2020年10月14日水曜日

IPO分析(プレミアムアンチエイジング)

 【事業内容】

1.取扱いブランド及び製品

(1) 「DUO」ブランドシリーズ

(a) ブランドコンセプト

 「肌細胞が本来持つ自己回復力。まずそれを養わなければ、美は長続きしません。肌にとって自然であること。科学に基づいた先端技術。どこまでも求める、やさしさと強さ。DUOは、この2つの高次元バランスの融合でアプローチします。だから実現しました。美の土台力が、違う。一生輝きつづけたいあなたへ。いま、肌に眠っていた美が、再び動き出します。」

(b) 取扱い製品

 ブランドを牽引する製品は2020年4月時点においてシリーズ累計販売個数1,500万個を突破した「ザ クレンジングバーム」シリーズで、2019年7月期における売上構成比は89.3%を占めております。


(2) 「CANADEL」ブランドシリーズ

(a) ブランドコンセプト

 「毎日の食事も、服も、メイクも。私がイキイキと輝いていられるものが欲しい。自分の目を信じて、本当に私が必要なものだけを選ぶ。そんな出会いにポジティブな大人の女性のブランド、CANADEL。確かなエビデンスに支えられた、こだわりの素材と成分で、素肌に、髪に、生き方に、次々と驚きのアプローチを仕掛けていきます。」

(b) 取扱い製品

 2019年4月のブランド創出時に発売した製品は、「プレミアホワイト オールインワン」及び「プレミアリフト オールインワン」の2製品であり、現在も「CANADEL」ブランドの主力製品となっております。オールインワン利用者が増えている中で、"妥協や手抜きの罪悪感なく、肌悩みをケアするためにあえて使いたいオールインワンが求められている"というインサイトから開発いたしました。


2.事業モデル

(1) 通信販売

 当社が創業時から取り組んでおります主力の販売形態であり、2019年7月期における当該販売チャネルの売上構成比は、81.3%となっております。

 当社は、自社ECサイトにおいて自社製品の販売を行っており、その販売手法は、1回の注文ごとに購入していただく「都度販売」に加えて、一定の間隔で同様の製品を継続的にお客様にお届けする「定期販売」の2つを用意しております。この定期販売の手法は、発送や決済処理が定期化することで事務作業が効率化できることや、安定した売り上げを確保することができるストック型のビジネスモデルであると考えております。加えて、お客様に対しても、都度商品を購入する手間が省けることや都度購入より割安に購入できる等のメリットを提供することを狙い、定期販売を行っております。当社の通信販売売上高に占める定期販売は、2019年7月期で約90%となっており、定期販売数は毎年堅調に増加しております。

 新規のお客様の獲得手法につきましては、主にアフィリエイト広告を中心としたインターネット広告を主軸に、雑誌や、TVCMなど、各種メディアをミックスさせ、効率的に行っております。尚、広告につきましては、売上高の約48%(2019年7月期実績)を投じておりますが、その大半は成功報酬形式による支出となるため、実質的に売上高の変動費として位置づけられ、費用対効果を確保した上でコントロールすることが可能となっております。また、当社通信販売において過去、一度でも都度購入または定期購入実績のあるお客様の総アカウント数は1,829,575件(2020年4月末時点)となっております。

 

(2) 卸売販売

 2011年10月から、販売チャネルの強化として化粧品卸売業者と代理店契約を締結し、バラエティショップをはじめとした小売店への販売を開始いたしました。2018年10月には、卸売販売専用の部署を新設し、チャネル拡大を積極的に進めた結果、2018年7月期には419,562千円であった卸売販売にかかる売上高が、翌年度2019年7月期には1,939,496千円と4倍以上に拡大いたしました。卸売業者経由で商品を配荷している小売店の数は、直近現在となる、2020年4月時点において11,961店となっております。


