2023年11月28日火曜日

IPO分析(アウトルックコンサルティング )

 【事業内容】

​ 企業の予算管理・予算編成・経費予算管理などの管理会計・経営管理を高度化・効率化するための当社独自開発のクラウド対応型経営管理システム「Sactona」の開発・販売・導入・保守・インフラストラクチャー提供を事業とし、多くの国内企業へ導入を行ってきております。

 経営管理分野は、個別の企業ごとに集計数値、管理の手法、指標の設定などが異なるので、統一されたシステムの採用が出遅れていた分野と言えます。大多数の会社において担当者が、Microsoft Corporation(以下、「マイクロソフト社」という。)のExcelに代表される表計算ソフトを使って作成した表を駆使しながら、多大な時間と手間を掛けて作業に取り組まれてきた領域ですが、取扱い情報量や処理の増加に伴い、作業の長期化、ミスの多発、属人化などが問題視されてきております。当社の「Sactona」ならびにコンサルティングサービスは、そうした企業に対するソリューションとして利用が増加しております。

 創業以来、情報技術と知見を通して全ての企業、社会のより良い未来の実現に貢献するため、企業や社会のOutlook(見通しや展望)をより見えるようにし、それを企業活動に活かすための製品・サービスを開発・提供してきております。そして私たちは、次の価値観を持って日々の業務に取り組んでおります。

 自社開発製品である「Sactona」を継続的に発展・進化させつつ、経営管理の経験を積んだ当社コンサルタントが、顧客のニーズをヒアリングしながら、「Sactona」を基盤として、顧客にとって最適な形でアプリケーションを開発し、導入しております。

 基盤となる「Sactona」においては個別のカスタマイズはせず、顧客ごとに異なる帳票管理や運用は「Sactona」上で個別にアプリケーションを開発するやり方を取ることにより、顧客ニーズに合致するシステムを柔軟にかつ経済的に導入、利用することが可能となっております。更に、顧客企業側の簡単な作業により、組織改編等含め修正対応が可能なため、システム運用コストの低減が図られます。

 また「Sactona」利用のためのサーバ環境などのインフラストラクチャーについては、顧客企業側で手配、運用するオンプレミスでの利用の他、当社がクラウド環境でインフラストラクチャーを提供するインフラサービスも利用が増加しております。


(1)収益構造

1.コンサルティングビジネス

①コンサルティング収入

(a) Sactona利用方法等に関する提案・サポート

(b) Sactona機能・範囲拡張に関する提案・サポート


2.ベースビジネス

①製品ライセンス収入

(a) 「Sactona」の利用対価として、利用ユーザ数※に応じて課金される「Sactona」ライセンス利用料(4月から翌3月までの年間利用料。毎年更新)

(b) サーバへの「Sactona」インストールに掛かる初期費用


 ②インフラサービス収入※

(a) 当社が外部データセンターを利用して運用・保守する「Sactona」利用のためのインフラストラクチャー利用料

(b) 前項(a)に追加して機能拡張する拡張オプション利用料

 

(2)顧客属性

 当社の顧客企業の属性は以下のとおりになっております。顧客企業の業種は幅広く分布し、製造業が4割、非製造業が6割というウエイトになり、企業規模は「大企業」が中心となっております。


(3)人材

 当社のコンサルタントには、高度な専門性と豊富な経営管理に関する業務知識が求められるため、IT・会計・財務分野に精通した人員を外注ではなく正社員として採用し、社内での教育と人材育成に力を入れております。人員推移は以下のとおりになっておりますが、現在コンサルタントは全従業員の6割超になっております。

    

 (4)「Sactona」とは

「Sactona」を使うことで、多くの企業で予実分析管理として使用されているExcelフォーマットをそのまま利用し、入力表を作成することが可能です。使い慣れたExcelなので、利用部門の利用負荷軽減・導入時の効率化が実現できます。


(5)「Sactona」の特徴

「Sactona」は、中期計画、事業計画、経営計画、予算編成、予算実績管理、見込管理、グループ管理、経費予算管理、プロジェクト管理などの様々な管理会計・経営管理業務への適用が可能なエンタープライズソリューション(注3)であります。主な製品の特徴は以下のとおりであります。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2024/03 単独中間実績 792 263 264 172

