2022年4月8日金曜日

IPO分析(フルハシEPO)

 【事業内容】

(1)当社グループの事業内容について

① バイオマテリアル事業

 木質系廃材のリサイクル処理受託及び木質リサイクルチップの販売を展開しております。当社グループは、木質系廃材の処理受託において顧客となる排出事業者等より処理料(売上①)を受領するとともに、リサイクル処理過程において製造する木質リサイクルチップ販売による収入(売上②)の双方にて収益を獲得する事業モデルを構築しております。


(リサイクル処理受託)

 家屋等の解体現場や住宅建設現場等において排出される木質系廃材について、排出事業者等からリサイクル処理を受託しております。リサイクル処理の対象となる木質系廃材は、主に木造家屋の解体や新設時に発生する廃材のほか、製材端材や廃パレット等があり、排出事業者等から受け入れたこれら木質系廃材は、各地域に設置する自社リサイクル処理工場において、入荷確認及び異物除去等を行ったうえで、破砕又は切削等の処理を行うことにより木質リサイクルチップ製品として加工・製造しております。なお、当該事業においては廃棄物に係る上記の中間処理業務を行うほか収集運搬業務も提供しております。


(木質リサイクルチップ販売)

 リサイクル処理に伴い加工・製造される副産物を木質リサイクルチップ製品として販売しております。木質チップ製品のうち、塗料や接着剤等の附着物が少ない柱材や梁等から製造されるものは、紙・パルプ原料や木質ボード原料等の「木質原料チップ」として販売しており、その他の集成材や内装材等により製造されるものは、バイオマスボイラー等の石油代替の燃料(木質バイオマス発電向け含む)として販売しております。


[バイオマテリアル事業における木質系廃材リサイクルの概要]

 当該事業においては、主に当社が木質系廃材のリサイクル処理受託を、子会社である株式会社フィニティが木質系廃材のリサイクル処理受託と収集運搬を各々展開しております。また、あけぼのサービス有限会社が製品輸送を展開しておりましたが、2021年4月1日付で株式会社フィニティに吸収合併しております。


② 資源循環事業

 住宅建設現場等から排出される各種建設副産物(廃棄物)のリサイクル処理を受託しております。住宅メーカー等を顧客として、建設現場に資材回収ボックスを設置し定期的に巡回・回収を行い、当社グループのリサイクル工場において、選別、再資源化等の中間処理業務を行っております。建設副産物(廃棄物)のうち木質系廃材については、自社バイオマテリアル事業の処理工場にて木質リサイクルチップとして再生するほか、当社グループにて再資源化が可能な資材については資源として売却しております。


[新設住宅の建設現場から生まれる様々な資材の副産物]

 処理対応が困難となる資材等については、外部業者へ再資源化の2次処理委託又は埋立処分等に係る最終処分業者への委託等により、適切な廃棄物処理を実施しております。

 なお、当該事業については、当社が建設副産物(廃棄物)のリサイクルに係る中間処理を、子会社である株式会社フィニティが建設副産物(廃棄物)のリサイクルに係る中間処理及び収集運搬を行っております。


③ 環境物流事業

 木製パレット等の物流機器の製造・仕入・販売を展開しております。国内においては、物流機器(新品)の製造・仕入・販売に加えて中古物流機器の買取・販売にも注力しており、廃棄木製パレット等のリサイクル処理を含めたソリューションも提供しております。


[物流機器の製造・仕入・販売とリサイクルの概要]

 なお、当該事業については、当社が国内における物流機器の製造・仕入・販売を、子会社であるFULUHASHI CORPORATION(THAILAND)LTD.及びFULUHASHI CORPORATION(VIETNAM)LTD.が海外における事業展開を行っております。

 

④ その他

 必要となる各種サービスのグループ内製化を目的として子会社等にて事業を展開しております。各社別には、株式会社フルハシ環境総合研究所が環境コンサルティングを、ASAP SECURITY株式会社が施設・交通警備を、EPOヒューマンリソース株式会社が人材派遣・紹介サービスを提供しております。


(2)当社グループの事業展開について

① 事業所展開について

 愛知県を中心とする東海地区を基盤とした事業を展開しております。「バイオマテリアル事業」及び「資源循環事業」は、解体現場や建設現場から発生する建設廃棄物を主たる取扱対象としており、当該需要は主に都市部及びその近郊において発生することから、当社グループの事業拠点は主に東海地区に加えて、関東地区に注力した展開を行っております。

 リサイクル処理需要と木質リサイクルチップ需要のバランスが重要であり、これら各需要動向を踏まえた事業所展開を推進しております。

 また、リサイクル事業の展開に応じて、「環境物流事業」における木製パレット等の物流機器の製造・販売からリユース、リサイクル等のサービス展開も推進しております。なお国内の環境物流事業のノウハウを活かすべく海外拠点(タイ・ベトナム)へ展開を行っております。


② 木質バイオマス発電に関する取組みについて

 主力事業であるバイオマテリアル事業における木質リサイクルチップ製品の安定供給先確保を目的として、国内における複数の木質バイオマス発電事業への参画を実施しております。

