2018年10月3日水曜日

IPO分析(ギフト)

【事業内容】
 「横浜家系ラーメンを世界への贈り物に!」を事業コンセプトとして横浜家系ラーメンを主体とした直営店の運営(直営店事業部門)、ならびにプロデュース店への食材提供や運営ノウハウ供与等(プロデュース事業部門)を展開しております。
 横浜家系ラーメンは、昭和49年(1974年)以降に登場した神奈川県横浜市発祥の豚骨醤油ベースの中太麺を特徴とするラーメンであります。生ガラ(豚骨、鶏骨等)から取ったダシに醤油のタレを混ぜた豚骨醤油ベースのスープ、中太麺と、ほうれん草・チャーシュー・海苔のトッピングを基本とし、味の濃さ、スープの脂の量、麺のゆで加減の調整、トッピングの追加などによるアレンジが可能であること等を特徴としております。当社グループは麺、タレ、スープを、すべて自社で開発し、自社または委託先で製造していることから、直営店、プロデュース店のどの店舗においても一定の味と安定した品質にて提供し続けることを可能としております。なお、タレ、スープともに供給力に優れた食品メーカーに製造委託をしており、安定供給体制が敷かれております。
 当社グループは、横浜家系ラーメン以外にも九州釜焚きとんこつラーメン等、他のラーメン業態も展開しておりますが、現在は主力業態である横浜家系ラーメンの出店に軸足を置いております。出店余地を国内、海外の戦略出店地域の中から速やかに見出し、直営店またはプロデュース店を如何に効率的に出店し続けるかが当社グループの経営上の重要課題であると認識しております。それゆえ、出店戦略は、出店候補地の立地特性、出店投資額、当社グループの直営店、プロデュース店の出店状況等を総合勘案し、グループとして一元的な意思決定を行っております。出店候補地については、駅に近いエリア(駅近エリア)と郊外エリア(ロードサイドエリア)に大別し、競合店状況、乗降客数、商圏人口、交通量他、それぞれの立地特性を判断するパラメータの分析結果をもとにして慎重に検討しております。
 また、当社グループは、グループ内製造の拠点として四之宮商店のブランドで展開する製麺工場を有しており、品質、味、コストのあらゆる面でラーメン提供にとって極めて重要な要素と考える麺を当該工場で製造することで、直営店、プロデュース店のいずれに対しても安定供給体制を敷くことが可能となっております。加えて、店舗ごとに個別で仕入を行うのではなく、全店舗で一括仕入を行うことで個別での仕入に比べ、低コスト化を実現しております。
 更に、麺以外の重要構成要素であるタレ、スープに関しても自社開発したプライベートブランド商品(以下「PB商品」という。)の製造を委託し、麺同様に安定供給体制を維持しております。このようにラーメン分野において、マーケティング(出店)から製造までの重要な機能を戦略的にワンストップで兼ね揃えることで、現在のビジネスモデルを構築しております。
 今まで培った家系ラーメン店舗運営ノウハウにより直営店事業部門とプロデュース事業部門が共に事業拡大していく好循環が形成されていると考えております。

(1) 事業内容について
① 直営店事業部門について
 直営店事業部門は国内直営店事業部門と海外直営店事業部門で構成されております。
国内直営店事業部門では、自社開発した麺、タレ、スープを自社または委託先にて製造し、横浜家系ラーメン店として展開しております。駅近エリアでは原則、店名を「地域名+商店」として地域密着型の店舗展開をしており、一方、ロードサイドエリアでは「町田商店」ブランドで一定品質のチェーン展開をしております。
 横浜家系ラーメンは生ガラ(豚骨、鶏骨等)を入れてスープを焚き続けること、そのスープをお客様に提供し続けること、そして、スープの量と味を保ち続けることの全てを並立する技術を要しますが、当社グループでは品質管理の行き届いたOEM先に生産を委託することにより、スープづくりのための人的、時間的制約を受けることなくラーメン専門店の安定した味を展開できております。
 当社グループでは、OEM供給を受ける当該スープをPB商品とし、直営店のみならず、プロデュース店への供給を行っており、ロットでの生産委託によりコスト軽減を図るとともに、実際に各店舗で生ガラ(豚骨、鶏骨等)から焚きだす方法と比して以下のようなメリットを享受しております。
 なお、国内直営店の坪当たり月商は概ね350千円を超えております。
また、直営店のほかに経営リスクを委託先が負う業務委託店形式による店舗も有しております。
一方、海外直営店事業部門では、「横浜家系ラーメンを世界への贈り物に!」という事業コンセプトに則り、国内直営店事業部門で培ったノウハウを活かし、出店国の飲食事情、味覚を考慮して横浜家系ラーメンを海外で提供しております。
現在、ニューヨーク、ロサンゼルスへの出店を果たしております。今後も当面はアメリカでの店舗数の拡大を図ってまいります。
国内直営店事業部門と同様、ラーメン店運営にとって重要な麺、タレ、スープの提供において、麺は、国内自社製麺と同等の品質が保持されている製麺メーカーより供給を受け、タレは、日本と同じものを国内直営店事業部門においてOEM供給を受けている国内委託メーカーより仕入れております。スープに関しては、全店舗、店舗内でスープを焚いてラーメンを提供しております。  

