2023年11月6日月曜日

IPO分析(バリュークリエーション)

 【事業内容】

​ 顧客のWeb領域における課題を総合的に解決するマーケティングDX事業と不動産領域における課題を総合的に解決する不動産DX事業を営んでおります。なお、当社の事業セグメントにつきましては、「マーケティングDX事業」「不動産DX事業」に区分しております。マーケティングDX事業においては特にレガシー業界に対してのマーケティングDX支援を行っていることと、マーケティングDX事業での集客ノウハウを活かしたマッチングプラットフォーム事業である不動産DX事業を展開することで2023年2月期において売上総利益率31%を実現しています。


(1)マーケティングDX事業

 運用型広告を中心とするプロモーション手法を通じ、顧客のWebサイトへの集客を適切に行うための課題抽出、戦略立案から広告の運用までを一貫して実施しており、広告の出稿量に比例した報酬を得ております。顧客のマーケティング戦略に応じて複数種類の広告手法・プラットフォームを柔軟に組み合わせ、プロモーションを設計・運用しております。

 具体的に提供しているものとしては、主に検索連動型広告、ディスプレイ広告、インフィード広告.等の運用型広告になります。運用型広告は、広告運用者が広告を配信するための設定を行い、ほぼリアルタイムに広告配信結果を確認、設定の改善をしていくため、運用者によって広告効果に大きな違いが出ることが特徴です。当社では2008年の創業から現在まで、多種多様なクライアントへのサービスを継続してきたことで業界や業種特有の課題を識別、情報を蓄積することでサービス品質を高めることが可能となっております。結果、顧客との良好なリレーションを構築することができ、取引継続率は約97%を保持しております。

 また、運用している広告のレポートを自動で生成するVastaを展開し提供しています。

Meta広告の配信結果レポート(広告費、クリック数、獲得数など)をワンクリックで生成可能となっており、広告の分析をすばやく提供できるため顧客の満足度に繋がっています。

 当社では、規模は大きいがDX化に遅れており、これからDX化に取り組む業界やセクターであるレガシー業界をマーケティング支援の対象としております。その市場では既存の商習慣や伝統などによりDXに取り組むことが遅くなった市場として支援可能領域は大きいと考えています。経営の課題抽出から戦略の立案、広告の実施までを一貫して提案する当社の強みが発揮できる市場となっています。

 また、「人生に役立つ」情報を網羅する自社サイト“Mola”を運営しています。Molaでは、ビジネス、デジタル、お金、恋愛、旅行、グルメ、スポーツ・レジャー、エンタメ、ヘルスケア、ビューティ、暮らし、ファッションの12カテゴリに関して、人生に役立つ情報を網羅(モーラ)し、Molaの記事を通じて、より多くの人の人生が豊かになることを目指しています。


(2)不動産DX事業

 DXで解体業界に新たな価値を届けるべく「解体の窓口」を運営しています。

「解体の窓口」という自社メディアは、業者との直接のやりとりが不要、見積もり比較から解体後の土地の売却まで、すべてオンラインで完結できるサイトです。具体的には所有する物件を解体したいと考えているユーザーと、ユーザーを探している解体業者をマッチングさせ、物件情報と写真をもとに、全国の約1,500社(2023年9月時点)の解体業者の中から解体費用の見積もり入札が届く、「逆オークション」を採用しております。通常のオークションではオークションが進むにつれて値段が上がっていきますが、解体業者が他社より安値で見積もりを提示する仕組みである点が通常のオークションと異なります。2023年9月時点でマッチング希望者数が20,000人を突破し、サービス開始から順調に推移しております。

 保有している不動産を建て替えたり売却したりする前には、ほとんどの場合において建物を解体する必要があるため、解体業者を探すことになります。業者を通して解体業者を探そうとすると仲介費用等が発生するなど時間と費用がかかります。またユーザーに解体に関する知識がないことなどから、どの解体業者を選択すべきかの判断が困難であり、トラブルの発生要因ともなっております。

 当該課題に対し解体の窓口を利用することで複数業者と個別の電話対応をしなくて済み、同条件で競われた見積もりと最安値を手間なくオンラインで入手することが可能となります。さらに当社のコンシェルジュが物件情報の詳細伝達をユーザより聞き取ったり、現地調査日時の調整を解体業者と図ったり、ユーザーに対して決断に必要な情報提供をするなどユーザーと解体業者の間に入って対応を進めることで、解体の知識がないユーザーでも安心してサービス利用ができ、解体業者は顧客とのやり取りに関するリソースを有効活用できる仕組みとなっています。

