2020年7月2日木曜日

IPO分析(GMOファイナンシャルゲート)

【事業内容】
 当社(GMO-FG)及び当社連結子会社のグローバルカードシステム株式会社(GCS)並びにGMOデータ株式会社(GMO-DATA)の3社からなり、電子商取引(EC)事業者を対象とする非対面決済サービス事業を展開するGMOペイメントゲートウェイ株式会社の連結子会社として、キャッシュレス決済市場において対面決済サービス事業を展開しております。
(1) 売上高の区分
 当社グループは、提供する対面決済サービスについて、サービスの内容に従って「イニシャル」「ストック」「フィー」「スプレッド」の4つに売上を区分しております。
当社グループにとって、決済端末は全てのビジネスの起点です。決済処理サービスにおいては、決済端末販売によりイニシャルが計上され、決済端末の稼働数の増加によりストック・フィーが増加します。決済代行サービスにおいても、決済端末販売によりイニシャルが計上され、加盟店獲得がストック・フィーの増加とともに、スプレッドの増加につながっております。
 
■イニシャル(イニシャル売上)
当社グループは、決済端末を各種決済サービスの起点として位置付けております。
加盟店が決済端末を導入する際には、当社は決済端末代金の請求に加えて、搭載アプリケーションのライセンス料や、加盟店の情報を決済処理センターに登録する登録費用等の初期費用をクレジットカード会社等の決済事業者または加盟店に請求しております。加えて、加盟店の個別要望に応じた端末アプリケーションの開発・カスタマイズ費用、アライアンス事業者との接続費用・決済アプリケーションの開発費用等を加盟店及び決済事業者等に請求しております。

■ストック(固定費売上)
当社グループは、決済処理サービスを提供するにあたって、決済金額の明細データの提供やシステム接続サービスならびに通信環境の提供を行っており、その対価をクレジットカード会社等の決済事業者または加盟店に請求しております。
■フィー(処理料売上)
当社グループは、加盟店とクレジットカード会社に対して決済処理サービスを提供し、決済の処理件数に応じた対価を請求しています。オンライン環境でリアルタイムの決済処理サービスを提供しており、通常は1件当たりの決済処理金額を定め、月間の決済処理件数を乗じて請求しておりますが、決済処理件数のボリューム幅毎に固定金額を定めて請求する場合もあります。

■スプレッド(加盟店売上)
スプレッドは、決済代行サービスの提供によって得られる売上です。当社グループが、加盟店とクレジットカード会社等の決済事業者との契約をまとめて締結し、加盟店への決済代金の入金も各決済事業者に代わり一括して請負う包括加盟店サービスが決済代行サービスで、加盟店での決済金額に対して料率で課金する加盟店手数料です。
 
(2) 決済処理サービス
①決済情報処理センター
決済処理サービスにおいては、小売・飲食等の加盟店が消費者に商品・サービスを販売する際に必要な、クレジットカード会社等の決済事業者の与信情報処理サービスおよび売上情報処理サービスを提供しております。
当社グループは決済情報の伝送について、電気通信事業法に基づく、届出電気通信事業者(旧 一般第二種電気通信事業者)として、日本クレジットカード協会(以下、JCCA)の共同利用システムに参加し、CCT(決済端末)の提供と「CCTセンター」と呼ばれる決済情報処理センターを運営しております。決済情報処理センターにおいては、24時間365日対応のヘルプデスク(コールセンター)も含めて運用を行い、物販・飲食・サービス等様々な業種の加盟店向けに安心・安全な決済処理サービスを提供しております。
 また、この決済情報処理センターに接続する決済端末は、JCCAの求める機能要件を満たす必要があるため、当社グループが開発して、加盟店に提供しております。2019年9月末現在における、当社決済情報処理センター接続の稼働決済端末数は約37,000台、契約加盟店数は約8,000(法人数)、月間のクレジットカード決済情報処理件数は約300万件超、月間の決済金額は約300億円超となっております。接続クレジットカード会社は銀行系・信販系・流通系含めて38社、更にJ-Debit決済では、ゆうちょ銀行を含めた全国金融機関と接続しております。

②決済処理サービスに係るビジネスモデルについて
決済端末の接続方式による2つの売上区分と加盟店との契約方式による2つの売上区分の計4つに分類されます。なお、以下記載の、CCT(決済端末)とはJCCAにおいて共同利用端末として登録された決済端末で、POS端末とはJCCAが関与しない加盟店独自の決済端末という位置づけです。

③決済端末
当社グループにとって、決済端末は全てのビジネスの起点です。
当社グループは、国際的な決済技術の革新をいち早くとらえ、キャッシュレス決済市場における技術革新の取り込みや経済合理性の高さの観点から、グローバルメーカー製の決済端末を調達し、加盟店に提供しております。
 当社グループの調達先であるグローバルメーカー各社の生産台数は日本のトップメーカーの数倍~数十倍の規模であることから、量産効果が働き、経済合理性に優れた決済端末の調達が可能になっております。
加盟店が求めるキャッシュレス決済手段は、クレジットカード決済、デビットカード決済、電子マネー決済、ポイントカード決済、プリペイドカード決済、ウォレット決済など多岐にわたります。
 当社グループが提供する決済端末は、加盟店の求める多岐にわたるキャッシュレス決済手段に対応しております。当社グループの決済処理サービスは、「接触型」の主流であるクレジットカード決済、デビットカード決済のみならず、近年、主に少額決済シーンで利用が増加している「非接触型」の電子マネー決済、スマートフォンで表示・読取りを行う「コード型」の決済等の全てに対応可能な決済サービスです。
当社グループの決済処理サービスは、消費者が実店舗の店頭や自動販売機・自動精算機において選択する「接触型」「非接触型」「コード型」の3パターンの決済手段に1台の決済端末で対応しております。これにより、店頭や自動販売機・自動精算機における消費者への多様なキャッシュレス決済の利便性提供と、加盟店における現金授受・管理に伴う煩雑さからの解放によるサービス提供への注力など営業効率の向上が可能な決済サービスを実現しております。
 
