2020年6月10日水曜日

IPO分析(フィーチャ)

【事業内容】
  2005年の創業以来、主にレンズ検査装置事業を行ってきましたが、2012年に画像認識ソフトウェア開発事業を開始しました。それ以来、コンピュータビジョン(コンピュータを用いた画像技術)と機械学習の経験を活かし、車載カメラやドライブレコーダ向けの画像認識ソフトウェアを提供してまいりました。今後も当社グループは、様々な端末に実装しやすい画像認識技術の実現を目指してまいります。

・当社グループの事業内容
 当社は、画像認識ソフトウェアを開発しておりますが、特に車載カメラやドライブレコーダ向けに歩行者や車両、車線、標識などを検知するADAS用の組み込みソフトウェアの開発に注力しております。主な顧客はTier 1と呼ばれる自動車部品メーカーやドライブレコーダメーカーです。また、顔認証及びよそ見運転、危険運転、居眠り運転等を検知するDMS用ソフトウェアが、自動車部品メーカー等を通して自動車に搭載されております。
 
・当社グループのソフトウェア技術について
 当社は、コンピュータビジョンに特化したソフトウェア、特に機械学習を用いた画像認識ソフトウェアを主に開発しております。機械学習とは、大量のデータを用いて学習を行い、特徴量と呼ばれる辞書を作成し、その辞書を参照しながら画像から歩行者などの対象物を検知する技術です。
 機械学習は、近年AI技術を大きく発展させたディープラーニングとディープラーニング出現前の非ディープラーニングに分けることができ、当社は、現在、主にディープラーニング技術を用いたアルゴリズム及びソフトウェアの開発に注力しております。ディープラーニングは、非ディープラーニングに比べて認識性能が高く、当社ではADAS用ソフトウェアだけでなく、運転手監視ソフトウェアにも用いております。
 一方、実装性能に優れた非ディープラーニングを有することも、当社の大きな強みです。画像認識ソフトウェアを安価な車載カメラやドライブレコーダに搭載する場合には、比較的性能が低いLSIで動作させることが必要ですが、当社の非ディープラーニングは、そういった比較的性能が低いLSIでも動作させることが可能です。
 このように当社は製品の仕様に応じて、非ディープラーニングとディープラーニングを使い分け、あるいはその両方を組み合わせて使うハイブリッド化を行い、車載カメラやドライブレコーダ用カメラにソフトウェアを提供しております。
 
・当社グループのビジネスモデル
 当社は、顧客の車載カメラやドライブレコーダ向けに画像認識ソフトウェアのカスタマイズや実装を行う対価を受託開発収入として計上しております。また、量産以降に発生する、搭載数量に応じたソフトウェア使用料をライセンス収入として計上しております。なお、一部の取引には商社が介在しております。
 直近の取引先はトヨタコネクティッド、JVCケンウッド、ネクスティエレクトロニクスがそれぞれ2割ずつとなっています。

【業績等】
業績動向(百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
(連結実績)2018.6 210 52 50 42
(連結実績)2019.6 282 -3 -5 -8
(連結予想)2020.6 403 72 63 41
(連結3Q累計実績)2020.6 311 78 74 52

1株当たりの数値(円) EPS BPS 配当
(連結予想)2020.6 7.90  -   - 
調達資金使途 人件費、エージェント利用料や紹介料などの採用費
上場時発行済み株数 5,409,000株 (別に潜在株式64,716株)
公開株数 667,000株(公募150,000株、売り出し430,000株、オーバーアロットメント87,000株)

PER:65.8
PSR:6.9
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:3.4億
公募時時価:28億
    
【株主構成】
曹暉 代表取締役CTO 1,716,000 32.23 180日
王潞 代表取締役の配偶者、従業員 1,146,000 21.53 180日 
脇健一郎 代表取締役社長CEO 954,000 17.92 180日
恵州市徳賽西威汽車電子 特別利害関係者など 528,000 9.92 180日
NVCC7号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド)273,000 5.13 90日・1.5 
(株)SMBC信託銀行(信託口) ベンチャーキャピタル(ファンド) 264,000 4.96 90日
ニッセイ・キャピタル6号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 219,000 4.11 90日・1.5
名大東海地区大広域ベンチャ1号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド)105,000 1.97 90日・1.5
三菱UFJキャピタル5号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド)54,000 1.01 90日・1.5
横田和之 取締役 10,524 0.20 180日
岩成武司 従業員 10,524 0.20 180日

【代表者】
代表者生年月日 1960年12月04日生まれ
代表者略歴 年月
概要 1986年04月 キヤノン(株)入社
2000年10月 (株)プラザクリエイト入社
2003年10月 アキュートロジック(株)入社
2007年11月 (株)ジェテック入社
2009年05月 クワンタービュー(株)(現当社)代表取締役就任
2017年07月 当社代表取締役社長CEO就任(現任)
2019年11月 北京飞澈科技有限公司執行董事就任(現任)

【幹事団】
主幹事証券 SMBC日興 493,000 85.0
引受証券 大和 29,000 5.0
引受証券 水戸 11,600 2.0
引受証券 極東 5,800 1.0
引受証券 みずほ 5,800 1.0
引受証券 エース 5,800 1.0
引受証券 東洋 5,800 1.0
引受証券 SBI 5,800 1.0
引受証券 楽天 5,800 1.0
引受証券 いちよし 5,800 1.0
引受証券 岩井コスモ 5,800 1.0

【参考類似企業】今期予想PER 5/27
2359  コア -倍(連結予想 )
3653  モルフォ 32.0倍(連結予想 )
3663  アートスパーク 22.6倍(連結予想 )
3918  PCIHD 22.8倍(連結予想 )
4420  イーソル 53.2倍(連結予想 )
4440  ヴィッツ 32.6倍(連結予想 )

【私見】
 車載などにも使われる画像認識で業種妙味は非常にあります。売上規模は非常に小さいですが、成長性は高く、PER200・PSR20倍の公募比3倍ラインは初値段階で楽に超えるかと思います。問題はそれ以上ですが、需給からも吸収金額は極端に少なく、ロックの切れるVCはいるものの時価総額は非常に小さいので数字的には説明できない価額になることが予想されます。

想定価額:480円
仮条件上限:520円
初値予想:2000円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立~やや強気
総合評価4

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