2020年10月3日土曜日

IPO分析(アースインフィニティ)

 【事業内容】

 当社は、2002年7月の設立よりインバーター及びブレーカー(ノーマルブレーカー)の販売を始め、2004年4月には電子ブレーカー(2010年2月に特許取得)を製造・販売し、需要家の電気料金の削減に寄与してまいりました。2015年3月に特定規模電気事業者の届出、2016年4月に小売電気事業者の登録を行い小売電気に参入しました。

 電気の契約は、特別高圧(2,000kW以上:大規模工場やオフィスビル等)、高圧(50kW以上2,000kW未満:中小規模工場や中小ビル等)、低圧(50kW未満(電灯100V・動力200V):一般家庭や小規模店舗、工場等)に分類されており、当社においては大口と一般家庭との中間にあたる小規模工場、商店、飲食店等(以下、「中間層」という。)を中心にBtoBの営業を行っております。また、官公庁などの入札案件にも参加し、契約獲得を行うBtoGの営業も行っております。

 低圧の中でも1件あたりの電気料金が低い一般家庭は、利益幅が小さく、逆に、特別高圧・高圧などの1件あたりの電気料金が高い大口の客層は、売上ボリュームが大きいですが、解約に至った場合や市場価格高騰の際は、当社の業績への影響が大きくなります。

 そのため、当社は、中間層を中心に営業を行うことで利益率を高め、安定的な利益確保に努めております。また、当社では2019年6月にガス小売事業者の登録を行い、2019年10月にガスの小売に参入し、電力とのセット販売を行っております。

 エネルギー事業は、電気及びガスを継続的に販売するストック型ビジネスです。

競争激化により、他社への切り替えによる解約が毎年一定割合発生しますが、顧客との契約が継続されている限り、サービスを提供出来るため、継続的な収入及び収益を見込むことができます。当社では、小売電気において、長年培ってきた電気の知識や営業ノウハウを活かし、堅調に契約数を積み上げてまいりました。また、ガス小売にも参入し、電気とガスとのセット販売を行うことにより、競争力を高め、業績の向上に努めております。


・エネルギー事業

 小売電気は、一般家庭や小規模工場、店舗、飲食店等を対象とする低圧及び中小規模工場や中小ビル等の高圧の需要家に対して電力の供給を行う事業であります。

 当社は需給管理を仲介業者に委託し、民間の発電所から調達した電力及び一般社団法人日本卸電力取引所(以下、「JEPX」という。)との間で行う「市場取引」により調達した電力を、一般送配電事業者の有する送配電網を用い、北海道電力株式会社・東北電力株式会社・東京電力ホールディングス株式会社・中部電力株式会社・北陸電力株式会社・関西電力株式会社・中国電力株式会社・四国電力株式会社・九州電力株式会社の各営業地域において、顧客に対し電力の供給を行っております。

 また、当社従業員による直接販売を中心に営業活動を行っており、利益率及び成約率を維持するため中間層に特化した料金プランの作成及び営業方法の構築に注力しております。

 小売電気でターゲットにしております顧客の大多数は、小規模工場、店舗、飲食店等ですが、これは設立より販売しておりました電子機器事業と同様の顧客層であります。

 このことにより電子機器事業の営業で培った営業ノウハウを活用することができ、小売電気における営業効果を増大させております。

 当社の営業方針といたしましては、1件1件訪問し、お客様と顔を合わせ、しっかりご理解をいただいた上でお申し込みいただくというスタイルの営業を貫いております。お客様と直接接する営業社員によるお客様への丁寧な説明を重要視しており、営業社員の教育に注力しつつ、新規契約を獲得をするための営業ノウハウを蓄積しております。


 ガス小売は、都市ガスの需要家に対してガスの供給を行う事業であります。

当社は、民間のガス会社から調達したガスを、当社と電力需給契約を締結している顧客や新規で小売電気の営業を行う際に、電力とのセット販売を行っております。

 エネルギー事業の今後といたしましては、新規参入企業の増加による競争激化の中にあって、更なる営業力の向上が必要となります。

 また、効率的な電力調達、ガス調達、管理業務を行うことでより削減効果のある料金プランを構築し顧客の電気料金及びガス料金削減の最大化を追求してまいります。


 ・電子機器事業

 電子機器事業は、主に中小企業を対象とする電子ブレーカー(コンピューター内蔵式ブレーカー)の製造・販売・設置によるエネルギーコスト削減提案及びコンサルティングを行う事業であります。

