【事業内容】
(1)事業の特徴
消費者目線を第一として日用品としてのタオルの使い心地にこだわり続けており、「悩んだらこのタオルを買えば間違いない」というタオルのグローバル・スタンダードを創ることをビジョンに掲げております。小売店やキャラクターIP事業者へのタオル製品の企画・販売及びECサイト・Amazon内における自社ブランド「タオル研究所」を軸に、「タオル製品等の企画、製造及び販売」の単一セグメントで事業を展開しているファブレスメーカーです。
当社が事業領域としているタオル業界は、ギフト需要やイベント需要を除く生活需要領域です。当社の主な販売先は、CVS(コンビニエンスストア)、IP事業者(玩具メーカー)、EC事業者、DS(ディスカウントストア)、HC(ホームセンター)、GMS(総合スーパー)、DgS(ドラッグストア)等です。
幅広いターゲット層に対し、ニーズに基づいた日用品タオルを生産する「ODM生産」(ODMは「Original Design Manufacturing」の略であり、委託側からの要望に基づいて製品の設計から製造までを一貫して行うこと)、IP企業と連携し高品質なキャラクタータオルを提供する「キャラクターIP製品」、自社ブランドを展開するB2Cビジネス「EC販売」の3分野に注力をしております。
とりわけ、EC販売において「タオル研究所」ブランドのタオルは、Amazonのタオル売れ筋ランキングで第一位から第三位(注)を占めており、多くの消費者に支持されております。「タオル研究所」では当社が独自に企画・開発したタオルを取り扱っており、そこで得た販売動向や消費者からの声などの情報を利用して、当社の各販売チャネルの製品開発にも反映させることで強みを発揮しております。
特徴は大きく2点あります。1点目はファブレスモデルを採用している点です。当社は自社工場をもたず、主に海外の協力工場に製造委託をしております。製品の設計や製造工程の開発に関しては当社が担っており、詳細にわたって協力工場に指示をすることで品質を保証しつつ大量生産を可能としております。2点目はファブレスモデルを活かしつつ、研究・開発から、企画、製造委託、販売までの商流を一気通貫でマネジメントしている点です。これにより消費者のニーズを踏まえた機動的な生産に対応できる体制を整えております。
当社製品の商流における各工程の特徴については以下のとおりであります。
1.研究・開発
R&Dにも注力するタオルメーカーであり、従来の枠にとらわれない製造方法や素材、設計等新たな開発を実施しております。また、タオルの使い心地の数値化や、使いやすいタオルを科学的に実証、試作、検証することで開発力を高めております。タオルに関する特許取得にも注力しており、自社のみでの研究・開発にとどまらず、大学との共同研究、大手メーカーとの共同開発など、タオル専門の研究員が中心となって、素材・製法の両面から様々な開発・特許取得を進めております。高い技術力はタオルの製造・製法に関する特許取得にも結び付いており、2025年4月30日時点で18件の特許を保有しております。
2.企画
日本を代表する大手小売企業とのPB商品開発で培った企画ノウハウが社内に蓄積されており、数多くの製品の販売実績を背景とした製品企画が可能となっております。単発のアイデア製品に依存するのではなく、過去の販売データやベーシックながらも、長期的な大量販売が期待できる分野の企画力を強みとしております。
3.製造委託
タオル製造は装置産業であり、製造工程において大型の機械(装置)を保有する工場が必要です。当社は自社工場をもたない代わりに、紡績・製織・加工・裁断・染色といった、糸から製品までのタオル製造の全工程を一貫して対応可能な装置を有する大規模工場へ委託しております。それにより、各製造工程を横断して製品開発を行うことで、顧客ニーズに対応した製品を製造できるようになります。また、高い生産効率からくるコスト競争力を持ち合わせている点も当社の強みであると考えております。また、当社は複数の大規模工場とのコネクションがあることから、製造するタオルに応じた工場を選定することで費用・製造時間両面での効率的な生産を可能にしております。
タオル製造においては、主原料である綿花の栽培や、製品染色等の工程で大量の工業排水が生じることなど、環境負荷が高く、工場はそれに対応するためのリソースが必要となります。当社は、自社工場を持たず、先に述べた大規模工場を製造委託先として複数起用することで、小規模な組織でありながら大規模な製造・販売までのバリューチェーンを手掛けることが可能となっております。委託先の選定にあたっては、工場基本情報、生産管理状況、品質管理状況、品質実績の4つの観点で評価をしております。これらの選定の際の基準に加えて、定期的な往査により工場を評価・教育する体制としております。さらに、複数の協力会社の設備を活用した製造が可能であることは、当社のタオル製造におけるイノベーションを促進し、当社の技術力向上に寄与しております。
4.販売
営業販売と購買を一体の組織としており、営業担当者が顧客の企画段階からコミュニケーションを重ねつつ、製造委託先ともスペックやコストを交渉し販売・仕入両面を一貫して担当しております。このような体制は営業の迅速さはもちろんのこと、顧客に対して製品詳細や過去データに基づいてより効果的な提案ができることにも繋がっております。また、当社では、過去の様々なODM製品の実績データを下に、価格×スペック×デザインのバランスを最適化するノウハウを社内システム化(IOPMS(注))しており、営業担当者が顧客の要望に応じた製品とその最適な価格を提案することが可能です。
(2)製・商品及びサービスの特徴
1.ODM生産
当社の顧客であるCVS(コンビニエンスストア)、EC事業者、DS(ディスカウントストア)、HC(ホームセンター)、GMS(総合スーパー)、DgS(ドラッグストア)等において、日用品として購入しやすい価格のベーシックなタオルから、当社技術を生かした高価格設定のタオルまで、幅広いプロダクトを展開しております。価格ごとにマーケットが分けられているタオルマーケットですが、より多くの顧客層をターゲットに幅広いプロダクトを扱っていることが特徴です。
2.キャラクターIP製品
