2021年4月6日火曜日

IPO分析(ネオマーケティング)

 【事業内容】

  当社グループはクライアント企業のマーケティングプロセスを4つのプロセスに分けて考察したうえでサービスを提供しております。マーケティングプロセスとは一般的に企業が市場調査を実施し、市場調査結果を基に商品を開発し、開発した商品を宣伝し、宣伝効果や効果の結果もたらされた売上等の成果を検証していくという一連のプロセスのことを指します。

 それぞれのプロセスごとに適切なマーケティング施策を、各サービスと対応するかたちで考案した、独自の「マーケティングフレームワーク4K」を開発しております。独自フレームワークを活用してクライアント企業のマーケティングプロセス全般に渡って、一気通貫でサービス提供出来ることを特長としています。


[独自のマーケティングフレームワーク4K]

「4K」とは、生活者インサイトの発見(カクシン)から商品開発(カイハツ)、販売促進(カイタク)から各施策の改善(カイゼン)までを指します。

クライアント企業は、当社のインサイトドリブン(定性調査を核としたイノベーション創造マーケティング)やカスタマードリブン(定量調査を核とした顧客起点マーケティング)といったマーケティングサービスによって、商品やサービスを開発します。商品やサービスが市場に上市された後は、当社はデジタルマーケティングやPRでプロモーションし、カスタマーサクセスによって顧客のクライアント企業に対するロイヤリティを高めるよう、支援します。一連のマーケティングプロセス全般に渡って、クライアント企業に寄り添い、マーケティング活動を統合的に支援出来る体制を構築しております。創業以来累計で約2,000社強の取引実績があるため、新規顧客からの売上に加えて、既存顧客に対するクロスセル(複数サービスの提供)・アップセル(案件単価増大)にも努めております。

 一連のマーケティングプロセスの中で実施されるそれぞれの施策を、生活者起点で実行していくことも大きな特長の一つです。生活者起点とは「生活者にとって必要な商品やサービスとは」、「生活者にとって好ましいコミュニケーションとは」、「生活者にとって必要な情報とは」、といった視点を最重要視し、その視点をマーケティング戦略に反映していくことです。

 この「生活者起点のマーケティング支援」を実現するためのインフラとして独自のマーケティングプラットフォームを運営しております。当社独自で運営する生活者パネル「アイリサーチ」は55万人(2020年10月時点)の登録者があり、自宅に居ながらご自身のPCやタブレット、スマートフォンを使用して企業からのマーケティング上のタスク依頼に応えることで報酬を得られる仕組みを構築しております。『アイリサーチ』は全登録者における性別・年齢・居住地といった属性情報の比率が、インターネット人口における比率に近似することに配慮して構成された生活者パネルであり、属性の偏りを極力排除したパネル構成となるよう努めております。提携会社とのパネル連携により、のべ1,983万人以上(2020年10月時点)の生活者パネルを活用することが可能となっております。

 生活者パネルの情報を収集し分析することで得られるデータを基に、一連のマーケティングサービスを「マーケティングフレームワーク4K」に基づいて提供しております。『アイリサーチ』は当社が生活者起点のマーケティング支援事業を展開するうえで基礎となるサービスインフラとなっております。デモグラフィック情報(年齢、収入、職業)やジオグラフィック情報(住居、勤務地)を基にデータベースから案件ごとに必要となるマーケティング対象者を抽出出来る点が特長です。例えば、埼玉県在住で年収500万円の男性看護師といった条件で対象者を抽出することが可能です。

 これらの強みを最大限に活かし、お客様の課題を本質的に解決し、お客様の事業を成功に導くためのサービスを開発し続けることによって、世の中に良い商品や素晴らしいサービスが溢れ、企業は成功し、人々の生活が豊かになる社会を実現していくことを目指しております。


(1) カスタマードリブン

 生活者パネルから収集した定量的データを数値化し分析する、定量調査を核とした顧客起点マーケティングです。

 特長はマーケティング施策に実効性高く活用できるよう顧客を分類(優良顧客・一般顧客・離反顧客・非購入者・非認知者)し、顧客が商品やサービスを知ってから最終的に購買するまでの行動・思考・感情等(カスタマージャーニー)を解析することにより、顧客起点のプロモーション施策の戦略立案・実行後の検証までをクライアントに提供出来る点です。