(3) その他

 卸売販売以外に、Amazonに出店することで小売りとしての販売も行っております。その他、海外展開についても取り組んでおります。近年、中国を中心としたアジア圏において、日本の化粧品は定評があり毎年輸出額を伸ばしております。このような環境の中、当社においても、販売代理店を経由して、中国、台湾、香港への販売を行っております。特に台湾においては日本で展開している通販モデルの流用が可能な商慣習であることから、海外展開の足掛かりとして積極的に展開を進めております。なお、2019年7月期における当該販売チャネルの売上構成比は2.4%となっております。


3.当社通信販売の特徴

 通信販売市場は、スマートフォンの普及や決済方法の増加に伴い、年々拡大しておりますが、市場の拡大とともに競争環境も激化しております。このような環境下において、当社成長の原動力となった特徴は次のとおりです。

(1) 商品提案力

 当社主力製品である「ザ クレンジングバーム」が属するクレンジング市場において、従来は、クレンジング剤型別のシェアではオイル、ジェル、クリームが主力でありました。

 クレンジングは、「肌へのやさしさ」と「洗浄力の高さ」の2つの要素を両立することが求められます。そこで、新たなバームという剤型を提案し、クリームのような厚みで肌にやさしく、肌の体温で徐々にメイクが溶け出すことが特徴の「ザ クレンジングバーム」を開発しました。このように、お客様のご要望にお応えする商品を提案することで、成長を続けております。


(2) マーケティング力

 近年は、良いものが必ずしも売れるとは限らなくなってきており、マーケティングは商品開発と同様に当社が注力している領域となっております。その中でも、デジタルマーケティングの領域は、あらゆる行動が数値で可視化されることで投資対効果が明確となり、迅速な意思決定が可能となります。当社は、創業以来デジタルマーケティングに積極的に取り組むことにより、そのノウハウを蓄積してまいりました。2018年よりTVCMを開始し、デジタルマーケティングの領域を引き続き強化しつつも、それ以外の紙媒体やTVなど複数のメディアをミックスすることによる相乗効果の創出を目指し、マーケティング活動を実践しております。


(3) コールセンターの一部内製化

 当社では、コールセンター業務はお客様と直接コミュニケーションができる重要な接点であるという位置づけから、大部分の業務は専門業者に委託する一方で、自社においてもその業務の一部を担っております。業務を担うことで蓄積されたお客様からのニーズは、既存商品のリニューアルや新規商品の開発におけるマーケティングに活用しております。そのためにお客様からの問い合わせに対する待ち時間を一定時間内にコントロールすることによる「応答率」の向上を目標に掲げ、業務の繁閑を踏まえた応対要員数の最適化に向けた取り組みを進めております。

 また当社では、お客様満足度の更なる向上をはかるため、当社コールセンター部門には、業務経験が豊富なスタッフに加え、エステティシャンに関する資格を有したスタッフも在籍しており、お問い合わせ頂いたお客様に対してプラスアルファの提案をすることができる「美容相談窓口」となることを目指しております。また、お客様とのお話を通じて、お客様の不満や悩みを解消することにより、解約を思い留まっていただくお客様も多く、「継続アドバイス率」※2を目標として設定し、管理しております。

 

(4) 外部リソースの活用

 事業の運営にあたり、限られた経営資源はコア業務に集中すべきであるという考えから、商品設計、マーケティング並びにコールセンターの一部については自社で対応する一方で、製品製造業務、物流業務、決済業務などについては外部の専門業者に委託しております。これにより当社の従業員1人当たり売上高は、2019年7月期において253,814千円となっております。また、外注化により、景気の変動、業務量の増減、業務期間の変化など、経営環境の変化に対しフレキシブルな対応や意思決定ができることも当社事業の特徴となっております。


4.定期売上高比率

 通販売上では、一度定期商品を購入頂ければ長期間安定して購入して頂ける「定期販売」による売上高をどの程度積み上げられるかが、経営を安定させるうえで、非常に重要と考えております。現時点において、各月売上高の8割以上(第11期第3四半期累計期間においては、81.6%)は、都度購入を除いた追加での広告宣伝費を要しない既存定期顧客による売上高で占められております。


