2025年6月10日火曜日

IPO分析(プリモグローバルホールディングス)

 【事業内容】

​ ブライダルジュエリーの販売と仕入を行っております。当社グループは、「最高(プリモ)の夢(おもい)を最高(プリモ)の幸(かたち)に」という企業理念のもと、ブライダルジュエリーという「商品」を販売することにとどまらず、お客様の「おもい」に寄り添い、一生の記念として「かたち」にすることを事業の柱としております。ブライダルジュエリーは主に婚約指輪と結婚指輪で構成されますが、いずれも人生において重要な節目となる結婚の記念品であることに加えて、高額な商品であるため、多くのお客様は店舗に足を運び、デザインや着け心地、予算等を十分に検討した上で購入されます。そのため当社グループでは、2025年4月末現在、日本国内において87店舗(I-PRIMO 72店舗、LAZARE DIAMOND 15店舗)、海外においては台湾16店舗(I-PRIMO 11店舗、STAR JEWELRY 2店舗、K.UNO 3店舗)、香港5店舗(すべてI-PRIMO)、中国本土24店舗(I-PRIMO 22店舗、STAR JEWELRY 2店舗)、シンガポール2店舗(すべてI-PRIMO)の合計134店舗を運営しております。


(1) 展開ブランドについて

 自社ブランドの「I-PRIMO(アイプリモ)」と「LAZARE DIAMOND(ラザールダイヤモンド)」、提携ブランドの「K.UNO(ケイ・ウノ)」と「STAR JEWELRY(スタージュエリー)」の4つの取り扱いブランドがありますが、ブランドイメージや商品コンセプト、販売方法、提供価格や各種サービスをそれぞれ差別化することにより、結婚を控えたお客様のさまざまなご要望に対して幅広くアプローチを行っております。

 「I-PRIMO」は当社グループを代表するブライダルリングのオリジナルブランドとして、2025年4月末現在、国内外で112店舗を展開しております。神話や星座をモチーフにしたデザインや、和のテイストを取り込んだデザイン、ユニセックスなデザインなど、お客様がお求めの機能や特徴に応じた商品を展開し、一生の記念品にふさわしい品質と丁寧な接客により、幅広いお客様にご成約いただいております。

 「LAZARE DIAMOND」は“世界三大カッターズブランド”のひとつに数えられる米国ニューヨーク発祥のダイヤモンドブランドであり、当社グループが日本国内における商標権を取得し、ブライダルジュエリー専門のブティックとして、2025年4月末現在、15店舗を展開しているほか、全国の百貨店や小売店にも商品を供給しております。「LAZARE DIAMOND」はダイヤモンドが理想的に輝くプロポーションである「アイディアルメイク」のダイヤモンドを使用した商品を展開し、外資系ブランドを比較検討されているお客様やダイヤモンドにこだわりのあるお客様にご成約いただいております。集客方法については、オンライン・オフライン双方での各種広告施策や、結婚やプロポーズの素晴らしさを発信する自社運営ウェブサイト、PRイベント等を通じてブランド力を強化し、認知度を高めて集客力の向上に努めております。また、日本全国のブライダル企業(婚礼施設やブライダル関連企業等)との提携により、お客様を相互に紹介する集客基盤を全国規模で確立しております。

 提携ブランドである「K.UNO」は、オーダーメイドを主軸にジュエリーや時計でお客様の想いをカタチにするブランドであり、2019年4月に当社の連結子会社であるPrimo Diamond Taiwan Inc.と株式会社ケイ・ウノとが50%ずつ出資する共同出資会社Kuno Primo Co.,Ltd.を設立し、2025年4月末現在、台湾で3店舗を運営しております。

 もう1つの提携ブランドである「STAR JEWELRY」は、「お客様の人生そのものを“輝かせ”“幸せな気持ち” をお届けする」をブランドコンセプトとし、2022年11月に株式会社スタージュエリーブティックスと海外展開に関する業務提携契約を締結し、2025年4月末現在、中国本土で2店舗、台湾で2店舗を運営しております。


(2) 当社グループの特徴

 主要な商材であるブライダルジュエリーは、お客様に生涯にわたって身に付けていただくものであり、お客様にとっては、一生に一度の大切なお買い物であることから、情緒的価値を求める傾向にあると当社グループは考えております。このお客様の特徴を踏まえ、当社グループは以下3点をValue Propositionとして事業を展開しております。


