2023年11月18日土曜日

IPO分析(アスマーク)

 【事業内容】

 マーケティング・リサーチ事業を基軸として、昨今の労働人口の縮小する日本の大きな課題解決に対して、具体的な答えとノウハウを提供し貢献することを目的として各サービス展開を図っております。

・マーケティング・リサーチ事業

 「自社独自の価値を創造し続け、独創的で高品質なマーケティング・リサーチサービスを提供する企業として顧客・リサーチ業界の発展に貢献する」を企業ビジョンのひとつとして掲げており、国内外において、マーケティング・リサーチに関するサービスを提供しております。

 マーケティング・リサーチとは、企業や公共機関が、消費者が本当に望んでいるもの、本当に魅力を感じていただけるものを作るための情報を科学的に集め、分析し、商品計画等に反映させる手法です。

 マーケティング・リサーチ市場における調査は、会場調査や訪問調査、座談会等リアルな現場において消費者から意見を聴取する手法(オフライン・リサーチ)と、インターネットを活用して消費者パネルと質問・回答のやりとりを行い定量的なデータを取得する手法(オンライン・リサーチ)に大別されますが、当社は国内外における顧客ニーズに合わせた双方の手法を網羅したサービスを有しております。


[当社のマーケティング・リサーチサービス]

 一般的に企業が、新商品・新サービスを開発する際には、マーケティング・プロセスと呼ばれる過程を経て、世の中に販売(上市)されます。どの市場(市場機会の発見)、どんな人に(市場の選定)、どんなモノを(コンセプト開発)、何をいくらで、どこでどのように(4P(注)の開発・策定)販売すれば消費者に受け入れられるかを検証することが重要となり、上市した後のプロモーションの効果検証、改善についてもマーケティング・プロセスの一環となります。

 当社では、そのマーケティング・プロセスにおいて必要な解決方法をすべて網羅的に有しており、顧客のマーケティング課題に合わせて、課題整理、調査企画・設計、調査実施、集計・分析、レポート作成に至るまで、リサーチの川上から川下まで、マーケティング・プロセスにおけるトータルサポートを可能にしています。

 

[当社のサービス]

 当社事業の内容は、オンライン・リサーチ、オフライン・リサーチ、パネル・リクルーティングの各サービスに大別されます。

 オンライン・リサーチサービスとは、課題整理を始めとしてWEB調査表作成、依頼メール配信、実査(回答データ収集)、集計、調査レポート作成にいたる一連の業務です。

 オフライン・リサーチサービスとは、WEB上での対象者リクルーティング、オフライン・リサーチ実査、集計、調査レポート作成にいたる一連の業務です。

 パネル・リクルーティングサービスとは、クライアント自身がオフライン・リサーチを実施する際に、調査対象者をWEB上でリクルーティングして、パネルを実査会場へ誘導するまでの一連の業務です。


 [当社特有のオンラインインタビューツールについて]

 2020年9月に仮想バックルームを実装したオンラインインタビューツール「i-PORT voice」をリリースしております。本ツールは、オンラインでも高品質で快適な定性調査を実現できる、当社のオリジナルシステムとなります。当社では、以前より定性調査をオンラインで実現することに取り組んでまいりました。「i-PORT voice」とは、新型コロナ禍以降でも、数多く実績のオンライン定性調査を誇る当社が、実務経験を活かし開発した、調査会社としては初めてのオンラインインタビューシステムとなり、調査モニターとの対面インタビューや分析を得意とし、バックルーム環境の充実や、モデレーター目線など、リアルな使い心地を追求して設計されております。


[当社の品質管理について]

 マーケット・リサーチサービスに関する国際規格である「ISO 20252」を取得しており、当社内における本規格が要求する業務プロセスを実行することによりクライアントに信頼性の高いサービスを提供しております。一方、クライアントは、当社に発注することにより、国際規格に準拠した業務プロセスによって提供される、確かな品質のマーケティング・リサーチサービスを受けることが可能となります。本規格は、「高品質」を謳ってきた当社のサービスに対する、第三者が行う評価に基づいた客観的な裏付けとなっており、当社サービスに対する信頼性が高まっております。

 

[当社のクライアントについて]

 リサーチを利用する顧客は、調査会社、広告代理店、一般消費財メーカー、マスコミ関連企業等があります。なお、2022年11月末現在、クライアント社数は、1,061社、クライアント窓口数は、2,371窓口となります。