【業績等】

 業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(単独実績)2018.7 4,975 138 140 95

(単独実績)2019.7 11,929 242 235 174

(単独実績)2020.7 20,508 1,653 1,635 1,143

(単独予想)2021.7 25,270 2,601 2,546 1,766


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(単独予想)2021.7 207.12 - -

調達資金使途 EC(電子商取引)サイト開発費、採用費・人件費、広告宣伝費、借入金の返済

連結会社 0社 


上場時発行済み株数 8,700,000株 (別に潜在株式34,000株)

公開株数 2,702,500株(公募700,000株、売り出し1,650,000株、オーバーアロットメント352,500株)


PER:19.9

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:11.9億

公募時時価:360億

    


【株主構成】 

プレミアマネジメント(株) 役員らが議決権の過半数を所有する会社 3,978,000 49.51 90日

松浦清 代表取締役社長CEO 3,700,000 46.05 90日

松浦和子 代表取締役社長CEOの血族 180,000 2.24

越智恵美 特別利害関係者など 120,000 1.49

従業員持ち株会 特別利害関係者など 18,000 0.22

外園明美 従業員 12,000 0.15

河端孝治 取締役COO 6,000 0.07 90日

戸谷隆宏 取締役CFO 6,000 0.07 90日

石田美佳穂 従業員 4,000 0.05

小林佑季 従業員 2,000 0.02

上村敬吾 従業員 2,000 0.02

畑本尚孝 従業員 2,000 0.02

山下美代子 従業員 2,000 0.02

 

【代表者】

代表者名 松浦 清(上場時52歳0カ月)/1968年生

本店所在地 東京都港区虎ノ門

設立年 2009年

従業員数 92人 (8/31現在)(平均38.2歳、年収588.5万円)

株主数 7人 (目論見書より)

資本金 15,000,000円 (9/24現在)

代表者生年月日 1968年10月16日生まれ

代表者略歴要

1993年03月 スペースエイジジャパン(株) 入社 10月:アメリカンファミリー生命保険会社(現アフラック生命保険) 入社

1997年04月 (株)鴎州コーポレーション 入社

2002年03月 イーソリューションズ(株) 入社 9月:(株)ジャクスタポーズ 設立 代表取締役社長就任

2004年08月 モンデラジャパン(株) 設立 代表取締役社長就任

2006年05月 アポロ・インベストメント(株)(現プロジェ・ホールディングス(株))入社 取締役副社長就任

2007年03月 同社 代表取締役社長就任

2008年08月 (株)QVCジャパン 入社

2009年02月 プレミアマネジメント(株)設立 代表取締役社長就任(現任) 12月:当社設立 代表取締役社長CEO就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 野村  2,115,100 90.00%

引受証券 SMBC日興  47,000 2.00%

引受証券 みずほ 47,000 2.00%

引受証券 SBI 35,200 1.50%%

引受証券 楽天  35,200 1.50%

引受証券 岩井コスモ  23,500 1.00%

引受証券 岡三 23,500 1.00%

引受証券 東洋 23,500 1.00%


【参考類似企業】今期予想PER

4921  ファンケル 42.3倍(連結予想 )

4925  HABA 16.1倍(連結予想 )

4931  新日製薬 30.2倍(単独見込 )

4933  Ine 32.5倍(連結予想 )


【私見】

 業種としては化粧品の販売で、「ザ クレンジングバーム」の売上に偏りがあることはリスクを感じます。類似業種として新日本製薬やIneが近く、Ineが成功したこともあり、想定価額を大きく上げてきたことにより、割安感が薄まったような気もします。需給は吸収金額・時価総額は大きめですが、株主の売り要素はないので初値で多少上がると思います。フォルムはIneとほぼ同じですが、同じようにセカンダリーがあるかは簡単ではないと思います。


想定価額:3350円

仮条件上限:4140円

初値予想:4800円

ブック申し込み度・・・やや強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3.5

0 件のコメント:

コメントを投稿