2019年10月10日木曜日

IPO分析(BASE)

【事業内容】
(1) BASE事業
「BASE」は、ネットショップ作成サービス及び当該サービスによって開設されたショップの商品が購入できるショッピングアプリ等を提供するEコマースプラットフォームであり、ものづくりを行う個人にとどまらず、ビジネスを展開する法人、地方自治体をはじめとする行政機関にもご利用頂いているサービスです。
 「BASE」は、「お母さんも使える」をコンセプトに、専門的なWebサイト構築やWebデザインの技術を使わずに、当社が提供するデザインテンプレートを選択するだけで、誰でも簡単にデザイン性の高いネットショップを作成することが出来ます。また、Eコマース運営の課題となっていた決済機能の導入に係る時間を短縮する仕組みとして、当社独自の決済システム「BASEかんたん決済」を提供し、ネットショップの開設から決済機能の導入までをワンストップで提供することで、これまでネットショップの作成時間、運営費用、Web技術など様々な理由で、ネットショップを始めることが困難だった方でも、手軽にネットショップの開設・運営を始めることができる仕組みを構築しております。

<BASE事業のビジネスの流れ>
① ネットショップを作成しようとする個人・事業者は、「BASE」を使用してネットショップを作成します。
② 購入者(BASEショップで商品を購入する者)は、顧客(ショップ)が出品する商品の購入決済を行います。決済が行われると、業務提携先の決済代行会社を経由して決済情報が「BASE」に送信されます。ショップは「BASE」を通じて「購入情報」を受領します。
③ 決済代行会社は、購入者から代金を回収し、決済手数料控除後、回収した代金を当社へ支払います。
④ 当社は、決済手数料及びサービス利用料控除後の代金をショップへ支払います。

(2) PAY事業
① 「PAY.JP」サービス
「PAY.JP」は、Webサービスやネットショップ(「BASE」により作成されたネットショップを除く)にクレジットカード決済を簡単に導入できるオンライン決済サービスです。
 「支払いのすべてをシンプルに」というコンセプトのもと、個人・法人を問わずあらゆる開発者が導入しやすいシステム設計としており、「申請に時間がかかる」、「高い」、「使いにくい」という従来の複雑なオンライン決済サービスの問題を解決し、導入を圧倒的に簡単にすることで、インターネット上の「モノの売り買い」の可能性を拡げ、人々のインターネットを通じた経済活動がこれまで以上に活発になるよう支援しております。

 <「PAY.JP」サービスのビジネスの流れ>
① 顧客(加盟店)がオンライン決済システムとして「PAY.JP」を導入します。
② 「PAY.JP」が導入されているECサイトで商品を購入する者が、クレジットカードを使用して決済を行います。決済が行われると、業務提携先の決済代行会社を経由して決済情報が「PAY.JP」に送信されます。加盟店は「PAY.JP」を通じて「購入情報」を受領します。
③ 決済代行会社は、購入者から代金を回収し、決済手数料控除後、回収した代金をPAY株式会社へ支払います。
④ PAY株式会社は、決済手数料控除後の代金を加盟店へ支払います。

② 「PAY ID」サービス
「PAY ID」は、購入者向けのID決済サービスです。あらかじめ購入者が購入者情報を「PAY ID」に登録することで、それ以降は、都度クレジットカード番号や住所を入力する必要がなく、IDとパスワードでログインするだけでスムーズに決済を行うことができます。また、「PAY ID」のアプリを利用することで、QRコード読み取りによるオフライン決済を行うことができます。2019年8月末現在、250万以上のアカウントが登録されております。

(3) その他事業
当社連結子会社であるBASE BANK株式会社において、「BASE」を利用するショップオーナーから将来発生する債権を買い取ることにより事業資金を提供する、資金調達サービス「YELL BANK」等のサービスを展開しております。
「YELL BANK」は、「BASE」のショップデータを活用することで、BASEショップの将来の売上を予測し、当該予測に基づき将来債権を買い取ることによりショップオーナーに事業資金を提供する資金調達サービスであり、BASEショップのさらなる成長をサポートいたします。


【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 
(単独実績)2017.12 1,147 -1,260 -1,261 -1,268 
(連結実績)2018.12 2,352 -791 -798 -854 
(連結予想)2019.12 3,670 -540 -559 -560 
(連結中間実績)2019.12 1,687 -135 -135 -136 

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当 
(連結予想)2019.12 -47.69 93.80 0 
調達資金使途 人件費および採用費、広告宣伝、本社オフィス増床にかかる賃料 

上場時発行済み株数 19,227,000株 (別に潜在株式1,828,000株) 
公開株数 9,213,500株(公募405,000株、売り出し7,606,800株、オーバーアロットメント1,201,700株) 

