2020年7月3日金曜日

IPO分析(KIYOラーニング)

【事業内容】
  ITを用いて、個人や企業での学習を効率化するクラウドサービスを展開しております。主に個人向けのオンライン資格講座である「スタディング」事業、法人向けの社員教育クラウドサービスである「エアコース」事業を提供しております。
 
(1)「スタディング」
 当社の主要サービスである「スタディング」は、「学びやすく、わかりやすく、続けやすい」をコンセプトとしたオンライン資格講座です。スマートフォンやタブレット、PC等で受講でき、分かりやすい動画講座や問題練習によって、忙しい人でも「すきま時間」を使って資格取得のための学習ができます。
 「スタディング」では、ビジネスパーソンに人気がある資格を中心とした講座ラインナップを展開しています。カテゴリとして、「ビジネス・経営」「法律」「会計・金融」「不動産」「IT」「ビジネススキル」「公務員」「語学」に分類される全26講座(2020年5月現在)を提供しております。また、カテゴリごとに、難関資格~中難度資格~簡単な資格のラインナップを揃えることで、簡単な資格から獲得したユーザーを、より難度の高い資格にアップグレードすることを推進しております。

「スタディング」のコンセプトは以下の通りです。
① 忙しい人の資格取得支援
 スマートフォンやタブレット、PC等で学べるため、移動時間や通勤時間、自宅等、個々の受講者のライフスタイルにあわせ、すきま時間を活かして学ぶことが可能です。
② 効率的に学べる学習システム
 当社では、短期間で合格したユーザーの学習方法を分析し、効率的に学べるような学習システムを自社で開発しております。具体的には、いつでもどこでも学べる「マルチデバイス対応」、倍速再生ができる「動画講座」、図を多用した「Webテキスト」、間違った所を繰り返し練習できる「問題集」、自分でノートを作れる「マイノート」、暗記練習ができる「暗記ツール」、最適な順番で講座を学べる「学習フロー」、進捗が可視化される「学習レポート」、学習記録を投稿し合いモチベーションを高める「勉強仲間SNS」など、受講者が「学びやすく・わかりやすく・続けやすい」学習システムを開発・改善し続けております。
 ③ わかりやすいコンテンツ
 「スタディング」では、専用スタジオにより、テレビの情報番組のように図を多用した動画講座を制作することで、スマートフォンだけで受講でき、テキストを見なくても分かりやすい動画講座を提供しています。また、試験対策に必要な問題集や過去問なども付属しており、インプット学習とアウトプット学習を繰り返すことで無理なく合格力を身に着けることができます。
④ 低価格
 スタディング事業では、デジタル技術を活用し、コンテンツ制作、学習サービス提供、集客・販売といった一連のオペレーションを高度に自動化・省力化しております。これによりローコストオペレーションを実現することで、従来の教室型の資格取得スクールとは一線を画し、低価格での講座提供を可能にしております。例えば、中小企業診断士講座では、2020年5月時点で当社スタディングの中小企業診断士 1次2次合格コース ミニマムコース[2020+2021年度試験対応]においては、53,900円(税抜)から受講可能となっております。
 
 スタディングでは、従来は主に社会人向けの国家資格・公的資格を中心にラインナップを展開してまいりましたが、近年はTOEIC®講座による語学分野や、公務員対策講座による学生向け就職対策講座にも対応を始めました。今後も、人生100年時代に向け、生涯にわたるキャリア開発のためのサービスの強化とブランドの確立を図ってまいります。

