2021年8月4日水曜日

IPO分析(シイエヌエス)

 【事業内容】

 (1)システム基盤事業

 オンプレミス基盤(以下「オンプレ基盤」という。)事業とクラウド基盤事業の2つのサービスを提供しています。


①オンプレ基盤事業

 オンプレ基盤は、クラウドサービスの普及によりクラウド基盤への移行も今後進むと思われますが、データ保管のポリシーやネットワークの接続形態などから、金融機関等の大規模システムを保有する企業においては、機密性、安全性を優先した結果、今後も採用されることが想定されます。

 また、クラウドサービス事業者やプライベートクラウドを提供するベンダやSI事業者のサービスの構築・運用においては、オンプレ基盤の技術要件が不可欠であり、この領域の技術も日々進化しております。

 当社のパートナーである株式会社エヌ・ティ・ティ・データや株式会社野村総合研究所においても、今後も、オンプレ基盤技術を活用したソリューションを展開する見込みであることから、当社においてもオンプレ基盤の最新技術を捉え、今後も中核事業の1つと位置付けて取り組んで参ります。

 

②クラウド基盤事業

 クラウド基盤事業は利便性、可用性、運用性の高さから急速に拡大し、今後も引き続き成長が見込まれる事業です。AWSなどのパブリッククラウドを活用したシステムを構築する場合には、クラウドサービスが提供する様々な機能を必要な要件を踏まえて選択し、設計することが求められます。

 クラウド基盤事業においては、株式会社エヌ・ティ・ティ・データをはじめSI事業者とクラウドサービスの出現当初から、システム化に取り組んでおり今後も連携してビジネス拡大を進めますが、事業会社様からのご要望も多く頂いており、新たなお客様を対象とした事業拡大も見込んでおります。

 また、オンプレ基盤事業やクラウド基盤事業を推進するうえでハードウエアベンダからコンピュータ機器の調達・納品、ソフトウエアの調達・納品、クラウドサービスの調達・納品を行なうことにより、顧客へ当社グループ単独によるワンストップのサービス提供を実現しております。


(2)業務システムインテグレーション事業

業務システムの初期検討、開発から導入後運用まで全般をサポートする事業になります。当社グループは様々な業界のシステム開発の実績がありますが、特に金融業界の信用リスクや金融規制対応、流通業界の顧客管理や販売管理については、お客様との長年のノウハウがあり、上流のコンサルティングから運用・保守業務まで一貫したサービスを提供できます。


(3)ビッグデータ分析事業

 ユーザの契約情報や行動ログ、位置情報といったビッグデータを分析するモデルをつくり、分析を実施することで、顧客のビジネス課題を解決するサービスです。「あの商品を買った人は、この商品も買ってくれそうだ」、「ある年齢層で売れている商品をアピールすることにより、その年齢層の顧客の来店数を伸ばす」というようなマーケティング支援を筆頭に今後様々な広がりが期待できるビジネスです。

 通信、金融、広告、流通、小売業等の幅広い分野で戦略改善に向けたビジネスアクションの提案や予測モデルの構築、開発等の実績があります。

 本事業においては、この業界のリーダーの一つであるSAS Institute Japan株式会社 とのパートナー関係にあり、同社と連携して新たなお客様へのサービス拡大を進めております。


(4)デジタル革新推進事業

 昨今、注目されているDXを推進することを目的として、様々な技術ソリューションを提供しております。システム技術領域においては、ServiceNow社の製品を活用したシステム保守・運用業務変革の取り組みを、当社のパートナーである株式会社エヌ・ティ・ティ・データと推進しております。

 また、デジタル変革技術のひとつとして注目されているAI技術について、早くから取り組みを進めております。具体的には画像認識技術等を活用したAIのPoCや、PoCで検証されたAIを実ビジネスで利用するためのシステム化対応といった実績があり、従来のシステム開発とAI開発の両側面の知見を活かし、双方を繋ぐ橋渡し的な役割を担っています。


 

【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(連結実績)2019.5 4,434 139 275 142

(連結実績)2020.5 4,577 437 486 325

(連結実績)2021.5 4,841 458 489 336

(連結予想)2022.5 5,270 467 509 334


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(連結予想)2022.5 121.20 991.15  - 

調達資金使途 人材採用費・教育研修費、研究開発費・資格取得費用、社内基幹システムの強化


上場時発行済み株数 2,828,000株

公開株数 598,000株(公募320,000株、売り出し200,000株、オーバーアロットメント78,000株)


PER:16.0

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:11.6億

公募時時価:55億

    

【株主構成】 

富山広己 代表取締役会長 604,800 24.11 180日

N&KT(株) 代表取締役会長の資産管理会社 600,000 23.92 180日

関根政英 代表取締役社長 178,200 7.11 180日

シイエヌエス従業員持株会 特別利害関係者など 134,400 5.36

小野間治彦 取締役 112,400 4.48 180日

楠見慶太 従業員 112,000 4.47 180日

(株)NTTデータ 取引先 100,000 3.99 180日

(生協)コープさっぽろ 取引先 100,000 3.99 180日

戸田忠志 従業員 60,000 2.39 180日

種田政行 従業員 54,000 2.15 180日


本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である富山広己並びに当社株主であるN&KT株式会社、関根政英、小野間治彦、楠見慶太、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ、生活協同組合コープさっぽろ、戸田忠志、種田政行、檜森則克、宮川秀彦及び福田英明は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2022年2月15日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)等は行わない旨合意しております。

 

【代表者】

代表者名 関根 政英(上場時54歳9カ月)/1966年生

本店所在地 東京都渋谷区恵比寿南

設立年 1985年

従業員数 163人 (6/30現在)(平均33.5歳、年収567.7万円)、連結191人

株主数 69人 (目論見書より)

資本金 123,600,000円 (7/15現在)

代表者生年月日 1966年11月10日生まれ

代表者略歴

1988年04月 住信情報サービス(株)(現 三井住友トラスト・システム&サービス(株))入社

1993年01月 当社入社

2003年06月 当社取締役就任

2004年05月 ユビキタスID(株)取締役就任

2012年07月 当社常務取締役就任

2014年08月 当社取締役副社長就任

2015年07月 当社代表取締役社長就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 東海東京 - -

引受証券 岩井コスモ - -

引受証券 SBI - -

引受証券 松井 - -

引受証券 水戸 - -

引受証券 東洋 - -

引受証券 岡三 - -


【参考類似企業】


【私見】

 業種としてはSI関連で、類似業種も多く真新しさはありません。業績は緩やかに成長はしており、PERは低めですが、初値で上がってしまえば割安感はなくなります。優位性としては吸収金額の少なさと、VCなしの需給の良さで、初値に関してはそこそこ上がるでしょう。


想定価額:1650円

仮条件上限:1940円

初値予想:3500円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3.5

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