2024/03 単独会社予想 1,656 490 490 372

2023/03 単独実績 1,440 470 464 319

2022/03 単独実績 984 283 304 199


決算期 種別 EPS BPS 配当

2024/03 単独会社予想 105.43 - -


上場時発行済株数 3,570,000株(別に潜在株式101,016株)

公開株数 2,142,200株(公募50,000株、売り出し1,812,800株、オーバーアロットメント279,400株)

調達資金使途 採用費、海外マーケティング費用


PER:17.1

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:38.5億

公募時時価:64億

【株主構成】 

AG2号投組 投資業(ファンド) 3,520,000 97.21% 180日・1.5倍

井沢亜紀子 取締役 16,320 0.45%

岩田謙作 取締役CFO 10,666 0.29%

義村晋教 執行役員CTO 9,066 0.25%

山崎茂樹 従業員 7,372 0.20%

和田崇 従業員 4,268 0.12%

野渡寛介 従業員 3,880 0.11%

WUWENJIN 従業員 3,056 0.08%

羽生田隆史 従業員 3,018 0.08%

立川夏子 従業員 2,862 0.08%


本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、売出人かつ貸株人であるAG2号投資事業有限責任組合は、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しにかかる元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の2024年6月8日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等(ただし、その売却価格が募集における発行価格又は売出しにおける売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)を行わない旨を約束しております。


【代表者】

代表者名 平尾 泰文(上場時57歳4カ月)/1966年生

本店所在地 東京都港区南青山

設立年 2006年

従業員数 69人 (2023/09/30現在)(平均36.1歳、年収745万円)

事業内容 経営管理システム「Sactona」の開発、導入開発、経営管理コンサルティングの提供

URL https://www.outlook.co.jp/

株主数 1人 (目論見書より)

資本金 100,000,000円 (2023/11/08現在)

代表者生年月日 1966年08月08日生まれ

代表者略歴

1989年04月 三菱商事(株) 入社

2006年04月 ミレニア・ベンチャー・パートナーズ(株) 代表取締役社長 就任

2011年08月 きずなキャピタル(株) 代表取締役社長 就任

2014年04月 エーアイキャピタル(株) 代表取締役社長 就任、Torreycove LLC(在San Diego) 社外取締役 就任

2017年06月 アスパラントグループ(株) 入社、インフォマティクス(株) 社外取締役就任

2018年02月 (株)ソード 社外取締役 就任

2019年03月 当社 社外取締役 就任、FCM(株) 社外取締役 就任

2021年03月 当社 代表取締役社長 就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 SMBC日興 - -

引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - -

引受証券 マネックス - -

引受証券 SBI - -

引受証券 丸三 - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 岩井コスモ - -

引受証券 岡三 - -

引受証券 松井 - -

引受証券 水戸 - -


【参考類似企業】今期予想PER(11/10)

3836 アバントG 21.3倍 (連結予想)

3923 ラクス 239.0倍 (連結予想)

3983 オロ 21.2倍 (連結予想)

3986 ビーブレイク 12.2倍 (単独予想)

4013 勤次郎 28.9倍 (連結予想)

4684 オービック 35.9倍 (連結予想)

4733 OBC 39.2倍 (単独予想)

4776 サイボウズ 63.3倍 (連結予想)

4828 ビーエンジ 17.4倍 (連結予想)

9629 ピーシーエー 24.5倍 (連結予想)

9719 SCSK 21.5倍 (連結予想)

9928 ミロク情報 11.3倍 (連結予想)


【私見】

 経営管理システムSactonaの開発等で、類似業種も多く、知名度からも業績妙味はそれほどありません。業績は安定感はあり、PERからは適度で今後の成長性次第でしょう。VC売出し案件で、吸収金額も大きめなので厳しいスタートが予想されます。


想定価額:2000円

仮条件上限:1800円

初値予想:1700円

ブック申し込み度・・・やや弱気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3

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