  具体的な取組みとしては、住友共同電力株式会社及び住友林業株式会社との合弁による川崎バイオマス発電株式会社(2011年2月運転開始、発電出力33,000kw、当社出資比率13.0%)への出資 、同発電所への木質リサイクルチップ供給会社であるジャパンバイオエナジー株式会社(持分法適用関連会社)への出資等のほか、中部電力グループの株式会社シーエナジーとの合弁によるCEPO半田バイオマス発電所株式会社(2019年10月運転開始、発電出力50,000kw、当社出資比率10.0%)へ出資しており、それらの燃料供給を当社が担っております。また、出資・合弁事業以外にも木質リサイクルチップの納入先として木質バイオマス発電所との関係構築を強化し、これら取組みについて継続的に推進しております。


③ 環境ソリューションについて

 持続可能な開発目標における廃棄物の適正処理及び再資源化の推進、エネルギー問題及び気候変動等の解決に対するソリューションとなるものであり、当社グループは各事業展開を通じて、国際社会の目標達成に貢献できるものと考えております。

 これまでの事業展開として、国内の環境規制の整備、環境意識の向上等とともに適正な木質系廃材リサイクル処理の提案と木質リサイクルチップの市場開拓(ボイラー燃料、製紙原料、木質ボード等の建材原料等)を行ってまいりました(バイオマテリアル事業)。さらに、建設由来の木質系廃材の取扱いが主になるにつれて、その排出事業者及び発生源である建設市場に対して再資源化のソリューションを提案して、建設現場(発生源)からの選別調達及び木くず以外の建設副産物のリサイクルを展開してまいりました(資源循環事業)。

 上記各事業における創業以来の実績と信頼性の構築、これまでの事業展開において構築してきたリサイクル資源の排出事業者から木質リサイクルチップの需要者を含む資源リサイクルに係る顧客ネットワークを構築していることが事業展開における強みであると認識しております。その資源リサイクルネットワークを活かし、燃料の生産・調達が課題とされる木質バイオマス発電プロジェクトに積極的な参画を行い、環境政策(再生可能エネルギーの普及、気候変動対策等)にも貢献しております。なお、木質バイオマス発電プロジェクトは木質リサイクルチップの長期安定的な供給が見込める需要先であり、これら供給先を確保することにより、リサイクル拠点拡充及び営業・輸送コスト削減等を推進しております。

 なお、当社グループは、主に都市部及びその近郊でのさらなる拠点展開を推進させ、都市廃棄物の選別リサイクル促進、製造者への再資源化の普及、災害木処理等の地域貢献を推進しております。


【業績等】

決算期 売上高 経常利益 当期利益 純資産

2019/03 連結 - - - -

2020/03 連結 7,763,557 564,071 328,566 1,492,373

2021/03 連結 7,694,241 623,472 411,031 1,729,858

2022/03 連結 7,377,000 798,000 565,000

近四半期

2021/12 連結 5,733,385 668,690 475,815 2,021,774


1株あたり 配当金 当期利益 純資産  

2022/03  40.00 126.61 472.78  


公開株数合計 530,000 OA 79,500 

公募株数 400,000 売出株数 130,000

発行済み株数⇒4,880,000


PER:9.0

PBR:

配当利回り:3.5%

公募時吸い上げ資金:6.9億

公募時時価:56億

​   


【株主構成】 以下180日

山口直彦 26.95% 

(有)ヤマグチ 21.05%

山口昭彦 14.82%

フルハシEPO従業員持株会 6.90%

高取陽子 4.55%

山口郁子 3.83%

山口まどか 2.69%

岡田光男 2.17%

伊藤元光 1.95%

野口まさこ 1.79%


本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人及び貸株人である山口直彦、売出人である山口昭彦並びに当社株主である有限会社ヤマグチ、フルハシEPO従業員持株会、高取陽子、山口郁子、山口まどか、岡田光男、伊藤元光、野口まさこ、山口髙嗣、大嵩洋、奈良廣見、間瀬龍司、矢野辰彦、荒谷藤代、荒谷諭加、森重好美、大森正志、熊澤修次、天野幹也、服部義彦、山口玲奈、間瀬知子、坂敦雄、藤田菜美、大嵩智裕、山口孝真、水野信勝、丸山芳春、前田雅之、和田正道、山口澄江、服部雅司、木村明博、上野徹、高嵜仁宏、美濃村学、浅井豊司、長坂利治、大橋健三、安藤夫紫子、村瀬行雄、鈴木雅雄、織田直子及び苅谷公平は、大和証券株式会社(以下、「主幹事会社」という。)に対して、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目(2022年10月17日)までの期間(以下、「ロックアップ期間」という。)中は、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びグリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等を除く。)を行わない旨を合意しております。​

【代表者】

代表者生年月日 1954年10月13日生まれ

代表者略歴

1978年04月 当社入社

1983年01月 取締役

1990年10月 常務取締役

1992年10月 専務取締役

1994年10月 代表取締役副社長

1997年10月 代表取締役社長(現任)


【幹事団】

大和証券

野村證券 

岡三証券

三菱UFJモルガン・スタンレー証券

SBI証券

楽天証券

松井証券


【参考類似企業】


【私見】

 リサイクル関連で業種としては悪くないものの、業績を見ると成長性の観点からは厳しそうです。PERは低く下値不安はなく、需給からも売り圧力は全くないので、公募近辺で寄れば1日くらいは需給から上がる可能性はあるかもしれません。


想定価額:1100円

仮条件上限:1140円

初値予想:1500円

ブック申し込み度・・・中立

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3

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