④決済アプリケーション
キャッシュレス決済市場において決済端末を利用するためには、クレジットカード、デビットカード、各種ポイント、電子マネー、QRコード、ウォレット等の支払いに対応する決済アプリケーションを決済端末に搭載する必要があります。決済端末に搭載する決済アプリケーションは、開発要件定義を当社で行い、開発作業はグローバルメーカー日本支社や日本認定代理店に委託しています。決済端末アプリ開発作業を外部に委託することで、自社技術要員は主に決済情報処理センター側の機能開発やセキュリティ強化に注力することが可能となり、決済端末と決済情報処理センターが一体となったソリューションサービスの展開を実現しております。
(3) 決済代行サービス
当社はCCT(決済端末)を擁するCCTセンターとして、加盟店に対する決済データ処理料およびロール紙の請求を行わないモデルで、設立当初から決済処理サービスを提供しております。加えて、2012年より、クレジットカード会社と包括加盟店契約(包括代理)を締結し、加盟店審査や申込みなどの煩雑な手続きを一括処理できるCCTセンターとして、決済代行サービスを展開しております。この包括加盟店契約は、当社に加盟店の決済金額に応じたスプレッド収益をもたらします。
 
【業績等】
業績動向(百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益 
(連結実績)2018.9 1,617 169 16 90 
(連結実績)2019.9 2,379 226 227 134
(連結予想)2020.9 3,210 335 307 190
(連結中間実績)2020.9 2,050 345 335 197

1株当たりの数値(円) EPS BPS 配当
(連結予想)2020.9 52.37  -  0

調達資金使途 システムおよびサービス開発資金
上場時発行済み株数 3,835,170株 (別に潜在株式267,270株)
公開株数 516,100株(公募240,000株、売り出し208,800株、オーバーアロットメント67,300株)

PER:48.5
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:13.1億
公募時時価:97億
    
【株主構成】
GMOペイメントゲートウェイ(株) 親会社 2,332,590 60.39 180日
(株)ケイ・エム・シー 特別利害関係者など 225,000 5.83 90日・1.5倍
三菱UFJキャピタル3号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 217,380 5.63 90日・1.5倍
大和ベンチャー1号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド)189,840 4.92 90日・1.5倍
豊山慶輔 特別利害関係者など 161,490 4.18 90日・1.5倍
高野明 取締役会長 126,900 3.29 180日
SMBCベンチャーキャピタル1号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド)105,000 2.72 90日・1.5倍
みずほ成長支援投組 ベンチャーキャピタル(ファンド)79,110 2.05 90日・1.5倍
SMBCベンチャーキャピタル3号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド)61,080 1.58 90日・1.5倍
倉田秀喜 子会社の代表取締役 50,100 1.30 180日

【代表者】
代表者生年月日 1979年01月29日生まれ
代表者略歴 
2001年04月 ニイウス(株)(現(株)ラック)入社
2007年11月 日本アイ・ビー・エム(株)入社
2013年06月 第一金融インダストリー 銀行第一サービス 部長
2014年06月 GMOペイメントゲートウェイ(株)入社
2014年12月 GMOイプシロン(株)常務取締役
2017年05月 当社上席執行役員事業企画開発部長
2017年12月 当社代表取締役社長(現任)

【幹事団】
主幹事証券 大和 381,800 85.07
引受証券 SMBC日興 40,300 8.98
引受証券 みずほ 13,400 2.99
引受証券 いちよし 8,900 1.98
引受証券 丸三 4,400 0.98

【参考類似企業】今期予想PER 6/19現
2428  ウェルネット 28.7倍(単独予想 )
3623  ビリングシス 104.5倍(連結予想 )
3630  電算システム 21.6倍(連結予想 )
3753  フライトHD 25.7倍(連結予想 )
3769  GMOPG 139.2倍(連結予想 )
4847  インテリW 29.4倍(単独予想 )
6172  メタップス -倍(連結予想 )

【私見】
 GMO恒例の親子上場ですが好調なGMOグループで悪い印象はなく、業種もキャッシュレス関係で妙味はあります。業績も良く安定感もあるのですが、同業に比べPERは高めの設定です。吸収金額・時価総額も大きくはなく、比較すると同じGMOグループのマザーズでは、メディアとTECHが300憶強なので、同ラインまでは許容範囲なのかもしれません。VCも存在するので多少の警戒感は必要ですが、GMOが筆頭株主なので大きく売られることはないかと思います。

想定価額:2420円
仮条件上限:2540円
初値予想:7000円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立~やや強気
総合評価4

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