2019年10月14日月曜日

IPO分析(恵和)

【事業内容】
(1) 光学シート事業
 光学シート事業は、当社のCoating技術、Sheeting技術を活用し、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、車載ディスプレイ等の液晶ディスプレイに利用される光拡散フィルム、偏光制御フィルム等の光学シート部材の開発・製造・販売を行っております。
 主要製品となる光拡散フィルム「オパルス」は、液晶ディスプレイの光源であるバックライトユニット構成部材の1つであり、光のムラをなくし、光を均一に拡散させる機能を有するプラスチックフィルムであります。また、少ない光源で全体を明るくするため省電力の役割も担っています。
 それ以外にも、当社グループのSheeting技術を活用して、様々な特性を有する樹脂を複合的に組み合わせた高機能光学フィルムを製造しております。ニーズに応じた機能(高硬度、耐擦傷性、光学性能、耐熱性、防汚性、反射防止等)を付加する事が可能です。
 光拡散フィルムと比べて、より高精度化、高機能化が要求される各種センサー用途、次世代自動車の車載ディスプレイ等の分野での活用が期待されております。
(2) 機能製品事業
 機能製品事業は、当社創業時より長年培ってきた事業であり、安定的に収益を生み出す当社グループの根幹の1つを担う事業であります。当事業では、紙、フィルム等にコーティングやラミネーティング加工をする他、自社でシート成形したフィルムを貼り合せる等により、特定の機能(防湿性・耐熱性・耐久性・対候性・剝離性等)を付加した包装資材、産業資材の製造・販売を行っております。
 包装資材は、印刷用紙等の紙製品を湿気から保護する防湿紙、冷延鋼鈑等の金属製品を湿気から保護し、さらに錆の発生を防ぐ機能を持った防錆紙等、各産業の製造工程で必要不可欠な包装材料であります。
 産業資材は、工程紙とカスタム品で構成され、工程紙は合成皮革、ウレタンフォーム・ウレタンフィルム、炭素繊維等の製品を製造する過程において、製品の支持体になると同時に、表面に形状(凹凸模様等の型押し)を与える機能を持った産業資材であり、その用途(最終商品)は多岐に渡ります。また、カスタム品は、顧客の機能に合わせてカスタマイズする様々な製品の総称であり、当社では主に建築資材の製造・販売を行っております。
 上記のほか、野菜・果実のハウス栽培時に入光を確保し、害虫や汚染水等から作物を守る農業資材、太陽光発電において太陽電池内部を空気中の水分や紫外線等の外部環境から保護し、長期間に渡り劣化を防止するバックシート等の製造・販売を行っております。

【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益
(連結実績)2017.12 14,558 108 72 226
(連結実績)2018.12 15,758 753 741 451
(連結予想)2019.12 15,209 910 849 579
(連結中間実績)2019.12 7,415 523 518 375

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当
(連結予想)2019.12 93.79 642.52 9.21

調達資金使途 和歌山テクノセンターの設備投資、借入金の返済
上場時発行済み株数 7,420,000株 (別に潜在株式305,000株)
公開株数 2,280,400株(公募1,500,000株、売り出し483,000株、オーバーアロットメント297,400株)
PER:8.2
PBR:1.19
配当利回り:2.7%
公募時吸い上げ資金:17.5億
公募時時価:57億
    
【株主構成】 以下180
長村恵一 代表取締役社長 4,404,200 70.75
長村みどり 代表取締役社長の血族 283,000 4.55
江田徐紅 常務取締役 161,000 2.59
石田憲次 専務取締役 143,300 2.30
足利正夫 常務取締役 132,000 2.12
従業員持ち株会 特別利害関係者など 130,000 2.09
久保武 特別利害関係者など 103,000 1.65
中島由起 特別利害関係者など 100,000 1.61
東亜合成(株) 取引先 70,000 1.12
野口順次郎 常務取締役 65,000 1.04

 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人である長村惠弌及び長村みどり並びに当社の株主である江田徐紅、石田憲次、足利正夫、恵和従業員持株会、久保武、中島由起、野口順次郎、上地聡、小林俶朗、渡辺伸一郎、川島康司、川島直子、荒川明、原田賢一、北川武秀、西橋次郎、五十嵐丈起、辻孝弘、大北信弘、岡部元彦、北村正広及び石田一樹は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後180日目(2020年4月26日)までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等を行わない旨を合意しております。
 また、当社の株主である東亞合成株式会社及び大日本商事株式会社は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後90日目(2020年1月27日)までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること及び売却価格が本募集等における発行価格又は売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う株式会社東京証券取引所取引での売却等を除く。)を行わない旨を合意しております。
 さらに、当社の新株予約権を保有する江田徐紅、足利正夫、野口順次郎、上地聡、川島直子、加藤秀樹、清水邦夫及び水谷武久は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後180日目(2020年4月26日)までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した当社普通株式の売却等を行わない旨を合意しております。

【代表者】
代表者生年月日
1947年11月18日生まれ
代表者略歴
1970年04月 恵和商工(株)(現 当社)入社
1974年03月 当社取締役
1977年03月 当社常務取締役
1982年03月 当社専務取締役
1986年03月 当社代表取締役副社長
1991年03月 当社代表取締役社長(現任)

【幹事団】
主幹事証券 大和 1,884,000 95.01
引受証券 いちよし 39,600 2.00
引受証券 SBI 19,800 1.00
引受証券 東海東京 19,800 1.00
引受証券 エース 19,800 1.00

【参考類似企業】今期予想PER 10/2
4221  大倉工 8.0倍(連結予想 ) 
4239  ポラテクノ 37.4倍(連結予想 )
4366  ダイトーケミ 9.4倍(連結予想 )
4980  デクセリアルス 20.3倍(連結予想 )
6988  日東電 13.4倍(連結予想 )
7908  KIMOTO -倍(連結予想 )
7917  藤森工 10.3倍(連結予想 )

【私見】
 業種的には悪くないのですが、スマホなど世界景気の影響を受け、現状はややあまり評価はできません。業績も落ち着き気味で、今後の成長性は感じず、低PERではあるものの何か材料がないと厳しいと思います。需給に関しては2部市場で大きくはなく、ロックもかかっており。サイズ感としてはレオクランと同程度ですが、成長性を感上げると、レオクランのような展開にはならないと予想します。

想定価額:770円
仮条件上限:770円
初値予想:850円
ブック申し込み度・・・中立
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3

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