② プロデュース事業部門について
 プロデュース事業部門は、新規にラーメン店の開業を予定している店舗オーナーとの間で「取引基本契約」を締結し、店舗開発、運営にかかる保証金、加盟料、経営指導料(ロイヤリティ)等を原則収受せず、それに代わって当社グループのプライベートブランドである麺、タレ、スープ、食材などを店舗オーナーが経営するプロデュース店に継続的に購入してもらうビジネスモデルを展開しております。
 店舗プロデュースの内容は、店舗立上時のプロデュース(原則無償)と、店舗立上後一定期間経過後のプロデュース(原則有償)に分かれます。
 店舗立上時のプロデュースは、当社グループが有するラーメン店の店舗運営ノウハウ(店舗設計、店舗内サービス、メニュー、仕入ルート他)をプロデュース店立上げ支援のために無償提供するものです。店舗立上後一定期間経過後のプロデュースは、プロデュース店オーナーからの各種要請に基づき、店舗運営ノウハウに基づくコンサルティングサービスを提供するものです。

店舗数の増減は、
H28.10  355 
H29.10  387 
H30.7   408 

【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 
(連結実績)2016.10 4,535 456 433 104 
(連結実績)2017.10 5,612 627 637 218 
(連結予想)2018.10 6,929 703 707 434 
(連結3Q累計実績)2018.10 5,080 612 618 466 

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当 
(連結予想 )2018.10 106.33 481.27 18  
調達資金使途 直営店舗の新規出店 

上場時発行済み株数 4,659,000株 (別に潜在株式180,400株) 
公開株数 1,182,200株(公募600,000株、売り出し428,000株、オーバーアロットメント154,200株) 
シンジケート 公開株数1,028,000株(別に154,200株)

PER:19.7
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:24.7億
公募時時価:97億
    

【株主構成】 
(株)グローウィング 役員らが議決権の過半数を所有する会社 2,200,000 51.89 
田川 翔 代表取締役社長 1,204,000 28.40 
笹島 竜也 取締役副社長 492,000 11.61 
末広 紀彦 取締役 44,000 1.04 
(株)力の源ホールディングス 特別利害関係者など 42,000 0.99 
藤井 誠二 専務取締役 24,000 0.57 
宮下 清幸 従業員 16,000 0.38 
従業員持ち株会 特別利害関係者など 14,000 0.33 
榎 正規 取締役 14,000 0.33 
網野 功介 従業員 12,000 0.28 
(株)ガーデン 特別利害関係者など 12,000 0.28 
田川 敏 代表取締役社長の血族 12,000 0.28 
半田 晃大 従業員 12,000 0.28 

 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である田川翔並びに当社株主である株式会社グローウィング、笹島竜也、末廣紀彦、榎正規及び藤井誠二は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場 (売買開始) 日 (当日を含む) 後90日目の平成31年1月16日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)を行わない旨合意しております。
 また、当社株主である株式会社力の源ホールディングスは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場 (売買開始) 日 (当日を含む) 後180日目の平成31年4月16日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等を行わない旨合意しております。
 加えて、当社は主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場 (売買開始) 日 (当日を含む) 後180日目の平成31年4月16日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の発行、当社普通株式に転換もしくは交換される有価証券の発行又は当社普通株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行等 (ただし、本募集、株式分割、ストックオプションとしての新株予約権の発行及びオーバーアロットメントによる売出しに関連し、平成30年9月13日開催の当社取締役会において決議された主幹事会社を割当先とする第三者割当増資等を除く。) を行わない旨合意しております。
 上記のほか、当社は、取引所の定める「有価証券上場規程施行規則」の規定に基づき、上場前の第三者割当等による募集株式等の割当等に関し、当社株式の割当を受けた者 (株式会社ガーデン、株式会社AZism、株式会社ダイニングイノベーション、株式会社トイダック、株式会社NO's、末廣紀彦、榎正規、株式会社エススタイル、株式会社スプラウト、株式会社スマイルキューブ、有限会社エムズファクトリー、ラインエイジ株式会社及び田中明雄) 及び当社新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っております。


【代表者】
代表者生年月日
1982年11月08日生まれ 

代表者略歴
2001年11月 (有)ヒロキ・アドバンス入社 
2005年07月 同社本店店長 
2008年01月 町田商店創業 
2009年12月 (株)町田商店(現当社)設立 代表取締役社長(現任) 
2010年01月 (株)ファイナル・スリー・フィート設立 代表取締役社長 
2015年03月 (株)四天王代表取締役 
2017年05月 当社開発本部長 


【幹事団】
主幹事証券 野村 - - 
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - - 
引受証券 SMBC日興 - - 
引受証券 みずほ - - 
引受証券 いちよし - - 
引受証券 SBI - - 
引受証券 エース - - 
引受証券 岩井コスモ - - 

【私見】
 ここ数年は飲食の上場は初値・セカンダリー共に好調なことから同業種の力の源HD同様に好結果が期待されます。業績も良くPERからは、力の源HDのPER40、時価総額250億をやや下回るラインの時価総額200億が目標値。吸収金額もやや多めなことから初値高騰とまではいかないかもしれませんが、セカンダリーを含めて注目したい銘柄です。ただし、やや飽きられそうなので高い初値や長期では期待しない方が良いかもしれません。

想定価額:1900円
仮条件上限:2090円
初値予想:3500円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立~やや強気
総合評価3.5


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