 ユーザーに対して紹介する解体業者については事前に社内において解体工事業の登録や建設業許可を受けていること及び反社会的勢力であるかのチェックや行政処分歴を確認した上で取引上問題ないと判断された業者のみユーザーにご紹介できる仕組みとしています。

 また不動産情報や建て替え情報の紹介ニーズに対して提携している不動産仲介や売買会社、駐車場会社などに紹介をし、手数料を受領する事業も展開しており、提携不動産会社は約700社となっています。

 また、デジタルマーケティングの磨き込みとオペレーショナル・エクセレンスの構築、さらに、1人の集客に対しクロスセルできるモデルを構築することで従来のマッチングプラットフォームと比較し複数のキャッシュポイントを実現しております。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2024/02 単独中間実績 1,468 122 118 76

2024/02 単独会社予想 3,027 163 148 95

2023/02 単独実績 2,823 113 121 86

2022/02 単独実績 2,438 18 28 16


決算期 種別 EPS BPS 配当

2024/02 単独会社予想 91.87 371.22 12.00


上場時発行済株数 1,105,000株(別に潜在株式136,840株)

公開株数 348,400株(公募105,000株、売り出し198,000株、オーバーアロットメント45,400株)

調達資金使途 設備資金、借入金返済、採用費・人件費


PER:19.4

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:6.2億

公募時時価:20億

​   

【株主構成】 

(同)ひまわり 代表取締役の資産管理会社 650,000 57.18% 180日

新谷晃人 代表取締役社長 255,400 22.47% 180日

大坂谷優介 取締役 34,180 3.01%

(株)エアトリ 投資業(ファンド) 22,800 2.01% 180日

乗冨健矢 執行役員 21,640 1.90%

和田晃一 執行役員 18,980 1.67%

田中佑弥 執行役員 17,720 1.56%

西田憲司 特別利害関係者など 17,080 1.50%

かっこ(株) 資本業務提携先 11,400 1.00% 180日

(株)アンビション・ベンチャーズ 投資業(ファンド) 11,400 1.00% 180日

グローバル・タイガー・ファンド3号投組 投資業(ファンド) 11,400 1.00% 180日

(株)ベクトル 投資業(ファンド) 11,400 1.00%

豊野桂太 特別利害関係者など 9,120 0.80%


本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である新谷晃人並びに当社株主である合同会社ひまわり、株式会社エアトリ、西田憲司、かっこ株式会社、株式会社アンビション・ベンチャーズ、グローバル・タイガー・ファンド3号投資事業有限責任組合、株式会社ベクトル及び豊野桂太は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2024年5月19日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)は行わない旨合意しております。

【代表者】

代表者名 新谷 晃人(上場時41歳1カ月)/1982年生

本店所在地 東京都渋谷区恵比寿

設立年 2008年

従業員数 44人 (2023/09/30現在)(平均31.5歳、年収571.4万円)

事業内容 マーケティングDX(デジタルトランスフォーメーション)事業、不動産DX事業(住宅解体のマッチングプラットフォームの運営)

URL https://value-creation.jp/

株主数 9人 (目論見書より)

資本金 34,000,000円 (2023/10/19現在)

代表者生年月日 1982年10月04日生まれ

代表者略歴

2005年04月 アドデジタル株式会社 入社

2008年04月 当社設立 代表取締役社長 就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 SBI - -

引受証券 大和 - -

引受証券 マネックス - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 あかつき - -

引受証券 岩井コスモ - -

引受証券 極東 - -

引受証券 東洋 - -

引受証券 松井 - -

引受証券 丸三 - -

引受証券 水戸 - -

引受証券 むさし - -


【参考類似企業】今期予想PER(10/24)

2389 デジタルHD 81.0倍 (連結予想)

4293 セプテーニHD 24.1倍 (連結予想)

4445 リビンT 11.3倍 (単独見込)

4499 Speee 68.5倍 (連結見込)

4784 GMO-AP 14.8倍 (連結予想)

6533 オーケストラHD 12.9倍 (連結予想)

7036 イーエムネットJ 55.3倍 (単独予想)

9554 AViC 20.7倍 (単独見込)


【私見】

 ネット広告ということでは業種妙味はありませんが、住宅解体のマッチングプラットフォームということではコアですが優位性はありそうです。業績面では、ネット広告ではやや高めの設定ですが、住宅解体の分野があるのでプラスアルファされているでしょう。需給面では、ロックはほぼされているので問題なく、吸収金額も小さいので初値はそこそこの価額が付くでしょう。


想定価額:1790円

仮条件上限:1790円

初値予想:2800円

ブック申し込み度・・・やや強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3.5

0 件のコメント:

コメントを投稿