2023年11月1日水曜日

IPO分析(Japan Eyewear Holdings)

【事業内容】

​ 眼鏡の製造・販売を主たる事業としており、持株会社であるJapan Eyewear Holdings株式会社と、事業を担う金子眼鏡グループとフォーナインズグループから構成されております。2023年1月期においては、連結売上のうち、約6割を金子眼鏡グループが、約4割をフォーナインズグループが占めております。世界トップクラスのラグジュアリー眼鏡ブランドとしての地位を確立することを目指し、国内外における直営店展開のさらなる積極化を通じ、グローバルの一角を占める企業となるべく邁進してまいります。

(1)各グループの概要

 熟練したクラフトマンシップにより自社で企画・デザインする高品質の眼鏡を製造し、ブランドの世界観を表現した独自の店舗を中心に販売しております。

a.金子眼鏡事業

 1958年に眼鏡卸売業として創業し、現在は眼鏡の企画・製造・販売をおこなっています。2023年1月期においては、売上高の約9割を直営店を通じた小売販売が占めております。2006年に一貫生産体制(SPA)に移行したことを契機に、顧客ニーズを素早く反映することが可能となり、金子眼鏡ブランドの売上高が飛躍的に向上し、高成長を遂げています。戦略的な拠点展開により、2023年9月末時点で主要都市部を中心に直営店舗80店(国内77店舗、フランス2店舗、中国1店舗)を運営しています。また、国内卸においてはメガネ専門店およびアパレル業者に対し、東京を中心に取引を行っております。海外卸においては主に東アジア(中国、香港、台湾、韓国)各国の小売店を販売先としています。眼鏡産地「福井・鯖江」をコンセプトとして、クラシックなデザインを中心としながら、年齢・性別を問わず全てのお客様に寄り添った商品展開を行っております。眼鏡の世界三大産地の一つと言われる鯖江に自社工場3拠点を有し、主に自社で製造を行っております。年代、性別に偏りがなく、幅広い顧客に支持をいただいています。


b.フォーナインズ事業

 1995年創業の高級ブランド眼鏡デザイン・販売会社であります。2023年1月期における売上構成は、全体の約5割が取引先への卸販売、約5割が直営店を通じた小売販売となっております。2023年9月末時点で、都市部を中心に13の直営店舗(国内12店舗、シンガポール1店舗)を運営しております。直営店の顧客は、40代~50代の男性が多くなっています。また、卸売先においては国内外で約1,000店舗(国内約600店舗、海外約400店舗)の小売店と取引しております。『眼鏡は道具である。』をコンセプトに、より機能性やモダンデザインに特化して商品展開を行っております。自社で企画・デザインを行い、鯖江の外部の協力工場に製造を委託しております。


(2)事業の特徴

a.金子眼鏡事業

 主に以下に記載する一貫生産体制(SPA)により、トレンドを読んだファッション性の高い眼鏡を提供可能なところにあると当社では認識しております。また、職人の技による高品質を実現しながら原価率低減を図ることで、収益性・効率性を高めることが可能となっております。

① 商品企画・調達

 製造過程でのアイデアや販売情報を取り入れたファッション性の高い眼鏡を企画しており、鯖江を中心とした眼鏡部品メーカーからフレーム素材等を仕入れています。


② 製造

 鯖江では多くの工場において各工程の分業体制で製造が行われていると認識しておりますが、金子眼鏡では、金型・プレス・メタルフレームの一部の特殊な工程を除いて、全製造工程を自社工場で実施しています。一貫生産体制をとることで、短納期かつ計画的な生産、高品質な商品の安定供給が可能となります。伝統製法と機械製造を組み合わせ、他社では真似できない艶や光沢感の醸成を図っております。自社工場では、合計で年間約9万本を生産しております。


③ 販売・アフターサービス

 こだわりを持ったデザインの店舗を地域の一等地に配置しています。ブランドイメージを醸成する立地及び店舗デザインにより、店舗が広告塔の役割を担っております。店舗では、経験豊富な専門性の高いスタッフが最新の検査機器を使用しながらお客様一人一人に合わせたフレーム・レンズの提案を行い、満足度の高い購買体験の提供を図っております。エリアマネージャーの巡回による店舗運営サポートやマーケティング施策の展開、顧客データ活用によるリピーター比率の強化等にも取り組んでおります。


b.フォーナインズ事業

 最高品質の眼鏡フレームを追求した商品企画力、また、直営店および取扱店による幅広い販売網にあります。


① 商品企画・調達

 フォーナインズのフレームは、掛けやすい、壊れにくい、調整しやすいといった、視力矯正器具に求められる機能を磨き上げることで、高い品質と美しいフォルムの商品を企画しており、年間約250型・8万本程度の新型商品を展開しています。生産は、企画した商品を鯖江にある協力工場に発注しています。

