2024年10月2日水曜日

IPO分析(伸和)

 【事業内容】

​ 「魅力的な北海道の食を通じてお客様にあふれる感動をお届けする」という企業理念を掲げ、「食を通じてあふれる感動」のコーポレートスローガンに従い、それらを実現することが出来る企業を目指し、当社は、北海道を中心とした飲食事業及び物販事業、全国の商社等を対象とした卸売事業を展開しております。また、株式会社エイチビーフーズは、飲食事業における酒類の仕入拠点となっております。

 当社グループの報告セグメントは、飲食事業、物販事業及び卸売事業であります。現在、飲食事業としては、居酒屋業態の「炭火居酒屋 炎」、焼肉専門業態の「ホルモン一頭買い 牛乃家」、バル業態の「洋食バル 函館五島軒」、「生ソーセージバル レッカー」、フードコート業態の「ヒンナヒンナキッチン 炎」の5ブランドを直営方式にて店舗展開しております。また、物販事業としては、惣菜販売業態の「美唄焼鳥・惣菜 炎」、お持ち帰りとイートインの併合業態の「カレーハウス レッツゴーカレー」の2ブランドを直営方式にて店舗展開しております。これらの異なる業態の出店形態により、様々なお客様の嗜好ニーズに応えるとともに、特にコロナ禍にあってもリスクヘッジできる事業ポートフォリオを構築できていることが大きな特徴となっております。卸売事業としては、冷凍加工食品の企画・製造・卸売販売を行っております。商品の特徴としては、大手食品メーカーと共同開発を行い、メーカーの代表的な商品にアレンジを加えたオリジナル商品を販売しております。


<事業の特徴>

 当社設立以来、「食を通じてあふれる感動」というコーポレートスローガンのもと、お客様に食品とサービスで感動していただけるよう、日々の接客や商品開発に取り組んでおります。基本的なサービスマニュアルはあるものの、スタッフはさらに自ら考え、同マニュアルにないおもてなしを表現できるよう、企業理念の浸透、教育に取り組んでおります。

 こうした企業理念を指針とした上で、当社グループの主力である飲食事業及び物販事業の特徴は、次のとおりであります。


① 食材における特徴

 食材に関して、仕入れ・製造から販売まで一貫した体制を構築しております。原料の仕入れに関しては安定供給や価格競争力の強化を目的として、地元の農業生産者との連携によるバリューチェーンの構築を推進しております。また、仕入れた原料を自社工場(セントラルキッチン)で「塩ザンギ」等に加工し、店舗等を通じてお客様へお届けしております。そのため、地域の特産品等を用いて、地産地消を推進し、お客様が安心して召し上がることが出来て、美味いと感じて頂ける、安全な料理の提供を第一に考えております。


② 生産における特徴

 北海道札幌市及び北海道岩見沢市で運営している自社工場(セントラルキッチン)において店舗で提供する「塩ザンギ」、「生つくね」、「焼き鳥」等の主力製品の仕込み製造を一括して行うことで、提供料理の質の均一化、各店舗での製造工程の一部省略により、お客様が美味いと感じて頂ける料理を迅速に提供することを心がけております。

 また、「生つくね」は、とり串やから揚げ用にカット処理した際に発生する鶏肉の端肉を無駄なく有効活用できないか考案していた際に、当社がブランド冷凍食品企画販売を開始して以来、ハンバーグの製造で積み上げたミンチ肉の加工ノウハウを活用して、生み出した商品であります。「生つくね」及び「生ソーセージ」は、調理の際に下処理として茹でる工程を必要とせず、チルドの状態から焼き上げることが可能なように工夫を重ねており、素材に含まれる肉本来の旨味が残った状態で焼き上げて提供しております。


③ 店舗運営における特徴

 店舗運営は、直営店を原則としております。フランチャイズ展開した場合に比べ、会社の方針、施策等を迅速かつ適切に浸透でき、また、店舗管理も容易かつ機動的に実施できることから、店舗運営の効率化及び提供サービスの均質化を確保し、各業態のブランディングを図っております。


④ 出店における特徴

 地域を特定し、その特定地域内に集中した店舗展開を行うドミナント出店により、店舗運営の効率を高めております。また、店舗間の人材・食材の相互融通等により、機会損失の発生を回避しております。


・飲食事業

「居酒屋」業態

 自社工場(セントラルキッチン)で製造された商品の「生つくね」を主力商品として、北海道美唄市の名物である美唄焼き鳥等、地産地消をコンセプトに北海道の新鮮な食材を用いた焼き鳥・海鮮等120種類の居酒屋メニューを提供しております。当業態で取り扱う主力商品である「生つくね」や各種焼き鳥の製造に用いる食材は、物流を効率化することにより、お求めやすい価格で鮮度の高い商品の提供に努めております。


33店舗


・「焼肉専門」業態

 職人が毎日手切りする新鮮な本格ホルモンを中心に提供する焼肉専門業態です。ホルモンを中心に提供しているため、お求めやすい価格で焼肉を提供できる店舗として運営しております。

3店舗


・「洋食バル」業態

 名物の鴨カレーを中心とした、1879年の創業から変わらない味を今に伝える洋食レストランであります。北海道産の厳選素材を使用した料理と一緒にお酒を楽しむことができる店舗として運営しております。

1店舗


・「フードコート」業態

 初の試みとなるフードコートでの業態であり、国立アイヌ民族博物館内にその第1号店を開店させました。北海道産の厳選素材を使用した料理を取り揃え、和食・洋食・中華及び軽食メニューを楽しむことができる店舗として運営しております。