■ブライダルジュエリー専門店

 ブライダルジュエリーに特化したブランドを展開し、専門店ならではの豊富なデザインと幅広い価格帯の商品をご用意しています。高価で貴いブライダルジュエリーは、多くのお客様が「どのように選んだらよいか」悩むもの。商品はもちろん、お客様一人一人にあったブライダルジュエリー専門店ならではのサービスに、多くのお客様からご支持をいただいております。

■パーソナルサポート

 一生身につけていただく商品の提案や、お客様のご要望に沿ったパーソナルな対応ができるよう、従業員の育成に注力しております。当社グループ独自の人財育成プログラムである「プリモカレッジ」では、入社後10年以上にわたって継続的な指導を行い、「マインド(心・気持ち)」「ナレッジ(知識)」「スキル(技術)」の3つの柱に沿って能力の向上を図ることで、従業員が質の高い接客サービスを等しく提供し、効率的な店舗運営を行うことができるよう努めております。また、当社グループのビジネスモデルにおいては、接客経験が豊富でお客様の対応に長けた従業員が果たす役割が大きいため、従業員の9割以上を占める女性が長期的に活躍できる社内環境を整備し、勤続年数の伸長を目指しております。

■セレクトオーダースタイル

 「I-PRIMO」と「LAZARE DIAMOND」においては、お客様のご要望を丁寧にお伺いした上で、様々なリングデザインの中から適切なご提案を行い、ダイヤモンドのグレードや刻印の有無等のご希望を反映させる「セレクトオーダー」形式でブライダルジュエリーを販売しております。お客様のご希望を反映した「世界にひとつのリング」として、ご注文いただいてから生産・加工を始めるため、完成品在庫を極力持たないビジネスモデルとして事業を展開しており、在庫回転率の維持・向上を図っております。リング本体の製造に関しては外注生産する一方、一部のリング加工やアフターメンテナンスを内製化することで、高い品質を保ちながら、多品種を効率的に取り扱う体制を構築しております。また、ダイヤモンドに関しては、複数の仕入れ先から安定的に調達するルートを確立しております。

 海外事業においては、2007年の台湾進出を皮切りに順調に業績を拡大しております。お客様一人一人のご要望をお伺いする高い接客力が必要とされる「セレクトオーダー」形式のビジネスモデルでは、事業の根幹を担う人財育成に多くの時間と先行投資が必要とされますが、2007年当初より海外の店舗網の拡大と人財育成を行い、海外市場において着実に収益を上げていることは、当社グループの成長戦略において最も強力な差異化要因であります。商品の品質や日本流のきめ細やかな接客サービスを強みとし、中国本土・東南アジアを中心に着実に出店を進め、これまでに育成した人財を各事業所間でグローバルに登用する取り組みを通じて、各事業所の収益力、ひいてはグループ全体の経営力を高めております。


(3) 「I-PRIMO」の特徴

 代表するオリジナルブランドである「I-PRIMO」は、お客様一人一人が理想の指輪に出会うためのセレクトオーダーシステムを採用し、品質にもこだわっております。さらに、生涯メンテナンスサービスを提供し、安心してご購入いただけるサービスや、全国47都道府県・72店舗展開でブライダルジュエリーを提供*しており、お気軽に来店していただける体制も備えております。

*2025年4月末現在、「I-PRIMO」店舗は島根県に出店していないため、委託販売方式で展開しております。


■Personalize~理想の指輪に出会う~

 「I-PRIMO」は、独自のメソッドである 「パーソナルハンド診断®」*により、お客様の大切なブライダルリング選びをサポートしております。また、200種類以上のデザインからお好きなデザインを選んでいただき、リングの素材やダイヤモンド、刻印等をセレクトできるシステム(セレクトオーダーシステム)を採用しております。

*「パーソナルハンド診断®」は、当社グループのご成約実績データに基づいた「I-PRIMO」独自のメソッドです。


■Quality~品質へのこだわり~

 「I-PRIMO」は、ダイヤモンドの品質に厳しい基準を設けており、エンゲージリングのセンターダイヤモンドだけでなく、直径1mm以下のメレダイヤモンドまで、徹底して品質にこだわっております。ダイヤモンドだけでなく、日常使いしやすいように、品質工学の専門家とリングを共同開発し、着け心地や、強度にもこだわっております。


【業績等】

決算期 種別 売上収益 営業利益 税引き前利益 純利益

2025/08 連結中間実績 13,404 1,585 1,348 1,048

2025/08 連結会社予想 26,766 2,720 2,295 1,649

2024/08 連結実績 24,900 2,246 1,714 1,150

2023/08 連結実績 23,471 1,360 838 878


決算期 種別 EPS BPS 配当

2025/08 連結会社予想 188.52 2,004.42 95.00


上場時発行済株数 8,747,143株(別に潜在株式865,051株)

