2022年2月10日木曜日

IPO分析(ビーウィズ)

 【事業内容】

 ​自社開発のクラウドPBX Omnia LINK等のデジタル技術を活用したコンタクトセンター・BPOサービスの提供、およびAI・DXソリューションの開発・販売を行なっております。BPOとは、Business Process Outsourcingの略で、企業活動における業務プロセスの一部について、業務の企画・設計から実施までを一括して専門業者に外部委託することを指します。

 また、近年では、2016年に子会社化した株式会社アイブリットの開発力を活かしたクラウドPBX(従来は構内に置いていたPBXをクラウド化し、インターネット上で通話・通信を行うことで、従来の電話システム環境を改善することができるシステム)Omnia LINKのご提供をはじめとする自社開発のシステムソリューションの販売も行っております。PBXは、コンタクトセンターに限らず、企業など複数の電話回線を持つ場所には、必須のシステムです。主な役割は、受発信機能(企業にかかってきた電話を適切に振り分けて着信させる機能や、適切な通知番号での発信を可能にする等)や、内線通話、転送、保留など電話に関わる制御を行なう装置です。

 当社グループは当社及び子会社1社で構成され、コンタクトセンター・BPO事業の単一事業としております。コンタクトセンター・BPO事業において、顧客へのサービス提供の際、顧客ごとのニーズを捉え、オーダーメイドで見積もりを提示し、必要なリソースやシステム、環境を用意して顧客に役務の提供を行なっております。しかし、新規顧客にとっては、「オーダーメイド」によって実現するアウトソーシングの具体的内容がイメージしにくいため、当社のサービスを活用するパターンとして4つのサービス区分を用意しております。これらは、サービス区分それぞれを単独で提供するものではなく、あくまで当社が提供できるサービスを例示し顧客にわかりやすくイメージいただくためのものです。そのため、実際のサービス提供においては、顧客企業のニーズに対して最適かつ必要なサービスを、各区分の要素を組み合わせ、総合的なアウトソーシングサービスとして提供しております。

 当社グループのアウトソーシングサービスでは、外部資源・情報を戦略的に活用し、コア業務へリソースを集中させることで顧客企業が競争力を高める手段を提供しています。当社のようなアウトソーシング事業者は顧客企業の業務を専門的に請け負うことにより、顧客企業には適正対価での品質・生産性の向上を提供し、また自社にとっては業務の受託規模を増加していくことにより事業を継続的に成長させていくことが可能となります。また、アウトソーシング提供形態には場所・運営・システムまですべてを提供する「フルアウトソーシング」と、場所・システムは顧客が用意し、当社が運営を行う「インソーシング」があります。当社グループにおける2021年5月期売上高の約60%がフルアウトソーシングとなっており、インソーシングよりも場所・運営・システムを含めたフルアウトソーシングの提供に注力しております。


 アウトソーシング業界においては、大きく「IT領域」と「ビジネスプロセス領域」が存在します。当社グループのサービス範囲は、「ビジネスプロセス領域」のうち、着色している「コンタクトセンター」「調達」「購買」「人事・採用」「経理」「業界特化型サービス(注:製品や商品を販売するにあたって、その業界に特化して生じる事務業務のこと)」を対象領域としております。その中でも「コンタクトセンター」は当社グループの売上高の約80%強を占めております。コンタクトセンター領域においては、オリジナル顧客対応メソッド「ミライ転換力」(後述で説明)の確立や、80種類以上のスーパーバイザー(注:オペレーターを指導する立場にあるリーダー的立場のスタッフ)教育コンテンツを有しており、コンタクトセンターサービス提供会社としての専門性を保有し、強みを有する領域となっております。


 コンタクトセンター・BPOの主な機能は、オペレーターを介して顧客企業のエンドユーザーや従業員に向けた高品質なサービスを提供することにあります。質の高い対応を行なうことによって最終的にエンドユーザーや従業員の満足度を高めることが、顧客企業の満足度を高めることになり、契約期間や当社の売上高の拡大につながります。

 そのために当社として注力するべき事項は、オペレーターやスーパーバイザーなどのオペレーションに関わる人材の教育や、テクノロジーによるスタッフの支援を通じた運営品質や生産性の向上を実現する仕組みを構築し、継続的にQCD(注:Quality<品質>、Cost<費用>、Delivery<納期>)の改善を行うことです。


 当社は顧客企業(業務発注企業)を委託者としたアウトソーシングサービスに関する業務委託契約を締結します。当社は、受託した業務の遂行のための場所やシステム、オペレーターやスーパーバイザーなどの体制を用意し、顧客企業(業務発注企業)のエンドユーザーへの対応にあたります。主な収益は顧客企業から受け取るスタッフの稼働時間や、システムや場所の提供費用となっております。一部商品販売や販売勧奨を目的としたアウトバウンド業務(注:電話を発信する業務のこと)では、販売実績に応じたインセンティブ請求が発生することがあります。

  コンタクトセンター・BPOで使用するシステムは、複数存在します。PBXや通話録音システムなどの電話応対の基幹となるシステムや音声認識システム(音声のテキスト化)や音声合成システム(テキストの音声化)、顧客管理システム、FAQシステム等が存在します。これらの各システム・機能はOmnia LINKの機能として内包されており、コンタクトセンター・BPOにおけるシステム利用料としてOmnia LINK利用料を請求しております。ただし、前述のようにコンタクトセンター・BPOはオーダーメイドの特性を有することから、Omnia LINKの活用範囲を企業ごとにカスタマイズし都度提案を行なっております。また、顧客の要件がOmnia LINKの機能だけでは満たせない場合は、外部の要件が満たされるシステムを仕入れ、提供することもあります。

