2024年6月3日月曜日

IPO分析(インテグループ)

 【事業内容】

​(1) M&A仲介サービスについて

 当社のM&A仲介サービスは、会社売却を希望されている経営者に、初期のご相談から、売却見込額の査定、買い手候補企業・譲渡スキームの提案、必要資料の準備、買い手候補の選定、買い手候補への提案、買い手候補との面談、条件交渉、基本合意、デューデリジェンスのアレンジ、最終契約に至るまでワンストップで支援するサービスです。


(2) 当社の特徴

①完全成功報酬制の料金体系

 売り手・買い手ともに、着手金(一般的に仲介契約書締結時に発生)、中間金(一般的に基本合意書締結時に発生)を徴収せず、成功報酬のみでM&Aを支援しております。

 M&Aは必ず成立するというものではなく、交渉が進んでいても、最後の最後まで破談する可能性があります。最終的にM&Aが成立しなかった場合でも、着手金や中間金は返金されないケースが多くなっております。当社のM&A仲介サービスでは、M&Aが成立しなければ報酬は一切発生しませんので、顧客は不要なリスクを負うことなく、安心して利用することができます。


②低廉な最低成功報酬額

 M&A仲介業界では、最低成功報酬額という成功報酬の下限設定が存在します。上場している大手M&A仲介専門会社4社は、この最低成功報酬金額として20百万円~25百万円を採用しております(2024年4月末日時点の各社HPを基に当社調べ)が、当社は15百万円と低い水準となっております。このため、国内中小企業M&A市場におけるボリュームゾーンである小規模案件について、当社の低廉な最低成功報酬額は、価格競争力を有します。

 ※最低成功報酬額とは、譲渡価格に一定の料率を乗じて算定される成功報酬について下限を設けるもので、小規模案件に適用されます。例えば、譲渡価格120百万円の案件であれば、最低成功報酬の設定がなければ成功報酬額は120百万円×5%=6百万円となりますが、最低成功報酬が15百万円と設定されていれば譲渡価格120百万円の案件であっても、成功報酬額は15百万円に固定されます。最低成功報酬額の設定は各社で大きく異なっております。


③売買金額ベースの成功報酬算定方式

 上場している大手M&A仲介専門会社4社の中には、成功報酬の算定基準を移動総資産ベースとする会社もある中、当社は売買金額ベースの算定基準を採用しております。売買金額ベースの算定方式は移動総資産ベースの算定方式と比して顧客の負担額が下がるため、顧客にとってのコストメリットがあり、価格訴求力を有しております。


(3) 業務フロー

 M&A仲介サービスは、M&Aの初期相談から最終のクロージングまで、コンサルタント1名が一気通貫で支援する体制をとっております。プロセスごとに担当を分ける分業制に対して、当社の一気通貫の支援体制では、全てのプロセスに精通したコンサルタントが最初から顧客の相談に乗ることで、顧客との信頼を醸成できることに加え、論点が早い段階で明確になり、顧客に寄り添った質の高いサービスが提供可能になります。

 また担当者間の非効率な情報共有、ミスコミュニケーションも発生せず、スピードと効率性が向上します。一方で、作成資料はダブルチェックする管理体制を整備しており、業務の質を担保するよう努めております。業務フローの各プロセスは以下の通りです。


① ソーシング

 インターネット等への広告出稿、ダイレクトメール、及びコールドコール(架電リストに対して行う新規の電話営業)によるダイレクトソーシング、並びに、金融機関等の提携先からの紹介によるネットワークソーシングを通じて、会社・事業の売却を希望する経営者又は企業(売り手)と会社・事業の買収を希望する企業(買い手)から幅広くM&Aに関する相談を受けます。

 なお、現在、当社では、広告出稿、ダイレクトメール及びコールドコールにより顧客を直接開拓するダイレクトソーシングを得意としておりますが、今後の更なる成長のために、これらの手法ではアクセスしにくい潜在顧客との接点を増やすべく、金融機関等の提携先からの紹介であるネットワークソーシングの強化を進めております。


② 案件化

 売り手から売却相談を受けた場合、秘密保持契約書を締結した上で、売却可能性の診断、企業価値評価、及び買い手候補の提案を行い、売り手と仲介契約書を締結します。仲介契約書を締結後、資料パッケージ(※3)の作成、買い手候補への打診を行います。


③ 買い手への提案

 買い手から買収相談を受けた場合、買収希望をヒアリングした上で、買収ニーズを当社の社内データベースに登録します。その後、買い手の買収ニーズに合致する具体的な売却案件が出てきた際に、ノンネームシートによる提案を行い、秘密保持契約書を締結した上で、詳細資料による提案を行います。その後、売り手とのトップ面談まで進む場合には、買い手と仲介契約書を締結します。

 このように、売り手の売却ニーズありきで、買い手候補に売却案件を紹介することが一般的ですが、これとは逆に、買い手の買収ニーズありきで、売り手候補にM&Aの打診をしていくこともあります。