 電子ブレーカーは、当社の特許技術に基づき、協力会社で製品を製造し、販売・設置を行うファブレス(工場を持たない)メーカーとして事業活動を展開しております。

 対象となる低圧(契約電力50kW未満)には、基本料金決定方法に負荷設備契約と主開閉器契約の2種類があります。多くの需要家は、所有している設備の容量(kW)の総合計により基本料金を決定する負荷設備契約を結んでおります。しかし、設備の稼働状況に合わせたメインブレーカーの容量によって基本料金を決定する主開閉器契約を選ぶ方が基本料金を安くできるケースが多く、さらに特許を取得している当社の電子ブレーカーは、JIS規格の範囲内で最大まで電気を使用できるようあらかじめプログラムされておりますので、最大限まで契約容量(kW)を下げることにより電気代の基本料金を削減することが可能であります。当社にて電子ブレーカーの販売に伴うリースの事務代行やクレジットの取次から、設置工事に伴う電力会社への申請代行業務までを行うこと、また、取引契約を交わしている販売店へ卸販売することにより、収益を獲得しております。

 現在は、リース契約期間が終了する既存顧客に対して、過去に導入していただいた電子ブレーカーと同様の機能を持った新しい電子ブレーカーに入れ替える販売(以下、「リプレイス販売」という)を中心とした営業を行っております。

 当事業におきましては、エネルギー事業と同様に1件1件訪問し、お客様と顔を合わせ、当社の提案をしっかりご理解され契約のお申し込みをいただくという営業を貫いています。

 電子機器事業の今後といたしましては、蓄積された営業ノウハウを活かし、顧客の電気料金削減のお手伝いをしてまいります。 


【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(単独実績)2019.7 2,481 106 101 64

(単独実績)2020.7 3,465 228 229 166

(単独実績)2021.7 3,663 544 548 374

(単独予想)2021.7 4,001 620 617 422


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(単独予想)2021.7 140.69 399.27 43

調達資金使途 電力およびガスの仕入れ資金、人件費


上場時発行済み株数 3,013,300株

公開株数 351,900株(公募55,000株、売り出し251,000株、オーバーアロットメント45,900株)


PER:19.7

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:7.8億

公募時時価:49億

    


【株主構成】 

浜田幸一 代表取締役副社長 2,181,900 73.76 180日

坂本守孝 取締役監査等委員 120,000 4.06 180日

上田朝雄 元監査等委員 90,000 3.04

浅原香織 取締役 75,000 2.54 180日

津田真奈美 特別利害関係者など 60,000 2.03

一氏亮佑 取締役 51,000 1.72 180日

亀田純 従業員 51,000 1.72

西村雄治 従業員 48,000 1.62

松田ありさ 従業員 33,000 1.12

菰田寛 元監査等委員 30,000 1.01

星名敏雄 従業員 30,000 1.01

藤山勝敏 従業員 30,000 1.01

 

【代表者】

代表者名 浜田 幸一(上場時49歳10カ月)/1970年生

本店所在地 大阪府大阪市北区

設立年 2002年

従業員数 46人 (7/31現在)(平均34.2歳、年収431.7万円)

株主数 42人 (目論見書より)

資本金 87,250,000円 (9/10現在)


代表者略歴

1999年04月 (株)アイディック入社

2001年03月 (有)西日本ネオ設立(2006年2月閉鎖)代表取締役就任

2002年07月 当社設立 代表取締役社長就任(現)

2003年10月 (有)リライアブル設立(2006年7月閉鎖) 代表取締役就任


【幹事団】

主幹事証券 みずほ 284,700 94.04

引受証券 SBI 6,100 1.99

引受証券 丸三  6,100 1.99

引受証券 岡三  6,100 1.99

引受証券 マネックス 3,000 0.98


【参考類似企業】参考類似企業 今期予想PER(9/23)

1407  ウエストHD 22.1倍(連結見込 )

3150  グリムス 25.1倍(連結予想 )

3825  REMIX -倍(連結予想 )

4651  サニックス 9.2倍(連結予想 )

7162  アストマックス 9.0倍(連結予想 )

8131  ミツウロコGHD 21.5倍(連結予想 )

9517  イーレックス 10.8倍(連結予想 )

9532  大ガス 12.1倍(連結予想 )


【私見】

 業種的には電気・ガスの小売りで真新しさはなく妙味はありません。業績は右肩上がりで、上場を機に知名度が上がり今後も伸びていくとは思いますが、高PERが容認される業種ではないので初値段階で上がってしまえば適正なPERの価額まで差し戻されるだけでしょう。需給に関しては抜群に良く、売り要素がほとんどないので日程からも初値段階で高騰する可能性は高いと思います。


想定価額:1970円

仮条件上限:1970円

初値予想:4800円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3.5

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