公開株数 7,436,800株(売り出し6,466,800株、オーバーアロットメント970,000株)


売出しを行う地域

欧州及びアジアを中心とする海外市場(ただし、米国及びカナダを除く。)


PER:12.3

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:172億

公募時時価:203億

​   

 【株主構成】 

プリモ・インテグラル2投組 投資業(ファンド) 7,235,348 75.27%  180日 売出5,581,500

Innovation Alpha Primo L.P. 投資業(ファンド) 1,147,565 11.94% 180日

沢野直樹 代表取締役社長など 262,413 2.73% 180日

プリモ・インテグラル1投組 投資業(ファンド) 259,265 2.70% 180日 売出885,300

藤江秀一 取締役など 104,965 1.09%

田辺健一 子会社の役員など 52,482 0.55%

沖康輔 子会社の役員など 43,735 0.45%

匿名 子会社の執行役員および従業員 34,988 0.36%

谷本有輝典 子会社の役員など 34,988 0.36%

宮田智崇 子会社の役員など 34,988 0.36%

津田照朝 子会社の役員など 34,988 0.36%

佐田大輔 子会社の役員など 34,988 0.36%

 引受人の買取引受による売出しに関し、貸株人かつ売出人であるプリモ・インテグラル2投資事業有限責任組合及びInnovation Alpha Primo L.P.並びに当社株主である澤野直樹、プリモ・インテグラル1投資事業有限責任組合及び藤江秀一は、共同主幹事会社に対して、引受人の買取引受による売出しにかかる元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の2025年12月20日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中は、共同主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わないことに合意しております。


【代表者】

代表者名 沢野 直樹(上場時53歳8カ月)/1971年生

本店所在地 東京都中央区銀座

設立年 2020年

従業員数 3人 (2025/04/30現在)(平均47歳、年収721.5万円)、連結1032人

事業内容 ブライダルジュエリーの企画・販売

URL https://www.primoghd.co.jp/

株主数 5人 (目論見書より)

資本金 100,000,000円 (2025/05/21現在)

代表者生年月日 1971年10月09日生まれ

代表者略歴

1995年11月 ㈱ダイヤモンドシライシ(現 ㈱ NEW ART HOLDINGS) 入社

1998年06月 同社 取締役営業本部 ゼネラルマネージャー

2000年10月 ㈲エストラスト開発 設立 代表取締役社長

2002年09月 プリモ・ジャパン㈱ 監査役、12月:同社 取締役 兼 ブランドインテグレーション事業本部長

2004年06月 同社 代表取締役社長

2007年05月 Primo Diamond Taiwan Inc. 董事

2011年09月 Primo Diamond Hong Kong Ltd. 董事(現任)

2014年07月 Primo Diamond Taiwan Inc. 董事長(現任)


【幹事団】

主幹事証券 みずほ - -

主幹事証券 SMBC日興 - -

引受証券 SBI - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 マネックス - -

引受証券 松井 - -

引受証券 岡三 - -

引受証券 東海東京 - -

引受証券 岩井コスモ - -

引受証券 水戸 - -

引受証券 極東 - -

引受証券 あかつき - -

引受証券 丸三 - -


【参考類似企業】今期予想PER(5/26)

259A ケイ・ウノ 216.0倍 (単独予想)

2736 フェスタリアHD 14.4倍 (連結予想)

3174 ハピネス&D - (連結予想)

7638 NEWART 11.0倍 (連結予想)

7937 ツツミ 23.4倍 (単独予想)

8008 4℃HD 23.5倍 (連結予想)

9878 セキド 362.8倍 (単独予想)

9904 ベリテ 18.8倍 (単独予想)


【私見】

 ブライダルジュエリーの販売ということで、業種妙味はなく、ファンドの売出し案件なので初値人気が出る可能性は低そうな案件です。アジアへの展開は積極的で、業績は良くPERからは割高感がないことは評価できます。また、配当利回りは4.4%と高いことから下値不安はなさそうです。スタンダーで、ファンドの売出し規模が大きいことからも初値は厳しいスタートが予想されますが、業績と高配当から、売られすぎれば中期で上がる場面がかるかもしれません。


想定価額:2235円

仮条件上限:2150円

初値予想:2150円

ブック申し込み度・・・中立

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3

0 件のコメント:

コメントを投稿