④ マッチング及びエグゼキューション

 売り手と買い手を中立的に仲介する立場として、売り手と買い手のマッチング、トップ面談の設定、意向表明書の授受、基本合意書の締結、デューデリジェンスの設定、最終条件の交渉、株式譲渡契約書等の契約書類等の調整、譲渡の実行・譲渡対価の支払(クロージング)まで、M&Aにおける一連のプロセスを支援し、クロージングが完了した段階で、売り手と買い手の双方から成功報酬を受領します。

 また、当社が売り手のファイナンシャル・アドバイザー、提携先が買い手のファイナンシャル・アドバイザー(又はその逆)の立場でM&Aを支援することもあり、この場合、M&Aが成立すれば、当社は売り手(又は買い手)からのみ成功報酬を受領します。

 なお、提携先から売り手又は買い手の紹介を受けていた場合は、クロージング後に、業務提携契約に定めた紹介料(売り手又は買い手から受領した成功報酬の一定割合)を当社から提携先に支払います。現状、主としてダイレクトソーシングによる案件開拓を行っていることから、当社の成約組数に占める提携先からの紹介案件比率は低くなっておりますが(2023年5月期において紹介料の支払が発生した案件は全成約47組中8組)、金融機関との提携を担当するコンサルタントを置くなど提携先からの案件開拓の強化を進めております。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2024/05 単独3Q累計実績 1,405 654 655 430

2024/05 単独会社予想 2,167 962 960 652

2023/05 単独実績 1,273 238 238 170

2022/05 単独実績 649 13 11 0


決算期 種別 EPS BPS 配当

2024/05 単独会社予想 326.44 671.00 0.00


上場時発行済株数 2,050,000株(別に潜在株式221,100株)

公開株数 609,600株(公募50,000株、売り出し480,200株、オーバーアロットメント79,400株)

調達資金使途 人材採用費・人件費、広告投資


PER:12.1

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:24.1億

公募時時価:81億

​   

【株主構成】 以下180日

藤井一郎 代表取締役社長 1,000,000 45.02% 売出△240,100

籠谷智輝 取締役副社長 1,000,000 45.02% 売出△240,100

広瀬一憲 取締役 61,500 2.77%

中島知広 従業員 20,700 0.93%

徳田陽太 従業員 18,100 0.81%

松本直久 従業員 17,400 0.78%

森山克哉 従業員 12,700 0.57%

高辻智之 従業員 11,200 0.50%

佐藤優哉 従業員 9,300 0.42%

堤瞭 従業員 7,100 0.32%


 本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、売出人かつ貸株人である藤井一郎及び籠谷智輝、当社新株予約権者である廣瀬一憲、中島知広、徳田陽太、松本直久、森山克哉、高辻智之、佐藤優哉、堤瞭、牟田口賢次郎、川﨑勝之、増田薫則及びその他10名は、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しにかかる元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の2024年12月14日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。


【代表者】

代表者名 藤井 一郎(上場時50歳1カ月)/1974年生

本店所在地 東京都千代田区丸の内

設立年 2007年

従業員数 39人 (2024/04/30現在)(平均32.2歳、年収1632.5万円)

事業内容 M&A(合併・買収)仲介業

URL https://www.integroup.jp/

株主数 2人 (目論見書より)

資本金 100,000,000円 (2024/05/15現在)

代表者生年月日 1974年05月18日生まれ

代表者略歴 

1997年04月     三菱商事㈱ 入社

2004年06月     フリービット㈱ 入社

2005年10月     ㈱サンベルトパートナーズ(現かえでファイナンシャルアドバイザリー㈱)取締役就任

2007年06月     当社設立 代表取締役社長就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 SMBC日興 - -

引受証券 SBI - -


【参考類似企業】今期予想PER(5/20)

2127 日本M&A 22.2倍 (連結予想) 時価2570億 売上440億 経常170億

9552 M&A総研H 56.4倍 (連結予想) 時価2530億 売上170億 経常80億

6196 ストライク 17.7倍 (連結予想) 時価830億 売上180億 経常70億

6080 M&Aキャピ 12.4倍 (連結予想) 時価680億 売上228億 経常81億

7360 オンデック 19.0倍 (単独予想) 時価35億 売上16億 経常2.4億

9236 ジャパM&A 18.3倍 (単独予想) 時価30億 売上10億 経常2.7億

7076 名南M&A 16.7倍 (単独予想) 時価25億 売上17億 経常2.3億

   

【私見】

 M&A仲介の中堅で、業種としては人気業種なので業種妙味はあります。コンサルの人数は前期平均26.5人から当期は34人で、現状トップ4との差は大きいですが、上場を機に近づくことは可能で、将来的にトップ5となる可能性はあると思います。上との差は利益規模で3~4倍はあるので、時価総額も100億前後は妥当な水準で、来期の利益予想の次第では150憶も目指せると思います。資金調達を必要としなく売出し銘柄ですが、株価的には上がる要素となり、初値・セカンダリー共に楽しみな銘柄です。


想定価額:3830円

仮条件上限:3960円

初値予想:6500円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立〜やや強気

総合評価:4

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