイメージしています。

想定価額:2270円
仮条件上限:2880円
初値予想:3500円
ブック申し込み度・・・やや強気
セカンダリー期待度・・・中立~やや強気(中期)
総合評価3.5

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