当社の顧客である大手玩具メーカー向けに、キャラクター柄を配したタオル製品や雑貨を供給しております。キャラクター製品は、その表現や配色等に関して著作権保有者及び販売元等のチェック体制が必要となりますが、当社のナレッジを活用しつつ管理体制を構築しており、ニーズに対して的確な製品を製造供給しております。キャラクター製品はプリント等の技術力を要する中で、当社の技術力の強みを活かしたプロダクトであると考えております。
3.EC販売
ECサイト・Amazonで自社ブランド「タオル研究所」のタオル製品を販売しております。Amazonにおけるフェイスタオル及びバスタオルの国内売上シェアは順調に拡大しており、消費者からの口コミも多く高い評価をいただいております。現在、機能・サイズ等の異なるバラエティに富んだラインアップを展開しており、今後もシリーズを追加することとしております。また、ECサイト・Amazonでは、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社、株式会社サンリオといった大手キャラクターライセンサーとのライセンス契約を締結し、「タオル研究所」ブランドとキャラクターのコラボ製品も展開しております。
以上の製品群の売上高比率は2025年2月期において、ODM生産が56.6%、キャラクターIP製品が26.5%、EC販売が16.9%となっております。
【業績等】
決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2026/02 単独会社予想 10,884 900 849 499
2025/02 単独実績 9,825 638 980 578
2024/02 単独実績 9,938 969 1,771 1,103
決算期 種別 EPS BPS 配当
2026/02 単独会社予想 49.92 438.12 35.04
上場時発行済株数 10,000,000株(別に潜在株式429,000株)
公開株数 5,750,000株(売り出し5,000,000株、オーバーアロットメント750,000株)
売出しを行う地域
欧州及びアジアを中心とする海外市場(ただし、米国及びカナダを除く。)
PER:15.0
PBR:
配当利回り:4.7%
公募時吸い上げ資金:43.1億
公募時時価:75億
【株主構成】 以下180日(匿名除く)
ジャフコSV6投組 投資業(ファンド) 6,000,000 57.53% 売出 3,000,000
伊沢キャピタルパートナーズ(同) 代表取締役社長の資産管理会社 2,500,000 23.97%
ジャフコSV6-S投組 投資業(ファンド) 1,500,000 14.38% 売出750,000
国元恵子 取締役 39,000 0.37%
甫天和宏 取締役 24,000 0.23%
匿名1 従業員 22,000 0.21%
三好拓人 取締役CFO 20,000 0.19%
匿名2 従業員 20,000 0.19%
藤田有香 取締役 18,000 0.17%
匿名3 従業員 17,000 0.16%
引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人であるジャフコSV6投資事業有限責任組合及びジャフコSV6-S投資事業有限責任組合並びに当社の株主である伊澤キャピタルパートナーズ合同会社は、共同主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後180日目の日(2025年12月16日)までの期間(以下、「ロックアップ期間」という。)、共同主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社が取得すること等を除く。)を行わない旨を合意しております。 また、当社の新株予約権を保有する國元恵子、甫天和宏、三好拓人、藤田有香は共同主幹事会社に対し、ロックアップ期間中は共同主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した当社普通株式の売却等を行わない旨を合意しております。
【代表者】
代表者名 伊沢 正司(上場時60歳5カ月)/1964年生
本店所在地 東京都渋谷区恵比寿西
設立年 2021年
従業員数 79人 (2025/04/30現在)(平均36.5歳、年収481.3万円)
事業内容 タオル製品などの企画・製造および販売
URL https://www.izawa-towel.com/
株主数 3人 (目論見書より)
資本金 30,000,000円 (2025/05/19現在)
代表者生年月日 1964年12月23日生まれ
代表者略歴要
1987年04月 三喜商事株式会社 入社
1989年04月 伊沢タオル株式会社(現 当社) 入社
1997年04月 同社 代表取締役社長 就任 (現任)、インタークラフト通商株式会社 代表取締役 就任
2016年06月 IZAWA TEXTILE CO.,LIMITED CEO 就任(現任)
2025年01月 IZAWA TOWEL INC CEO 就任 (現任)
【幹事団】
主幹事証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - -
主幹事証券 モルガン・スタンレーMUFG - -
主幹事証券 SBI - -
引受証券 SMBC日興 - -
引受証券 野村 - -
引受証券 アイザワ - -
引受証券 岩井コスモ - -
引受証券 東海東京 - -
引受証券 松井 - -
【参考類似企業】今期予想PER(5/21)
3045 カワサキ 10.2倍 (単独予想)
7460 ヤギ 7.2倍 (連結予想)
8123 川辺 9.9倍 (連結予想)
【私見】
タオルメーカーで、Amazonなどでは人気のようすが、業種妙味はなく大きく成長は期待できそうもありません。業績はまずまずですが、同業と比べても割安感はありません。配当利回りは5%弱と魅力的ではありますが、ジャフコの売出し案件で、初値人気は出ないと予想します。配当利回り4%前後の800円台が落ち着きどころでしょうか。
想定価額:700円
仮条件上限:750円
初値予想:800円
ブック申し込み度・・・中立
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価:3
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