2019年10月11日金曜日

IPO分析(ジェイック)

【事業内容】
(教育融合型人材紹介サービス「カレッジ事業」)
(1)事業の概要
 主に従業員数300名未満の中堅中小企業に対して「就職ポテンシャル層」に教育の機会を提供したうえで紹介をするという教育融合型人材紹介サービスを対象者別に展開しております。「就職ポテンシャル層」とは、フリーターや第二新卒、大学中退者や就活に苦戦したり出遅れたり、地方故に就職活動に制約があったりする大学4年生、留年生、留学生など、各々の事情によって採用市場において不利な立場に置かれているものの、就職活動という人生の中でも大きなライフイベントを経て成長を遂げたり、自分に合った企業や仕事に出会うことで意欲や才能に目覚めたりする可能性がある人材層と当社グループが定義したものであります。
 現在、主に20代の就職に苦戦するフリーター、第二新卒層を対象とした「就職カレッジ®」、その中でも女性だけを対象とした「女子カレッジ®」、大学中退者を対象とした「セカンドカレッジ®」、新卒の就職活動において続々と内定が出る時期(現在で言えば6月)を超えてもなおなかなか内定が出ずに苦戦していたり、部活動や単位取得等で就職活動に出遅れたりしている大学4年生を支援する「新卒カレッジ®」を教育融合型人材紹介サービスとして行っております。また、採用される求職者の上司となる若手リーダーや次期リーダー層を対象に、1年間にわたるリーダー育成カリキュラムを提供する「リーダーカレッジ」を行っております。
 また、当社グループの教育融合型人材紹介サービス「カレッジ事業」の価値の中核をなす教育ノウハウに磨きをかけるべく、従業員数300名未満の中堅中小企業をターゲットにクライアント企業の人材育成のために、幅広くきめ細かい教育研修サービスを提供しております。全世界で3,000万部のベストセラーとなったビジネス書「7つの習慣®」や、目標達成するスキルと人格を育てる「原田メソッド」など、普遍性が高く、スキルだけではなくそのベースとなる考え方に働きかける研修コンテンツを中堅中小企業の現場で実践できるようカスタマイズして提供し、自ら考え、自ら行動するクライアントの社員育成に貢献しております。
(2)事業の特徴
①「就職ポテンシャル層」への特化
 少子高齢化が進み、生産年齢人口が減少することが確実な日本において、まだ活かされていない潜在的な労働力を社会に供給することは雇用を増やすことであり、とても価値があることだと当社グループでは捉えております。いわゆるキャリアを持った求職者の転職支援ではなく、前述したフリーターや大学中退者、二極化が進む就職活動において苦戦する大学4年生などの「就職ポテンシャル層」の就職支援に特化している人材紹介会社は非常に少なく、独自性と社会性があると考えております。
②就職後を見据えた無料就職支援講座の提供
 企業向けの教育研修サービスで培ったノウハウを活かし、無料就職支援講座をクライアントにご紹介する前に求職者の方々に無料で提供しております。この無料就職支援講座では、就職を勝ち取るための自己分析や面接対策といった内容はもちろん、社会人として働く心構えやビジネスマナー、コミュニケーションについて学ぶことができます。この無料就職支援講座と人材紹介を組み合わせた教育融合型人材紹介サービスというビジネスモデルが業界内でも独自性が高いものと考えております。
③クライアントと求職者が確実に会える機会の提供
 無料の就職支援講座を受けた求職者とクライアントをマッチングさせる機会として、「集団面接会」という求職者とクライアントが総当たりで面接をする場を提供しています。人材紹介会社は、求職者に1社1社ご紹介してマッチングさせることが標準であるため、特徴的な仕組みになっています。売手市場で求人媒体に求人広告を出しても、人材紹介会社に紹介を依頼してもなかなか面接に人が来てくれないという悩みを抱えるクライアントにとっては、求職者に確実に会うことができ、自社のアピールをできることがメリットになっています。求職者にとっても、一度に多くの企業と面接をすることで自分との相性を効率的に見極めたり、興味がなかった業界や職種に目を向けて視野を広げる機会になるものと考えております。
④求職者の入社後の定着・活躍支援
 本質的に考えれば、就職する求職者にとっても、採用するクライアントにとっても、就職はゴールではなくスタートです。しかし、人材紹介会社は「就職・採用」を役務提供として対価をいただいているが故に、入社後の支援がおざなりになりがちであることが業界の課題の1つです。当社グループは、教育研修サービスで培ってきた若手社員を育成するノウハウを活かして、入社前の不安を和らげる入社前研修に始まり、入社後1年にわたって報連相や人間関係、タイムマネジメントなど、求職者が働き始めてからぶつかりやすい壁を突破するための研修プログラムを提供することで、求職者の定着と活躍を支援しております。こちらも業界内で特徴的な取り組みとなっております。
(3)当社サービスについて
 求職者が抱える不安や課題意識は一人ひとり異なりますので、窓口はサービスの説明会だけでなく、自己分析の仕方やブラック企業に入らないためにといった求職者の不安や課題意識に応じたお役立ちセミナー、1対1のキャリアカウンセリングとバリエーションを広く持っております。キャリアカウンセリングも自己分析への関心が強い方に対しては、事前に当社グループが提供しております適性診断を受験いただき、その結果を基にしたフィードバックやカウンセリングを行っております。
 その後、求職者には社会人として必要な考え方とビジネスマナー、面接力を上げるための終日5日間の無料就職支援講座を提供しております。当社グループが教育研修事業で培ってきたノウハウを活用し、世界的に有名な「7つの習慣®」や目標達成する人格とスキルを磨く「原田メソッド」など、単純なビジネスマナー研修や就職対策講座ではなく、この少子高齢化が進んで個人と組織の労働生産性を高めていくことが求められる社会の中で、求職者が主体性を発揮し、周囲の方々と信頼関係を構築して成果を出していくために必要な土台を作れるような内容になっております。これは企業側にもメリットがあり、時間やコストの面でなかなかトレーニングができない中堅中小企業において、その手間と時間、コストを省くという点がメリットになっております