 当社のサービスは何れも生活者の情報を収集し、生活者の理解をベースにマーケティング戦略を立案しておりますが、この定量調査を核としたサービスを特に「カスタマードリブン」と呼んでおります。


(2) インサイトドリブン

 生活者パネルの中から最適な対象者を抽出し、インタビューや行動観察(実際に商品を使用している姿の観察)を実施することで、数値では計測出来ない潜在的な意識を明らかにします。定性調査を核とした、生活者自身が気づいていない意識下に存在している人を動かす隠れた心理(インサイト)を発見するのに適したマーケティングサービスです。

 特徴的な事例としては、ユーザー自身も気づいていない本質的なニーズの発見やイノベーションを引き出すために、仮説や検証を重視する実験的思考法をベースとし、エクストリームユーザー(極端な消費者)の行動観察調査を実施します。これによりインサイトを発見し、発見したインサイトを起点に当社グループでアイデア・コンセプト、プロトタイプまで創り上げクライアントに提案をするといったものがあります。


(3) デジタルマーケティング

 デジタルマーケティング戦略設計にあたり、生活者に対する理解をベースにWeb広告に関する戦略立案から作成、運用、効果検証まで一貫してデジタルを通じた生活者との対話を設計・実行するサービスです。当社グループのメイン顧客層である製造業にはD2C(自ら企画生産した製品を生活者にダイレクトに販売する手法)支援サービスとして、世界で最も利用されているECプラットフォームであるShopifyを利用し、クライアントに代わって当社グループでECサイトの構築から集客・運用まで一気通貫で支援しております。


(4) PR

 認知拡大・ブランディングを目的としたPR支援サービスです。特徴的な事例としては、Evoked Setを指標とし、クライアントの目指すあるべきブランド像や世界観を、当社グループでメディアリリースを作成し、カスタマードリブンサービスによって明確化したターゲットに対して、ニュースや記事を通じて届けるといったものがあります。

 

(5) カスタマーサクセス

 クライアント企業の顧客を成功させる為に、クライアントが提供している商品やサービスの価値を最大限に引き出せるよう支援するサービスです。購入・契約後の顧客にさまざまな方法で働きかけ関与することにより、商品やサービスを使って顧客が実現したいことを支援します。解約率の低減、リピート率の向上、アップセル、好意的なクチコミの醸成といった、クライアントが求める成果を実現するための戦略を立案し施策を実行するサービスです。

 沖縄県那覇市と沖縄県石垣市にカスタマーサクセスセンターの拠点を設けており、電話・メールによる顧客対応はもちろん、AIチャットボットの品質評価やサブスクリプションモデルの課金ユーザー離脱防止プログラムにも対応しております。


(6) BtoBマーケティング支援サービス

 累計導入企業数約50,000社の企業リスト収集ツール「Urizo」を提供し、企業間のマーケティング活動や営業活動の支援を行っております。クライアントからは、他社と比べて使いやすい操作性、費用対効果、長期間のサービス提供による信頼感から支持されており、企業への新規アプローチやリード獲得を強力に支援する自社独自開発ツールです。

 「Urizo」は、ソフトウェアを提供するSaaS型、月額課金のサブスクリプションモデル、法人顧客を対象としたBtoBのサービスモデルを特徴としております。


(7) クラウドソーシング

 人を活用したクラウドソーシングやマーケティングサポートを提供するために、当社が運営する会員組織のプラットフォーム『SOLPANEL(ソルパネ)』(2020年10月現在約6,000名)を利用して不特定多数の人に業務を依頼することができる仕組みを構築しております。