 

[当社のリサーチ・パネル]

 当社の事業において、パネルの質と量は非常に重要な要素であります。2023年6月末現在、有効パネル数は、100万人超となっており、国内でも大規模な自社パネル基盤を有しております。パネルの属性につきましては、年齢別で30代~40代が全体の約5割を占めており、また男女比につきましては、男性が46%、女性が54%となっております。パネルは様々なジャンルの多数のサイトから集め、パネル獲得に要する費用の低コスト化に努めております。

 また当社では、パネルポイント制度を導入し、パネルのモチベーション維持に努めるとともに、定期的なパネルとのコミュニケーション、グレーパネルを排除する等の対策を講じることにより、パネルの質の向上にも努めております。

 当社のリサーチ専用パネル(D style webパネル)は、アンケート依頼が電子メールで届くと、個々のMyページからアンケート画面にアクセスし、協力する調査ごとにアンケート回答します。オンライン調査の場合は、回答すると、アンケートの分量に応じて定められたポイントが付与され、一定ポイント以上貯まると、現金、電子マネー、Amazonギフト券などと交換することができます。オフライン調査の場合は、アンケートに回答した日程で実施される調査に参加すると、その場で現金謝礼を受け取ることができます。

 なお、当社が募集したパネルは、当社が依頼するアンケートの回答のみを行っており、企業の広告や販売促進の対象としてダイレクトメールを受け取る等、アンケート以外の目的のために利用されることはありません。

 

2.パネルポイント制度とはアンケートへの協力に応じてくれたパネルに対してポイントを付与し、一定のポイントが貯まった時点で現金、電子マネー等に交換できる制度です。このパネルポイントは、当社にとってはコストに相当するものでありますが、一定額に達した段階ですべてのパネルがポイント交換を要求するわけではなく、交換せずにそのままポイントを貯めるパネルもおります。そのため当社では、「ポイント引当金」を計上し、将来交換される見込額を引き当てております。


3.グレーパネルとは当社が依頼するアンケートに対し、著しく矛盾した回答をするパネルや意図的に回収データの精度を歪める回答をするパネルをいいます。


[パネルの募集方法]

 全国300以上の様々なジャンルのWEBサイトから、アフィリエイトプログラムを通じて随時D style webパネルの募集を行っています。インターネット利用者を代表するパネルを目指し、属性に偏りが発生しないよう注意してパネル構築を行っています。

 

[顧客からの信頼について]

 業界内では類を見ない柔軟なオペレーションと、網羅性のあるサービスを特徴としており、揺るぎない顧客基盤を形成しております。多種多様な業界との取引実績として年間取引社数は2022年11月期実績で1,061社となり、強固な信頼関係に裏付けられたリピート率は95.3%となります。


[HRテック事業]

 昨今、少子高齢化が及ぼす労働人口の減少が、人材不足や採用難を引き起こし、日本企業において人材難が最重要課題のひとつだと捉えられています。従業員の会社に対する「愛着心」や「思い入れ」(エンゲージメント)を高め、人材の維持と社員の退職を引き留めるための施策を打ち続けることで、人材の流出を防ぐことが見込めると考えている中、当社ではこういった課題を解決するために、労働集約的な会社が往々にして抱えている従業員満足度に対する課題に向き合い、自社内でもその課題に悩み、実践してきた経験と、今まで培ってきたマーケティング・ノウハウを融合したサービス「Humap(ヒューマップ)」を2020年6月にリリースしております。これは人事戦略のひとつとして、従業員のエンゲージメント/モチベーションの把握と、組織がどうあるべきなのかを知るために、社内コミュニケーションから業務効率までを解決するツールとなっており、求められる「働き方改革」と、近い将来、必ず直面する「労働人口不足」を解決するために、HRテックを活用した組織の働き方改革を応援するサービスです。

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【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2023/11 単独3Q累計実績 3,215 284 300 215

2023/11 単独会社予想 4,364 307 318 208

2022/11 単独実績 3,892 323 318 178

2021/11 単独実績 3,354 222 225 196


決算期 種別 EPS BPS 配当

2023/11 単独会社予想 208.41 981.58 0.00


上場時発行済株数 1,085,000株(別に潜在株式127,200株)