 また、近年ではコンタクトセンター等の業務委託契約のない企業に対して、コンタクトセンターシステムとしてのOmnia LINKのみを販売することもあります。Omnia LINK販売におけるビジネスモデル概念図は以下の通りです。 


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2022/05 連結予想 32,473 2,560 2,545 1,673

2022/05 連結中間実績 15,790 1,280 1,298 848

2021/05 連結実績 28,845 2,131 2,167 1,655

2020/05 連結実績 24,900 1,381 1,449 928


    種別 EPS BPS 配当

2022/05 連結予想 128.49 - 42.76


上場時発行済株数 13,700,000株(別に潜在株式1,090,000株)

公開株数 6,095,000株(公募900,000株、売り出し4,400,000株、オーバーアロットメント795,000株)

調達資金使途 設備資金、運転資金


PER:13.2

PBR:

配当利回り:2.5%


公募時吸い上げ資金:104億

公募時時価:232億

​   

【株主構成】 

(株)パソナグループ 親会社 12,800,000 92.15% 360日

森本宏一 代表取締役社長 200,000 1.44%

飯島健二 取締役副社長執行役員 160,000 1.15%

田部井健一 子会社の取締役 25,400 0.18%

野田いづみ 執行役員CHO 25,400 0.18%

伊東雅彦 執行役員D.COO 25,400 0.18%

北島洋美 執行役員CQO 25,400 0.18%

香川敏雄 執行役員CIO 25,400 0.18%

酒井匡 執行役員D.COO 25,400 0.18%

竹川信之 執行役員D.COO 25,400 0.18%

八木哲 執行役員CFO 25,400 0.18%

杉村元 執行役員CAO 25,400 0.18%


本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である株式会社パソナグループは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後360日目の2023年2月24日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等を除く。)等を行わない旨合意しております。

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【代表者】

代表者名 森本 宏一(上場時56歳7カ月)/1965年生

本店所在地 東京都新宿区西新宿

設立年 2000年

従業員数 621人 (2021/11/30現在)(平均38.7歳、年収496.1万円)、連結628人

事業内容 自社開発のクラウド型PBX「OmniaLINK」などのデジタル技術を活用したコンタクトセンター・BPO(業務外部委託)サービスの提供、および各種AI(人工知能)・DX(デジタルトランスフォーメーション)ソリューションの開発・販売

URL https://www.bewith.net/

株主数 1人 (目論見書より)

資本金 100,000,000円 (2022/01/21現在)

代表者生年月日 1965年07月03日生まれ

代表者略歴

1989年04月 (株)テンポラリーセンター(現 (株)南部エンタープライズ)入社

1994年05月 (株)パソナ(現 (株)南部エンタープライズ、旧(株)テンポラリーセンター)Windowsレスキュー事業部(現(株)パソナテック)ジュニアマネージャー

1998年02月 同社シニアディレクター 3月:(株)パソナテック取締役 8月:同社常務取締役

1999年10月 同社代表取締役社長

2009年02月 Pasona Tech Vietnam Co., Ltd.代表取締役会長 8月:(株)パソナグループ 取締役

2018年04月 (株)Job-Hub(現 (株)パソナJOB HUB)取締役 8月:(株)パソナグループ副社長執行役員、(株)パソナマーケティング取締役、(株)パソナライフケア取締役、(株)パソナフォスター取締役 10月:(株)スポタス取締役 11月:当社取締役

2019年01月 Pasona HR Consulting Recruitment (Thailand) Co., Ltd.(現 Pasona Recruitment (Thailand) Co., Ltd.)取締役 2月:(株)パソナJOB HUB代表取締役社長 6月:Pasona Recruitment (Thailand) Co., Ltd.取締役

2020年07月 当社 代表取締役社長(現任) 11月:(株)アイブリット 取締役(現任)


【幹事団】

主幹事証券 みずほ - -

引受証券 大和 - -

引受証券 野村 - -

引受証券 SMBC日興 - -

引受証券 SBI - -

引受証券 楽天 - -


【参考類似企業】今期予想PER(1/27)

2168 パソナG 11.0倍 (連結予想)

2471 エスプール 37.3倍 (連結予想)

3762 テクマトリックス 26.5倍 (連結予想)

3908 コラボス 97.4倍 (単独予想)

4290 PI 24.1倍 (連結予想)

4489 ペイロール 13.3倍 (連結予想)

4708 りらいあ 11.5倍 (連結予想)

6183 ベル24HD 13.1倍 (連結予想)

7354 DmMiX 9.1倍 (連結見込)

9715 トランスコスモ 6.4倍 (連結予想)


【私見】

パソナの子会社で業種としても妙味はありません。今期の業績が良いことは評価できますが、PERからも他社並みで上値余地は大きくないと思います。親会社にロックはかかっているので需給不安はなく東1柄なので下値不安は少ないと思いますが、積極的人気買うほどでもないかと思います。


想定価額:1920円

仮条件上限:1700円

初値予想:1700円

ブック申し込み度・・・中立

セカンダリー期待度・・・中立

期待度:3

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