(2)法人向けサービス
 当社は、2017年より法人向けサービスとして、社員教育クラウドサービス「エアコース」を提供しております。「エアコース」では、各種の社員教育コースが受け放題で受講でき、自社独自の教育コースも簡単に作成・配信できます。また、エアコースはクラウドサービスであり、オフィス内だけでなく、在宅、営業所、店舗、外出先、移動中、海外拠点など離れていてもスマートフォンさえあればどこでもコースを受講することが可能です。企業の教育担当者やマネージャーを支援する、集合研修管理機能やレポート機能も充実しており、社員教育の悩みを解決します。
 「エアコース」では、利用用途に応じて、受け放題コース付きのプラン(コンテンツ・プラス)と、コース無しのプラン(ベーシック)をお選び頂けます。「ベーシック」プランでは、企業が自らの集合研修を動画化したり、業務内容を動画マニュアル化し、eラーニングのコースとして社内に配信できます。「コンテンツ・プラス」プランでは、これに加えて、当社が作成した各種の社員教育動画(2020年5月時点で109コース)を受け放題で提供しています。
 利用にあたっては、初期費用がかからず、利用ユーザー数に応じて利用料金をお支払頂くSaaS形態(Software as a Service:インターネット経由でサービスが提供される形態)のサービスとなっております。企業の利用人数が多くなるにつれて、1ユーザーあたりの利用単価が安くなるボリュームディスカウントの価格モデルであり、小規模企業から大規模企業まで幅広く導入頂いています。
なお、「エアコース」のコンセプトは以下の通りとなります。
① 各種社員教育コースが受け放題
 社員教育でニーズの高い各種の「標準コース」があらかじめ用意されており、「コンテンツ・プラス」プランでは全ての標準コースが受け放題なので、手軽にeラーニングを始めることが可能です。
 標準コースでは、新人向け、リーダー・管理職向け、IT基礎、コンプライアンス(情報セキュリティ、ハラスメントなど)、コミュニケーション、営業基礎、ビジネススキル、労務管理、ヘルスケア、英語、デジタルトランスフォーメーション(AIやデータサイエンス)など、企業での必要性が高い教育メニューを、分かりやすい動画講座で提供しています。
② 簡単に自社コースを作成・共有
 スマートフォン等で撮影した動画をアップロードするだけで、手軽に自社コースを作成・配信できます。主な利用用途としては、集合研修を撮影してeラーニング化し、集合研修を受けにくい人々(在宅ワーカー、忙しい社員、支社や店舗のスタッフ、海外法人、内定者、取引先など)の教育に活用したり、現場の作業を撮影して動画マニュアル化(事務作業、接客、営業、店舗・工場・倉庫・メンテナンスなどのオペレーション)し、現場スタッフの育成に活用する事などにご活用頂けます。また企業独自のテストや受講者アンケートも作成することでき、コースの学習効果を確認することが可能となります。
③ 社内教育の一元管理
 使いやすい学習管理機能により、社員の学習状況や履歴、テスト結果などを一目で確認することができます。また、集合研修の管理機能により、集合研修の出欠管理、直前のリマインド、配布資料の共有、アンケートの取得、受講履歴管理等を行うことができます。これらの機能により、eラーニングのみならず集合研修も含めた社内教育の管理を一元化することで、手間のかかる社員教育管理を効率化し、教育担当者の負担を軽減することが可能となります。
 さらに、法人事業では、エアコースに加え、企業独自の教育動画を制作するサービスである「動画制作おまかせパック」を提供しております。当社は、わかりやすい教育動画を制作するノウハウや動画制作スタジオを所有しているため、これらを活かして企業個別の動画コンテンツを制作することで、動画制作の売上が増えるだけでなく、企業内でエアコースがより活用され、継続率の向上や企業内の利用ユーザー層の拡大にも寄与します。
 また、資格取得講座「スタディング」についても、法人向けの販売を行っています。例えば、不動産関連の企業では、社員に「宅建士」の資格を取らせることが重要ですが、法人事業ではこのように法人でまとめて資格講座を受講する企業に対する「スタディング」販売を行っています。システム上では、「エアコース」のユーザーが「スタディング」の資格講座を受講したり、企業の管理者が、社員の資格講座の受講状況をレポートで確認することが可能になる「スタディング連携機能」が実装されており、今後は法人への資格講座販売も強化していく予定です。
 このように法人向け事業では、サービス開始以来、システムの使いやすさ、コンテンツの質と量、価格優位性、付加価値サービス(動画制作や資格講座提供)が評価され、社員数が数十名の中小企業から、数千名を超える大企業まで幅広い受注実績を積み上げております。今後も、一層のシステム、コンテンツ、サービスの強化を図りながら、コンテンツ提供者(研修会社や講師など)と受講企業をつなぐ、社員教育のプラットフォームとしての展開を図ってまいります。
 上記のように当社は、従来のオンライン教育サービス(eラーニング)の枠に捕らわれず、個人向けのキャリア開発を目的とした学習関連サービスや、企業向けの人材育成に関連したサービスを拡充していくことにより、キャリア開発に関連した教育の事業分野をリードし、事業拡大と企業価値向上に邁進してまいります。

【業績等】
業績動向(百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
(単独実績)2018.12 609 -210 -211 -211 
(単独実績)2019.12 835 -149 -150 -150
(単独予想)2020.12 1,435 127 125 118
(単独1Q実績)2020.12 250 -35 -36 -36

1株当たりの数値(円) EPS BPS 配当
(単独予想)2020.12 59.62  -  0

調達資金使途 システム開発、人材採用費・増加人件費、借入金の返済、広告宣伝費
上場時発行済み株数 2,145,000株 (別に潜在株式102,000株)
公開株数 391,200株(公募300,000株、売り出し40,200株、オーバーアロットメント51,000株)

PER:38.5
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:8.9億
公募時時価:49億
    
【株主構成】
綾部貴淑 代表取締役社長 953,000 48.95 180日
(株)MS-Japan 特別利害関係者など 148,000 7.60 180日
みらい創造一号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド)148,000 7.60 90日・1.5倍
イノベーション・エンジン産業創出投組 ベンチャーキャピタル(ファンド)100,000 5.14 90日・1.5倍
GA1号投資組合 ベンチャーキャピタル(ファンド)80,000 4.11 90日・1.5倍
かんしん未来投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 72,000 3.70 90日・1.5倍
ウィルグループファンド投組 ベンチャーキャピタル(ファンド)52,000 2.67 90日・1.5倍
SMBCベンチャーキャピタル4号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド)50,000 2.57 90日・1.5倍
フリービットインベストメント(株) ベンチャーキャピタル(ファンド)48,000 2.47 180日
(株)マイナビ 特別利害関係者など 48,000 2.47 180日

【代表者】
代表者生年月日 1971年11月08日生まれ
代表者略歴 
1996年04月 日本オラクル(株) 入社
2003年01月 (株)アイエイエフコンサルティング 入社
2010年01月 当社設立 代表取締役社長(現任)

【幹事団】
主幹事証券 SMBC日興 313,000 92.00
引受証券 大和 10,200 3.00
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 6,800 2.00
引受証券 SBI 6,800 2.00
引受証券 楽天 3,400 1.00

【参考類似企業】今期予想PER 6/22現
2415  ヒューマンHD 12.4倍(連結予想 )
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7043  アルー 17.3倍(連結予想 )
9610  ウィルソンWLW -倍(連結予想 )

【私見】
 社会人の教育関連なので業種妙味はそこまで感じませんが、オンラインに特化しているのでコロナの影響もあり他社に比べ優位性は感じます。業績は小規模ですが、伸びており成長性はありそうです。吸収金額は小さめで時価総額も大きくないので100憶は超えても問題はないかと思います。

想定価額:1980円
仮条件上限:2300円
初値予想:5000円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3.5

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