2020年7月15日水曜日

IPO分析(日本情報クリエイト)

【事業内容】
 当社は、「テクノロジーで不動産領域に革新的プラットフォームを創造する」を中期ビジョンとして掲げ、不動産業界に特化したIT活用のソリューション企業として、不動産業の業務支援となる製品・サービスを開発し、日本全国の不動産会社に提供しております。
また、不動産会社の支援だけでなく、不動産会社とその顧客である消費者とのコミュニケーションも支援サービスの範囲としており、不動産業の幅広い業務範囲に対し、業務支援となる製品・サービスをワンストップで提供しております。
 仲介ソリューションとは、不動産仲介業務(不動産情報流通業務、入居者募集業務、契約業務等)に関して、業者間物件流通サービスを無償で提供するとともに、そのシステム上で機能する仲介業務支援サービスを有償で販売する製品・サービスをいいます。
 仲介ソリューションにおける業者間物件流通サービスの主要な製品・サービスは「不動産BB」であり、仲介業務支援サービスの主要な製品・サービスにはホームページ作成ツール「Web Manager Pro3」とポータルサイト連携「物件データ連動」や不動産ポータルサイト「くらさぽ」があげられます。また、仲介ソリューションにおいては「電子入居申込」や「IT重説」等を用いて、これまで対面が常識であった物件探しから入居申込み、重要事項説明までの一連の手続きをすべて非対面で行える非対面仲介サービスを提供しております。
  管理ソリューションとは、不動産管理業務(契約管理・入居者/建物管理、家賃・入送金管理等)に関して、網羅的に対応した管理業務支援サービスと消費者支援サービスを販売し、顧客が導入した後には、システムの操作案内や継続的な保守・サービスを提供する製品・サービスをいいます。
 管理ソリューションにおける管理業務支援サービスの主要な製品・サービスには「賃貸革命」「巡回アプリ」「会計連動」があげられます。消費者支援サービスの主要な製品・サービスは「くらさぽコネクト」があげられます。

当社の不動産業務支援事業における特徴は以下のとおりです。
 (1) 不動産業務支援サービスをワンストップで提供
 当社は、不動産会社に対して、不動産会社が行う物件在庫管理、入居者募集業務、契約管理、家賃・入送金管理、入居者・建物保全管理等の業務を支援するサービスをワンストップで提供しております。
  不動産業務支援サービスをワンストップで提供することにより、顧客ニーズに網羅的に対応できるのみならず、顧客にとっては、当社の製品・サービスを業務全体でご利用いただくことでデータの連携により商品間のシナジーが生まれ、更に利便性を高めることが可能となります。それにより、製品・サービスの解約率に関しても、安定した低い数値を保持することができております。
 
①  仲介ソリューション
a.業者間物件流通サービス
 業者間物件流通サービスの主要な製品・サービスは「不動産BB」であります。この「不動産BB」は仲介を行う不動産事業者の業務の中核(他社への共有、物件仕入れ)を担うサービスであり、無償でご利用いただけます。これまで紙面・FAX・電話でのやりとりが主流であった物件情報の共有をインターネット上で行うことができ、24時間いつでも情報の更新・確認ができることから、双方が効率的に仲介を行える業者間物件流通のプラットフォームとなっております。なお、「不動産BB」上での物件情報登録をスムーズにするため、撮影した画像の種類を自動で判別する当社独自の「AIカメラアプリ」も提供しております。

b.仲介業務支援サービス
仲介業務支援サービスは「不動産BB」によって業者間で共有されている物件情報を2次活用できるサービスであります。2次活用のサービスとしては、不動産会社の集客方法である自社ホームページを作成するためのシステム「Web Manager Pro3」とポータルサイト連携システム「物件データ連動」、当社にて運営を行う不動産ポータルサイト「くらさぽ」があります。

②  管理ソリューション
a.管理業務支援サービス
管理業務支援サービスの主要な製品・サービスは「賃貸革命」であります。賃貸管理業務は、不動産管理会社がアパート・マンション・一戸建て等の契約締結や入居者からの家賃入金管理、入金集計後のオーナー送金、契約期間満了に伴う契約更新、解約の処理など、賃貸管理に関する一連の業務を、賃貸不動産のオーナー(家主)に代わり行うものであります。この賃貸管理業務において、必要な業務を網羅し、一連の業務を効率的に管理が行えるようにする為の基幹システムが「賃貸革命」であり、賃貸管理業務で多用される帳票(書類)に関しても、200種を超える帳票(書類)がすぐにご利用いただけるよう準備されております。導入後は業務全般の情報がシステム内のデータベースに蓄積されていきますので、契約更新業務や過去の情報の参照の必要性から、長期にわたって使用することに適したシステムとなっております。
 
b.消費者支援サービス
 消費者支援サービスの主要な製品・サービスは「くらさぽコネクト」であります。「くらさぽコネクト」は不動産会社が入居者へ提供するアプリで、スマートフォンやタブレット等の端末でご利用いただけます。「くらさぽコネクト」は不動産会社と入居者間をつなぐコミュニケーションアプリであり、不動産会社からは契約更新や物件メンテナンス、請求のご案内等を通知することができ、入居者からも不動産会社への問い合わせなどが、チャット形式で行えるサービスとなっており、入居者との非対面コミュニケーションが可能となっております。加えて、アプリ上では入居している物件周辺のスーパーマーケット情報等も取得できる機能が搭載されており、入居者の住生活支援となるサービス内容となっております。