【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(連結実績)2019.9 1,132 20 19 8

(連結実績)2020.9 1,427 173 173 116

(連結予想)2021.9 1,822 223 217 151

(連結1Q実績)2021.9 415 89 86 55


1株当たりの数値(円) EPS BPS  配当

(連結予想)2021.9 65.19 257.87 -

調達資金使途 採用費・人件費、設備投資、広告宣伝費、マーケティング費、借入金の返済


上場時発行済み株数 2,448,000株 (別に潜在株式165,200株)

公開株数 529,000株(公募230,000株、売り出し230,000株、オーバーアロットメント69,000株)

シンジケート 公開株数460,000株 


PER:27.6

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:9.5億

公募時時価:44億

    

【株主】持ち株株会以外は90日・1.5倍

(株)エムスリードリームインベスター 役員らが議決権の過半数を所有する会社 658,000 27.61 

橋本光伸 代表取締役 498,800 20.33

(株)TRMブラザーズ 特別利害関係者など 288,000 12.08

小林康裕 特別利害関係者など 212,400 8.91

村上直 従業員 127,200 5.34

(株)エイジェック 特別利害関係者など 120,400 5.05

従業員持ち株会 特別利害関係者など 94,000 3.94

原島茂雄 社外取締役 78,400 3.29

葛山博志 特別利害関係者など 64,400 2.70

荒池和史 取締役など 50,000 2.10


取引受による売出しに関連して、当社株主であり当社取締役である橋本光伸及び荒池和史並びに当社株主であり当社執行役員である今泉陽介並びに当社株主であり売出人かつ貸株人である小林康裕並びに当社株主であり売出人かつ当社取締役である原島茂雄、藤元拓志及び中川達也並びに当社株主であり売出人かつ当社従業員である村上直並びに当社株主であり売出人である株式会社エイジェック及び葛山博志並びに当社株主である株式会社エムスリードリームインベスター及び株式会社TRMブラザーズは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2021年7月20日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること及びその売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)等は行わない旨合意しております。

 また、当社の株主であり取締役かつ新株予約権を保有する荒池和史、及び当社の株主であり取締役かつ売出人かつ新株予約権を保有する中川達也及び当社の株主であり執行役員かつ新株予約権を保有する今泉陽介は、主幹事会社に対し、ロックアップ期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した当社株式の売却等は行わない旨合意しております。

 

【代表者】

代表者名 橋本 光伸(上場時45歳5カ月) /1975年生

本店所在地 東京都渋谷区南平台町

設立年 2000年

従業員数 75人 (2/28現在)(平均34.22歳、年収466.6万円)、連結80人

株主数 14人 (目論見書より)

資本金 47,560,000円 (3/19現在)

代表者生年月日

代表者略歴

1999年04月 (株)日本経済広告社入社

2000年10月 (有)メディアインタラクティブ(現当社)設立 代表取締役(現任)

2015年11月 (株)セールスサポート代表取締役(現任)


【幹事団】

主幹事証券 いちよし 345,000 75.00

引受証券 みずほ 36,800 8.00

引受証券 SMBC日興 13,800 3.00

引受証券 SBI 13,800 3.00

引受証券 楽天 13,800 3.00

引受証券 あかつき 4,600 1.00

引受証券 岩井コスモ 4,600 1.00

引受証券 エース 4,600 1.00

引受証券 岡三 4,600 1.00

引受証券 極東 4,600 1.00

引受証券 東洋 4,600 1.00

引受証券 松井 4,600 1.00

引受証券 マネックス 4,600 1.00


【参考類似企業】今期予想PER(3/31)

3675  クロスマーケG 14.6倍(連結予想 )

3695  GMOリサーチ 16.2倍(連結予想 )

3978  マクロミル 24.1倍(連結予想 )

4326  インテージHD 18.6倍(連結予想 )


【私見】

 業種としてはマーケティング関連で特殊性はあるものの、一般受けするものではなく評価は高くはないと思います。。業績は小規模ではあるものの、売上・利益共に伸びは良く評価はできます。需給ではVCはいないものの、1.5倍のロック制限はあり注意は必要ですが、規模的には小さいので上値余地はあるかと思います。


想定価額:1660円

仮条件上限:1800円

初値予想:2700円

ブック申し込み度・・・やや強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3.5

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