【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益
(連結実績)2018.1 2,473 165 155 84
(連結実績)2019.1 2,702 231 221 173
(連結予想)2020.1 3,113 328 320 212
(連結中間実績)2020.1 1,622 245 241 159

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当
(連結予想)2020.1 270.02 1,054.34 73.67
調達資金使途 人材採用費や人件費、販売促進費、支店開設費用など
上場時発行済み株数 905,500株 (別に潜在株式102,000株)
公開株数 164,400株(公募71,500株、売り出し71,500株、オーバーアロットメント21,400株)

PER:17.6
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:7.7億
公募時時価:43億
    
【株主構成】
(株)エンスー 役員らが議決権の過半数を所有する会社 530,000 59.15  180
佐藤剛志 代表取締役 186,000 20.76  180
(株)ティーケーピー 特別利害関係者など 30,000 3.35 90・1.5
山本太 従業員 22,500 2.51  180
近藤浩充 常務取締役 17,500 1.95 180
知見寺直樹 取締役 13,500 1.51  180
尾崎三昌 特別利害関係者など 10,000 1.12 180
ファイブアイズ・ネットワークス(株) 特別利害関係者など 10,000 1.12 180
古庄拓 取締役 7,500 0.84  180
従業員持ち株会 特別利害関係者など 6,100 0.68 180
 本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、貸株人かつ売出人である佐藤剛志、当社株主かつ当社役員である近藤浩充、知見寺直樹、古庄拓、東宮美樹、谷中拓生及び古江嘉之、当社株主である株式会社エンスー、山本太、尾崎三昌、ファイブアイズ・ネットワークス株式会社、ジェイック従業員持株会、株式会社エムシー、柳井田彰、坂本克己、大野達也、小原正樹、小茂田志郎、稲本太郎、五十嵐丈泰及び西川敬之、当社新株予約権者である遠藤修、梶田貴俊、松岡保昌、平堀剛、長瀬拓実、宮本靖之、髙橋恵、押田力、笹森聖子、佐藤裕康、山中大督、加藤雄治、稲葉暁洋、村岸玲、野村友美、吉田智哉、内野恵里、山﨑悠佑、林丈司、岡田到、梶間章弘、加藤啓太、多田出聡、外崎陽平、小久保友寛、田原満生及びその他新株予約権者58名は、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の令和2年4月25日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。
 当社株主である株式会社ティーケーピーは、主幹事会社に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して90日目の令和2年1月26日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等(ただし、その売却価格が募集における発行価格又は売出しにおける売却価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却は除く。)を行わない旨を約束しております。

【代表者】
代表者生年月日
1962年06月10日生まれ
代表者略歴
1986年04月 (株)日本エル ・シー ・ エー(現 (株)インタープライズ・コンサルティング)入社
1993年12月 (株)旺躍商事(現(株)エンスー)取締役就任
1996年04月 同社代表取締役就任(現任)
1997年04月 当社取締役就任
1997年10月 当社専務取締役就任
1998年04月 当社代表取締役専務就任
2000年01月 当社代表取締役就任(現任)
2013年02月 杰意可有限公司董事長就任(現任) 6月 上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司董事長就任(現任)

【幹事団】
主幹事証券 SMBC日興 129,000 90.21
引受証券 SBI 4,200 2.94
引受証券 大和 4,200 2.94
引受証券 東洋 2,100 1.47
引受証券 楽天 1,400 0.98
引受証券 岩井コスモ 700 0.49
引受証券 岡三 700 0.49
引受証券 北洋 700 0.49

【参考類似企業】 今期予想PER 10/1
2124  JACR 18.6倍(連結予想 )
2175  SMS 46.2倍(連結予想 )
4318  クイック 13.2倍(連結予想 )
6539  MS-Japan 24.3倍(単独予想 )
6558  クックビズ 51.0倍(単独予想 )
6575  HUMANAHD 29.2倍(連結予想 )

【私見】
 人材関連ではコアな部分なので優位性はありますが、人材関連自体は人気業種ではないので高い評価はできません。業績も伸びてはいるものの、急拡大することは考えにくく、高PERが容認される業種ではありません、品薄・高単価・ロックありと需給に関しては非常に良いので初値段階で人気化する可能性は高いでしょう。セカンダリーに関しては多少のマネーゲームはありそうですが、追いかける銘柄ではないでしょう。

想定価額:4610円
仮条件上限:4750円
初値予想:9000円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3.5

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