② 販売・アフターサービス

 都市部を中心に直接ブランドを発信する拠点として直営店を展開するとともに、全国に600店舗を超える取扱店により幅広い販売網を形成されております。海外においては、シンガポールに海外拠点を置き、アジアを中心に展開しており、海外における取扱店舗数は約400店舗となります。アフターサービスについては、ブランドとして可能な範囲で全てのユーザーに対応することで、顧客との信頼関係を構築しています。


【業績等】

決算期 種別 売上収益 営業利益 税引き前利益 純利益

2024/01 連結中間実績 6,403 1,794 1,582 886

2024/01 連結会社予想 13,090 3,541 3,110 1,897

2023/01 連結実績 10,722 2,226 1,305 292

2022/01 連結実績 7,073 1,130 515 90


決算期 種別 EPS BPS 配当

2024/01 連結会社予想 94.17 - 17.00


上場時発行済株数 23,944,260株(別に潜在株式690,000株)

公開株数 7,599,100株(公募1,400,000株、売り出し5,208,000株、オーバーアロットメント991,100株)

調達資金使途 新社屋・新工場の建設費用


PER:14.4

PBR:

配当利回り:1.25%

公募時吸い上げ資金:103億

公募時時価:326億

​   

【株主構成】 

金子インベスト(株) 役員らが議決権の過半数所有 10,790,640 46.44% 180日

日本企業成長投資1号投組 投資業(ファンド) 5,023,640 21.62% 180日

Camellia Fund I Cayman,L.P. 投資業(ファンド) 2,715,260 11.69% 180日

Cerasus Fund I Cayman,L.P. 投資業(ファンド) 2,108,700 9.08% 180日

Wisteria Fund I Cayman,L.P. 投資業(ファンド) 1,392,840 5.99% 180日

コタエル信託(株) 新株予約権信託の受託者 690,000 2.97%

(株)日本政策投資銀行 特別利害関係者など 469,620 2.02% 180日

武川広行 特別利害関係者など 29,040 0.12% 180日

三井衛 特別利害関係者など 14,520 0.06% 180日

 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である日本企業成長投資1号投資事業有限責任組合、Camellia Fund I Cayman, LP、Cerasus Fund I Cayman, LP及びWisteria Fund I Cayman, LP、売出人である金子インベスト株式会社、並びに当社の株主である株式会社日本政策投資銀行、武川 広行及び三井 衛は、共同主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後180日目の日までの期間(以下、「ロックアップ期間」という。)、共同主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、売出人及び貸株人については、引受人の買取引受による売出し、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社が取得すること等を除く。)を行わない旨を合意しております。

 

【代表者】

代表者名 金子 真也(上場時65歳3カ月)/1958年生

本店所在地 福井県鯖江市吉江町(東京本社 : 東京都世田谷区成城)

設立年 2019年

従業員数 13人 (2023/09/30現在)(平均43.5歳、年収589.7万円)、連結525人

事業内容 アイウエアの企画・デザイン・製造・卸および販売

URL https://www.japan-eyewear-holdings.co.jp/

株主数 8人 (目論見書より)

資本金 10,000,000円 (2023/10/12現在)

代表者生年月日 1958年08月11日生まれ

代表者略歴

1981年04月 金子眼鏡 入社

1999年09月 旧・金子眼鏡㈱ 代表取締役社長

2019年10月 金子ホールディングス㈱ 代表取締役社長、金子眼鏡㈱ 代表取締役社長(現任)

2022年12月 ㈱フォーナインズ 取締役(現任)

2023年05月 当社 代表取締役社長(現任)


【幹事団】

主幹事証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - -

主幹事証券 大和 - -

引受証券 SMBC日興 - -

引受証券 野村 - -

引受証券 みずほ - -

引受証券 SBI - -

引受証券 岩井コスモ - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 マネックス - -

引受証券 松井 - -


【参考類似企業】今期予想PER(10/17)

3046 JINSHD 28.0倍 (連結予想)

7455 パリミキHD 28.3倍 (連結予想)

7741 HOYA 67.9倍 (連結見込)

7743 シード 28.4倍 (連結予想)

7780 メニコン 17.6倍 (連結予想)

7782 シンシア 16.2倍 (連結予想)

9263 ビジョナリー 301.5倍 (連結予想)

9854 愛眼 26.1倍 (連結予想)


【私見】

 高級眼鏡ということで優位性はあるものの、眼鏡に関してはJINSHDなどのような安価な方が時代の流れかと思いますし、個人的には知らなかったブランドなので成長性はどうかなとも思います。ファンド案件ということもマイナス材料ですが、業績に関しては良く、仮条件を下げたことにより他社のPERに比べて多少の割安感はあります。株主のファンドにはロックはかかっているので問題はないのですが、スタンダードの100億案件で買い手不在が予想され、人気にはならないと予想します。


想定価額:1700円

仮条件上限:1360円

初値予想:1360円

ブック申し込み度・・・中立

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3

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