1店舗


・「生ソーセージバル」業態

 ドイツ語で「美味しい」を意味する「レッカー」を店舗名とし、「生ソーセージ」を中心にハム、ソーセージ、ハンバーグ等を提供しております。自社工場(セントラルキッチン)で製造した新鮮な挽肉と本場ドイツのスパイスを使用して作られた「生ソーセージ」等と一緒にお酒を楽しむことができる店舗として運営しております。

3店舗


・物販事業

「惣菜販売」業態

 オリジナルの製法で調理した「塩ザンギ」を主力商品として、焼き鳥や串等の惣菜を提供するお持ち帰り専門店です。「塩ザンギ」は、自社工場(セントラルキッチン)で仕込みをした後、各店で調理し、揚げたてを提供しております。一方、その他焼き鳥等の串は、自社工場(セントラルキッチン)で調理したものや商社から仕入れたものを販売しております。

50店舗


・物販事業

「カレーハウス」業態

 「ウマイ!ハヤイ!カラーイ!」をコンセプトにしたフードコート型カレーハウス業態であり、コクのあるスパイスに加えて辛さを20段階の範囲で選ぶことができ、お客様にあった辛さを選ぶことができるカレーメニューとなっております。

 「カレーハウス」業態では、イートインとテイクアウトの両方の営業形態に対応した店舗を運営しております。

2店舗


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2025/03 連結会社予想 6,048 198 199 141

2024/03 連結実績 5,871 188 208 140

2023/03 連結実績 5,359 53 273 138


決算期 種別 EPS BPS 配当

2025/03 連結会社予想 106.89 536.13 32.00


上場時発行済株数 1,350,000株(別に潜在株式44,010株)

公開株数 170,000株(公募50,000株、売り出し120,000株)

調達資金使途 新店出店のための設備投資


PER:15.4

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:2.8億

公募時時価:22億

​   

【株主構成】 

(株)STT 正副社長の資産管理会社 599,900 46.15%

佐々木稔之 代表取締役社長 350,000 26.92%

佐々木智範 取締役副社長、代表取締役の実弟 350,000 26.92%

(同)Soffice 特別利害関係者など 100 0.01%


(1)TOKYO PRO Marketにおける当社普通株式の取引(気配表記も含む。)がブックビルディング方式による発行価格及び売出価格の決定に影響を及ぼすおそれを可及的に排除する観点から、本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人且つ当社株主である佐々木稔之、佐々木智範、当社株主又は新株予約権者である株式会社STT、合同会社Sofficeほか43名の計47名(新株予約権者含む全株主)は、主幹事会社に対し、本書提出日から当社普通株式に係るTOKYO PRO Marketから上場廃止予定日である2024年10月20日までの期間中は、本書提出日現在に自己の計算で保有する当社普通株式(当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した当社普通株式を含む。)の売却等又はこれらに係る注文を行わない旨を約束しております。


(2)本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人且つ当社株主である佐々木稔之及び佐々木智範並びに当社株主である株式会社STTは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から札幌証券取引所アンビシャスへの上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2025年4月18日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出しは除く。)等は行わない旨合意しております。


【代表者】

代表者名 佐々木 稔之(上場時52歳2カ月)/1972年生

本店所在地 北海道札幌市西区二十四軒二条

設立年 2006年

従業員数 94人 (2024/08/31現在)(平均39.2歳、年収430.3万円)、連結94人

事業内容 飲食事業として「炭火居酒屋炎」、物販事業としてお持ち帰り専門店「美唄焼鳥・惣菜炎」の展開、冷凍加工食品の卸売り

URL https://shinwa-holdings.co.jp/

株主数 4人 (目論見書より)

資本金 13,000,000円 (2024/09/12現在)

代表者生年月日 1972年07月24日生まれ

代表者略歴

1995年04月 株式会社伊藤忠フーズ入社

1998年04月 株式会社プライムジャパン入社

2004年05月 有限会社伸和代表取締役就任、10月:有限会社ベストフーズ(当社に合併)代表取締役就任

2006年08月 株式会社伸和(現当社)代表取締役社長就任(現任)

2008年03月 株式会社エイチビーフーズ代表取締役就任

2014年02月 株式会社エスティコーポレーション設立 代表取締役就任(現任)

2017年02月 株式会社STT設立 代表取締役就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 アイザワ - -

引受証券 SBI - -

引受証券 北洋 - -

引受証券 東海東京 - -

引受証券 マネックス - -

引受証券 岡三 - -

引受証券 あかつき - -

引受証券 東洋 - -


【参考類似企業】今期予想PER(9/17)

138A 光フード 17.4倍 (単独予想)

2694 焼肉坂井 51.4倍 (連結予想)

2762 SANKOMF 24.7倍 (連結予想)

3030 ハブ 25.5倍 (単独予想)

3063 jGroup 20.5倍 (連結予想)

3082 きちりHD 21.2倍 (連結予想)

3178 チムニー 24.4倍 (連結予想)

3193 エターナルホスヒ 16.1倍 (連結予想)

3196 ホットランド 34.2倍 (連結予想)

3557 U&C 82.0倍 (単独予想)

7127 一家HD 22.9倍 (連結予想)

7616 コロワイド 120.3倍 (連結予想)

7674 NATTYHD 782.4倍 (連結予想)


【私見】

 最近人気の飲食で業種的には悪くないのですが、地元密着の飲食で全国展開するようなイメージはないので成長戦略としては弱いです。業績はPERは高くはありませんが、売上・利益は微増で、期待値はやや下がります。PROからの鞍替えで、地方市場上場ということからも買い手不在で公募近辺の動きと予想します。 


想定価額:1650円

仮条件上限:1650円

初値予想:1650円

ブック申し込み度・・・やや弱気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:2.5

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