(2) 自社一貫体制によるスピーディー、かつ本質をついた製品開発
当社は、製品の企画から開発、販売、サポートまでを全て自社一貫体制で行っております。その結果、「もっとこんな機能が付いていたらいいのに」、「もう少しここが使いやすいといいのに」、「もっと製品を良くしてもらえませんか」といった現場での顧客からの声がストレートに開発部門へ伝わり、よりスピーディーに製品の改善、強化へと繋がっております。
 
(3) 複雑な業務パターンに対応できる製品力
当社の製品は、顧客から「使いやすい」「不動産業務をよく分かっている」といったお声をいただくことがございます。不動産業務は複雑かつ多岐にわたりますが、当社の製品では不動産業務を標準化し、分かりやすくパッケージ化されているほか、当社製品から出力する帳票等のアウトプットについて顧客がカスタマイズできる余地を大きくすることで、複雑な業務パターンに対応できる仕様にしております。

(4) 地域に密着したサポート体制
当社は、顧客に満足してご利用いただけるよう地域密着型のサポートを心がけております。その背景としましては、不動産会社自体が地域に根ざしたビジネスを行っていることがあげられます。各地域では、地域特有の慣習が多く存在しますが、そのような地域特有の情報を多く保有し、顧客に多くの有用な情報提供を行い、緊急の際にはすぐに訪問サポートをできることが、顧客の安心と満足度の向上に繋がると考えております。2020年5月末時点では、日本全国11拠点で地域に密着したサポートを実現し、顧客からの要望に迅速に対応しております。
 
(5) 専門知識を有した自社社員によるサポート体制
当社は顧客が製品を導入いただいた後に、製品を最大限に活用していただくことが一番重要であると考えております。その実現のためには、不動産、製品に関する専門知識を有したものが顧客の課題と真摯に向き合い、定期的なフォローを実施していくことは必然であります。またそれらに加え、宅地建物取引業法や、ITに関する専門知識等を持ち、世の中の変化や、流動的な情報の変化にスピーディーに対応するためには、徹底した社内教育を実施することが必要であると考え、サポート体制は自社社員で構成しております。一方で、これまで蓄積してきた顧客の問い合わせ情報を活用し、よくある質問の対応にAIチャットボットを導入する等、素早い対応とサポートスタッフの生産性向上も実現しています。

(6) 低い解約率とストック型ビジネスによる安定した財務基盤
不動産業務支援事業で提供する製品・サービスは、その利便性が評価され継続的にご利用いただけるサービスとなっており、2020年6月期第3四半期会計期間では0.4%に留まっております。また、2019年6月期における当社全体収益の約60%が既存顧客からのランニングによる収益となっており、新規顧客等からのイニシャルを上回っております。毎年安定した新規顧客を獲得していくことで、財務基盤はさらに安定したものへと成長してまいります。

【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益
(単独実績)2018.6 1,921 299 319 167
(単独実績)2019.6 2,148 310 379 233
(単独予想)2020.6 2,371 498 500 329
(単独3Q累計実績)2020.6 1,743 378 396 260

1株当たりの数値(円)EPS BPS 配当
(単独予想)2020.6 55.96  -  0
調達資金使途 ソフトウエア開発、研究開発、人材採用、マーケティング

上場時発行済み株数 6,683,720株 (別に潜在株式360,000株)
公開株数 1,713,500株(公募800,000株、売り出し690,000株、オーバーアロットメント223,500株)

PER:23.2
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:22.3億
公募時時価:86億
    
【株主構成】
米津健一 代表取締役社長 2,850,000 45.65 180日
(株)NJC 役員らが議決権の過半数を所有する会社 2,850,000 45.65 180日
従業員持ち株会 特別利害関係者など 183,720 2.94
丸田英明 取締役 15,000 0.24
日高健 取締役 15,000 0.24
新井篤史 取締役 15,000 0.24
瀬之口直宏 取締役 11,000 0.18
尾之上健太 従業員 9,000 0.14
古田公四郎 従業員 9,000 0.14
高木翼 従業員 8,000 0.13
田中宏実 従業員 8,000 0.13

【代表者】
代表者生年月日 1963年02月11日生まれ
代表者略歴 
1981年04月 (株)豊田自動織機入社
1983年01月 (株)ほるぷ入社
1985年01月 PM社(個人事業主) (現(株)プロデュースメディア)入社
1994年08月 当社設立、代表取締役社長(現任)

【幹事団】
主幹事証券 野村 1,296,400 87.01
引受証券 大和 81,900 5.50
引受証券 岡三 29,800 2.00
引受証券 SBI 29,800 2.00
引受証券 エース 14,900 1.00
引受証券 楽天 14,900 1.00
引受証券 岩井コスモ 14,900 1.00
引受証券 極東  7,400 0.50

【参考類似企業】今期予想PER 7/10
2120  LIFULL 205.5倍(連結予想 )
3491  GATECH 92.9倍(連結予想 )
3796  いい生活 50.3倍(連結予想 )
4389  プロパティD 30.9倍(単独予想 )
4437  GDH 17.8倍(連結予想 )
4445  リビンT 5,157.9倍(単独予想 )
6093  エスクローAJ 30.0倍(連結予想 )
7527  システムソフト -倍(連結予想 )

【私見】
 一時人気になった不動産テックではありますが、今はどこでも不動産と金融は絡ませているので業種評価は高くありません。業績はそこそこ伸びており、PERからは成長性を加味すれば20~30は妥当な範囲でしょう。上位株主にロックがかかっているので需給は良いですが、吸収金額は適度に大きいので買い需要はそこまでなく、初値も高くないことが予想されます。

想定価額:1090円
仮条件上限:1300円
初値予想:1800円
ブック申し込み度・・・やや強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3

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