公開株数 586,500株(公募85,000株、売り出し425,000株、オーバーアロットメント76,500株)

調達資金使途 リサーチシステム開発費、広告宣伝費、インフラ関連の設備強化、採用費


PER:11.0

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:13.5億

公募時時価:25.0億

【株主構成】以下180日 

町田正一 代表取締役社長 874,900 87.49%

(株)ビデオリサーチ 取引先 50,000 5.00%

町田香織 代表取締役の配偶者 30,000 3.00%

(株)ドゥ・ハウス 特別利害関係者など 25,000 2.50%

木原康博 取締役 20,000 2.00%

(株)MAM 取締役が代表取締役の会社 100 0.01%


(1)TOKYO PRO Marketにおける当社普通株式の取引(気配表記を含む。)がブックビルディング方式による発行価格及び売出価格の決定に影響を及ぼすおそれを可及的に排除する観点から、本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である町田正一、売出人である木原康博、当社株主である株式会社ビデオリサーチ、町田香織、株式会社ドゥ・ハウス及び株式会社MAM並びに当社新株予約権者である水城良祐、飯田恭介、観野広、藤崎浩美、金井和彦、内藤正和、大内智、南雲健司、田浦典幸及び逸見祥広は、主幹事会社に対し、本書提出日から当社普通株式に係るTOKYO PRO Marketからの上場廃止予定日である2023年12月3日までの期間中は、本書提出日現在に自己の計算で保有する当社普通株式(当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した当社普通株式を含む。)の売却等又はこれらに係る注文を行わない旨を約束しております。


(2)本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である町田正一、売出人である木原康博、当社株主である株式会社ビデオリサーチ、町田香織、株式会社ドゥ・ハウス及び株式会社MAM並びに当社新株予約権者である水城良祐、飯田恭介、観野広、藤崎浩美、金井和彦、内藤正和、大内智、南雲健司、田浦典幸及び逸見祥広は、主幹事会社に対し、東京証券取引所スタンダード市場への上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2024年5月31日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式(当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した当社普通株式を含む。)の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)は行わない旨合意しております。


加えて、当社は主幹事会社に対し、元引受契約締結日から東京証券取引所スタンダード市場への上場(売買開始)日(当日を含む。)後180日目の2024年5月31日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の発行、当社株式に転換若しくは交換される有価証券の発行又は当社株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行等(ただし、本募集、株式分割及びオーバーアロットメントによる売出しに関連し、2023年10月30日開催の当社取締役会において決議された主幹事会社を割当先とする第三者割当増資等を除く。)を行わない旨合意しております。


【代表者】

代表者名 町田 正一(上場時56歳11カ月)/1967年生

本店所在地 東京都渋谷区東

設立年 2001年

従業員数 290人 (2023/09/30現在)(平均33.2歳、年収461.1万円)

事業内容 マーケティング・リサーチ事業

URL https://www.asmarq.co.jp/

株主数 6人 (目論見書より)

資本金 50,000,000円 (2023/10/30現在)

代表者生年月日 1967年01月03日生まれ

代表者略歴

1989年04月 シンガポール株式会社入社

1994年01月 株式会社ウォータースタジオ入社

1995年11月 有限会社KGS入社

1997年04月 株式会社ATS入社

1999年09月 株式会社エイバックズームインターネット入社

1999年10月 株式会社川上商店入社

2001年12月 当社設立代表取締役就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 SBI - -

引受証券 大和 - -

引受証券 岡三 - -

引受証券 極東 - -

引受証券 松井 - -

引受証券 あかつき - -


【参考類似企業】今期予想PER(10/31)

2467 バルク 46.0倍 (連結予想)

3675 クロスマーケG 7.4倍 (連結予想)

3695 GMOリサーチ 12.6倍 (連結予想)

3978 マクロミル 7.9倍 (連結予想)

4196 ネオマーケ 15.2倍 (連結見込)

4326 インテージHD 21.1倍 (連結予想)


【私見】

 マーケティング事業で、類似業種も多く優位性もなさそうなので業種妙味はありません。業績は悪くはなく、PERは低い業界ではありますが、やや低めの設定かと思います。株主構成から売り要素はありませんが、SBI主幹事で人気化の要素はなく、公募前後の動きでしょう。


想定価額:2300円

仮条件上限:2300円

初値予想:2300円

ブック申し込み度・・・中立

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3

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