PER:
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:120億
公募時時価:255億
    

【株主構成】 
鶴岡裕太 代表取締役CEO、子会社の代表取締役 4,364,000 21.13 
グローバル・ブレイン6号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 1,923,200 9.31 
(株)サイバーエージェント 特別利害関係者など 1,804,000 8.74 
SBI Ventures Two(株) ベンチャーキャピタル(ファンド) 1,661,200 8.04 
グローバル・ブレイン5号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 1,592,000 7.71 
(株)丸井グループ 特別利害関係者など 1,261,200 6.11 
(株)メルカリ 特別利害関係者など 1,242,400 6.02 
Fin Techビジネスイノベーション投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 1,240,000 6.00 
イーストベンチャーズ投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 1,139,600 5.52 
(株)partyfactory ベンチャーキャピタル(ファンド) 1,050,000 5.08 

 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である鶴岡裕太、並びに売出人である藤川真一は、共同主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後180日目(2020年4月21日)までの期間、共同主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びグリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を共同主幹事会社が取得すること等を除く。)を行わない旨を合意しております。
 また、売出人かつ当社株主であるSBI Ventures Two株式会社、グローバル・ブレイン5号投資事業有限責任組合、Fin Techビジネスイノベーション投資事業有限責任組合、イーストベンチャーズ投資事業有限責任組合、サンエイト2号投資事業有限責任組合、株式会社partyfactory、早豪史、SMBCベンチャーキャピタル3号投資事業有限責任組合、SBIベンチャー企業成長支援3号投資事業有限責任組合、SBIベンチャー投資促進税制投資事業有限責任組合、SBIベンチャー企業成長支援4号投資事業有限責任組合、SBIベンチャー企業成長支援2号投資事業有限責任組合、田村淳、SBIベンチャー企業成長支援投資事業有限責任組合及び佐藤詳悟、並びに当社の株主である株式会社メルカリ、合同会社MCCベンチャーキャピタル、有限会社セコイア、合同会社ユープランニング、神谷アントニオ、勝方正英、株式会社御室工房、エッジ・ラボ株式会社、石村俊一及び松浦崇久は、共同主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後90日目(2020年1月22日)までの期間、共同主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を共同主幹事会社が取得すること及び売却価格が本募集等における発行価格又は売出価格の1.5倍以上であって、共同主幹事会社を通して行う売却等を除く。)を行わない旨を合意しております。
 さらに、当社の新株予約権を保有する鶴岡裕太、藤川真一、原田健、山村兼司、イーストベンチャーズ投資事業有限責任組合、高野兼一、神宮司誠仁、岸本康希、松坂謙一郎、早川宗亮、島田佳祐、大窪聡、結城友紀子、内山香苗、袴田浩友、遠藤豪、小山内頌子、日下部理沙、鈴木海航、加賀谷祐平、松島卓郎及びその他58名は、共同主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後180日目(2020年4月21日)までの期間、共同主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した当社普通株式の売却等を行わない旨を合意しております。


【代表者】
代表者生年月日
1989年12月28日生まれ

代表者略歴
2012年12月 当社設立 代表取締役就任(現任)
2018年01月 pAY(株) 取締役就任
2018年01月 ASE BANK(株) 代表取締役就任(現任)


【幹事団】
主幹事証券 大和 - - 
主幹事証券 SBI - - 
引受証券 みずほ - - 
引受証券 野村 - - 
引受証券 SMBC日興 - - 
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - - 
引受証券 いちよし - - 
引受証券 極東 - - 


【参考類似企業】 今期予想PER 10/1 
3134  Hamee 22.6倍(連結予想 ) 
3371  ソフトクリエHD 18.1倍(連結予想 ) 
3633  GMOペパ 19.7倍(連結予想 ) 
3769  GMOPG 104.9倍(連結見込 ) 
3985  テモナ 26.9倍(単独見込 ) 
4304  Eストアー 14.4倍(連結予想 ) 


【私見】
 業種としてはオンライン決済など時流にのり、CMなど話題性もあり非常に面白いです。しかし、業績は赤字で、規模感は大きめで、ロックがかかっていないVCの多さは一番の難点です。メルカリからsan sanあたりまでは赤字でも期待感から買われましたが、ウイワークの上場延期からか一気に流れは変わり、チャートワークなどを見ても状況は一変しています。仮条件も下がり、規模的には非常に大きいというほどでもないので大幅には下がらないと思いますが、需給の悪さから初値段階は静かなスタートが予想され、公募割れの可能性が高いでしょう。


想定価額:1630円
仮条件上限:1300円
初値予想:1200円
ブック申し込み度・・・弱気
セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3

0 件のコメント:

コメントを投稿